だめっ! これは特別なチョコなんだからっ!

    作者:本山創助

    ●二月十四日
     夕日に染まった、二階の渡り廊下。
     その中央で、二人の生徒が向かい合っていた。
    「や、やややや、山ままま田君。こ、ここここここ、こ……」
     顔を真っ赤にした女子高生が差し出したのは、可愛くラッピングされた、小さな箱。
    「お、おう。ありがと」
     照れ笑いの山田君が手を伸ばした、その時。
     全身黒タイツの人たちが、コサックダンスしながら渡り廊下に現れた。 
     スッタン、スッタン、スッタン、スッタン♪
     スッタン、スッタッタン♪
    「我ら~♪ バレンタインと~♪ たたっかう~♪ ちゃらっちゃら~ん」
    「我ら~♪ 正義の~♪ コサーックー♪ ずっちゃーん! ずっちゃーん!」
     どことなくロシアなまりで歌うダンサー達。その数五名。
    「なんだこいつら……!」
     二人の周りをぐるぐる回りながら、黒タイツの人たちがコサックしまくる!
    「ダークマターを探し求め~♪ この地に舞い降りた~♪ てれってれってって!」
    「芋よう~かんマン!」
     じゃかじゃん!
     輪の中にすちゃっと舞い降りる、サツマイモ色の影。
     それは、立方体に短い手足をにょきにょきっと生やした感じの人だった。
     体全体がでかい顔になっていて、アヒャッ♪ と笑っている。
    「いもいも……そのダークマターを、この芋ようかんマン様に渡すいも!」
     でかい顔が、女子高生に、にじり寄る。
    「だめっ! これは特別なチョコなんだからっ!」
     必死に抵抗する女子高生と山田君。
     だが、残念!
     ダークネスにかなうわけもなく、チョコは奪われた。
     代わりに芋ようかんを渡された女子高生は、山田君の胸でしくしく泣くのであった。

    ●教室
    「うん、サツマイモの味がする」
     芋ようかんを皆に配りつつ、賢一が説明を始めた。

     なんでか知らないけれど、全国のご当地怪人達がチョコを狙ってるらしい。バレンタインデーを前に、あちこちでチョコ強奪事件が発生しそうなんだよね。かなり迷惑だから、チョコの強奪を阻止しつつ、ご当地怪人をやっつけよう!
     というわけで、キミ達には、浅草に向かってもらいたい。
     バレンタインデーの夕方、高校の渡り廊下に、ご当地怪人『芋ようかんマン』が現れる。そこで女子高生からチョコを強奪した後、怪人が喜びの舞を踊りだすから、その時が接触のチャンスだよ。怪人達は西側の扉から現れるから、キミ達は東側の扉に隠れててね。
     怪人達は一般人に被害を与えようとはしないから、避難とか誘導とかは全く考えなくて良いよ。
     怪人の他にも、コサック戦闘員が五名いる。怪人はキミ達五人分くらいの強さで、戦闘員はキミ達一人よりも少し弱いくらいだね。全員、ご当地ヒーローとシャウトと手加減攻撃相当のサイキックを使ってくる。ポジションは、コサック戦闘員がメディックで、怪人はディフェンダーだよ。
     今回奪われてしまうチョコは、女子高生の気持ちがつまった手作りチョコなんだ。
     女子高生を悲しませないためにも、彼女のチョコを守ってあげてね!


    参加者
    一條・華丸(琴富伎屋・d02101)
    梅澤・大文字(張子の番長・d02284)
    椿・深愛(ピンキッシュキャラメル・d04568)
    水晶・黒那(完全を憧れる夢・d08432)
    乾・剣一(紅剣列火・d10909)
    オリキア・アルムウェン(翡翠の欠片・d12809)
    杵島・星子(プロキシマより愛をこめて・d15385)
    安楽・刻(カルマキャンディ・d18614)

    ■リプレイ


     夕暮れ時の校舎に、コサックのステップ音が響き渡る。
     スッタタスッタン、スッタタスッタン、タン♪
    「ついに手に入れた~♪ だあくまたあいも~♪」
     チョコを持った短い手をぴこぴこ振りながら、芋ようかんマンがバレリーナの様にくるくる回っていた。コサック戦闘員も、怪人を中心に輪を作ってコサックしまくっている。
    「誤解よ! それは堕落マダラ芋じゃないわっ! きゃっ」
     チョコを取り返そうとして手を伸ばすも、女子高生はコサック戦闘員にはじき飛ばされてしまった。その肩を、山田君がすかさず抱き止める。
     芋ようかんマンを見上げながら、山田君が歯ぎしりをした、その時。
     ババーン!
     東側の扉が開き、一組の男女が現れた。
     二人ともこの学校のブレザーを着ている。怪人やコサック戦闘員に戸惑うそぶりを見せながらも、二人は独自の世界を展開し始めた。
    「わ、私ね……乾君に食べてもらおうと思ってチョコ……作ってきたの」
     頬を赤らめ、小首を傾げながらチョコを差し出すのは、何を隠そう灼滅者、杵島・星子(プロキシマより愛をこめて・d15385)その人である。
    「わー、杵島ありがとー! オレ超うれしい!」
     そのチョコを前に、バンザーイ、とわざとらしく喜びを表現するのは、これまた灼滅者、乾・剣一(紅剣列火・d10909)だ。
     チョコを受け取るぞー、というモーションをしつつ、剣一はちらっと怪人を見た。
    「お前達には、代わりに芋ようかんをあげるいも! お得な六本セットいもよー♪」
     山田君に芋ようかんの箱を押しつける怪人。
     ていうか、剣一達の事を完璧に無視してるぞ!
     これはまずい――剣一のメガネが、キラーン、と輝いた。
    「ヤッター! 杵島のチョコだー。バレンタインとか俺あんまり縁ないと思ってたけど、まさかチョコもらえるなんてなー、うれしいわー。そういや俺、生まれて初めてチョコ見たわー。そうかー、これがチョコかー。なるほどなー、甘そうだわー、恋の味がしそうだわー、間違いなくチョコだわー、ここにチョコがあるわー、チョコがここに」
    「えーい、うるさいいもっ!」
     目の前でチョコをひらひらさせる剣一に、怪人が向き直った。
    「さっきから何やってるいもかっ!」
    「ここにチョコがあるって言ってるんだけど。欲しくないの?」
    「そんな平凡なチョコ、どうだっていいいも。この芋ようかんマン様が求めているのは、真のダークマターのみいも……!」
    「ほほう、これが真のダークマターではないと? 汝、いま、そのような妄言をのたまったか?」
     さっきまでの恥じらう乙女はどこへやら、星子が、ずずい、と怪人に迫る。
    「地球規模の芋ようかん風情が我のダークマターを語るなど、四.二光年早いわ!」
     腰に手を当て、ビシィッ! と指さす星子。
     がっびーん!
     怪人はのけぞった。そして、ちょっと不安になった。自信満々に言い切られて、あれ? そうなの? って思ってしまった経験は、誰しもあるだろう。今の怪人は、まさにそんな状態だった。
     そこへ駆け込む、さらなる混沌……。
    「本物のダークマターは、これだよーっ。てりゃあああああ!!!」
     翡翠色の三つ編みをなびかせながら、オリキア・アルムウェン(翡翠の欠片・d12809)が、両手に抱えた今川焼きを、盛大にバラ撒いた!
     ぶわわーん、と宙を舞う大量の今川焼き。
    「ああっ、もったいないいも!」
    「イッイーッ!」
     怪人とコサック戦闘員は、あわあわしながらも、一つ残らずキャッチ!
     皆、喜んで食べ始めた。
    「今川焼き、おいしーいも♪ ……もぐもぐ。ん?」
     怪人はふと、足下を見た。そこには、怪人のチョコをかすめ取ろうと忍び寄っていた水晶・黒那(完全を憧れる夢・d08432)の姿が。
    「なにしてるいも?」
    「落とし物じゃよ」
     黒那が、怪人の目の前にチョコの箱をポン、と投げた。
    「あっ、それは芋ようかんマン様のダークマターい……も」
     箱をキャッチしようとして、怪人は気付いた。左手に今川焼き。右手にダークマター。なら、これは一体、何だ?
     寄り目になりながら、怪人はくるくると舞うチョコの箱を見つめる。その背景に、銀髪をなびかせながらジャンプする黒那の影が現れた瞬間、怪人のバベルの鎖が、警鐘を鳴らした。
     ボギャァッ!
     黒那の右ストレートが、チョコの箱ごと怪人の鼻っ面に炸裂!
     さらに、左! 右! 左! と黒那のラッシュ!
    「いもっ、いももっ、やーめーるー、いもっ!」
     怪人は勢いよく体を半回転! 怪人の肩(?)の辺りが直撃し、黒那はフリッパーに弾かれたピンボール玉のように、ピコーン、と吹っ飛ばされた。
    「隙ありィッ!」
     鉄下駄をガランゴロンいわせながら、突進してくる影一つ。
     夕暮れ時がよく似合う、炎の番長、梅澤・大文字(張子の番長・d02284)だ!
    「ウオォォォッ!」
     大文字が怒りに吠えた。今回の事件は他人事とは思えない。なぜなら、今年のバレンタインデーは、生まれて初めて、本命チョコがもらえそうだからだ! ウレシイ♪ ふと、彼女の笑顔が、脳裏に浮かぶ。くわえた葉っぱに、白いお花が、ポワン、と咲いた。しかし、横目に映るのは、泣き崩れる女子高生――自然と重なる、彼女の涙。白い花がボワワッと燃え、大文字の瞳に炎が宿った。
    「本命チョコを奪うたぁ、許せん! おれの怒り、思い知れぇぇぇっ!」
     シュビビーンッ!
     大文字の両目から怒りのビームが発射!
    「あちゃちゃーっ」
     右手を焼かれ、怪人はダークマターを放り投げた。
     ふわわーん、と放物線を描くダークマター。その軌道は、渡り廊下の柵を越えてからの、中庭池ポチャコース……!
     ガッ、と柵を踏み台にする安楽・刻(カルマキャンディ・d18614)。ジャンプ一番、思いっきり伸ばした右腕で、ダークマターをキャッチ! さらに、宙を蹴って、もう一回ジャンプ!
     跳ね返るように、くるるーんと宙返りしつつ、渡り廊下へ着地。星子にダークマターを手渡した。
    「でかしたぞ、安楽ッ!」
    「……やったね、杵島さん。後は、これを」
    「ドロボーーーーーーーッ!」
     怪人が涙目になって叫んだ。
     短い手足をじたばたさせながら、トテテテテッ、と星子に駆け寄る。そこに立ちふさがるのは、椿・深愛(ピンキッシュキャラメル・d04568)だ。
    「栗ようかんマン、ここが年貢の納め時なんだよう!」
     軽やかなフットワークと共にファイティングポーズをキメるロリロリな深愛。
    「くくくく栗ようかんマンじゃないいも! 芋ようかんマン様いも!」
     顔を真っ赤にして手をピコピコ振る怪人。
    「だってぇ、おんなじ黄色で似てるんだもーん……」
     いじいじと拗ねる深愛。
    「栗ようかんから栗を抜いても、ただのようかんいも。でも、芋ようかんから芋を抜いたら、なんっっっにも残らないいもよ! そのくらい、栗ようかんと芋ようかんでは全然違ういも! あんな、ようかん混じりの栗と一緒にするな、このがきんちょ!」
    「むーっ。お芋でも栗でも、らぶの邪魔する人は、みあが全力でぶっ飛ばしちゃうんだから!」
     素早い身のこなしで怪人の足元に踏み込む深愛。腰に溜めた両拳が、ぶわっと分裂!
    「あいだだだだだっ!」
     思いっきりスネを連打され、怪人はぴょんぴょん飛び跳ねながら後退。そこへコサック戦闘員がすかさずフォロー!
     スッタタスッタン、スッタタスッタン♪
     深愛は、コサック戦闘員達に、まるで蹴鞠のようにポンポン蹴られて、三階のベランダまで飛んで行ってしまった。
    「この、ドロボー軍団めえぇぇっ!」
     怒りに燃える怪人が星子に駆け寄ろうとした、その時。
     一條・華丸(琴富伎屋・d02101)が、すっ、と割って入った
    「泥棒ってなぁ、人聞きが悪ぃな」
     華丸の背後から、着物姿のビハインド『住之江』が姿を見せる。
     袖をなびかせながら舞うように回転しつつ、怪人の目の前に扇子を差し出した。その上には、先ほど星子に手渡されたダークマターが。
    「あ、これは、芋ようかんマン様のダークマターいもっ」
    「ああ、返すぜ。受け取りな」
     怪人がダークマターをひょい、と手に取った、その時。
     ひゅん、と扇が一閃。
     怪人の胸(顔?)に深い切れ込みが入る。怪人が叫ぶ間もなく、華丸の炎を纏った縛霊手が怪人の顔面に炸裂!
     思いっきり吹っ飛び、コサック戦闘員達に抱きかかえられる怪人。
     その全身が、ボワワッと燃えた。


     焼き芋めいた香りが、ぷん、と渡り廊下に漂う。
     ぐぅ~。
     誰かのお腹が鳴った。気がつくと、オリキアがピラニアの様に怪人にかぶりついていた。
    「むっしゃーっ!」
    「い、いもん♪」
     なぜか悶える怪人。体をかじられるのは、それほど嫌ではないらしい。
    「もぐもぐ」
    「ど、どういもか?」
    「うん、サツマイモの味がするねー」
    「いやあ、それほどでも……いも♪」
     オリキアの感想に頬を染める怪人。
    「これ、今川焼きの中に入れたらどうかな?」
    「やってみるいもか? その今川焼きも、この火で炙った方がおいしーいもよ」
    「うん!」
     とかやってる後ろでは、サイキックがビュンビュン飛び交っていた。コサック戦闘員vs灼滅者達である。
    「我の宇宙規模の結界、食ろうてみよ。リギル、ハダル、ムリファイン、バーダン、メンケント――ケンタウリ・バリア!」
     星子の縛霊手から光球の群れが飛び出し、戦闘員達の周囲に展開。個々の光球がスパークすると、ケンタウロス座が浮かび上がった。
    「あびゃびゃびゃびゃあーっ!」
     ビリビリに感電する戦闘員達。
    「がんじがらめにしてやるぜ」
     華丸の縛霊手からも祭壇が高速展開。戦闘員達の間を縫うように飛んだ後、電撃めいた霊力が戦闘員達をシビれさせた。
    「人の恋路を邪魔する悪い人たちなんて――」
     三階のベランダの柵の上では、怒りを五個も付与された深愛がロッドをぐるるーんと回していた。
    「竜巻に巻き込まれてドーンなんだからっ!」
    「イーッ!」
     三階からの叩きつけるような烈風が戦闘員達を切り刻む。
     さらに、刻もマテリアルロッドを回す。同じ回転の竜巻が合流し、戦闘員達を空高く舞いあげた! ついでに、怪人も舞い上がった。顔がでかいせいか、いちいち巻き添えを食らうようである。別に、ディフェンダーとして後衛を守りたいなんて、ちっとも思ってないのだが、結果的に庇ってしまうのだから仕方ない。
    「いももーん……!」
     ぼてぼてぼてっと落下し、積み上がっていく怪人と戦闘員達。そこへ、黒那が急降下!
    「コサックどもめ、とどめじゃよ!」
     しかし、怪人のでかい顔がじゃまで届かない!
     ズブーッ!
     黒那のバベルブレイカーが怪人の顔面を貫いた。まるで、プラスチックの太い爪楊枝が芋ようかんに突き刺さったような、そんな感じである。
    「め、メディーック!」
    「イッイーッ!」
     慌てて戦闘員達が、黒那と怪人を掴み、バベルブレイカーを引き抜いた。
    「芋ようかんは俺も美味しいと思う」
     今川焼き(中身は芋ようかん)を左手に、口をもぐもぐしながら、剣一がゆらりとマテリアルロッドを構えた。
    「バレンタインに浮かれる奴らへの怒りにも共感しよう」
     ロッドに魔力が集中し、青白い光を放ち始める。
    「チョコがもらえないなら共に泣きもしよう」
    「お前、さっきチョコもらってたいも!」
     怪人の指摘を華麗にスルーしつつ、ロッドを振りかぶる剣一。
    「……だが、倒す!」
    「ぶべらっ」
     剣一のフルスイングを食らって、柵に叩きつけられる怪人。
     注入された魔力が怪人の体内を駆け巡り、最も脆弱な一点に集中し――爆発!
     怪人の脇腹(ほっぺた?)が、ぼん、と吹っ飛んだ。オリキアが食べまくっていた辺りである。
    「くっ……ま、まずいいも」
     怪人がプルプル震えた。
    「このままでは、負けてしまういも……」
     震える怪人が、ダークマターの包みをほどき始めた。
    「何をする気だてめえっ!」
     大文字がダッシュ!
    「これを食べて、大逆転いもーっ!」
     ぱく。ぽりぽりぽり。
     怪人が、ダークマターを食べた。


    「な、なにが起こるってんだ……?」
     怪しげなオーラを醸し出す怪人を前に、思わず立ち止まる大文字。
    「ふっふっふっふっふ……こうなったからには、お前達なんてザコいも」
     両手を挙げて、アヒャッと笑う怪人。
    (「あ……やっぱり、どっかで見たことが……いや、でも、気のせい……いや、でもやっぱり……殺伐としたスレ……いや……でも……」)
     怪人のポーズを見て、急にそわそわしだす刻。親戚にそっくりなスレイヤーでも居るのだろうか。謎である。
    「さあ、巨大化の時が来たいもっ!」
    「ま、マジか……!」
     固唾をのんで見守る灼滅者達。
    「ふふふふ」
     不適に笑う怪人。
    「ふふふ……ふふ……ふ……」
    「?」
     全員が首を傾げたところで、怪人がチョコの箱をペシーンと叩きつけた。
    「これは、ダークマターじゃないいも!」
    「はーっはっはっはっ!」
     両手を腰に当てて高笑いの星子。
    「それは、我がダークマターに違いないが、不服か? かりんとうこそ、真のダークマターなり!」
    「がびーん! どーりで、かりんとう型のかりんとう味チョコだと思ったいもーっ!」
     星子はダークマターをすり替えていたのだ!
     ESP『ビスケット』で箱をコピーした後、中身をかりんとうとすり替えたのである。ちなみに、深愛と怪人が栗ようかん議論を戦わせていた裏で、本物は女子高生達に返した。二人はとっくに避難済みである。
    「てめえはレーヴァテインで焼きようかんにしてやるぜ!」
     大文字のパンチが、怪人を吹っ飛ばす!
    「いもーん……」
     ふわーんと宙を舞う怪人に、オリキアがかじりついた!
    「むっしゃっしゃーっ!」
     ちょうど良い感じに焼けて小さくなった怪人を、オリキアは食べまくった。大文字も食べた。焼き芋の味がした。ついでに怪人を灼滅した。
    「これで終わりだよ!」
    「トドメじゃ!」
     深愛と黒那がロッドをブンブン振り回し、残った戦闘員を、スコココーンとやっつけたのであった。

    「今回ばかりはご当地が何を考えていたんだか分からな……」
     そこまで言って、剣一は首を振る。
    「いや、いつもよく分かんないか、アイツ等は」
    「巨大化がどうのと言ってたな……」
    「大きくなったら、みんなで食べられるね!」
     とか言いつつ、大文字とオリキアは早く帰りたくて仕方ない感じである。このリア充どもめ、と思う剣一であった。
    「……生きてるうちに食いたかったよ」
     住之江の扇子からチョコを摘まみつつ、華丸が、ふと笑った。
    「まぁでも、それはねぇか。ありがとな」
     チョコレートは甘いけど、やっぱりとても苦いと思う華丸であった。
     疲れた体をのびーっと伸ばす黒那。
     ふと昇降口を見下ろすと、山田君と女子高生が灼滅者達にお辞儀していた。
    「お幸せに」
     黒那は二人に手を振った。
    「おねーさんのチョコが無事で良かった」
     二人を見て、深愛が微笑んだ。
     二人の笑顔は、間違いなく、幸せそのものだった。

    作者:本山創助 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2014年2月14日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 8/キャラが大事にされていた 0
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