●ぱふぱふだけでは済まない喫茶
ここは薄暗い喫茶店。天井で、ミラーボールがキラキラと回っている。
ふんわりブロンドヘアを揺らしながら、女が男の膝にまたがった。
「手はつかっちゃだめだからね?」
「うんうんうんうん!」
ソファーに座るゴリラっぽい男が、鼻の下を伸ばしながら何度もうなずく。
目と鼻の先に迫るのは、ボタンの外れた白いブラウス。その隙間から覗くのは、白く上気した肌――甘い香りがふわりと漂い、男の両頬は、柔らかな温もりに包まれた。
「ぱふぱふ♪」
ぽいんぽいん。
「ぱふぱふ♪」
ぽいんぽいん。
「ぱふぱふ♪」
ぽいんぽいん……。
「ウッホーッ! もう辛抱たまらーんっ!」
「きゃあー♪」
男が女を押し倒した!
ぽぽぽぽーん、と宙を舞う、女のブラウス、スカート、パンティー。
「手はつかっちゃだめって……言ったのに……、あんあんっ、やんやんっ♪」
「ウホウホッ、ウッホホホッ♪」
二人は何をしているのだろう? 背もたれが邪魔でよく見えない!
――数十分後。
女がスッと立ち上がった。ソファーには、カラッカラに干からびた素っ裸のゴリラ男が、うつぶせに横たわっている。その背中には、立派な竜の刺青があった。
素肌にブラウスを羽織る女の元へ、ウェイターが歩み寄る。
「ミヤビ様、いかがなさいましょう?」
「うん、このゴリさん、やっぱり刺青さんだったから、てきとーにパッキングして鹿児島駅まで運んじゃって♪」
「その後は……」
「あとは向こうの人が何とかしてくれるから」
「はっ、かしこまりましたっ」
空手家のように相手の目を見ながら、ウェイターが斜め四五度にお辞儀した。
「うん、いいこいいこ♪」
女はウェイターに歩み寄ると、その顔を胸に抱き、ごほうびのぱふぱふをしてあげるのだった。
●教室
「ちょっと、面白い動きを予測したよ……!」
鼻に詰め物をした賢一が、頬をツヤツヤさせながら説明を始めた。
博多の中洲地区で、HKT六六六の強化一般人が、刺青を持つ人たちを拉致してるんだ。この強化一般人はすごく色っぽい女の人でね、ミヤビって言うんだけど、自分のえっちなお店にお客を呼び込んでは、『刺青の調査』をしてるんだ。それに、このお店のお客はミヤビに魅了されて、HKT六六六に協力するようになるみたいだから、それを防ぐ為にも、この店をなんとかしないといけないんだよね。
やっかいな話だけど、ミヤビ達は、邪魔者が来たらいつでも逃げ出せるように準備してるんだ。だから、逃がさない為には工夫が必要になる。やり方は二つあるよ。
一つ目は囮作戦。
まずは、一人が囮になってミヤビを引きつける。つまり、ミヤビと二人っきりでアレやコレやをしてもらう。その隙に退路を断って戦闘に持ち込めば、逃げられることはない。囮の人は、客としてえっちなお店に入ることになるから、色々問題があるかもしれないし、他の仲間が退路を断って踏み込んだときには、アレやコレやの末にカラッカラに干からびてKOされてると思う。死にはしないけど、人によってはバレンタインデー前に修羅場を招く事になりかねないから、気をつけてね。
二つ目は籠絡作戦。
店内のウェイター達はミヤビのファンであると言う理由から絶対の忠誠を誓っている。ミヤビのためなら何でもするっていう強化一般人なんだ。でも、この忠誠心を揺さぶることができれば、ミヤビの撤退を阻止できるかもしれない。その為には、ミヤビの魅力を上回る何かを演出できればいけないんだ。ウェイター達はミヤビのぱふぱふに心酔しているから、そっち方面で、より強い魅力を演出しないと、成功は厳しいかも。ぶっちゃけていえば、おっぱいフェチの人をどれだけ喜ばすことが出来るかが焦点になると思う。
この二つの方法が難しい場合は、普通に戦闘するしかないね。その場合、ミヤビは簡単に逃げてしまうだろうから、根本的な解決にはならない。
最低限、ウェイター達を撃退してお店を潰せば作戦は成功だけど、出来れば、ミヤビを逃がさずに撃破して欲しいんだ。
HKT六六六と刺青羅刹には何らかの関係がありそうだけど、まずは、目の前のミヤビをなんとかしよう!
それじゃ、よろしくね♪
参加者 | |
---|---|
天鈴・ウルスラ(踊る朔月・d00165) |
エステル・アスピヴァーラ(おふとんつむり・d00821) |
東海・一都(芒に月・d01565) |
白鐘・睡蓮(黒天焔之迦具土・d01628) |
本山・葵(緑色の香辛料・d02310) |
東方・亮太郎(ジーティーアール・d03229) |
石動・勇生(投げる男・d05609) |
犬走・戒士(ブラッドバレット・d24427) |
●
とある喫茶店にて。
東海・一都(芒に月・d01565)は、革張りのソファーに座って、ウーロン茶を飲んでいた。この喫茶店ではウーロン茶がタダで出てくるらしい。良心的なお店である。
店内は薄暗く、暖房がよく効いてる。暑すぎるくらいだ。
店の空気は、香水と汗(?)の匂いが充満していて、やや湿っぽい。
天井のミラーボールが、不思議と気持ちを高揚させる。
流れる音楽は、普通のJPOP。普通でないのは、喫茶店にしては、やけに音量が大きいところか。周りの席で何が起きているのか、よく分からないくらい大きい。
ここは一番奥のボックス席で、一都は白い壁を向いて座っていた。この喫茶店は、どういうわけか、まるで列車の座席のように、ソファーが同じ向きに並んでいる。さしずめ、一都は一番前の席に座っている、というワケだ。
「おまたせー♪」
ドッキーン!
声をかけられて、一都は飛び上がりそうになった。右隣に腰掛けたのは、ブロンドヘアーの美女。ソファーが沈み、二人は自然と密着する。
白いブラウスに黒いスカートという、一見学校の先生を思わせるシンプルな服装だが、どうしても目に付くのは、ブラウスをぐっと押し上げる胸の膨らみ。と、その頂点。ノーブラである。
「こんばんは、ミヤビです♪」
息がかかるほど顔を寄せて微笑むミヤビ。長いまつげとぷっくりした唇が、なんだかキラキラ輝いているように見えて、一都はすぐに心を奪われた。
「お名前は?」
ミヤビが首をかしげる。長い髪が、白い頬にふわりと落ちた。
「……あ、一都です。よろしくお願いします」
「ふふ。一都さん、ここ、暑いでしょ? はい、上着ぬーいで♪」
ミヤビが一都の正面に立って上着を脱がせた。
そのとき、ミヤビの胸の膨らみが、一都の頬に当たった。
●
夜の八時。
賢一に行けと言われたから(言われたから!)来てみれば、そこは壁一面ショッキングピンクの店だった。
店は通りに面していて、二階建てになっている。ドアが一つあるだけで、窓はない。
黒地に金文字の看板には、ツル草を思わせる字体で『ぱふぱふ喫茶~雅』と書いてある。
一見して、いかがわしい感じの店だが、この通りが丸ごといかがわしい感じなので、むしろ普通である。
普通でないのは、ここで居心地悪そうにしている女子四名のほうだった。
「そろそろいいんじゃねえの?」
「いや、まだだろう」
何だかそわそわしてる本山・葵(緑色の香辛料・d02310)に、白鐘・睡蓮(黒天焔之迦具土・d01628)が落ち着いて答える。一都が店に入ってから、まだ一〇分しか経ってない。
「む~……なんで……こんなに格差が……」
エステル・アスピヴァーラ(おふとんつむり・d00821)が、目の前に突き出している葵のおっぱいを見つめながら、涙目になった。
「女の魅力は胸だけで決まるもんじゃねえよ!」
胸を張りながら笑顔で慰める葵。そのおっぱいが、ぷるるん、と揺れた。
「突入時間まで、あと三〇分デース」
天鈴・ウルスラ(踊る朔月・d00165)が時間を確認しながら言う。
ちなみに。
登場順に、ボイーン! ペッタン? ペッタン! フツー? という感じである。
唐突にドアが開いた。
「何だいキミ達は?」
ウェイターが不審そうに四人を見る。
「えええ~と、あのあの……」
キョドるエステル。
「募集を見てきた」
「面接に来たでゴザル」
全く動じずに答える睡蓮とウルスラ。
「はぁっ?」
驚く葵。
「四人共かい?」
「そうデース!」
というわけで、彼女たちは、予定よりも早く店内に入ることになった。
●
ここは店の裏側。
静かだし、暗いし、川が流れてて、ドブ臭い。
「……なんだろう、俺なんでここにいるんだろう……」
東方・亮太郎(ジーティーアール・d03229)が寒さに震えながら、道の両脇にポリバケツをうず高く積み上げていた。とても生臭い。
「あー……さみい」
石動・勇生(投げる男・d05609)は、口から魂を吐き出しながら、頭を空っぽにする練習に励んでいた。考えるのをやめるのだ。でないと、気が狂いそうになる。
「ぱふぱふ……! くっ、東海うらやましいっす!」
犬走・戒士(ブラッドバレット・d24427)が赤毛をかきむしる。
三人は、息を揃えて、ため息をついた。
(「あと三〇分も待つのかよ……」)
●
太ももにミヤビの心地よい重さを感じながら、一都は息がつまるほどの幸福感を味わっていた。
(「ああ、柔らかい。でも張りがあって、そして温かくて……」)
耳の裏まで包み込まれて、かと思えば解放されて、かと思えば、また包み込まれて。
興奮するけど、何だかくつろげる。
一都は、胸が、キュン、となった。
物悲しいような、昔を思い出すような、せつないような……。
ミヤビの髪がハラリと落ちて、一都の顔を覆った。
「一都さん……」
ミヤビの濡れた吐息が、一都の右耳にかかる。
「手、つかっても、いいんだよ?」
誰にも聞こえないように、そっと秘密をささやく。
上を向く一都。
ミヤビが、優しく微笑んでいた。
●
「さて、睡蓮君、と言ったね」
「うむ」
神妙な顔つきで、ソファーに座った睡蓮が頷く。他の三人は、別のボックス席で面接中だ。
睡蓮の左隣にはイケメン。正面には、一都の後頭部と、それを包みこむミヤビが見える。
すごく気まずい。
さっきから、時々ミヤビと目が合うのだ。がんばって♪ と応援されているような気分になる。事実、応援しているのだろう。
「それじゃ、さっそく、お願いしようかな」
「何をだ?」
「決まってるでしょう?」
睡蓮は思わず下を見た。いや、無理だろう。
「うん、君が何を考えてるのかは分かる。別に良いんだよ、挟まなくても」
イケメンが睡蓮の肩に腕を回した。
「君なりのやり方で良いんだ。おっぱいは、大きければ良いってもんじゃない」
「……う、うむ」
イケメンに見つめられ、睡蓮は、耳を赤く染めて、頷いた。
物は試しだ。
そう。依頼の成功のためなのだ。
男性ウェイター達を魅了してみても、罰は当たるまい。
●
コンクリートの階段に座っているせいで、おしりが冷たい三人組のターン。
「あと何分だ?」
「ボェ~♪」
「一〇分っす」
ビュウウーッ、と真冬の風が通り過ぎた。
●
「あんあんっ、やんやんっ♪」
耳元をくすぐる、ミヤビの声。
一都は、ミヤビと頬をすり合わせながら、女の体の温かさを感じていた。
汗ばむミヤビをぎゅっと抱き締めて、思う。
一度こういうことをしたからには、ずっと忘れませんよ。
本当は、味方として逢えればよかったのですが。
体よりも愛情、とは分かっているのですが。
体の関係だけでも、忘れがたいものです。
●
「それでは、睡蓮様、いつからご出勤されるご予定でございますでしょうか」
睡蓮の足下に、さっきのイケメンが跪いていた。
「そうだな、出勤の予定はないが」
「そ、そんな!」
「他の三人をここに呼んでくれないか? 一緒に来た、私の仲間だ」
「ははっ」
睡蓮が何をしたのかは分からないが、どうやら面接官のツボだったらしい。
三人が睡蓮の席にやってきた。
「やー、スイレン。拙者達はすっかりくつろいでいたでゴザル」
「なー♪」
「くつろげましたですの~♪」
葵とエステルがウルスラに同意する。
「ん? どういうことだ?」
「あたし達はさっさと面接ギブアップして、ウェイターと一緒にサボってたんだぜ」
葵が笑顔で言う。
まだ暇な時間帯らしく、客が居ないので、サボり放題らしい。
魅了できたのは(というか、魅了を試みたのは)睡蓮一人だけだが、まあ、騒ぎを起こさずにこの場所につけたのは大成功と言えるだろう。
「正面入り口の戸締まりは?」
「ばっちりでゴザル!」
ウルスラが、釣り糸を見せながらニッと笑った。
●
戒士が、赤茶色の前髪を掻き上げ、ワックスで軽く固めた。
「土は土に、灰は灰に」
スレイヤーカードが輝き、右腕にバベルブレイカーが具現化する。
何の因果か、今回が初仕事だ。
(「最初が肝心。ビシッと決めないとな」)
さっきまで放心していた仲間二人を振り返りる。
二人とも、戦う漢の目をしていた。
――さて、行こうか。
そう言ったつもりだった。
だが、戒士がこう言っていた。
「……おっぱい」
「「うむ」」
力強く頷く二人。
それじゃあ、レッツゴーッ!
バーン!
裏口が勢いよく開き、勇生がドーン! と現れた。
「大丈夫か、一都!」
右側に一都とミヤビのソファー、左側に女子四人組のソファーが見える。
「お楽しみのとこ悪い。邪魔するぜオネーサン」
戒士の言葉に、ブラウスを羽織ったミヤビが振り向く。
ミヤビは向こうを向いてスカートを履こうとしていた。
一都はソファーの上で枯れ木のように朽ち果てている。なぜか素っ裸である。
お楽しみは終わっていたのだ!
「やだ、抜き打ち?」
ミヤビがスカートのサイドジッパーを上げる。ブラウスのボタンをおへその辺りで一つだけとめると、入り口へ向かおうとした。
「逃がさないでゴザル!」
ウルスラが両手を広げて立ちふさがる。
「ミヤビ様!」
ウェイター四人がミヤビの後ろに回った。
殺気立った裏口組も女子達と合流!
ウルスラは、すっかり劇画調になってしまった漢達の顔を見て、囮役を決める時に発生したアツい名乗り上げ合いを思い出した。思わず、遠い目になる。
それはそれとして、ウルスラがどす黒い殺気を放出!
ミヤビの眉が曇る。
「あ、そゆこと? じゃあ、殺すしかないね♪」
ミヤビがブン、と両腕を振る。
ヒュヒュヒュンッ!
その一〇本の指先から、キラキラ光る糸が放射状に伸び、前衛陣を切り裂いた!
「うぐぐぐぐ……きょにゅーは滅べ~……!」
頬から流れる血もそのままに、エステルが怨嗟の声をあげる。店内に霧が満ちた。
ブワワッ!
睡蓮の背中から炎の翼が広がった。薄暗かった店内が、一気に明るくなる。
「おお、睡蓮様……なんと神々しい!」
ミヤビの後ろに陣取るウェイターの一人が感嘆の声を漏らす。
「絶対に間違いなく逃がさん。ミヤビと一都と男性陣は!」
熱風に赤毛を舞い上げながら、睡蓮が枯れ果てた一都を睨む。いや、ソレ敵チガウ!
葵はいつの間にか、レオタード姿になっていた。
そういうキリングツールをイクイップしたのじゃよ!
ウェイター陣は、豊かに発達した女子中学生の胸の谷間に魂を吸い込まれていた。
「この変態どもが!」
四人の男に胸をガン見されて赤くなる葵。
「死ね!」
男達を狙うと見せかけつつ、螺穿槍はミヤビに一直線!
ミヤビが腕を回すと、槍の軌道がシュルン、と逸れてフロアにズガガッと刺さった。
その際、ミヤビの胸の谷間が、ムニュ、とぷん、ムニュ、たぷん、と変化するのを、勇生はハイスピードカメラのような滑らかさで脳内に録画していた。
その時の勇生の表情たるや、お目々グルグル、歯ァギザギザ!
「一都は、この胸で……よくも羨ましい!」
ウッホッホー♪ とミヤビに飛びかかる勇生。
シールドバッシュだ、くらえええっ!
ぽいん。
「ちょ、なにしてんのっ」
勇生は無料でミヤビの胸に顔を埋めながら、その頭をこっつんこした。
「もーっ、そういうことしたいなら、ちゃんとお客として来てよねっ」
ミヤビは勇生の顔面を引っぺがすと、胸を庇いつつ、ほっぺたを膨らませた。
営業外のえっちな行為は、ミヤビとて恥ずかしいらしい。
「そういうのありかよおお!」
亮太郎が叫ぶ。だが、すぐ正気に戻った。ないない。絶対無い。
ぶんぶん顔を振る亮太郎。目を閉じて、脳裏に浮かべるのは愛しい彼女の微笑み。
キリリッ! とした表情を取り戻す亮太郎。
彼女のことを思いながら、果敢にミヤビに立ち向かう!
シールドバッシュだ、くらえええっ!
一方その頃、ソファーで朽ち果てていた一都は、ピクリとも動かなかった。
「くっ。そのおっぱい……!」
いまさら胸を抱いて恥じらうミヤビ(のおっぱい)を、戒士は悶々としながら見つめていた。
右腕のバベルブレイカーを、ガッションガッションさせているのは、欲求不満の表れであろう。
「敵でさえなければ! 敵でさえなければッ!」
そう、ミヤビは敵なのだ。ならば、灼滅するしかなァい!
蹂躙のバベルインパクト、くらえええっ!
「きゃっ」
ぽいんぽいん。
飛びかかった戒士は、勢い余って転倒! ミヤビは華麗に攻撃をかわしていたが、巻き込まれて転倒! 今、戒士は仰向けになっていて、その顔面はミヤビの胸に覆われていた。やわらかくて、すべすべで、温かい。
はぁ~、極楽、極楽……。
急速に何かを吸い取られる戒士。別にHPとかは減ってないけど。もうこの依頼は成功だ、という温かい気持ちに、ちょっとだけなった。
「てめぇら……下心がみえみえなんだよ……!」
「ふふふふふふふ、まとめて燃やそうか……!」
「うぐぐぐぐ……どうして男の人は~~~~!」
「男子は、ゼーンゼン役に立たないでゴザル!」
女子四人組が、全身異形化して鬼になっちゃいそうなほど、激おこ状態になっていた。
●
そこから先は大乱闘である。
ミヤビに立ち向かう灼滅者達――主に女性陣が、獅子奮迅の活躍を見せた。
睡蓮に籠絡されたウェイターの一人が、他のウェイターの背後を襲ったりしてもう大変。
その合間合間に、男子達にはラッキースケベが発動。女子達をさらに苛立たせた。
そんなこんなで、ウェイター達はKO!
残るは手負いのミヤビのみとなった。
「この巨乳淫魔め、悲しみを思い知るがいいのです!」
長い白髪をなびかせながら、ミヤビの懐に飛び込むエステル。一回転しながらの、横薙ぎだ!
「きゃっ」
エステルの残心。弧を描いて広がった髪が、ふわりと舞い降りる。
新霊剣に魂を斬られたミヤビは、思わずバックステップ。
その足下から、炎を纏った影が立ち昇る!
ボボボボッ!
ミヤビの体が、紅蓮の業火に包まれた!
「燃やしてやる」
ライトアップされて表情に影を纏った睡蓮が、じっとミヤビを睨む。熱風に逆巻く赤毛がコワイ!
「そろそろ、トドメデース!」
ズババンッ!
ウルスラの足下から飛び出した影が、手刀を作ってミヤビを切り裂いた!
たまらず脱出を試みるミヤビ。
「手前は逃がさないぜ」
その前に立ちはだかる葵。
長いロッドがブンと唸る!
真っ赤に燃えたミヤビは、その一撃で、炎と共にかき消された。
「こりゃ重傷だな」
一都を背負った勇生が、ため息をついた。どうやらミヤビに溺れすぎたらしい。だが、その痛みもまた、良い思い出になるだろう。
「むきゅ、悪は去ったのです……犠牲になった東海さんは、安らかに眠って欲しいですの……」
一都に手を合わせてなむなむするエステル。
中洲ぱふぱふ喫茶の繁栄は、こうして見事に阻止された。
ありがとう、灼滅者! キミ達の活躍は、決して忘れない!
じゃかじゃん♪
作者:本山創助 |
重傷:東海・一都(夏炉冬扇・d01565) 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2014年1月31日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 6/キャラが大事にされていた 8
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