命ある者が憎らしい

    作者:時任計一

     一匹のオオカミが、街からほど近い丘を訪れていた。そのオオカミ、毛の色は白いのだが、毛先がほんのり小麦色に染まっており、淡く光っているようにも見える。
     オオカミはしばらくその場にとどまり、1時間も待たずに、ふいとどこかに行ってしまう。
     そして、それは現れた。
    「恨めしい……全てが恨めしい……」
     出てきたのは、胴丸を来た、侍のような男。背中から、槍や刀で串刺しにされていた。そして足は、その地にからめ取られ、身動きが取れそうもないように見える。
    「恨めしい……」
     それでも男はそう言い続け、狩るべき獲物を待ち続けていた。


    「お前達、スサノオと古の畏れを見たことはあるか?」
     神崎・ヤマト(中学生エクスブレイン・dn0002)が、そう切り出す。
    「戦争で戦った古の畏れ。ある街で、スサノオがあれを新しく生み出しているのが分かった。もちろん、あの時の大きなスサノオじゃなく、ニホンオオカミ程度の大きさのスサノオだが」
     それでも、脅威となるのは変わらない。
    「今回お前達には、古の畏れの方を撃退してほしい。今回、スサノオの方はどうにもならないようだからな」
     古の畏れは、どうやら過去の逸話・伝承を元に作り出されるようだ。
    「今回の古の畏れの元ネタは、戦国時代の合戦で死んだ侍の話だ。敗走中、足を取られて転んだ自分を見捨てた仲間、そして自分を背中から串刺しにした敵……最期には、命あるものすべてを恨んで死んだ男。そいつの話が逸話となり、今回、古の畏れとなって出てきたわけだ」
     古の畏れが出た丘は、子供たちの遊び場になっているらしい。古の畏れが子供たちを見れば、確実に殺そうとするだろう。被害が出る前に、何とかしておきたいところだ。
    「当日、子供たちは、小学校帰りにその丘に遊びに来る。だから仕掛けるのは、学校の下校時刻前にするべきだ」
     遅くとも、午後3時まで……安全を期するなら、午前中に戦闘を終わらせておくのが望ましいだろう。
    「古の畏れの目的は、命ある者を殺すこと。だからお前らが現場に行けば、向こうから戦闘を仕掛けてくるだろうな」
     恐らく、不意打ちは望めない。だが、一気に攻め込む電撃作戦を取れば、敵に後れを取ることもないだろう。
    「古の畏れは、日本刀と妖の槍のものに似たサイキックを使ってくる」
     ポジションは、クラッシャーに位置するだろう。
    「さっきも言ったが、今回、スサノオ自体はどうにもならない。どうやらあれは、かなり予知がしにくくなってるらしくてな。だから今は、こうやって奴が起こす事件を、ひとつずつ潰していくしかない。だが、こうやってスサノオを追っていけば、いずれ必ず奴にたどり着けるはずだ。相手はまだ得体のしれない、厄介な連中だが、さっさと事の元凶を潰すためにも、今回の戦い、必ず勝って帰ってきてくれ。頼んだぜ」


    参加者
    玖・空哉(強欲・d01114)
    笠井・匡(白豹・d01472)
    領史・洵哉(和気致祥・d02690)
    埜口・シン(夕燼・d07230)
    楠木・朱音(勲歌の詠手・d15137)
    ジョナ・ウィルキンソン(ニュージーランド最強のオタク・d16816)
    ハリー・クリントン(ニンジャヒーロー・d18314)

    ■リプレイ

    ●逸話の侍
    「この先が、問題の丘だね」
     灼滅者達の先頭に立っていた埜口・シン(夕燼・d07230)が、そう言って足を止める。
     この先にいるのは、スサノオが生み出した古の畏れ。放置すれば、多くの人を傷つける、危険な存在だ。
    「うーん、古の畏れってあれだ、雰囲気的には地縛霊みたいな感じ? ……怪談染みたのは夏場だけにして欲しいねぇ」
    「どっちかってーと、都市伝説に近い物があるな。まぁどっちにしろ、やるこた変わらねーな」
     飄々と言う笠井・匡(白豹・d01472)に応えて、玖・空哉(強欲・d01114)はそう言い、拳を握って続けた。
    「……ぶっ潰す。それだけだ」
    「ですね。このままだと、何も知らない子供たちが被害に遭ってしまいます……止めないと」
     空哉の言葉に、領史・洵哉(和気致祥・d02690)が同意する。そんな中、楠木・朱音(勲歌の詠手・d15137)は時計と周囲を見て、仲間に声をかける。
    「いい時間だし、人も少ない。そろそろ行くか?」
    「そうだねぇ。じゃあ、準備して、っと」
     ESPでの、殺気展開と音の遮断。前準備を整えた灼滅者達は、隊列を組んで丘の上に足を踏み入れた。
     丘は見晴らしがよく、いい風が吹いている。隠れる場所など無い。だから、それはあっさりと見つかった。
     背中に、刀と槍が突き刺さった侍。その顔は、命あるものへの恨みで醜く歪んでいる。そしてその目は、灼滅者の姿をはっきりと捉えていた。
    「恨めしい……」
     侍はそう言うと、背中に刺さった刀を抜き、灼滅者達に向けて振りかぶる。
    「みんな! このまま突っ込むよ!」
     一秒も無駄にできない。そう判断したシンは、仲間に声をかけ、全員で侍めがけてなだれ込んだ。
     先手を取ったのは侍だった。手に持つ刀を横薙ぎに振り、斬撃を飛ばして攻撃を仕掛ける。前に出た灼滅者全員がまともにその攻撃を受けるが、空哉はそれをかいくぐり、そして一気に侍との距離を詰め、影で侍の動きを縛って言う。
    「じっとしてな。俺たちゃ大して強くないからよ。寄ってたかって……ボコらせてもらうぜ?」
    「皆さん、今です! 集中攻撃を!」
    「分かったぜ! なら、こいつァ挨拶代わりだッッッッッ!!!!!」
     洵哉の号令に、ジョナ・ウィルキンソン(ニュージーランド最強のオタク・d16816)が大声で応える。同時に、ハリー・クリントン(ニンジャヒーロー・d18314)とエクスティーヌ・エスポワール(銀将・d20053)も動き、4人同時に遠距離攻撃を叩き込んだ。
    「悪いけど、まだ終わりじゃないよ?」
     続いて、総攻撃の隙を突いて接近した匡とシンが、魔力を込めた打撃をぶつける。そして最後に、白鋼棍を構えた朱音が、侍を正面に捉えた。
    「叩き起こされた早々で悪いがな……お呼びじゃ無いから寝直しな!」
     そう言って朱音は棍を突き込み、更に魔力を注ぎ込む。数秒の後、侍の体内で、3人分の魔力が爆発した。
     連携が途切れ、一旦場が落ち着く。その間に侍は、もう片方の手で槍も引き抜き、構えた。攻撃が効いたような素振りは、まだ見せない。
    「これが『サムライ』……いや、『オチムシャ』って言うのか、ああいうのは?」
    「そのようですね。本当に痛ましい姿……逸話に同情はしますが、しかしそれだけです。あの生ある者を憎む狂気、ここで斬りましょう」
     ジョナとエクスティーヌの言葉に、空気が再び張り詰めだす。
    「おっと、名乗りを忘れてござった。拙者、姓はクリントン、名はハリー。いざ、尋常に参る!」
     ハリーが名乗りを上げ、再び駆け出す。侍との戦いは、こうして幕を上げた。

    ●恨みの亡者
    「ほらほら! 鬼さんこちら、手の鳴る方へ!」
     絶えず動き、相手を翻弄しながら、朱音は炎の剣で侍を斬る。それに合わせて、空哉も雷を纏った拳を侍に叩き付けた。
    「こちらからも行きます!」
     2人が侍の相手をしている内に、自分に防御壁を展開した洵哉は、侍との距離を一気に詰め、防御壁を利用して打撃を加えた。
    「恨めしい……全てが……」
     だが侍はひるまず、槍で洵哉を一突きにする。守りを固めたとはいえ、その一撃の威力は並ではない。
    「今の内です、攻撃を!」
     しかし、洵哉は侍の槍を掴み、無理矢理侍の隙を作る。そしてその捨て身の行動に、匡とエクスティーヌが応えた。
    「じゃあ遠慮なく、やらせてもらうね」
    「確実に成果を上げましょう」
     2人は剣を振り、挟みこむようにして侍を斬った。匡は、剣に宿した炎で侍を焼き、エクスティーヌは剣を非物質化させ、蓄えていた力ごと侍を断ち切る。そして3人はその場から一時離脱……するはずだった。
    「恨めしい……」
     冷静に、と言う言葉が当てはまるかどうかは分からないが、侍はもうひとつの武器、刀を振るい、攻撃のために一瞬足を止めたエクスティーヌに斬りかかる。
    「させないよっ!」
     だがその攻撃は、エクスティーヌと侍の間に割り込んだシンが代わって受け止めた。鋭い斬撃が、シンの体を切り裂く。
    「ありがとうございます、シンさん」
    「大丈夫でござるか!? 今、回復を……」
     そう言ってエクスティーヌは一歩引き、ハリーはヒールニンポーを使おうとする。しかしシンは、ハリーの申し出を断りつつ侍を攻撃し、その生命力を奪ってやり過ごした。
    「私は大丈夫! それよりどんどん攻撃して、一気に畳み掛けよう!」
    「……了解でござる! ならば、いざ!」
     そう意気込んだハリーは侍に接近し、重い胴丸を身に付けた体を持ち上げた。
    「ニンジャケンポー・イガ忍者ダイナミック!」
     侍の体が地面に叩き付けられ、同時にガイアパワーが炸裂する。その衝撃に、侍の動きがわずかに鈍った。
    「よし、今だ! うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
     その隙を見逃さなかったジョナが、吠えるようにオーラを練り上げ、侍に撃ち出す。力強くも精密なその一撃は、侍の急所を貫いた。重い一撃になったはずだ。
    「……全てが、恨めしい……」
     だが、侍はまだ起き上がる。
     侍の動きは、決して早くない。しかし、これだけの攻撃を加えても、弱る様子も見せずに、何度でも起き上がってくる。そしてそのまま、何事もなかったかのように、次の攻撃の構えを見せた。
    「いい加減、おとなしくしてろってんだよ」
     しかしそれより一歩速く、空哉のバベルブレイカーが侍を貫く。ねじ切るような強い衝撃を受けた侍の体が、ぴたりと止まった。そして次の瞬間、朱音の棍による強烈な突きが、再び侍を襲う。
    「どうだ……?」
     朱音がつぶやく。彼の手には、相当なダメージを叩き込んだ感触が確かにあった。効いていないはずはない。
     体内で朱音の魔力が爆発し、衝撃でのけぞる侍。しかしその後、すぐに立ち直り、次の攻撃に移ろうとする。
    「恨めしい……あぁ、全てが恨めしい……」
    「ちっ……ゾンビよりタチが悪いな」
    「ですが、不死身という訳ではないでしょう。この調子で攻撃を続けていけば、いけるはずです」
     そう言いながら、洵哉は支援のサイキックを仲間に使う。灼滅者側の体勢も、これで十分整った。
    「恨めしい……」
     侍は、呪うようにそう繰り返し、攻撃を再開した。

    ●全てを恨んだ果てに
    「死ぬほど冷たいぞ、食らいなぁっ!」
     ジョナが槍を構え、数発の氷弾を撃ち出す。氷弾は狙い違わず侍を捉え、その体を凍らせた。
    「あの凍った部分を狙うのが有効のようですね。笠井さん、行けますか?」
    「んー、まぁ、何とかやってみましょうかねぇ」
     短い会話の後、匡が侍に向かって駆け出す。その間に、エクスティーヌがシッティングシルバー・ビームを撃ち出し、凍った侍の体を正確に貫いた。
    「まだまだ、もう一撃」
     続く匡も、剣で氷の部分を突き刺すことに成功し、順調にダメージを積み重ねていく。しかし侍の調子は変わらず、ぶつぶつと恨み言を言いながら、槍を構えた。その方向には、ちょうど前衛の灼滅者達が集まっている。一気に薙ぎ払うつもりだ。
    「まずいっ……!」
    「やらせませんっ!」
     シンと洵哉はそれに気付き、真っ先に動いた。2人は攻撃を繰り出す侍に真っ向からぶつかり、仲間が受けるはずだった攻撃を、全て2人で受け止める。
    「はは……こうやって正面からのぶつかり合いですと、まるで戦国の合戦そのものですね」
     洵哉はそう言いつつ、自分の怪我を回復させる。シンも、返す刀で侍を斬り、生命力を吸収していた。しかし双方とも、軽い傷ではない。
    「こっちもそう長く持たないか……さっさと決着を付けるしかないな」
    「オーケーだ! お前に続くぜぇっ!!」
     朱音は剣を片手に、侍との距離を詰める。そして朱音の言葉を聞いたジョナは、片腕を砲台に変え、攻撃準備に入った。
    「怨念も因縁も、纏めて叩っ斬る!」
     朱音は剣の刀身を非物質化させ、侍を横薙ぎに斬り、そのまま続けて袈裟斬りにした。侍は朱音に反撃をしようとするが、続けて叩き込まれたジョナの援護砲撃を受け、その機会を失う。
     しかし侍は、すぐに反撃の矛先をジョナに変え、氷弾を撃ち返してきた。攻撃に移ろうとする洵哉とハリーが、それにすぐ気付く。
    「ジョナさん!? すぐに援護に……」
    「構うな! マオリの戦士は、そう簡単にはやられねぇ! お前らは攻めに回れ!」
     そのジョナの言葉に、2人は侍へと歩を進める。直後、氷弾がジョナに直撃した。相当のダメージをもらったが、彼は攻撃に耐え、自身を回復させている。
    「仲間の覚悟を胸に! ニンジャケンポー・神霊剣でござる!」
     そう叫んだハリーは、勢いのまま侍に突っ込み、胴を薙ぎ払って斬り抜ける。そしてすぐ後ろにいた洵哉が、同じ技でもう一度斬り付け、すぐに離れた。
     侍は、次の相手を選ぶように周囲を見回している。そしてその眼前に、シンが血を流しながら立ち塞がった。
    「ほらおいで。脈打つ鼓動、命は、此処にあるよ」
     彼女はそう言って、両腕を広げて立っている。仲間の盾となって、全ての攻撃を引き受けるつもりだ。
    「イノチ……命ある者……恨めしい……」
     『命』の単語に引かれたのか、侍はまっすぐシンの方へ向かい、刀を大きく振りかぶって彼女を切り裂く。それも2度、3度と。シンの血しぶきが、辺りに飛び散る。
     傷口からは、まだ血を流れている。恐らく彼女は、灼滅者達の中で一番の負傷を負っているはずだ。それでもシンは凛と背筋を伸ばして立ちはだかり、そして宣言した。
    「私の命は、あなたに奪われるためにあるんじゃない……だから、こんなところで倒れるわけには、いかないんだよ、ねっ!」
     同時にシンは、手にした杖に魔力を込め、それを侍にぶつけて吹き飛ばす。侍はすぐに立ち上がるが、様子が少し変だ。
    「う……恨め、しい……全て、がが……」
     体の動きも、どこかぎくしゃくしている。どうやら、侍の体力の底が、ついに見えてきたらしい。
    「よし、今だ! くっ……!」
     そう言う空哉の腕に、激痛が走る。それと同時に、彼の体内からデモノイド寄生体が現れ、左腕を歪な刃へと変化させていった。
    「お前は所詮、逸話から出た抜け殻……そんなものが、俺達を倒せると思うなぁっ!」
     空哉は叫びと共に侍に突進し、その左腕で侍を何度も斬り裂く。
    「これが俺の……全身全霊! ぶち抜くぜ!」
     追撃に次ぐ追撃の後、最後に空哉の刃は、侍の胴を突き刺した。侍は、磔にされたかのように動かず、ただかすれた声が聞こえるのみだ。
    「勝機ですね……あなたを斬ります。ご覚悟を」
     そう言いながら、巨大な刀を担いだエクスティーヌは侍に近付き、全力の大振りで叩き切った。今まさに振り上げようとしていた侍の刀は腕ごと砕け、消滅していく。
    「王手、ですね」
     エクスティーヌは、静かにそう宣言する。灼滅者の方が、確実に一手早い。
     刀を失ったことに気付き、使う武器を槍に変え、どの技を使うかを選んで、実行する。侍がそれだけの手順を踏むまでの時間より、後に続いて来た匡が攻撃を繰り出すまでの時間の方が、圧倒的に早かった。
    「それじゃあ、これで終わりだよ」
     匡の繰り出す、魔力が込められた重い打撃が、侍に叩き付けられる。それを確認した灼滅者達が、一斉にその場から下がった。
    「ウ……ウラ……メ……」
     辛うじてと言った様子で恨み言を吐く侍。しかし、直後に侍の体内で魔力が爆発した。侍は完全に沈黙し、少しずつ灰のようになって消えていく。その場には、何ひとつ残らない。
     全てを呪った男の逸話のなれの果ては、こうして消滅した。

    ●逸話に安らぎを
     侍が消滅してから数分経った後、一息ついた洵哉は、安心したようにこう言った。
    「勝った……みたいですね。良かった、これで子供たちに被害を出させずに済みそうです」
    「そうですね。しかし……」
     エクスティーヌは、少し言葉を濁して、空哉の方を見る。彼は念のため、事件の原因となったスサノオの手掛かりを探していた。
    「スサノオに繋がる何か……やっぱり無いみてーだな」
    「そうですか……残念です。こんなことをして、一体スサノオは、どういうつもりなのでしょう……?」
     空哉の言葉を聞き、エクスティーヌはそう言って、小さくため息をついた。
     一方朱音は、一本の白菊を取り出し、さっきまで侍がいた場所にそれとなく置く。
    「……伝承の武士が本当に居たのかは分からないけれど、アンタは確かに居たんだものな」
    「……そうでござるな。では、せめて拙者もこのぐらいは……」
     そう言ってハリーは合掌し、侍に祈りを捧げる。それに同意した他の何人かも、ハリーのその行動に続いた。
    「サムライ対マオリの戦士……恨みっこなしでやりあってみたかったぜ。最後は無論、ノーサイドでな」
     その間、ジョナはぼそりとそうつぶやく。そして合掌が終わった後、シンが口を開いた。「何ていうか……どこか悲しい存在だったよね。ただ憎んで、恨むだけなんて。こんなことを起こさせないように、私達も頑張らないといけないね」
    「そうだねぇ……スサノオが早く見つかるよう、祈るしかないかもね。さてと、お腹減ったよねぇ。昼ごはんどっかで食べてかない?」
     一通り話が終わった後、匡がそう提案する。時間は9時半過ぎ。昼にはまだ早いが、店を選ぶ時間を考えると、悪くない選択かもしれない。
     灼滅者達は匡の提案について話し合いながら、戦場となった丘を後にした。
     最後に、朱音が一度振り返る。丘に吹く風はいつの間にか弱くなっている。そして献花された白菊は風にも揺れず、静かに、そして安らかに眠るようにして横たわっていた。

    作者:時任計一 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2014年1月7日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 8/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 1
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