富士急ハイランドに行こう!

    作者:相原きさ

    「ねー、みんな、遊園地に行かない?」
     須藤・まりん(中学生エクスブレイン・dn0003)は、にっこり笑って灼滅者達を誘う。
    「あのね、みんなの持ってるスレイヤーカードあるでしょ? それを富士急ハイランドに持っていくと……なんと、10パーセントオフになりますっ!!」
    「「おおおっ!!」」
     まりんの言葉に、灼滅者のみんなが驚いているようだ!
    「なので、みなさん、一緒に富士急ハイランドに行きませんか?」
     にっこり微笑んで、まりんは手元にある資料を見ながら、話を続ける。
    「今なら『最恐戦慄迷宮』っていうホラーハウスも楽しめるみたい。それに『FUJIYAMA』とか『鉄骨番長』、『グレート・ザブーン』とか絶叫マシーンも大人気なんだって!」
     他にもいろいろなアトラクションがあるから、とっても楽しめそうだ!
    「それにね……ここだけの話、デートするのもいいと思うの。もちろん、団体様でも全然OKだよ」
     一人でも二人でも、大勢でも、めいっぱい楽しめることだろう。
    「園内のファーストフード店でソフトクリームとか、ケバブとか食べながら、次に乗るアトラクションを考えるのも楽しそうだよね」
     食べ歩きも遊園地の醍醐味! みんなと食べるファーストフードもとっても美味しいことだろう。
    「というわけで、行きたい人ーっ! この指とーまれっ!」
     まりんと一緒に、夏の富士急ハイランドを楽しまないか?


    ■リプレイ

    ●いざ、富士急ハイランド!
     まりんの誘いで来た学生は……全部で367名。
     到着したとたん、半裸で仮面をつけた城山・壁也(守護者気取りの道化・d00187)が、入り口で退場となっていたが、それ以外は問題なく、富士急ハイランドに入ることができた。
    「これから遊園地で遊ぶ訳だが、年上に当たる者は後輩の面倒を見てあげる様にな」
     【義親館】の部長、新城・弦真(一刃・d00056)は、この日のために用意してきたしおりを部員に渡して注意を促している。
    「ふーん……、弦爺もちゃんとしたモノを用意するものね」
     綾小路・白雪(魔法使いの夜・d00605)がそう呟く横で。
    「ぶちょー、小うるさいっす! 引率のせんせーみたいで、大変っすね!」
    「小うるさいは余計だ」
     ぽむっと弦真に頭を叩かれたのは、白瀬・信綱(中学生殺人鬼・d02262)。
    「ああ、読んだ読んだ。むしろ、完成する前から読み終わってたと言っても過言ではないよ?」
     それはイコール、読んでないということか。そんなアイティア・ゲファリヒト(見習いシスター・d03354)を弦真はちゃんと読めといわんばかりに睨みつけた。
     ちなみに彼らについてきたサングラスでスキンヘッドの安墨野・スサキ(そぞろすずろ・d03627)はというと、入場時に出会った可愛らしい女の子に釘付けだった。
     弦真のこれからの苦労は絶えなさそうだ。
    「それじゃあ、行きましょうか」
     まりんの掛け声で、彼女と一緒に行こうとしていた者達が後に続く。
     と、遠くで絶叫マシーンから悲鳴……いや、歓声としておこう。それを聞いて、リラ・シャンテ(花の匂い・d03464)がびくりと、身を震わせる。
    「大丈夫だよ。そんなに恐いもんじゃないから」
     リラの肩を優しく叩いて元気付けるのは、まりんと同行する藤波・純(高校生ストリートファイター・d02035)。
    「まあ、ソフトクリームでも食べて落ち着こう」
    「はい、ありがとうございます、純さん」
     元気を取り戻したリラに純は、飛び切りの笑顔を返した。

    ●人気の絶叫マシーン!
     FUJIYAMAの傍にあるファーストフード店で、どこに行くか相談しているのは、【恋愛部1番組】の面々。
    「ドドンパとかいいわよねぇ~」
     と、うっとりしているのは、高町・勘志郎(黒薔薇の覇者・d00499)。
    「ここは定番のFUJIYAMAだろうか」
     そんな加藤・蝶胡蘭(愛の戦士・d00151)の隣で。
    「俺がついてるから大丈夫だよ」
     そういって、真城・暁(黎明ラフメイカー・d01520)がテンション低めな東雲・夜好(ホワイトエンジェル・d00152)の手を握っている。峰岸・冬耶(極錬の一撃・d01162)が見守る中、結局、一番オーソドックスなFUJIYAMAに乗ることになったようだ。
    「思いっきり叫んでやるぜ!」
     ジェットコースターの一番先頭の席を陣取ることに成功した片桐・秀一(高校生殺人鬼・d06647)は、出発するのを今か今かと楽しみで仕方がない。
     いよいよ順番が来たようだ。はしゃぐ色梨・翡翠(蒼蓮アンサイズニア・d00817)の頭を、紅鳶・燈(涙雫カルテット・d01576)がぽんぽんと撫でる。突然のことに翡翠はびくりと体を震わせるも。
    「早く……行きましょう」
     と燈の手を取り、小さく微笑んだ。
    「よし、絶叫マシーン制覇ーっ!!」
     そんな神凪・陽和(翔る疾風・d02848)に無理やり連れて来られた神凪・朔夜(清廉なる烈風・d02935)。でも。
    「その前にチケット取ってくるよ。こういうのは並ぶからね」
     時間がかからないよう、チケットを取ってこようとする律儀さを持っていた。
    「まずは絶叫マシンへレッツゴー!」
     【井の頭中1-G】の一行は、風花・クラレット(葡萄シューター・d01548)の先導によって。
    「あ、あれが……FUJIYAMAですか……」
     狐頭・迷子(迷い家の住人・d00442)の言うとおり、一行はあのキング・オブ・コースターと呼ばれているあのFUJIYAMAに乗るのだ。少し緊張する一樂・衣(炳乎・d02439)は、深呼吸をしてから乗っていた。そして。
    「きゃあぁぁぁぁぁ……!」
    「っきゃーーー嘘やン! なんやのコレめっちゃ怖いってーー!!」
    「おおお! あはははは! ひゃっほー!」
    「みぎゃあああああああぁあぁぁぁぁ!!」
    「おおっ! 凄い、ネっ!」
     十・文(格闘少女・d00067)、小森・奈穂(焔の穂・d02324)、山門・新(ドレッドノート・d02429)、外道院・悲鳴(千紅万紫・d00007)、花籠・チロル(みつばちハニー・d00340)らが声を張り上げ楽しんで(?)いる。
     乗り終えた清楚な志倉・桜(中学生魔法使い・d01539)は、思わず。
    「あ~おもろかったぁ~」
     と関西弁が出てしまうほど楽しんだようだ。ウサ耳帽子を取り戻して、ホッと一息つく卯道・楼沙(脱兎之勢・d01194)の隣で。
    「あらあら。とっても楽しそうにはしゃがれて……」
     ほくそ笑みながらアリスティア・グレイヴェルト(月下の不眠姫・d01132)は、FUJIYAMAで撮った写真を受け取ったのだった。
     こちらも楽しんで乗っていたエリス・フロックハート(B-Girl・d00192)と七瀬・遊(ポジティブファイア・d00822)。楽しみ終えて、エリスは興奮冷めやらぬ様子で。
    「あたし、日が暮れるまで、これ乗りたいわ」
    「嘉禄も乗ればよかったのになぁ?」
     そういう遊に藤屋・嘉禄(長夜の爪先・d04937)は。
    「ティーカップで酔う俺を誘わないでね」
     と、換わりに買ってきた冷たいアイスを二人に手渡すのだった。
     こちらは、FUJIYAMAで撮影したライド写真を見ている三人組。
    「あはは! 何これやっばい! 変な顔ー!」
    「あはは、2人ともすごい顔だな♪」
     駿河・香(アドリビトゥム・d00237)と三兎・柚來(小動物系マスコット・d00716)が出来た写真を見て、大笑い。そんな二人に笠井・匡(白豹・d01472)が呼びかける。
    「楽しかったねぇ。もう一回乗る? それとも次は高飛車乗る?」
     どうやら、次の目的地が決まったようだ。
     【井の頭高校1-9】のメンバーも賑やかだ。
    「ちょ!? 前はダメっすよ! 前は! お願い聞いてギャー!?」
     可哀想に、黒白・黒白(パステルカオス症候群・d00593)はいつの間にか先頭に座らされたようだ。と、いよいよ出発するようだ。ゆっくりとコースターが進んでいく。
    「みんな大丈夫ー? そろそろ落ちるよー? 準備はおっけー?」
     神代・紫(ウェポンルーラー・d01774)が、そう声をかけた瞬間。
    「ちょとまうわぁぁ! 空気椅子しなくても浮くじゃん嘘つきー!」
    「おおー、風すごーい! フジヤマサイコ―! たーまやー、なんだよっ」
     紗守・殊亜(幻影の真紅・d01358)と刀道・凛(春抱く咎人・d01007)が声を上げて、ついでに辻堂・桜花(スマッシュヒッター・d01940)が大絶叫を上げていた。
     乗り終えて、ぐったりしている九条・鞠藻(図書館のヌシ・d00055)を、体操服で荷物を背負った掘削・寧美(ツンデレ軍曹激情編・d01525)がお姫様だっこしてあげていた。
     律儀に並んでいる土御門・璃理(真剣狩る☆土星♪・d01097)。だが、彼女の狙いはFUJIYAMA……ではなかった。
    「そこまでです、ハイランダー!!」
     並んでる途中で偶然遭遇した、フジヤマブルーに喧嘩を売っていたのは言うまでもなく。
    「あーっはっはははははは!」
     御守・ミモザ(拳太刀振るう御守・d03261)が笑顔で喜びながら絶叫をあげている隣で。
    「!!!!」
     声にならない絶叫をあげているのは、巽・空(白き龍・d00219)。小学生には、ちょっと刺激が強すぎたか?
     がくんがくんとコースターが上がっていく。
    「ほらレンレン、富士山が綺麗に見えて」
     花凪・颯音(藍燈ラフメイカー・d02106)が指差す方向を。
    「お、富士山か。どこに……っ!!」
     小鳥遊・漣斗(宵闇の影・d00514)が見た瞬間、コースターが急落下して回転し始めたのだ。漣斗は声にならない叫び声をあげている。
    「キャーキャーっ♪」
     その後ろで思いっきり楽しんでいるのは、春宮・さくら(暴走機関車・d00185)。その隣でポーカーフェイスを貫く闇勝・きらめ(耀う狼星(シリウス)・d00156)はというと。
    (「だって、一匹狼が『こわい』なんて言えるワケないじゃないっすかああああ!?」) 心の中で絶叫していた。
     こちらのカップルもFUJIYAMA体験中。
    「うっわ、高! しかも長!!」
     そう言って楽しむクロノ・ランフォード(白兎・d01888)の横で。
    「この落差は何!? このスピードでまだ終点につかないの!?」
     アリス・バークリー(ホワイトウィッシュ・d00814)が声を上げる。ちなみにFUJIYAMAの乗車時間は約216秒。つまり約3分間乗車していることになるのだ。
     でっかいFUJIYAMAを前に震えるのは、穂之宮・紗月(セレネの蕾・d02399)。
    「……えと。ねぇ、オルタンシアさん。手、繋いでても良いですか?」
    「ふふ、じゃあ一緒に楽しんでいきましょー!」
     紗月の手をしっかり握って、スィン・オルタンシア(ピュアハートブレイク・d03290)は微笑んだ。
     一方、こちらはちょっと異色な【猪鹿蝶】のグループ。なんと、FUJIYAMAに乗って歌を一首詠むらしい。テーマは富士山。
    「富士山の気温は今も冬さなか、似たりFUJIYAMA頂寒し」
    「頂上で富士と目が合い武者震い、駆け下り笑顔フルスロットル!」
    「FUJIYAMAを回りて誓う富士山に、不死身の友と不二の友誼を」
     上からそれぞれ、一條・華丸(琴富伎屋・d02101)、姫乃井・茶子(歴女de茶ガール・d02673)、殿宮・千早(行雲流水・d00895)の歌だ。ジャッジをするのは、阿僧祇・慧(乾坤一擲・d02424)なのだが……。
    「そんなモン決まってんだろ、俺の中じゃお前らに甲乙なんてねぇんだよ。とっととソフトクリームでもなんでも食いに行くぞ」
     どうやら一番を決められなかったようだ。四人は連れ立って慧に奢ってもらうのだった。
     FUJIYAMAを体験した紫月・灯夜(煉獄の処刑人・d00666)と幌月・藺生(葬去の白・d01473)。灯夜がもう一度乗ろうと誘ったら、案の定、藺生が逃げ出した。
     そんな藺生を追いかけてもう一度声を掛ける。
    「次はコーヒーカップに乗ろうね」
     これならきっと、怖くないから。
     【浪漫探究部】の三人組はというと。
    「ふ、ふふん。 あんまり戴した事はなかったな」
     そういう有須・芳江(逆十字を背負いし反逆の乙女・d01572)は、虚勢を張りつつも足をガクガクさせていた。
    「乗り物も然ることながら、この両手に花という状況がまた格別ですねぇ」
     のんびりと緒方・宗一郎(月影の魔術師・d00117)が言う傍で。
    「白一点の宗一郎には期待させてもらうのじゃ。……お土産の持ち帰りとか」
     アルカンシェル・デッドエンド(ドレッドレッド・d05957)の言葉に宗一郎は驚愕するのであった。
     FUJIYAMAを楽しみ終えて、【縁巡】の一行が萩々・佐治(不器用エテルネル・d00297)らのいる所に戻ってきた。
    「今までこんな楽しいものを知らなかったなんて、人生損していたな」
     洲宮・静流(沸きいずる清流・d03096)がそう告げる。その後ろでは佐治から受け取った帽子のつばをぎゅっと掴む高瀬・アイゼ(中学生殺人鬼・d06319)の姿も。
    「さあ、次行こうか! また絶叫マシンにするか?」
     そう張り切っているのは丹生・蓮二(高校生殺人鬼・d03879)。
    「次はグレート・ザブーンよ」
     タシュラフェル・メーベルナッハ(夜の誘い子・d00216)が次の行き先を決めた。賑やかに移動する皆の後を行野・セイ(草食風男子・d02746)は楽しげに付いていくのであった。

     絶叫マシンはFUJIYAMAだけではない。ギネス世界記録に認定された『高飛車』も人気のコースターだ。最大落下角度121度を誇るこのコースターは、リニアランチ方式による直線加速と垂直巻上げによる落下という二種類の加速が楽しめる。
     東谷・円(乙女座の漢・d02468)と花守・ましろ(ましゅまろぱんだ・d01240)が手を握って仲良く絶叫している後ろで、【光画部】の皆も。
    「きゃああああ~~~~~~!!!」
     と叫ぶ保戸島・まぐろ(無敵艦隊・d06091)は楽しげに。
    「ひきゃぁぁぁぁぁ、たてぇぇぇぇぇ!!」
     日野森・翠(緩瀬の守り巫女・d03366)はコースターの動きをそのまま声にしている。劫・光輝(広い銀河を光で充たす・d03195)にエスコートされて乗った風舞・羽衣(ワンコの羽衣・d06334)は。
    「凄いスピード、でも気持ちいいわ」
     と言いながら、途中で目を開けたまま気絶していた。その横で息継ぎのタイミングがなかなか取れない雁屋・蝸牛(蝶の末裔・d01675)が目を白黒させていた。
     その次のコースターに乗ったのは、【井の頭小5椿組】の子供達。
    「こんなおっきい遊園地、はじめてきた!すげー!!」
     はしゃぐのは、佐藤・とき(小学生ファイアブラッド・d01561)。
    「あれに、乗る……と……?」
     鍵谷・錠(夜戸の番・d00326)はコースターを見て、思わず呟いた。無理もない。あの抉り取ったような凹凸が最初に彼らを出迎えているのだから。ちなみに身長制限にひっかかった野村・さやか(天奏音楽・d00162)は、ある変身能力により、何とかなりました。
    「……人、いっぱい過ぎだろ」
     凄い行列に三日月・露草(アンダーロスト・d00824)が思わずそう口にした。
     そして、彼らの乗るコースターが出発する。
    「わーっ!!」
    「きゃーーーーー♪」
     千葉・日夏(小学生ご当地ヒーロー・d00077)らが笑顔で叫んでる中、マッド・バッカー(ゴッドリーブ・d06688)は超絶叫! 紫苑・温(明陽・d05771)は途中の絶叫が声にならなくなっていた。乗ったメンバーは降りた時には概ね、げっそりしていた。
    「なんなのあれ拷問器具なの? なんで皆あんなの乗って、はしゃいでおるの? どえむか?」
     アル・マリク(炎漠王・d02005)は、乗る前に見せていた威厳がゼロになっていた。
     【ゼンブ】の4人のうち、3人が富士急ハイランドに来るのが初めてだった。
    「え? 挙動不審? 気の所為だよ何言ってんのさ。よろめいたのは風のせいだよあかちゃん!」
     明らかに怖がっているのは、小村・帰瑠(砂咲ヘリクリサム・d01964)。
    「絢時はそんなにちっちぇのに絶叫乗って大丈夫なのかよ? 絶のバカに無理矢理乗せられたんなら俺に言えよ」
     と心配する舩坂・証(爆炎球児・d02966)に萩埜谷・絢時(勇往邁進・d02992)は。
    「ご安心下さい、証さん。わたし、つい最近身長制限はクリアしましたから。今まで乗れなかったようなものに乗れるのが、とっても楽しみなんです!」
     と頼もしい言葉を投げかける。ちなみに千金楽・絶(中学生殺人鬼・d03791)はというと。
    「あかちゃん……怖くなったら手握っていい?」
     と証の手を握ったものだから、ぼこりと殴られてしまっていたようだ。楽しく乗った4人は、また高飛車に乗るのだが……帰瑠だけちょっぴり倒れかけてたのは言うまでもない。

     FUJIYAMA、高飛車ときて、次に来る絶叫マシーンといえば『ドドンパ』だろう。ドド、ン、パのリズムに乗って、一気に最高速度へと加速するのだ。
    「ほう、ドドンパか。いいじゃないか、面白そうだ。中々スリルがあっていいんじゃないか? ……ん、どうしたか?」
     灯山・暁(夜明けの焔・d02969)の提案に、鳳珠・澪架(紫闇蝶・d00047)が澄ました顔で首を傾げる。それを見た暁は思わず笑みを零して。
    「さ、早く行こうぜ。急がないと並ぶ羽目になる」
     彼女の手を引いて、目当てのドドンパへと向かった。
     【武刃蔵】のメンバーも噂のドドンパに乗り込む。
    「ほほう。これが、どどんぱでござるか。ふむ……何と珍妙な姿形……。ここに乗り込めばよいのか?」
     物珍しそうに上木・仁之助(高校生殺人鬼・d02676)が乗り込み……そして出発した。
    「ぬうっっ!? なんたる加速かー!」
     その速度に驚きながらも仁之助は楽しそうだ。仁之助の乗るコースターの最前列では。
    (「高速で通過していく景色や、人の叫び声とか気にしたら負けだ。むしろ、その後の事を考えよう」)
     と刀狩・刃兵衛(剣客少女・d04445)は泣きたい気持ちを必死に堪えつつ乗っている。その横にいる清水神・葵(銀の巫・d04446)は。
    「きゃああああ、凄いスピードですねぇーー!!」
     と楽しげだ。ちなみに最後尾に座っていた桃地・羅生丸(紅き暴獣・d05045)は、怖がる女の子達を眺めて堪能し、乗り終えた後には、そのままのテンションでナンパに出かけていた。
    「あれ、乗りたい。ドドンパ……楽しそうだ」
     そんな小谷・リン(毒を食み氷纏う蝶・d04621)の一声に【吉祥寺中3B】のメンバーが行く先が決まった。
    「あははははははははっ!!」
    「きゃーきゃー! 楽しいねー! アルカ達の周り、お空がびゅんびゅんしてるよー」
     乗っている間、ずっと笑いっぱなしだった五美・陽丞(幻翳・d04224)に、はしゃぐ帷子辻・アルカ(モータルアルケミア・d07353)。乗り終わった後はと言うと。
    「は、はは……じりじり迫るのが嫌だから、最初からトップスピードならって思ったけど……甘かった……これは、凄すぎる……」
     神代・煉(紅と黒の境界を揺蕩うモノ・d04756)は、少し涙目。音鳴・昴(ダウンビート・d03592)に至っては。
    「あー……頼むから連続で乗るのは勘弁。行きたい奴だけで行ってくれ」
     アルカにジュースを貰って、休憩しなければ、次のアトラクションは無理だった。
    「楽しかったー!」
     と猫柳・聖(夜月の黒猫・d00995)が隣を見ると、一緒に乗っていた弥咲・聖十郎(白夜の執行人・d06273)の顔色が悪い。ふらふらとした足取りでベンチに座っている聖十郎の下に、聖が気を利かせてアイスを持ってきた。何も言えなかったけれど、聖十郎のありがとうを込めた微笑みは、きっと聖に伝わっただろう。
     初めて乗ったドドンパにご満悦な童子・祢々(影法師・d01673)。
    「さ、もう1回乗ろうか」
     というのは、ごく自然なことだろう。けれど、楽しいコースターは一つだけではないことを柳・真夜(自覚なき逸般人・d00798)は知っていた。
    「でも、他のも楽しみたいので、次は別の行きましょうねー」
     他にも凄いのがあるんですよと、説明しながら案内していく。
     あっという間の絶叫マシンを楽しんだ八嶋・源一郎(高校生神薙使い・d03269)は、ゆったりと園内を歩いていた。
    「のんびりと楽しむとしようかな」

    ●キミは出られるか!?
     『絶望要塞』とは、今年の夏に出来たばかりの脱出迷宮アトラクションだ。しかも難易度が高く、クリアした者は少ない。8月にファーストステージの難易度が下がったようだが……それでもクリアするのが難しいらしい。
    「よかったよ、一緒に入ってくれる人が居てくれて」
     灰園村・水脈(裁断分離のギルティシザー・d01961)は、偶然、一人で入っていこうとする神條・エルザ(高校生サウンドソルジャー・d01676)を見つけて、声をかけたのだ。運よく彼女も一人だと聞いて、二人で入ることになった。
    「だが、謎解きは自信ないぞ」
    「えっ……?」
     どうやら、最初に脱落しそうなのは、彼らなのかもしれない。
     いよいよ、脱出スタート!
    「必ず解き切ってみせるっ!」
     と言いつつ、最初の謎でさっそく詰まって冷や汗をかいているのは、左治木・紫音(蒼空の太陽へと誓え・d00590)。彼と一緒に行動している川口・かれん(めらめらピンク・d02237)は。
    「これ、きっとヒント」
     ヒントとは違うものを指差して、大幅に時間をロスしていた。
    「時間制限と問題の難易度がおかしくないですか?! さ、さすが……完全脱出者ゼロですね」
     蒼月・悠(蒼い月の下、気高き花は咲誇る・d00540)は、懸命にヒントを探している。
    「おのれ、富士急、本気だな……! しかし難敵であればあるほど燃える!」
     意気込んで、蒼月・杏(蒼い月の下、気高き獣は跳躍す・d00820)は妹と共に叫ぶ。
    「いざ勝負!」
    「負けないですよ!」
     一方、こちらの三人はというと。
    「アタシこれでも知恵と運くらいなら自慢できるのよ。まぁでも、先ずは考えるより捜索ね。ねぇ、ゆき、何かある?」
     と、紫空・暁(記憶の檻・d03770)が近くで探している眞桐・倖(あたたかな月・d02328)に声をかけた。
    「何か怪しい箱を見つけたけど……なかなか開かなくて」
     どうやら、怪しい箱を見つけたらしいが、なかなか開かないらしい。
    「さっき見たヒントを使うんじゃないのか?」
     先ほど手に入れたヒントカードのことを思い出し、奏・律嘩(漆闇の現・d01011)が指示する。お陰で、その箱を開き、また新たなヒントカードが手に入った。
     【PK NETWORK】の3人もこの難しいアトラクションに挑戦していた。
    「なかなか見つからねぇな?」
     伊郷・尊(朧童幽霊・d05846)が鍵を探すものの、ヒントカードすら見つからない。
    「もしかして、これー?」
     そういって、千明・千明(グラトニーガール・d01367)が見つけたのは、ロッカーの中に隠されたハンドル。これをまわせば、次の扉が開かれそうだ。
    「ぐぬぬぬ……ふじやま温泉に行くんだー!!」
     かなり重かったが、尊が気合い入れてまわしたお陰で、新たな扉を開くことが出来た。
    「ほら、何とかなったわ」
     卜部・タエ子(門限六時の殺人鬼・d06328)は、仲間と共に新たな扉の先へと向かったのだった。
     こちらはクラスメイト同士が協力して謎に挑んでいた。
    「うーん……箪笥? ねえ、これ分かる?」
     篠塚・桜(一輪華・d04615)が、麗華・マナ(オトノ灼滅者~スレイヤー~・d05007)に尋ねる。
    「ふえっ!? えっ!?」
     突然、尋ねられて、テンパっている。やっと落ち着いて、マナが指し示したのは、桜が思い出さなかったヒントの一つ。お陰で、その謎を解き明かすことができたようだ。
     こちらは【戦戦研】のメンバー達。
     なかなか良い所まで来ているのだが……。
    「ええい、やってられっかー!! 灯屋先輩、ドア・エントリーで、この扉を強行突破しましょう。準備はいい?」
     あまりのまどろっこしさにとうとう、鹿島・狭霧(漆黒の鋭刃・d01181)がぶち切れた。
    「C4がいいですかね、それともサッチェル爆弾が……」
     にこやかに灯屋・フォルケ(Hound unnötige・d02085)がごそごそと何かを取り出そうとするのを。
    「二人共、それ以上はストーップッ!!」
     気づいた白鐘・衛(白銀の翼・d02693)が止めたお陰で、何とか大事にならずに済んだが、時間切れで退場することになったのは言うまでもない。
     絶望要塞でかなり先へ進んだのは、井の頭キャンパスの中学2年G組の6人だ。
    「うーん……これは難しい。燃えますね」
     ヒントクイズを見ながら悩むのは、犬神・寧々(中学生神薙使い・d00041)。
    「みんなで頑張れば、脱出できますよね?」
     と東雲・日姫(青より蒼き日向蝶・d00963)が怯えながらも謎に挑戦していた。
    「僕の推理だと、この辺りに何かあるはずなんだが……」
     伐龍院・黎嚇(ラーゼライデーゲン・d01695)が気になる箇所を探すも、それらしいものが見つからない。
    「もしかして、アレか?」
     黎嚇の推理を元に探した高宮・琥太郎(ロジカライズ・d01463)が、少し高い場所を指差した。そこに何かが貼り付けてある。ヒントカードか?
    「よし、こうなったら、水姫チャン!」
    「重くても文句は言わないでねー?」
     低いところを探していた白崎・水姫(色のない紅葉葵・d01720)が、琥太郎の肩車で目的のカードを取ることができた。
     お陰で、ゴール直前のヒントをゲットすることができたが……後もう少しというところで、時間切れとなってしまった。
    「お疲れさん」
     がっかりする琥太郎に、斎賀・なを(オブセッション・d00890)は、缶ジュースを奢ったのだった。

    ●ちょっと休憩しよ♪
     楽しいアトラクションに疲れたら、ちょっと休憩。
     影道・惡人(シャドウアクト・d00898)を始めとして、三波・月子(跋扈・d01897) 、獅子堂・永遠(シャドウキャリバー兎・d01595)、龍崎・ビリー(ビリー・ザ・ドラゴン・d04632) 、大業物・断(一刀両断・d03902)、屋久島・忠之介(筋肉魔人・d06889) 、犬束・真己(ミスターテンダー・d07318) 、観堂・稟(エンチャントブレイカー・d06697)妙興寺・摩耶(霧のカルナック・d02498)、長姫・麗羽(高校生シャドウハンター・d02536)、渡・ガザ美(ギャルキャンサー・d02764)の【PK NETWORK】の皆が、ケバブやピザなどを食べながら休憩をしている頃。
     FUJIYAMAに乗って、具合を悪くした坂部・芥一郎(病焔ヴォルケイノ・d01965)の頬に突然冷たい何かが付けられた。
    「うおっ!!」
     九条・已鶴(忘却エトランゼ・d00677)が、芥一郎の為に冷たい缶ジュースを買って来たのだ。
    「礼は言う」
     そう言って芥一郎が差し出したのは、アイス。
    「早くお前も座って食え……次は高飛車に乗るのだろう?」
    「うん、あれ乗ってみたかったんだよね。もちろんこの後も、閉園ギリギリまで遊ぶから」
     覚悟してねという已鶴に芥一郎は苦笑を浮かべながらも、力強く頷いた。
     FUJIYAMAの傍で休憩していたのは、彼らだけではない。ヒルダ・ヴィルヘルム(高校生魔法使い・d07469)もその一人。
    「お、美味いなこれ」
     アイスDEブリオッシュを食べながら、また次もFUJIYAMAに乗ろうと決めていた。
     クレープを食べ歩きしている鷹森・珠音(黒髪縛りの首塚守・d01531)が、隣に居る夏木・兎衣(うさぎのおもちゃ・d02853)の顔にクリームが付いているのに気づいた。
    「兎衣、ほっぺに付いてるんよ。綺麗にしたげる」
     舐める振りして、唇にキス。
    「あまいの……もっと、ほしい」
     そういう兎衣に珠音は嬉しそうに瞳を細めた。
    「……すまない、白羽。少し休ませてくれ……なんというか、お前はタフだな……」
     FUJIYAMAに乗って、クラクラのレイン・シタイヤマ(フリードリヒ・d02763)は、白羽・朔弥(中学生殺人鬼・d03283)と共に近場のファーストフード店で休憩していた。
    「レイン、今日はありがとうな」
     ぐったりしているレインの頭を朔弥はそっと撫でてやった。
     バーガー屋の席を陣取り、前田・光明(中学生神薙使い・d03420)と早鞍・清純(全力少年・d01135)。
    「あー、あっちの童顔女子大生もかわいい! 服のセンスもいい! ……って、彼氏同伴か彼氏爆発しろ」
    「子連れか……だが誠に素晴らしい」
     清純は巨乳の女の子、光明は熟女観察ができる絶好ポイントに大興奮。素晴らしいスポットに誘ってくれた清純へと光明はポテトを分ける。とはいっても一本だけだが。
     グレートザブーンに挑戦し、濡れてしまった服を着替えて、宮姫・遥(小学生魔法使い・d02339)と桜川・るりか(中学生ダンピール・d02990)は相談しつつ食べ歩き。
    「戦慄迷宮? うん、それも楽しそう。でもその前にチーズ団子とたい焼き食べてから行こうよ」
    「チーズ団子にたい焼き、って。るりさん手に持ってるのそれケバブよね……?」
     ミルキー味のソフトとケバブを持ったるりかの手を指差して、遥はそう指摘したのだった。
     ケバブといえば、敷島・雷歌(炎熱の護剣・d04073)もドネルケバブに舌鼓を打っていた。
    「……次は『仲間』と来れればいいな」
     日傘を差して、しゃくしゃくと新作のアップルベリーのアイスを楽しむのは、氷美・火蜜(銀のフランメ・d00233)。食べ終えてもう一つ注文していた。
    「お小遣い、足りるかな?」
     楽しそうな雰囲気に惹かれて、藤堂・悠二郎(闇隠の朔月・d00377)もまた、ソフトクリームを食べている。
    「こういうところは、やっぱり大事な人と来るのがいいんだろうな」
     姉の後をついてきてやってきた日野森・沙希(劫火の巫女・d03306)。既に姉の姿はなく、一人でクレープを食べている。
    「これ、おいしいな……もう一つ食べたいなぁ」
     帰りに姉へのお土産も買おうと決意して。
     一方、こちらは【☆星空芸能館☆】の皆がオープンカフェで冷たいものを食べていた。
    「そういえば、えりなさんは仕事で来たって話だけど、どんなことをしていたの?」
     抹茶のソフトクリーム2個を手に羽丘・結衣菜(小学生サウンドソルジャー・d06908)が尋ねる。
    「あ、どんな仕事をしていたのか私も気になる!」
     バニラソフトを舐めていた明石・華乃(中学生サウンドソルジャー・d02105)も身を乗り出している。
     バニラアイスの入ったオレンジフロートを一口飲んでから、星野・えりな(スターライトメロディ・d02158)は口を開いた。
    「あ、私は……えっと、ここには大きな野外ステージがあって、そちらで音楽イベントした事があるんです」
     歌手などの仕事をこなしているえりなは、遊びでここに来たのは初めてだ。と、榊・くるみ(がんばる女の子・d02009)が居ないことに気づいた。確かトイレに行ったと思っていたが。
    『星空芸能館の皆様、榊くるみちゃんが、迷子になっています。至急、迷子センターまで……』
     案の定、迷子アナウンスが流れてくる。
    「ちょっと行ってきますね」
     椎那・紗里亜(中学生魔法使い・d02051)が立ち上がる。華乃と共にくるみを迎えに行くのだった。
     迷子といえば、柩城・刀弥(高校生ダンピール・d04025)も迷子になっているのではなく、迷子になった子を保護していた。機関車のキャラクターをモチーフにしたカフェで、子供の母親を待っている。
    「ここで飯でも食うか、何が欲しい?」
    「お子様ランチっ!!」
     その後、無事にその子供の母親と合流し、彼らを見送ったのであった。
     【軽音部】の一行はファーストフード店で集まって、休憩中。
     部長の万事・錠(残響ビートボックス・d01615)率いる可愛いもん巡りで、ナガシマスカに乗ってきた高坂・由良(プティムーランルージュ・d01969)、狗川・結理(よだかの星・d00949)、東雲・恋(音に魅せる者・d04023)。
     一方、橘・千花(花絲小町・d01390)、馬喰・火花(灼熱ハンマーヘッド!・d01994)、成瀬・亮太郎(小学生爆音サウンドソルジャー・d02153)、西織・一(中学生ダンピール・d03323)は、戦慄迷宮に行ってきた。
     残りの八重樫・貫(疑惑の後頭部・d01100)、天鈴・ウルスラ(ぽんこつ・d00165)、神楽・雄介(壊れた心の歯車・d04467)、陽愛・ひかる(フレンジャー・d02976)は絶叫マシン制覇してきたようだ。
     彼らはファーストフード店で買ってきた物をテーブルに並べて、楽しく感想を言い合って、大いに盛り上がっている。さあ、この次はどこに行こうか?
     トンデミーナの近くにあるピザ屋で、クラスメイトの三人が集合していた。
    「来たね、待ちくたびれたよ」
     そんな風に冗談めかして笑うのは、白弦・詠(白弾のローレライ・d04567)。彼らは早速、ピザを注文し、オープンテラスで一緒に食べていた。
    「ぼく、さっきあれ乗ってきたけど、何あれ! 怖いじゃんか!! ほんとに飛んでっちゃうかと思ったよ! アホなの? もう胸がばっくん、ばっくんいって破裂するかと思ったよ! まぁ、破裂するほど胸なんてものはないですけどね!」
     臼井・幸(プアハッピー・d06678)は捲くし立てるかのようにピザを食べながら、喋っている。隣に居た阿比倉・傑(夢捉えの惨劇・d04808)がデザートにアイスを持ってきて、大いに盛り上がっていた。
     絶望要塞に行ってきた杜瀬・明日(高校生殺人鬼・d00108)と椛夜・詩乃(夢霄ホリック・d07403)は、人気の虹色アイスを食べながら休憩していた。ちなみに絶望要塞では、クリアできず、まだ引きずっていた。
    「おし、これ食ったらまた並ぶか。今度こそ頼れる兄貴っぷり見せてやるからよ」
    「うん、にいさまの推理、頼りにしてる!」
     どうやら、アイスで元気を取り戻したようだ。二人は一緒にまたあの要塞へと向かう。
    「なんで、ゆずの頼んだのわかるの!? すごいっ!!」
     クレープ屋の前で珍しく大声を出していたのは、日辻・柚莉(ひだまり羊・d00564)。「だってね、ゆずが選んだのも、みち、気になってたの」
     そういって日辻・迪琉(迷える恋羊・d00819)は、柚莉が迷っていたクレープの美味しいところを差し出した。苺がたっぷり入ったところ。柚莉はチョコバナナのチョコたっぷりな部分を差し出して。
    「「あーんっ」」
     『スタジオダイニング』で休憩しているのは、水無月・天(漆黒ニ沈ム緑・d05964)と水無月・勇(純粋ナル狂気・d06417)の双子の兄弟と、その妹の水無月・灰(幼女曰く萌えよ腐女子・d07060)の三人。
     特に天は、300gのステーキが乗った『タズマニアン・デビルのBIGステーキプレート』を前に瞳を輝かせていた。勇はというと、兄の様子に胸焼けしたらしく、オレンジジュースを飲んでいる。灰はそんな兄たちの様子をきらきらした目で見ていた。
    「んっ!! あれって、ハイランダー!?」
     まだ食べきっていないステーキを咥えて、天が立ち上がる。
    「追いかけて遊ぶのじゃ!!」
    「あ、ちょっ! 待って、まって、マッテぇぇ!!」
     早朝マラソンしたというのに、三人は元気な様子で、見つけた絶叫戦隊ハイランダーのええじゃないかレッドを追いかけたのだった。

    ●最恐のホラー病院!
     ところ変わって、こちらは『最恐戦慄迷宮』。世界最長の病院廃墟を模したお化け屋敷で、約60分もの恐怖体験ができるということで、かなりの賑わいを見せていた。とはいっても、途中でリタイアする者も多いようだが。
     戦慄迷宮の前で出会いがしらにぶつかってしまったのは、紅蓮・茉莉花(高校生ファイアブラッド・d05632)と御盾崎・力生(ホワイトイージス・d04166)。
    「っと、失礼した。怪我はなかったかな。……きみも武蔵坂の生徒?」
     力生に尋ねられて、こくりと頷く茉莉花。
    「出会い頭にぶつかったり、こういう場所でどきどきすると、恋が芽生えると聞きますが本当でしょうか?」
     果たしてその結果は……二人のみぞ知る。
     一方、既に内部の迷宮に挑んでいるのは、後籐・恋(ポップロックトリックスター・d01111)と大松・歩夏(影使い・d01405)の二人組。
    「た、ただ……暗いと危ないからな。離れ離れにならないように……」
     そういって、歩夏は、ぎゅっと恋の袖を掴んでいた。
    (「バリ平気そうに見えたけど、意外に可愛いトコあるじゃん♪」)
     と恋は心の中でこっそり微笑んだ。
     【吉中2H】のメンバーも団体でぞろぞろと迷宮を彷徨っていた。
     先頭は荻原・茉莉(モーリー・d03778)と東風・希(女は形から・d02315)。
     けれど、空気を読んだ茉莉は、暗いところで希の手を離した。その隙に女子にちょっかい掛けるゲイル・ライトウィンド(一陣の風・d05576)の足を踏んだ黒御門・凜々子(幻想に咲く黒百合・d05833)は、そっとその場を離れ。その間に希の背後に回りこんだライラ・ドットハック(褐色の狙撃手・d04068)が、ゲイルの方へと希の背を押した。
    「おや、マイハニー……暗い中は周りに気を付けて歩かねばなりませんよ。人肌が恋しかったのであれば話は別ですが」
    「馬鹿っ」
     見事、恋人同士の二人がくっつく形になった。凜々子とライラは満足げに親指を立てて、互いの健闘を称えた。
    「巧ー、そっち順路じゃないよー」
    「っと、いけねえな。道を間違えるところだったぜ」
     桐谷・笙(のんびり系男子・d03067)に声を掛けられて、鴻上・巧(灰塵と化した夢と欲望・d02823)は危うく迷子になる所だった。
    「うひゃぁ~ッ!!?」
     周りの人達に悪戯していた月詠・千尋(ソウルダイバー・d04249)が、ライラと笙の手によってお仕置きされていた。ちなみに、館内でのアクター以外が脅かすのはNGだ。今回はスタッフに見つからなかったので、何とかなったが、見つかっていたら、すぐさま退出になっていたことだろう。
    「おお、荻原かよ、脅かすなよ!」
    「怖がり同士、温もりを分け合おうよ!」
     森・緑郎(中学生ストリートファイター・d03602)を掴んで茉莉が言う。怖い病院も皆で行けば怖くない。
    「なんだが薄暗くて、気味が悪かったよ。けど、楽しかったなぁ」
     そんなエーミィ・ロストリンク(幽閉から放たれた魔弾の少女・d03153)の言葉に、皆は頷いたのだった。
     もうすぐ、館内へ案内されるのは、この二人。
    「浪、まさか怖いとか言わないよな?」
    「……あぁ? 誰が怖いって?」
     逆霧・夜兎(深闇・d02876)の言葉に鮫島・浪(深海グーフル・d00727)が凄んで見せた。
     一方こちらはというと。
    「む、むり! もうむりだよぉ! 怖いからもう戻ろうよぉ~……」
    「大丈夫大丈夫。明かりは無くてもボクは此処に居るよ」
     泣きつく赭嶺・桜(黒染めの桜・d03741)に古城・けい(ルスキニアの誓い・d02042)はゆっくりと歩き、この時間を楽しんでいた。
     実は怖いものが苦手な黒山・白羽(黒鵺・d00811)。真っ青な顔で神無月・飛朗(燃えるハートのご当地ライダー・d02728)の服の裾を掴んでいた。
    「お前が、迷子になったら困るだろ……」
    「おう! ダイジョーブだぜ!! 箸を持つ手の方が東だろっ!」
     これは迷子になる予兆だろうか?
     第三手術室にたどり着いた、四月一日・いろは(剣豪将軍・d03805)と外法院・ウツロギ(都市伝説:シリアルキラー虚姫・d01207)。
    「う~ん、第3手術室ってあるけど第1と第2は何処にあるのかな? ウツロギは知っ……あれれ、どちら様?」
    「キシャーー!!」
     ウツロギは荒ぶる邪神のポーズで、突然出てきたお化けに威嚇していた。
    「バカー! こんなの作った奴とお化け役のバカー! みんなバカー!」
    「ひゃぁ! ひゃいっ! や、やだぁぁ! 怖いアルぅぅぅ!」
     水綴・梢(銀髪銀糸の殺人鬼・d01607)とシャンロン・チョンチュ(その姿には炎・d04246)は仲良く抱き合って、一緒にリタイアしていた。
    「なつ、なつってば……歩くのはやい、先、行っちゃやだ……」
    「なんか、お前、入る前と様子違うんだけど……」
     いつもと様子が違う葛城・凜(空追・d00456)に王莉・奈兎(朱鍔・d00333)が、思わず呟く。照れた顔で奈兎が手を差し出せば、震える凜の手が重なった。
     御影・全(モノクローマー・d00408) は、後ろから聞こえる悲鳴や絶叫、それに合わせて、隣に居る風宮・壱(ブザービーター・d00909)の悲鳴のヒートアップさにイライラを募らせていた。そして、それは手術室にたどり着いたときに決壊した。
    「ぎゃああああ!!」
     手術室で出会ったお化けに壱が大声を張り上げた。
    「……五月蝿い」
     全が壱とお化けを、その凍えるような視線で一瞥すると、すたすたと先へ進んでいってしまった。ちなみにお化けと共に残された壱は、ここでリタイアになったのは言うまでもなく。
    「怖い……」
     小鳥遊・栞(滄溟のカルミナ・d01099)は黒瀬・凌真(痛歎のレガリア・d00071)に気遣われて、素直にそう答えた。
    「大丈夫だよ。ちゃんと連れていくから」
     しっかりとその手を握って、一緒にその先へと進んでいく。
     こちらも館内。追いかけてくるお化けに限界だった風巻・涼花(ガーベラの花言葉・d01935)は、思わず東雲・軍(まっさらな空・d01182)を盾にしていた。
    「無理ー!」
    「はっ?! おまっ……」
     良く見ると涼花は超涙目だ。というか、泣いている。それに気づいた軍は涼花の手を取り、ダッシュで駆け抜けたのだった。
    「ギャアアアア!?」
    「ヤダー! ヤダー! お化け嫌いー!!」
     天方・矜人(疾走する魂・d01499)と真神・翼(小学生サウンドソルジャー・d01371)は揃って叫んだ。矜人の方が余程、お化けっぽい格好をしているのだが。
     そんな叫び声に誘発されて。
    「うぅ……こわい……こわいよぉ……」
     黒水・蓮(無貌の蒼闇・d02187)は、ビビリながらも精一杯、先へと進んでゆく。
    「はわぁ~こりゃまた結構リアルだよ?」
     メアリ・ミナモト(夜天蒼星・d06603)とメアリ・レイクス(忘却ドーロル・d00304)は、互いに一人だったのでペアを組んだ。しかも同じ名前と聞いて、意気投合。こうして、二人で歩いている。
    「うふふ、次は何があるのでしょう、わくわくしますわ♪」
     二人で手を繋いで、楽しく館内を巡って行った。
     添木・唐弥(包帯蜘蛛男・d07566)は、中で迷子になっていた。リタイアしようにも、スタッフらしき者達に逃げられる始末。
    「……なんで逃げるんだろうねぇ? ……牡丹姉さん」
     それは唐弥の風貌とサーヴァントを連れているからなのだが……もう暫く唐弥は、この中を彷徨うことになりそうだ。
    「ってああ……ここでか。……わははははは!!」
     お化けに追いかけられながらも笑いながら、迷宮を楽しむのは杳坂・彦冶(影の煩い・d03270)。
     こちらは【お化けなんて怖くない】の4人組。
    「しっかり先輩としての威厳をぐうあああああああ!!?」
     宮廻・絢矢(アンハッピーバレット・d01017)が威厳を見せる前にもう叫んでいた。思わず神鳥谷・千弦(一閃・d01862)も叫んでいた。
    「うわっ! 驚かすなよ!」
    「な、なんだよ別にびっくりしてねーし!!」
     神鳥谷・千聖(灼熱・d00070)も驚いて、千弦が誤魔化していた。と、そのとき。
    「……アノ、ゴールまだですカネ? デス子さんもうお腹減って動ケナ……」
     歪・デス子(非売品・d00522)が倒れたので、結局途中でリタイアとなった。
     【czas】の一行も中の探索を楽しんでいた。
     陽瀬・瑛多(中学生ファイアブラッド・d00760)が思いついたように。
    「ちょっっと!! お兄ちゃん変な所で肩叩かないでよ!」
     陽瀬・すずめ(パッセロ・d01665)が瑛多に怒って叫ぶ。とそれを見ていた黒咬・翼(黒い牙・d02688)も。
    「……りぃつぅかぁ~?」
     楪・颯夏(風纏・d01167)を驚かしていた。颯夏はちょっと冷や汗をかきながらも。
    「や、コワクナイデスヨ?」
     と誤魔化して。その隣で秋津・千穂(カリン・d02870)は。
    「翼くんのほうがこわいわーーー! そして脅かすの無し!」
     と突っ込みを入れていた。
     【這い寄るかちゃん】は、それよりも大変なことになっていた。
    「……ってやっぱり怖いじゃないですかぁー!」
    「おや、るかさ……ぐほっ……」
     怖さで混乱した国崎・るか(アンジュノワール・d00085)が黄楊・クロニス(高校生魔法使い・d03163)の首を絞めて気絶させていた。それを見た神代・楓弥(楓焔・d00069)は。
    「本物出たぁああッ!? 逃げろーッ!!」
     と驚いて逃げ出し。天倉・夏奏(高校生殺人鬼・d03476)はパニックを起こして。
    「あらあら、るかさんったら。あんなにはしゃいじゃって、かわいいですね」
     言動がおかしくなっていた。もしかすると灼滅者と一緒にこういった場所に入るのは、実は危険なのだろうか?
     一方、【編み物研究部】達は。
    「すげー! 雰囲気出てる~! ほんとになんか出そうだなー!」
    「あまりはしゃぐと転ぶよ?」
     はしゃぐ久篠・織兎(糸の輪世継ぎ・d02057)に雨谷・柊慈(中学生エクソシスト・d02759)が注意を促していた。その隣では、嫌々ながらも近くに居たという理由で奥村・都璃(黎明の金糸雀・d02290)が一乃瀬・慶(瞳に映るは、瑠璃色なる都。・d04595)の腕を掴んでいたため、慶がとても嬉しそうな顔をしていた。
     ちなみに神井・紘一(SEED BLASTER・d04930)のナンパは失敗したことを記しておこう。編みぐるみは人気のようだったが。
    「あら、これは……」
     フィーナル・フォスター(悠久の時告げる光・d03799)の撮った写真の中に決定的なものが映り込んだ……のかもしれない。
     【文芸部跡地】の一行も探索中。
    「ねえねえ、オバケ出てくる? もうすぐでてく……きたああああぁぁ!?」
     笑屋・勘九郎(一寸法師スパニエル・d00562)の叫び声につられて。
    「ッうわあああああああああああああ!?」
    「ひゃあ!!」
     瀬芹・慧一(胃薬常備の胃痛くん・d01052)が悲鳴を上げて、神威・天狼(十六夜の道化師・d02510)は勘九郎に抱きつかれて変な声が出てしまった。闇咲・里花(ポンデ魔法使い・d02073)は。
    「こんにちわ! お疲れさまでーす!」
     挨拶を交わしていたり。ふと、宮瀬・冬人(翠玉の殺人衝動・d01830)が首を傾げる。
    「あれ? あの人は脅かしてこないのかな?」
    「ミヤ? そこには誰も居な……冗談、だろ……?」
     白・彰二(虹色頭の反抗期・d00942)が指摘して、間があった。
    「え、ホンモノ!? ……うわああああ!?」
     逢坂・兎紀(中学生殺人鬼・d02461)もまた見えなかったみたいだが、そのときびっくり系の仕掛けにひっかかり、皆で大ダッシュ。
    「けけけ、お前もビビってんじゃねえか、うさぎちゃん」
     逢坂・豹(中学生シャドウハンター・d03167)が満足げに笑っていた。
     【富士急遊ぼう隊】の面々も順調に歩を進めていく。
    「そんなに恐いなら無理をすべきでないぞ。でも……そんなところが……」
     月岡・朗(高校生ファイアブラッド・d03972)は、怖がって腕に抱きついてくる音羽・つぐみ(高校生サウンドソルジャー・d00415)に声を掛けた。
    「私だって……最上級生ですから、泣きません」
     小さい声で、けれどしっかりと答えた。
    「だめですわよ、ちゃんと健康に気をつけませんと! そんなことでは美しい内臓を維持できませんわ!」
     エレノアール・エイリアス(ヴィヴィセクター・d03569)がアクターに説教をしているのを。
    「エレノアール先輩は、お化けが怖くないみたい……」
     夏目・志摩子(プシュケ・d00571)は、彼女の後ろにくっつきながら頼もしく思うのだった。絶叫マシンでクラクラしていたクラリーベル・ローゼン(青き血と薔薇・d02377)も復活。内心怖いと思っていたが。
    「やだー! もう帰るーっ!!」
     九条・千早(春風の少女・d00148)に頼られては、虚勢を張るしかない。
    「お化け、かわええんやけどな」
     結局リタイアしたのを伏見・日々日(ふぁいてぃんぐ魔法少女・d01375)は残念そうに館を見送ったのであった。
     こちらは三兄妹。
    「おねえちゃんはこわいの? もう、なさけないなぁ。みゆについてきてよ!」
     一番年下の置始・みゆ(小学生魔法使い・d03819)が頼もしく見える。
    「みゆ、頼もしいんだね」
     そういう置始・唯(中学生エクソシスト・d03100)は、兄の置始・瑞樹(殞籠・d00403)の裾をしっかりと握っていた。
    「俺が居るから心配すんなよ」
     瑞樹が励ますが、ちょっと遅れた感があるのは気のせいだろうか?
     こちらの三人組は最後の難関に突入していた。
    「ふはは! さあ、出口は彼方だ。僕の事は気にしないで先に往くがいい! ニコちゃんグットラックッ☆」
     絲紙・絲絵(戀虚構・d01399)はそういって、ニコ・ベルクシュタイン(薄氷踏みの魔術師・d03078)に先を譲る。
    「最後の最後で俺のことはいいから、早く行けプレイとはなかなかやりおる! 絲紙……いい奴だった……! いとしィー!!」
     互いに譲り合っている中、二人はふと思い立った。自分たちよりも適任がいるじゃないかと。
    「やだちょっ、しかも何で俺が先? 嫌だよ、一緒に行こうよ、お願いだからさあ!」
     緒野・柚弦(アンラッキースター・d01752)に言われて、結局三人は一緒に最後の難関に飛び込んだのだった。
    「ヒ……ッ!」
     小さく叫ぶ藤平・晴汰(篝火・d04373)に朝山・千巻(毒入りロリポップ・d00396)は意地悪そうな顔を浮かべる。
    「あれあれ~? せいちゃん、怖いの苦手だっけぇ??」
     と、ぐいぐいと千巻は晴汰の背を押していった。
     クラスメイト同士の三人組は……シェリー・ルノワール(交響曲第三番・d00636)が驚いて全力でお化け相手に戦うので、もう少しで強制退出させられるところだった。
    (「僕は怖いのは平気だから、特に驚かないんだが……」)
    (「来栖さんも落ち着いてる、ですね……」)
     怖がるシェリーの後ろで、鏡宮・来栖(気まぐれチェシャ・d00015)とユエ・ルノワール(月の詠・d00585)の二人は、顔を見合わせ親近感を感じるのであった。
     こっちはちょっとむさ苦しい男三人組。だけど……。
    「え、今日は三角関係でーとスよね?」
     円井・牢也(煙々羅・d03445)が思わず確認する。
    「え、デートだよね? アザミめっちゃそのつもりで来たのにー」
     千歳・アザミ(幻日・d02608)がそう頷いた。
    「つうかデートじゃねぇだろ、男三人で。そしてくっ付くなアザミ暑苦しい! 牢也も訳分かんねぇ事言ってんじゃねぇよ、ああだから引っ張んなって!」
     賽原・龍哉(目隠し鬼・d02638)が二人の真ん中で叫ぶ。そうはいってもデートにしか見えないのは気のせいだろうか?
    「お手をどうぞ、マドモワゼル?」
     そう手を差し伸べエスコートするのは、白露・狭霧(高校生殺人鬼・d02732)。
    「ありがとう! でもだーいじょうぶ。結良さんは魔法使いだもん。お化け、怖くないよ?」
     と安曇・結良(長レスの魔女・d03672)は強がって見せるのだった。
     なんとかゴールにたどり着けた麗・深景(白昼の揺れる銀陽・d00400)と柊・詩織(宵に灯る金月・d01846)。
    「楽しかったね。また2人で遊びにこよう!」
    「また、二人で、ね」
     深景の眩しい笑顔に詩織は頷いたのだった。

    ●他にもあるよ、絶叫マシーン!
     実はまだ富士急ハイランドには絶叫マシンがある。
     夏にぴったりで、カップルにも大人気なのが、巻き上げ式ラフティングライドの『ナガシマスカ』。4人乗りの円形ボートでコースを廻る。しかも日本一大きい招き猫には、恋愛成就のご利益もあるらしい。
     そんなナガシマスカに挑戦するのは【Archives】の8人。4人1組なので、ジャンケンでグループ分けをすることになった。
     最初のグループは……。
    「くっくっく、もちろん合羽なんて持ってきてないぜ! そんなモノに頼るなんで惰弱すぎるだろ?」
     平・等(その正体はマスクドレッド・d00650)が宣言したことを皮切りに、萬里小路・薔子(風の黒薔薇・d00389)以外、全員合羽なしで挑んでいた。案の定、みんなずぶ濡れに。コースも終盤。
    「そぉいっっ!」
     熊城・勝魅(壁となり弾となる肉・d00912)はずぶ濡れになりながらも、社の前で勢いよく拍手。薔子も真剣な顔で大きく拍手をしていた。
     一緒に乗っていた天祢・皐(高校生ダンピール・d00808)は、招き猫ペアを写真に収める事に夢中だ。
    「と思っていた時期がオレにもありました。くそっ、こんな事になるなら持ってくるんだったぜ!」
     ぶつぶつ文句言う等の隣で、勝魅もジャージの上着をぎゅっと絞っていた。
     次のグループは逆に3人とも合羽を着て準備万端。
     音羽・彼方(不偏なる灼滅者・d05188)は仕掛けからの水攻撃に警戒しつつも、何やら思うことがあるらしく思案中。
    「面白いこと、起きます様にです……!」
     三上・文(母なる温もり・d04057)は、みんなと心をあわせて、タイミングよく拍手していた。朝霞・薫(高校生ストリートファイター・d02263)は、しっかり用意していたクリーニングの力を使って体と服を綺麗にしていた。
    「思いっきり楽しんだことだし、アイスクリーム食べに行かない?」
     葉月・玲(高校生シャドウハンター・d00588)の提案に皆は楽しげに頷いたのだった。
     【Chaser】の6人もナガシマスカにやってきた。特に小圷・くるみ(星型の賽・d01697)は初めての絶叫マシンに大はしゃぎ。
    「ヤベェ、くるみ! 飲み込まれっ……」
    「へ? くるみ立ったらあぶっ……」
     社樹・燵志(Blue Moment・d03142)と東当・悟(真紅の翼・d00662)がくるみを止めようと腰を上げた途端、渦に飲み込まれて阿鼻叫喚な騒ぎになった。
     一方、先行していたもう一方のグループは。
    「うわぉぉぉっひゃあああぁぁー! きゃっははーい!!」
     とミカエラ・アプリコット(弾ける柘榴・d03125)が絶叫する横で。
    「目が回るー!!」
     ライドで咲宮・奏恵(瑠璃色スフォルツァート・d01820)は目を回していた。
    「コーヒーカップみたいに、ぐるぐるしながら落っこちるって新鮮だねー!」
     鈴城・智景(ひまわり・d03159)もはしゃいで、どうやらとても楽しんでいる様子。

     一方こちらは、総回転数世界一のローラーコースター『ええじゃないか』。
     その触れ込みに惹かれて峰・清香(中学生ファイアブラッド・d01705)は一番にそのコースターへと向かった。
    「さて、乗るか」
     満面の笑みでコースターに乗りこんでいく。
     礫隠・破(あいらぶえむ・d01258)も、そのコースターに乗り込もうとしていたのだが、あいにく身長制限に引っかかってしまった。でも彼女には奥の手があった。トイレに入ると、さっそく用意していたエイティーンを使って、18歳に変身! これならコースターも乗れるというもの。だが、新たな問題が浮上?
    「あれ、でも私入場する時は子供料金で入りましたの……こ、これはいったいどうすれば……」
     こちらはクラスメイト5人組。
    「どうか2年4組の何方も、命を落とす事無く終えることができますように」
     ビセンテ・エンリケス(贖罪・d06941)が十字を切ってお祈り。命云々は大げさだが、大変ハードなコースターなのだから無理もないだろう。
     さっそく5人は乗り込んで……。
    「はっはっは」
     感情を表に出さない天城・迅(高校生ダンピール・d06326)は、珍しく笑いながら楽しんでいるようだ。
    「――――――――っ!」
    「たーまやー!」
     真鶴・八重(蒼氷の祈り・d06335)は声に出ない叫びを、真城・光里(熱血味噌煮込み・d06382)は思いついた言葉で叫んでいた。
    「……ご、娯楽のスリルも中々、スゲェ……」
     支守・まこと(テキトーにがんばる・d06866)はあまりの凄まじさにガチ酔いしていた。
     こちらは【アウトサイダー】組。
    「おっと、皆の中でこういうの、苦手なものはいるか?」
    「いや、別に苦手な訳では……」
     水無月・弥咲(アウトサイダー・d01010)の言葉に水無月・礼(影人・d00994)がやせ我慢して答えた。ちなみに逃げ出そうとしている水無月・戒(疾風怒濤のナンパヒーロー・d01041)をしっかりと弥咲が捕まえていた。
     いよいよ乗車。
    「ど、どきどきだよ……っ」
     激しく緊張した面持ちで景山・瑞樹(中学生ストリートファイター・d04483)はぎゅっと安全バーを握っている。
     と隣で……トラブル!?
    「ちょ、ちょい待てっ……スタッフー!」
     飛鳥・龍人(コモンレイヴン・d03710)の安全バーが落りてこなくなって……ではなくて、ちょっと反応が遅かっただけでした。けれど動揺している様子を見ると、かなりびびっているようにも見えるが。
    「絶叫マシンはらめぇぇぇーーー! アッーーーーーー!」
     戒が叫び声をあげる中、一緒に乗っていたオニキス・ブラックロウ(1/1024の里帰り・d01025)は、笑顔のまま放心状態となっていた。
     ちなみに六徒部・桐斗(雷切・d05670)は降りる段になって。
    「お、おぉ……寝てませんじょ」
     寝ていたとは……ある意味、大物かもしれない。

     ナガシマスカも夏にぴったりだが、もっとスリルを味わいたいのなら『グレート・ザブーン』がお勧めだ。高さ30mからの大迫力ダイビングでは、物凄い高さの水しぶきが上がる。
     やってきたのは【井の頭中1F】。さっそく前の席を陣取るのは霞末・周(朧月・d00421)と水葉・椛(秋の調・d05051)だ。不安そうな黒瀬・夏樹(錆色逃避の影紡ぎ・d00334)に藤枝・丹(六連の星・d02142)は。
    「構えると余計怖くなるからリラックスしたら?」
     と声をかけてあげて。そうこうしている内にボートが動き出し……。
    「うひょおおおおおおおお??!!」
     葵・瑞葉(紅焔狼・d03061)が叫び声をあげる中、天渡・凜(天を渡る歌声・d05491)はぎゅっと目を瞑っていた。乗り終わった後。
    「あらあら、余り無理はなさらないでくださいね?」
     ラピスラズリ・ヴリュンヒルド(堕落の戦乙女・d01603)が夏樹を介抱している隣でもう一人。
    「ちょ、ちょっと待って……その……こ、腰が……」
     結城・悠那(中学生ストリートファイター・d01726)もまた腰を抜かしていた。
     外では濡れた仲間達が濡れた服を絞っていた。
    「びっしょびしょ! 服重てぇ! Tシャツ絞れる!!」
    「あははっ、やっぱり夏はこれだよね!」
     加賀谷・色(苛烈色・d02643)と左藤・四生(中学生神薙使い・d02658)がはしゃぐ中、タオルを配っていた東雲・朔(中学生ダンピール・d05087)が皆に呼びかける。
    「さぁ、次は何に乗ろうか?」
     こちらはクラスメイトの二人。
    「ぎゃああああ!!」
     あまりの落下に斑目・立夏(双頭の烏・d01190)が思わず叫んで。
     それに一呼吸、遅れた後で、固まっていた藤谷・徹也(高校生殺人機械・d01892)が動き出した。
    「……高速落下を体験すると言う貴重なデータを得た」
     グレート・ザブーンを乗り終えた後、準備のいい雨音・ユイ(うたつむぎ・d01378)が大きなタオルを取り出した。
    「わ、大きなタオル! 準備良いね!」
     柏木・耀亮(シムシャイ・d01725)がタオルの上からユイを抱き締める。
    「先輩も拭かないと、風邪ひいちゃいますよ」
     照れたようにわたわたしながら、ユイはそう言った。
     こちらは従姉妹同士。
    「もうすぐだね♪」
     いよいよ来る落下地点に我妻・七都(自称のーまる・d00973)は、わっくわく。
     と、陰条路・朔之助(雲海・d00390)が真剣な眼差しで。
    「なっちゃんすまん……実は……なっちゃんの団子……食べたの僕なんだ!」
    「え? ひやああああああ!!」
     朔之助の告白&落下の物凄い衝撃に七都はくらくらと目を回していたのだった。
     合羽を着ずに互いにびしょびしょになったソルデス・ルクス(不浄なる光・d00596)と七瀬・小太郎(緋き炎の贖罪者・d00681)。
    「何でしょうか、この感覚は……何故、私は顔を赤らめているのでしょうか……。彼は、男の娘、じゃなくて男の子、しかも小学生なのに……」
     そう、小太郎は少女な見た目だけれど、れっきとした男の子なのだ。
    「あ、あのソルデスさん? 大丈夫ですか?」
    「い、いえ、何でもないです!」
     実は絶叫系が苦手な志風・綾音(中学生エクソシスト・d04309)。一度乗って何とか誤魔化すことに成功したのだが、倉地・悠矢(中学生ファイアブラッド・d04312)に。
    「もう1回乗る?」
     と聞かれてしまったので、つい。
    「……う、受けて立つわ!」
     そう返事してしまったのだった。
     黒鉄・伝斗(終わりのない電脳遊戯・d02716)は、しっかりとビニール袋で防水カバーしている携帯ゲームをしながら、グレート・ザブーンに乗り込んでいた。自分はいいのか、合羽はなしで。案の定、二人はびしゃびしゃになってしまった。
    「結構濡れるんだね……でも涼しくていいかも」
    「……なあ。たまには『ゲーム以外』で遊ぶのも良いだろ?」
     近江・祥互(影炎の蜘蛛・d03480)の言葉に伝斗は、ゲーム片手にまあねと答えた。
     千菊・心(ブッチャー・d00172)と響・澪(小学生魔法使い・d00501)は、互いに一人だということ、ついでに同じく水着着用ということで盛り上がり、一緒にグレート・ザブーンを楽しんでいた。
    「あはは、ずぶ濡れになっちゃった」
    「わたしは絞って乾かすよ!」
     そんな二人の元に一人の影が。颯爽と着替えとタオルを差し出し。
    「御嬢さん、これも何かの縁、一緒にお食事でも……」
     ナイト・リッター(ナイトナイトナイト・d00899)に驚きながら、タオルを借りたものの、服とお食事は丁重に断ったのだった。
     【PropylengReCall】の一行は、グレート・ザブーンの前で相談中。
    「レインコート……有料なのね……おかねは大事だものね」
    「あ、ボクもレインコートいる!」
     どうやら、カムオン・ストレート(ハイブリットロマンチスト・d00298)と氷浦・火撫(ブレイドハッピー・d00024)は、バッチリ乗るようだ。
    「わたしは最恐戦慄迷宮に行くヨ、いひひ」
    「ああ、俺も」
     ガーネット・ラミュー(ドレッドネイル・d02334)と木戸・夕焼(フラッシュバックノスタルジー・d00230)は、これから戦慄迷宮に行くようだ。ふじやまたい焼きを狙う笹前・奇々(タイムキリング・d00193)は高らかに宣言した。
    「それじゃ、また後でな……」
     それぞれ思い思いの場所で楽しむために。

    ●まだまだ楽しんじゃお!
     アトラクションは、他にもたくさんある。
     こちらはゴーカート場。【そよ風クラブ】の面々がアイスを巡って熱いレースを繰り広げていた。
    「ふふ、神凪家の当主を甘くみないでください」
     自信のある神凪・燐(常闇に吹くそよ風・d06868)がトップを狙い、功刀・肇(高校生ストリートファイター・d06507)は、最初戸惑いながらも、レースに慣れてきた様子。
    「急がず焦らずってねって……団長大丈夫かな」
     後ろからじっくりと状況を見定めている御門・良也(高校生シャドウハンター・d02800)は、ぶつかってばかりの団長を心配していた。結局、トップは燐、つぎに肇と良也。そしてラストはというと。
    「私のアイスぅ~~!」
     風音・瑠璃羽(高校生魔法使い・d01204)になった。そんな瑠璃羽に燐は冷たいジュースを奢ってやったのだった。

     音楽と共にくるくると馬が回っていく。そうメリーゴーランドだ。
    「えへへ……ぐるぐる、の、おうま、さん、たのし、いね」
     白馬に乗って、篠宮・まひる(泡沫シレーヌ・d02546)はとっても嬉しそうだ。
     夢想・命(スイーツライフ・d01170)は、颯爽と白馬にまたがり、手を差し伸べた。
    「お手をどうぞ、お姫様?」
    「ふふ、喜んで」
     くすぐったく感じながら、雨嶺・茅花(霄惟・d02882)は、命の手に自分の手を重ねた。

     こちらは、一世を風靡したドラマ性の高いロボットアニメのアトラクション。
    「わぁ、初号機おっきいー! 愛菜も乗ってみたーい!」
    「あ、こら、愛菜! 走り回ってると迷子になるわよ! うろちょろしないの!」
     はしゃぐ桜野・愛菜(魔法少女ラブリィチェリー・d03948)に桜野・魅姫(舞姫無双・d04426)は注意を呼びかけながら、彼女自身も楽しんでいた。

     一方、こちらは人気シリーズのロボットアニメのパビリオン。大人から子供まで幅広く人気を博しており、特にアニメに出てくるロボットをモチーフとしたプラモデルは、そのアニメのロボットの名前を入れて呼ぶくらい、大人気であった。このアトラクションに来ているのは【Reverie】の面々。
    「……というか、これ、男の子向けのアトラクションなんじゃないかしら」
     思わず久住・かなえ(レザーエッジ・d01072)が突っ込みを入れてしまう。けれど、女の子でも憧れるものは憧れるのだ。
    「ん~、コレなんかいいかな。喜んでくれるといいなぁ……」
     永瀬・刹那(清楚風武闘派おねーちゃん・d00787)がお土産を見ていると、近くで「赤いから三倍で」と騒いでいた潦・ともの(小学生ファイアブラッド・d02430)がいない!?
     と、そのとき、タイミングよくとものの迷子アナウンスがかかって、彼らは無事合流を果たすことができた。どうやら迷子になったとものは、潦・耀夜(真澄鏡・d01272)に保護されていた様子。結局とものは耀夜の背で眠りながら帰路についたのだった。
     こちらは単身、このパビリオンにやってきたプニプニール・ミカンゼリー(蜜柑大好き・d05954)。
    「今度こそみっしょんこんぷりーとしてやるです!」
     かなりやる気なようだ。
    「うわー初めて見た! お台場で公開された時は行けなかったからなー」
     緋梨・ちくさ(さわひこめ・d04216)は展示されている巨大ロボットに釘付け。
    「烈斗さん、一緒に頑張りましょうね」
     首を傾げながらもパビリオンの説明を聞いていた御剣・朔夜(ドリルヒーロー・d03719)は、隣にいた炎群・烈斗(炎のさだめ・d04353)に声をかけた。
    「ああ、目指せコクピットだぜ!」
     一方、こちらはパビリオンを楽しんだペア。すっかり楽しんだ神田・熱志(ガッテンレッド・d01376)が声をかける。
    「今日は、ありがとうな」
    「ううん……その……」
     おずおずと喜屋武・波琉那(淫魔の踊り子・d01788)が。
    「もしよかったら、最恐戦慄迷宮……いかない?」
     その申し出に烈斗は笑顔で力強く頷いた。

     絶叫モノ以外で、大人にも子供にも安心してお勧めできるのは、やはり大観覧車の『シャイニング・フラワー』だろう。その中でも天井から足元まで透明のスケルちゃん・スクムくんは大人気だ。数多くの子連れやカップルが次々に乗り込んでいる。
    「だってエル姉、自分で行きたいとか言った癖して、予定何も考えてないでしょう? ずっと私の後ろに付いてきてばっかりなんだもの」
     ディステル・ゲッフェルト(シルバーブラッド・d01199)とエルナ・ゲッフェルト(ホークアイ・d00039)は、透明ゴンドラに乗って、次の行き先を相談中。
    「ええ、ディステルの好きな様に決めてください」
     エルナがそういうと、きゅうっとディステルのお腹が鳴って。どうやら、行き先が決まったようだ。
    「おおっ!! 本当にスケスケだっ!!」
     天羽・梗鼓(颯爽神風・d05450)は透明ゴンドラに顔をくっつけて大興奮。
    「こっちの景色も綺麗だぞ」
     天羽・桔平(お気楽ご気楽トリックスター・d03549)が手を握る天羽・蘭世(白蘭の歌姫・d02277)にそう言うが。
    「う、うん。すっごく綺麗です……」
     楽しんでいたけれど、ちょっぴり怖がっていたようだ。
    「これが、遊園地……」
     わくわくと透明ゴンドラから見える景色を眺めているのは、風早・真衣(Spreading Wind・d01474)。
    「……あれ、顔色悪いな?」
    「まさか、透明とは思わなかっただけ、だ」
     頬杖をつく風見・遥(眠り狼・d02698)に指摘され、夜月・深玖(孤剣・d00901)は苦笑を浮かべた。そう、深玖はちょっとだけ高い所が苦手なのだ。
     開園早々、真っ先にシャイニング・フラワーのスケルちゃんに乗り込んだのは、神無月・晶(3015個の飴玉・d03015)。
    「一日中観覧車に乗り続けるのって前からあこがれていたんだよね……」
     たびたび降ろされてはいるが、それでも長い時間、観覧車に乗り続けられて満足そうだ。
     こちらは、まりんと一緒に4人で普通のゴンドラに乗っている。
    「まりんお姉ちゃん♪」
     まりんの腕に抱き付いて甘えられて、鈴永・星夜(小学生神薙使い・d05127)は嬉しそうだ。
    「見ろ、人がゴミのようだ、ですね」
     橘・散里(夏ノ君・d01560)はずっと言いたかった台詞が言えて、ちょっぴり嬉しそう。
    「こうやってゆっくり周囲を眺めるのもいいものですね……」
     アトラクションを制覇した火室・梓(中学生ストリートファイター・d03700)は、まったりとしたこの時間を静かに楽しんでいた。
     こちらのカップルもたくさんのアトラクションを廻って、観覧車内で休憩中。雪待・連理(中学生殺人鬼・d00179)の膝枕に風音寺・怜(中学生シャドウハンター・d01223)はご満悦。
    「はふー……まったりやなー気持ちええなぁー」
    「やれやれ、はしゃぎすぎだぞ。ちゃんとペース守るようにな?」
     連理の言葉には苦笑を浮かべて。観覧車を降りたら一緒にジュースを飲もうと、連理は心の中で決めたのだった。

     楽しい時間はあっという間に終わってしまう。とうとう帰る時間となった。
    「みんな、遊園地、楽しかった?」
     まりんの言葉に、皆は笑顔で頷いたのだった。

    作者:相原きさ 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2012年9月7日
    難度:簡単
    参加:367人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 1/感動した 1/素敵だった 120/キャラが大事にされていた 76
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