聖夜だから、夢の中で殺人ゲームを

    作者:海乃もずく

    ●例えばこんなクリスマス
     コンビニの容器やゴミ袋に埋もれた部屋の中。万年床で、無精ひげの男性が眠りをむさぼっている。
     胸の上には、ランプの明滅する小さな謎の機械。
     レポートも、単位も、出席日数も、帰省を促す親も、全てに背を向けて男性は眠る。
     眠りの果てに訪れる、全能を味わえるゲームに没頭する。

     最初はペアのスライムだった。
     次はペアのゴブリン。
    「人でなくても関係ねえ! カップルは滅べ、つがいは消えろ!!」
     ナイフで、男はモンスターを次々と刺殺する。
     ステージが変わる。男は近所の商店街にいた。
     仲睦まじい小学生の男女。
     初々しい中学生カップル。
     見た目こそリアルだが、刺した感触はぬいぐるみのようだ。出血も少ない。抵抗感なく殺せる。
     ……実は、少しずつ感触も生々しくなっているのだが、男は気づかない。
    「カップル滅べ! はっははは、殺し尽くしてやる、爽快だぜ! いーい気分だ!」
     ――しかし、言いながらも男の顔は悲痛に歪んでいく。
     町角でキスを交わす高校生カップル。
     目の前で抱き合う大学生カップル。
    「うっ……う……うううう」
     顔をひきつらせながら男は殺戮を続行する。
     次に現れたのは、満面の笑みを浮かべたウエディングドレスとタキシードの男女。
     ――そこで、心が折れた。
    「うっ……うおおおおん! 切ねえ……切ねえよ……!」
     男の両目からぶわっと涙があふれ、血に濡れたナイフがぽとりと落ちた。
    「殺しても殺しても、心が満たされない……ぽっかり空いた穴で、胸が、えぐれるようだ……」
     地に伏し、両手で頭を抱えて、男はむせび泣く。
     りんりんしゃんしゃんとクリスマスソングの流れる商店街、くるくる踊る幸せなカップルに囲まれて。
     
    ●泣けばいいのか笑えばいいのかわからないの
    「サイキックアブソーバーが俺を呼んでいる……時が、来たようだな!」
     神崎・ヤマト(中学生エクスブレイン・dn0002)は、集まった灼滅者に力強く告げた。
    「謎の機械を受け取り、夢の中で殺人ゲームを行うヤツが博多にまた現れた。知っているかもしれないが、この事件のバックには、シャドウの協力を得た六六六人衆がいる」
     彼らの目的は、夢を利用して人を闇堕ちさせること。
     夢を見ている人は、本人の意思で夢の中での殺人ゲームを行っている。夢の中とはいえリアルな感覚で人を殺すことで、闇墜ちしやすくするのだという。
    「一般人の闇堕ちを見過ごしはできん。一般人の悪夢の中に入り、殺人ゲームを食い止めてくれ」
     そう前置きをして、ヤマトは今回の事件の説明を始める。
     夢を見ているのは大学生の男性。
     夢の中で現れる敵は、ありとあらゆる種のつがい、夫婦、カップル。男は最初こそ勇んでリア充と戦うが、むなしさが増し、ついには新郎新婦を前に、打ちひしがれてしまう。
    「お前達は男の悪夢に入り、男が倒せなかった新郎新婦を倒して欲しい。やつらはエクソシストに似たサイキックを使う。見た目はとてもリアルで、ディテールもこだわっているが、強くはない。
     だが、簡単に敵を撃破してしまうと『助っ人キャラが自分の代わりに苦手な敵を倒してくれた』と考えた男性が、ゲームを再開させ、次の敵を呼び出して戦闘を再開してしまう」
     それを防ぐためには、敵を倒す前に、これ以上のゲームを行わないように説得する事が必要になる。

     ヤマトはぐっと拳を握った。
    「リア充をばくはつさせたい気持ちはよくわかる。……だが! 羨みそねみをただリア充どもにぶつけても、空しいのは自分。そう、孤独の辛さは全て自分にはね返ってくるんだ……!」
     ……妙に含蓄があるのはなぜだろう。
    「ただ憎しみだけで奴らを殺しても気持ちは晴れん。逆にみじめさにうち震えるだけなのさ……」
     ふぅ、とシニカルな笑みを浮かべるヤマト。
     一言一言が重いです、ヤマトさん……!
     男性は、カップルを殺しても気持ちが晴れない自分に気づきつつある。そんな彼の背中を、もう一押ししてあげほしい。
     慰めの言葉でもいい、悩みごと笑い飛ばしてあげてもいいかもしれない。リア充への殺意が薄れるように導いてやれば、男はゲームをやめ、二度とHKT六六六人衆の誘惑に乗らなくなるだろう。
     また、男を目覚めさせると、それを察知した六六六人衆がソウルボード内に現れる可能性がわずかだがある。目的は既に達しているだろうから、六六六人衆とは戦わずに悪夢から撤退して問題はないという。
    「クリスマス間近で、なおさら思い詰めているようだ。別に、1人でクリスマスを迎えたって何の問題もないのにな……! お前達、どうかそいつをよろしく頼むぜ!」


    参加者
    刻野・渡里(高校生殺人鬼・d02814)
    黛・藍花(藍の半身・d04699)
    九重・藍(伽檻・d06532)
    リディア・キャメロット(贖罪の刃・d12851)
    桜井・かごめ(つめたいよる・d12900)
    天野・白奈(血を望まない切り裂き姫・d17342)
    柳生・煉華(孤剣・d22242)
    十・七(コールドハート・d22973)

    ■リプレイ

    ●クリスマスのやり過ごし方
     夢の中は、賑やかにクリスマスキャロルが響き、ツリー飾りが店舗じゅうに飾られた商店街だった。
     そこで、頭を抱えてうずくまり、むせび泣く男。
     男の前には可憐な花嫁と、甘いマスクの新郎が、互いの腰に腕を回し、いい笑顔で寄り添っている。
    「……うぉぉぉ……うぉぉぉん……」
     くずおれる男に対し、新郎新婦はつないだ手を高々と挙げ、力を集める。男はそれに反応しない。もう立ちあがる気力もない。
    「どうして俺は……こんなにむなしいんだ……!」
    「それは、貴方がいつまでも他人を羨み、そねみ続けているからです」
     凛とした声が男の耳を打つ。柳生・煉華(孤剣・d22242)は、割り込みヴォイスでさらに男に問いかける。
    「貴方は、今の自分で満足なのですか!?」
    「何だよそれ。……カップル羨んで、それで満足するわけ、ねえだろぉ!」
     反射的に言い返しながら、男はふと言葉を途切れさせ、自分が刺したカップル達を見る。
     刺し殺した時は、確かにある種の愉悦を感じてはいたのだ。――あれが、満足?
     そんな男の視界に、西洋人形のような女性が現れる。
    「貴方をこの悪夢の中から、救い出してみせるから待っててね」
     そう告げて、リディア・キャメロット(贖罪の刃・d12851)は新郎新婦に魔法の矢を放つ。
     いつの間にか男の周りを囲むように、何人もの少年少女がいた。
     天野・白奈(血を望まない切り裂き姫・d17342)は、契約の指輪【リング・オブ・マーダラー】に祈りを捧げる。
    「お願い……、私の中の悪魔……。狂った悪夢から……、目を覚まさせて……!」
     目を瞑って一度うなだれ、目を開けた彼女はまるで別人。一瞬前までの気弱げな雰囲気は微塵もない。
    「な、何だ。君たちは誰だ!? これは一体……」
    「爆発しろ、だっけか。個人の主義主張に嘴挟む気は無ェけども……どうにもはっきりしねェっつーか、後ろ向きっつーか」
     九重・藍(伽檻・d06532)の突き放すような言葉に、男はびくりと身をこわばらせた。そんな様子に、桜井・かごめ(つめたいよる・d12900)は内心で肩をすくめる。
    (「幸せを嫉んだって、自分が幸せになる訳じゃないのにね」)
    「一人でクリスマス、私は楽でいいと思うけど」
     十・七(コールドハート・d22973)は交じりけなしの本気で言ったのだが、それを聞いた男はさらに顔を曇らせてしまった。そんな男の反応を、七はじっと観察する。
    (「気にする人は、気にするのかな」)
     どうも『クリスマスにぼっち』というワードは、一部の人間の劣等感を刺激するらしい。
     刻野・渡里(高校生殺人鬼・d02814)は、男と新郎新婦の間に位置取りながら、まず言うべき言葉を探す。
    「羨ましいのはわかる。だが、八つ当たりで殴ったところで、自分が悪いってわかってるから、むなしいだけだろう?」
    「ううっ……」
     心中を正確に指摘され、男は顔をふせる。
     そんな男の顔をのぞき込むようにして、黛・藍花(藍の半身・d04699)が声をかける。
    「……終わりにしましょう。ゲームをしててむなしいって思うなら、もうやめた方が良いです」
    「終わり、に、する……」
     おうむがえしに繰り返した男の表情が、藍花にはひどく頼りなく見えた。

    ●本当に欲しいクリスマスは
     霊的因子で新郎を捕縛する藍。そこにタイミングを合わせるように、煉華が前へと躍り出る。刀をひらめかせる煉華の背後で、白奈が利き腕を砲台に変えた。
    「嫉妬……、どのような世界も……それを殺せる「人」は存在しえぬものか……」
     殺戮姫となった白奈の砲撃は、新婦の足を貫く。
    「嫉妬に任せて斬れば自分も引き裂かれる……。良く出来た茶番……、ダークネスらの考えることよ……」
     呟く白奈の言葉の真意は、男には半分もわからない。
     最初は、自分が攻略しきれない敵キャラに対し、ゲーム的な意味での救済イベントが発動したのかと思った。しかし、彼らの態度はゲームの登場キャラらしくない。
     除霊結界を起動していた藍が、ちらりと男を見やる。
    「……俺ァ今ひとつ理解が及ばんのだがね。他人に横槍入れっとアンタの幸せが増えてくのかい?」
    「……」
     男は、心底情け無い気持ちで首を横に振った。
     同時に実感する。ゲームのお助けキャラなら、こんな辛辣なことは言わない。
    「カップルを殺して満足できた? ……できないでしょう?」
    「……ああ」
     十近く年下に見える少女――七に重ねて問われ、男は頷く。
     カップルを殺して満足できるのなら、今、こんな虚しく、みじめで、なさけない気分になっていない。
     ――じゃあ自分は、そもそもどうして、こんなことをしていたのだろう?
    「おまえが一番欲しいのは、殺すためのカップルじゃなくて、自分の横に立って大事にしあう相手だろ?」
     ウェーブヘアを揺らめかせる少女――実際には少年だが――の銀の瞳は、全てを見透かすような光で男を暴く。
    「……『大事にしあう相手』……」
     心の中にするりと入り込んできた渡里の言葉を、男は声に出して繰り返す。
     男は、寄り添う新郎新婦を見る。
     手をつなぎ、見つめ合い、いかにも互いに互いが大切な一対の男女。
     あんな風に、寄り添ってくれる相手……。
    「欲しい、大事にし合う相手……彼女、欲しい……」
     一度口に出すと、歯止めがきかなくなった。
     自分には無理だろうと考え、そのためにずっとフタをしてきた思い。
    「大事な彼女が欲しい……恋人が欲しい、欲しい、欲しい、欲しい!!」
    「……そ、そう」
     連呼する男に、七が引きつりながら頷いた。七としては、急に距離を詰めてこられると対応に困る。必要だからこうやって声をかけているが、決して懐こい方ではないのだから。
    「だが、ここに籠もり続けているかぎり、お前に出会いはない。当然、彼女は出来ない」
     鋼糸をふるいながらの渡里の容赦ない言葉は、男にとって死刑宣告のようにも響く
    「そ、それを言うなら、表に出たって彼女はできない!」
    「なら、あなたが今していたことも同じこと。他人を傷つけたところで、自分がリア充になれる訳じゃないわ」
     反射的に返した反論も、あっという間にリディアに返された。
     攻撃のさなか、ふと足をとめたかごめが男と目を合わせた。
    「まずは起きなよ。そして、髭そって学校行きな」
     悪戯っぽく、ウインク一つ。
    「大丈夫だよ。君、意外とイケメンなんだから」
     そう言って微笑むかごめは、男にはクリスマスの聖女に見えた。まじまじと見返されて、かごめは思わず目をそらす。
    「(柄にないことするのは、やっぱり恥ずかしいな。これで、ちょっとでも自分に自信を持ってもらえればいいんだけど……)」
     ……その姿は、男からすれば、すごくかわいくて。
     それと共に、優しい言葉が魂に沁みる。
     ああ俺彼女が欲しいんだ、と男は心の底から実感した。こんな風に微笑んで、励ましてくれる彼女が欲しい。
     できればクリスマス前に欲しかった。もう間に合わないけど。そんなことすら自分は目をそらしてきたのだと、男は思った。
    「俺、彼女が欲しい。大事に思える相手が、欲しい」

    ●うまくいかないかもしれないけれど
    「私の殺気を、貴方も感じてみては如何かしら?」
     リディアの鏖殺領域が、新郎新婦の姿をした敵を覆う。鈍くなる動きの中で新郎新婦が交互に放つハートの光を、藍は腕をクロスさせて受け止める。渡里の霊犬、サフィアが浄霊眼で藍の傷を癒した。
    「……行って、しばらく時間を作って」
     藍花の言葉に、彼女と瓜二つの容姿をしたビハインドが前へ向かう。口元にやわらかな笑みを浮かべて、ビハインドは新婦に立ちふさがる。かごめもセイクリッドウインドを使い、今は戦いを長引かせられるよう注力する。
     リディアと白奈の攻撃を受けた新郎と新婦が、抱き合って互いの傷を癒やし合った。
    「俺、ああなりたいんだな……今ならわかるよ」
     その様子を見て、男がぽつりと言う。
    「でも、俺は見てくれが悪いし、気も利かないし、女の子との話し方一つわからない……」
    「貴方自身が変らないと、何も変わらないわよ」
     リディアに言われ、男はびくりと身をすくませる。
    「もうわかっていると思いますが、自分自身を磨き高めなければ、未来永劫貴方は他人を羨み、嫉み続けるだけですよ?」
     煉華の言葉に力無く「……ああ」と頷き、うなだれる男を、藍花がフォローする。
    「あなたのペースで頑張って下さい、そうしていれば、きっと素敵な出会いもありますよ」
    「……あるかな、出会い……」
     か細く繰り返す男に、あと一押しと、七も語りかける。
    「いきなり積極的に動けとは言わないから……。まずはゆっくりと自分を見つめて、どう変わっていきたいかを考えてみるといいわ」
    「そうだな。身の回りを清潔にして、勉強も上位をめざせば、自然と目が向けられる そうすれば、出会いの機会も増える」
     渡里のアドバイスは具体的で、そうはっきりと言い切られると、そうかもしれないと思ってしまう。
    「成績は難しいけど、身の回りのことなら……うん」
     何より、彼女ができるよう頑張ることも、そう悪くないことのような気がする。
    「……多分、ここでカップル殺しゲームをするよりは、いいことなんだろうな」
     顔を上げた男の前に、すっと手が差し延べられた。
     温かく柔らかそうな、女の子の手。
    「わかったら、ほら、立ち上がって」
    「ああ……」
     おずおずと男が手を伸ばすと、七はその手をぐいっと引っ張り上げた。
     想像どおりその手は柔らかかった。彼女が欲しいという気持ちが、一層強くなった。
     立ち上がって見回した商店街の景色は、少し前とはうって変わって、チープなものに見えた。
     目の前の新郎新婦を指して、煉華が確認する。
    「あれに始末をつけて、このゲームを終わりにします。いいですね?」
    「ああ。……頼む」
     男はしっかりと頷いた。
     それを確認し、全員が殲術道具を構える。あとは、目の前の敵を倒すのみ。
    「終演……、不要な争いは幕を閉じる……」
     白奈は殲術道具を腕に呑み込ませ、新郎に向けてふるう。新郎の肩口に、大きな穴があいた。

    ●前に進もう、目を覚まそう
     新郎の体が、千々に切り刻まれる。
    「……そろそろ消えてください、鬱陶しいですよ」
     足元から斬影刃を繰り出した藍花が、冷たい口調で新郎に告げた。
     くずおれる新郎に新婦が手を伸ばし、支えながらキスで癒す。けなげな恋人達にも見える彼らに、煉華はためらいなくクルセイドソードを振りおろす。
    「六六六人衆の思惑通りには、させませんよ」
     非物質化した剣は新婦の霊魂を的確に貫く。新郎はさっきまでの仲睦まじさが嘘のように、ぱっと飛びすさった。
    「これ以上、彼に悪夢を見せるのはやめて貰いたいわね」
     リディアからほとばしる冷気が、新郎と新婦を覆う。新郎の左肩から先が氷結して、ぼろりと砕けた。間髪入れずに藍が新郎に肉迫し、オーラの拳を叩き込む。
    「この夢にもう用はねェな、ぼちぼちお開きの頃合だ」
     彼らが新郎と新婦と戦う様子を、少し離れたところから男は見ていた。
     カップルが倒されても、もう高揚感は感じない。
     自分がしたいことはカップルを殺すことではなく、カップルになることだ。そのためには、まずここから出ることだと、今戦っている彼らが教えてくれた。
     新婦の攻撃を渡里が受けとめ、藍花がその傷を癒やす。
    「さて、小道具はご退場願おうか? 思いっきりいくよ!」
     攻勢一転、クルセイドソードで斬りつけるかごめ。そして、冷徹な面差しを崩さずDCPキャノンを繰り出す白奈。
     煉華が鋭い一撃を放つ。
    「仲睦まじいカップルの真似事をしてようと、所詮は心無い人形……消えなさい!!」
     刀をだらりとおろした独特の構えから、大きく高くふるわれた攻撃に、新婦もまた姿を失い、消えていった。
     戦いを終え、白奈が呟く。
    「終わりし闘争場に用は無し……、直ぐ去るのみ……」
     ……そして、男の周囲の景色は急速に薄れていった。クリスマスキャロルも、商店街も遠のいていく。夢からの覚醒を感じながら、男は消えていく彼らの後ろ姿を眺めていた。

     男が目を覚ます前にと、灼滅者達は速やかに撤退する。
    「これから、頑張ってください」
     去り際、藍花は眠る男へと声をかける。心中でそっと、願いをこめながら。
    「(人が心の闇に負けない姿を、見せてくださいね)」
    「……渡里さん、それは何ですか?」
    「いや、ファション雑誌でもと」
     普段の雰囲気に戻った白奈の問いに答えながら、渡里は冊子を枕元に置く。何がきっかけになるかはわからないものだし。
     リディアの手元には回収した謎の機械がある。学園に持って行けば、何かわかるかもしれない。
    「あとは本人次第。襟を正して外に出りゃァ、新しいモンでも見えてくンじゃねェのか」
     外に出て、連れ立って歩きながら、軽い口調で藍が言う。
    「それにしても、リア充だからって襲われたらたまんないよね。充実維持するのって実は独り身より努力が必要なんじゃないかと思うけど」
     ぽつりと言ったかごめの言葉に、七が返す。
    「……まぁでも、街中で人目気にせずイチャつくカップルは苛つくわね。ああいうのは……よくわからないけど、爆発? すればいいと思うわよ」
     それは確かに、そうかもしれない。
    「せっかく博多に来たんですし、もつ鍋でも食べに行きませんか?」
     煉華の提案に、何人かから賛同の声が上がった。
     おいしいものを食べて温まって、学園に帰ろう。

    作者:海乃もずく 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2013年12月24日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
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