
●ヘアサロン・アフロ
ここは、開業したばかりの美容院。
スタイリングチェアに座ってヘアカタログをめくる女子高生の背中に、美容師の声がかかる。
「どのようなアフロにしましょうか」
「この子みたいに……、って、は?」
びっくりして振り向く女子高生。
深さ三〇センチはあろうかという見事なアフロヘアーの女美容師が、にっこりと微笑んでいる。
「だーかーらー、どのようなアフロがお望みかしら、ってきいてるの。オーソドックスなマリモッサリアフロとか、ちょっと前に私の中で流行った昇天ペガサスアフロとか、簪(かんざし)刺しまくりのニードルマウンテンアフロとか、色々あるでしょ?」
「え、知りません、てゆーか、アフロは嫌ですよ。あたし」
「うふふ、いいのよ、遠慮しないで。アフロの事なら何でも注文して頂戴。それとも、私におまかせしてみる? おまかせアフロにしてみる?」
女子高生の両肩を掴みつつ、足元のスイッチを踏むアフロ女。椅子からひょひょひょんっとベルトが飛び出し、女子高生の腰と両腕をガッチリと拘束した。
「きゃっ、なにこれ!」
「きっとボリューム満点のアフロになるわ。うふふふふ……!」
腰まで伸びた女子高生の黒髪を手に取り、アフロ女が怪しげに微笑む。
「お、お願い。やめて。嫌、嫌っ……、いやああああああああっ!」
女子高生の悲痛な叫び声は、誰にも届かなかった。
●教室
「ほのかはどんなアフロになりたい?」
「うーんとね、カブト虫アフロ!」
薄井・ほのか(小学生シャドウハンター・dn0095)は、黒板に女の子の絵を描くと、その髪型をYの字型のモジャモジャヘアーにした。
「できた! ……ヘンなの。あははー♪」
「その髪型になりたければ、なれるかもよ」
「ほんと?」
目を輝かせるほのかに頷きつつ、賢一が皆に説明を始めた。
とある街の並木道沿いに、淫魔が美容院を開いたんだ。これが酷い美容院でね……お客を無理矢理アフロヘアーにしちゃうんだよ。どうもこの淫魔は、アフロヘアーを全国的に流行らせたいらしい。今のところ深刻な被害は出ていないけど、突然アフロにされたら、ショックで闇堕ちする人が現われてもおかしくないよね。そんな悲劇が起きる前に、この淫魔をやっつけて欲しいんだ。
淫魔との接触方法なんだけど、最初はお客のフリをして行ってね。
そして、お願いがあるんだけど……誰か、この淫魔にアフロヘアーにされてくれないかな? 淫魔はキミ達をアフロにすると、それをうっとり眺めたり、アフロの魅力について熱心に語ったりするから、そこを叩いて欲しいんだ。
アフロになる人は、最低でもひとりは必要だよ。アフロにならない人は、待合席のソファーで待っててね。
椅子に仕掛けがあるけれど、嫌がったりしなければ拘束されないから、心配しなくて大丈夫。
淫魔は、サウンドソルジャーとマテリアルロッド相当のサイキックで攻撃してくるよ。特に、轟雷相当のサイキックを喰らうと、電気ビリビリでアフロヘアーになっちゃうから、気をつけてね。
淫魔はアフロ愛に溢れているから、あまりアフロヘアーの人を攻撃したがらないんだ。特に、独創的なアフロの人には、攻撃よりも説得を試みようとしてくるかもしれない。その性格を利用すれば、やっつけるのは難しくないと思うよ。
髪型にこだわりがある人には、辛い体験になるかもしれないね……。
でも、淫魔の野望を止められるのは、キミ達しか居ないんだ!
とゆーわけで、よろしくね♪
| 参加者 | |
|---|---|
![]() 笙野・響(青闇薄刃・d05985) |
![]() 逢見・莉子(珈琲アロマ・d10150) |
![]() 三条院・榛(猿猴捉月・d14583) |
![]() 静杜・詩夜(落藤の雫・d17120) |
![]() ケイネス・ウィンチェスター(狂愛のトルッファトーレ・d19154) |
![]() 菊水・靜(ディエスイレ・d19339) |
田抜・紗織(田抜道場の剣術小町・d22918) |
![]() 葵・朱乃(エロイカよりエロスを込めて・d23549) |
●
よく晴れた昼下がり。
木漏れ日に輝く赤い歩道を、灼滅者達が歩いていた。
なびく髪に手をやりながら、逢見・莉子(珈琲アロマ・d10150)は、つくづく「アフロだけはご遠慮したい」と願った。だって、そういうキャラじゃないのだ!
「ほのかちゃんは、アフロになりたいの?」
「うん♪」
即答する薄井・ほのか(小学生シャドウハンター・dn0095)。どうやら、この子はそういうキャラらしい。その手を、十束・御魂(天下七剣・d07693)が引き寄せる。
「だめですよ、ほのかさん。きっと後悔するから」
「……あれ? 私たちの役目って、羽交い締めにしてでも、ほのかちゃんをアフロにする事じゃなかったでしたっけ?」
幌月・藺生(葬去の白・d01473)が、サラッと酷い事を言う。
その後ろを歩くケイネス・ウィンチェスター(狂愛のトルッファトーレ・d19154)は、瞳をどんよりと濁らせていた。
(「無理矢理アフロにされるとか、想像しただけで闇堕ちしそうじゃ……」)
ケイネスにとって、アフロ判定は死ぬよりもつらい。死地に赴くような重い足取りになるのも、致し方あるまい。
「どっちでもいいけど、とりあえず、回復主体でよろしくね!」
「わかった!」
莉子の指示に、ほのかは元気よくうなずいた。
「ここか」
静杜・詩夜(落藤の雫・d17120)が、大理石とガラスでできた店の前で足を止めた。
緑の庇には、アールデコ調の背の高い書体で『HAIR SALON AFRODITE』と書いてある。
「アフロのアフロによるアフロのためのヘアサロンか。うむ、突撃だ!」
勢いよくドアを開ける詩夜。
店に入ると、天井のスピーカーから音声が流れだした。
「いらっしゃいませ。どうぞ、右側の空いている席におかけください。満席の際は、ソファーにてお待ち願います」
右側に並ぶ六脚のスタイリングチェアが「さあ、どうぞ」と言わんばかりに、手前から順にスススッと後ろにスライドする。琥珀色の照明が輝きを増し、店内にゆったりとした音楽が流れ始めた。
「変わったお店ですね」
一連の流れに目を丸くしながら、葵・朱乃(エロイカよりエロスを込めて・d23549)が、スタイリングチェアに歩み寄った。チェアは左側にも六脚並んでおり、店内はなかなかの広さである。
「面白いではないか!」
詩夜は、何の迷いもなく、革張りのチェアに身を埋めた。チェアが元の位置にスライドし、いい感じにリクライニングする。
奥の扉が、ガチャリと開いた。
現れたのは、モデルのような長身のアフロ女美容師。
タイトな白シャツと黒い腰巻きエプロンが、女性らしい豊かなラインを強調している。
「んまっ! 大繁盛だわっ!」
チェアやソファーに腰掛ける十一人のお客を見て、美容師が驚きの声を上げた。
「素敵なアフロに仕上げてくれ!」
「名状しがたきアフロ(どんな形だろう?)にしてもらいたいのですが」
詩夜は瞳をキラキラ輝かせながら、朱乃はどこか挑戦的な眼差しで、美容師にオーダーする。
「つ、ついに、アフロの春が来たのね!」
美容師の目に涙がにじむ。椅子に縛り付ける前にアフロのオーダーをいただけるなんて!
目尻の涙を指先でぬぐいながら、美容師は朱乃の後ろに回った。その黒髪ツインテールを指ですきつつ、正面の鏡越しに微笑みかける。
「名状しがたきアフロは実現不可能よ。他のアフロにしたら?」
「出来ないならイカの足アフロでも良いですが……なぜ出来ないのです? もしかして、アフロ愛が足りないのでは?」
その挑発的な物言いに、美容師のほっそい眉が、ピックーンと跳ね上がった。
「うふふ、面白いことを言うお嬢さんね……いいわ。特別に、見せてあげる。名状しがたきアフロ――それはつまり、言い尽くせぬアフロ。あなたには、倍々に増え続ける、無限増殖アフロを見せてあげるわね」
美容師は朱乃の耳元に口を近づけると、うっとりするような歌声と共に、甘い息を吹きかけた。
「アフアフ、ロロロン♪ アフ、ロロロン……♪」
「あ、あふぅっ」
朱乃がびくんっと体を震わせる。
その髪が、ぞわぞわっと波打ち始めた。
●
朱乃の黒髪がうねうねと伸びていく。それは細かく縮れ、頭上で円形となり、あっという間にアフロヘアーを形作った。
さらに膨れ続けるアフロはとどまるところを知らず、瞬く間に店内の全てを飲み込んだ。
充満したアフロ圧に耐えきれず、店舗は爆散!
倍々に増殖するアフロに押し上げられ、まるでロケットのように、朱乃は青空を一直線に駆け上っていった。頭から伸びるのは、白いロケット雲ならぬ、黒いロケットアフロ。
雲を突き抜けながら、日本列島を、太平洋を、そして、丸い地球を見下ろした。
かつて、ガガーリンはこう言った。
「地球は青かった」
だが、朱乃はこう思った。
「地球はアフロった」
そう。今や、地球はアフロヘアーになっていた。さらに増殖するアフロは周辺惑星を飲み込み、太陽をも――いや、いま眼下に広がるのは、青白く渦巻く銀河。その一端から真っ黒なアフロが墨のように溢れ――なんたることか、とうとう銀河すら飲み込まれてしまった! 増殖速度はとうに光速度を突破。宇宙の法則は乱れた。
なんという冒涜的――宇宙的恐怖!
「はっ!」
朱乃は、革張りのスタイリングチェアから跳ね起きた。琥珀色の照明が、天井にぶら下がっている。全身が、汗でぐっしょりと濡れていた。さっき見たアレは、夢?
その隣では、詩夜の紫髪が、エッフェル塔のように高々と盛られていた。目を輝かせた詩夜が、いろんな角度から鏡を見ている。
「この残しておいた三つ編みも、形を保ったまま、アフロに出来ぬか?」
「もちろん、出来るわ」
美容師は、腰巻きのポケットからドラムスティクめいたパーマロッドを取り出すと、詩夜の三つ編みをそれで貫いた。ロッドからパリパリっと電気が流れると、三つ編みはぼわわっと膨れ、縮れ、アフロ化した。
朱乃は、呆然としながらも、正面の鏡を見た。そこには、ドレッドヘアを束ねて逆立てたようなイカの足アフロが完成していた。ギャグっぽさは皆無で、普通にカッコイイ。
「満足していただけたかしら?」
「うむ、満足だ!」
ギャグっぽさ満点のエッフェル塔詩夜が、満面の笑みで答える。
「意外とエロスを感じますね」
露わになったうなじを鏡に映しながら、朱乃が感嘆の声をあげた。
「イカスでしょう? そもそも、アフロにギャグ属性なんてないのよ。アフロの歴史を紐解けば――」
美容師がアフロ論を語り始める。アフロの発端に始まり、美とは何か、流行はイカにして生み出されるのか、そして、アフロにすることで得られる頭蓋拡張感が人にどれほどの霊感を与え、健康を促すのか、等々、延々と述べ続けた。
「ふむ。頃合いだな」
ソファーでじっと成り行きを見守っていた菊水・靜(ディエスイレ・d19339)が、スッと立ち上がった。一九〇センチ近い長身に、色黒で精悍な体つきのイケメンである。
彼はまるで、お湯を入れて三分経ったカップラーメンのふたをペリリッとはがすかのような自然な所作で、得意げな美容師の顔面に、鬼神変をぶち込んだ。
●
「へぶううぅっ!」
唐突にぶん殴られて、受け身もとれず吹っ飛ぶ美容師――いや、淫魔アフロディーテ。
「おしゃれ怪人アフロディーテ、勝負!」
間髪入れずに、田抜・紗織(田抜道場の剣術小町・d22918)が、右肩に担いだ無敵斬艦刀を振り下ろす!
――怪人じゃないわよ!
心の叫びをぐっと堪えながら、身を転がして避ける淫魔。斬艦刀が、大理石のフロアをえぐった。
そこに、小刀を構えた笙野・響(青闇薄刃・d05985)が飛びかかる。
「そのアフロが本体なのは、予測済みよー!」
小刀が黒く閃き、アフロのてっぺんをじょりりっと斬った。
「私のアフロがっ!」
続けざまに、淫魔の頭にずぼっと手を突っ込み、家のような玩具を埋め込む。
反撃しようとする淫魔の前に、紫のエッフェル塔アフロが立ちはだかった。
「貴様にこのアフロが攻撃できるか?」
思わず硬直する淫魔。
詩夜の神薙刃が、淫魔のアフロを左右からじょりりーんと削った。
「ぎゃあーっ!」
派手に叫ぶ淫魔。アフロが四角くなってしまった!
その音声に反応し、アフロに埋め込まれた家の窓が開いた。
ぱっぽー、と鳩が飛び出す。
「鳥の巣ー♪」
「あははー♪」
お腹を抱えて笑う響とほのか。
淫魔は顔を真っ赤にしながら頭から玩具を取り出し、フロアに叩きつけた。そこから、炎が立ち昇り、淫魔の顔面を焦がす。莉子のレーヴァテインだ!
「あちちちっ」
顔の煤を払うようにじたばたする淫魔。そのアフロに、小さな炎が灯った。
「ナノナノ!」
莉子のナノナノが、ドヤ顔で主人の手柄を誇った。その頭にはアフロヅラが装着されている。意外と可愛い!
「真打ち登場やで」
三条院・榛(猿猴捉月・d14583)が、ゆらりと握り拳を構る。その拳には、ボクシンググローブのようにアフロが装着されていた。さらに、彼はアフロヅラをかぶり、後ろでまとめた長い髪にもミニアフロヅラをかぶせるという、念入りなアフロ化を自身に施していた。
「それは、マンデルブロアフロ」
榛の頭を見た淫魔が、雷に打たれたように硬直した。榛が首をかしげる。
「マンデルブロ?」
「名状しがたきアフロのもう一方の可能性。それは……フラクタル系……」
なにやらブツブツと呟く淫魔。要するに、榛のアフロは独創的アフロとして認められたのだ!
「私たちが争うのは、間違ってるわ」
「なんでや、僕はあんたを紳士的に殴るために、色々準備してきたんやで」
「無駄よ。アフロ属性の武器でアフロ属性の私を攻撃しても、私の体力が回復するだけ。そんなことよりも、あなたは私と一緒に組織を作るべきよ。世界のおしゃれをリードする、アフ六六六人衆をげほおぉっ!」
話の途中だが、榛のボディーブローが炸裂! 淫魔がくの字に折れ曲がった。
「そないにアフロ好きなのもええが……人に無理矢理押しつけるのはよくなか」
無敵斬艦刀を振りかぶるケイネス。その先端にもまた、もじゃっと装着されたアフロが!
「アフロ属性の攻撃は効かないっ」
ケイネスの斬撃を微動だにせず受ける淫魔。むしろ、自分から喰らいにいく勢いである。肩口から袈裟切りに斬られても、余裕の笑みを崩さない。だが、血がぷしゅーっと出たあたりで、急に顔が青くなった。
「あら? ちょっとタンマ」
両手でTの字を作る淫魔。
「なぜかしら、アフロ属性なのに、あんまり回復してないみたい。アフロ属性なのに……」
「うわぁ……ほんまもんやな……」
「やっぱり淫魔は、あほなんか?」
唖然とする榛とケイネス。回復どころか、体力がっつり減っとるじゃろうが!
「ゲームじゃあるまいし、アフロ属性とか関係あるかっ!」
複雑な感情を胸に秘めつつ、紗織が低い姿勢から淫魔の懐に飛び込んだ。こんなあほが宿敵だなんて!
「うるさいわね!」
淫魔がドラムスティクめいたパーマロッドを振り下ろす。
紗織は右肩に背負った斬艦刀でロッドを受け止めると、左手で小脇差しを逆手に抜きつつ、すれ違いざまに淫魔の脇腹を掻っ捌いた。
スプラッシュ!
淫魔が膝をついた。結構効いたらしい。
「あんた達、もう許さないわよ」
淫魔が、手に持ったパーマロッドを、激しく放電させた。
●
「あれはアフロ雷……みんな、気をつけて!」
莉子が叫ぶ。と、同時に、青い電撃が紗織に襲いかかった!
「きゃああーっ」
紗織は、骨が透けそうなほどシビれた!
ぼんっ、という小爆発と共に、黒焦げになった紗織が現れる。
口からポワンと煙を吐きつつ、おそるおそる鏡を見る紗織。
そこには、爆発アフロに変わり果てた無残な自分の姿が!
「紗織ちゃん!」
莉子が即座に祭霊光を浴びせる。黒焦げ成分は癒えたが、アフロは治らない!
「……殺す」
涙目になった紗織が、斬艦刀をぶん回しながら淫魔に突撃!
「うふふ、やっぱりテキトーに電撃を喰らわすと、ギャグ漫画みたいになっちゃうわね」
紗織の攻撃をひらりと避けながら、淫魔はロッドを充電する。
「次は、あなた達よ!」
ロッドがスパーク!
狙われたのは前衛陣だ!
「アフロは絶対に嫌じゃああーっ!」
ケイネスは死に物狂いで、影業とクルセイドソードとバトルオーラと無敵斬艦刀を振り回し、相殺を図った。
が、駄目!
ぼんっ、という小爆発と共に、黒焦げになった響が現れた。間一髪でケイネスを守ったのだ!
「ふっふっふ。あなたの好きにはさせませんよ」
ドヤ顔で自慢の黒髪をかき上げようとする響。その指は、髪の中にずぼっと埋まったまま、ぜんぜん動かない。響は、特盛りギャグ漫画アフロになってしまったのだ!
「ガンガン行くわよー!」
電撃乱れ打ち!
狙われたのは後衛陣だ!
ほのか、御魂、藺生の頭が、ポポポポーンとアフロになっていく!
「ナノナノ!」
と叫んだのは莉子である。ナノナノの首根っこをぐっとつかみ、前に掲げて盾にした!
電撃の魔の手が、莉子と靜にまで伸びる!
ナノナノが、ぼん、と黒焦げになった。そして、ゆっくりと振り向く。その頭から、アフロヅラを持ち上げるように、新たなアフロがぼわわっと生えた。瞳をうるるっとさせるナノナノ。莉子はふと、アイスの二段重ねが食べたくなった。
一方の靜は、ケイネスのビハインド『金盞花』に守られていた。むろん、金盞花はアフロである。
「それでは、こちらの番だ」
恐ろしい死線をくぐり抜けてなお冷静さを保つ靜。妖の槍をぴたりと構え、淫魔に狙いを定める。
そこに立ちはだかる、朱乃と榛。
二人は淫魔の催眠で籠絡されてしまっていたのだ!
しかも朱乃は、人間形態をやめて、赤髪のイカ足娘(ぽろりもあるよ)になっている。
だが、靜の狙いはぶれない。心もぶれない。朱乃のおっぱいをチラりとも見ない。ただ一点。淫魔の心臓をじっと見据えていた。
「おほほほほ! 仲間を奪われた気分はどう?」
「目を!」
「覚ましてください!」
御魂と藺生のメディック陣が、籠絡された二人にキュアを投げる。
「喰ろうて見よ」
二人にキュアが届いた瞬間、淫魔の胸を、冷気のツララが貫いた!
「がふっ」
淫魔は口から血を滴らせ、榛の腕の中に倒れた。いつのまにか炎がアフロ全体に燃え広がり、ひどい有様である。
「助けなさい、アフロの戦士マンデルよ」
しかし。
「これな、全部ヅラやで」
榛は、淫魔を腕に抱いたままヅラを脱いだ。
「な……」
「よくも、朱乃の(ピー)を(パオーン)で(ズキューン)してくれたわねぇ」
にじり寄る朱乃。
「い、嫌ぁああっ!」
後ずさりする淫魔を、二人はフルボッコにして、トドメを刺した。
こうして、灼滅者達の大いなる活躍と犠牲により、恐るべき淫魔の野望は潰えた。
灼滅者達のアフロがいつ治るのかは、誰も知らない。
| 作者:本山創助 |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
![]() 公開:2014年1月19日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 1/感動した 1/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 6
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