焔宮寺・花梨(理数が苦手な焙煎士見習い・d17752)は、こんな噂を耳にした。
『ショタコン好きの都市伝説が存在する』と……。
都市伝説はお姉さん系の妖艶美女で日没前の公園に現れ、あの手この手を使って子供達を誘惑すると、あんな事やこんな事をして子供達を大人の世界に誘っているようだ。
子供達にとって、この体験はとても刺激的らしく、都市伝説から解放された後は、しばらく放心状態。
都市伝説に何をされたのか、まったくもって不明だが、襲われた子供達は色々な意味で、大人びるようである。
おそらく、こうしている間も、都市伝説があの手この手を使い、子供達を誘惑している事だろう。
故に、倒すなら、今しかない。
都市伝説は強烈なフェロモンによって相手を誘惑し、口づけをする事によって対象をマヒ状態にさせる事が出来る。
そのため、場合によっては苦戦を強いられる可能性もあるが、基本的にエロス面に特化した都市伝説なので、油断さえしなければ必ず倒す事が出来るだろう。
参加者 | |
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ポー・アリスランド(熊色の脳細胞・d00524) |
アイレイン・リムフロー(スイートスローター・d02212) |
小鳥遊・優雨(優しい雨・d05156) |
海堂・月子(ディープブラッド・d06929) |
木元・明莉(楽天陽和・d14267) |
焔宮寺・花梨(理数が苦手な焙煎士見習い・d17752) |
魅咲・貞明(捻くれてそして笑っている・d21918) |
ノーラ・モーラ(お嬢様の皮を被った野蛮兎人・d22767) |
●少年ラヴ
「ロリコン変態仮面の時もそうでしたが、今回もまた困った都市伝説ですね。地域の子供達が安心して生活できるよう、我々の手で灼滅しないと……!」
焔宮寺・花梨(理数が苦手な焙煎士見習い・d17752)が自分自身に言い聞かせつつ、仲間達と共に都市伝説が確認された公園に向かっていた。
都市伝説は何も知らない無垢な少年達を大人の世界へと誘っているらしく、この辺りでかなり問題視されていた。
だが、少年達にとっては、憧れの存在、マジ天使。
誰もが探し求めて止まないアイドル的な存在であった。
「やっぱり、色々性癖はあるものですねぇ。何で噂になっちゃうのか知りませんが……ま、これはこれで面白いでしょう。さーて、お姉さん狩りって奴ですね」
魅咲・貞明(捻くれてそして笑っている・d21918)が、何となく気合を入れた。
どちらにしても、近隣住民達にとっては、脅威。
少年達が無駄に進んだ知識を手に入れたところで、良い事など何もない。
例え、都市伝説が良かれと思ってやっていたとしても、禁断の果実を口にした少年達の欲求が満たされる事はないのだから……。
「都市伝説のお姉さんは、大人へ続く道の、直通エレベーターみたいね。アイはゆっくり大人になりたいけど、男の子は違うのかしら?」
アイレイン・リムフロー(スイートスローター・d02212)が、疑問を口にした。
都市伝説が少年達に何をしているのか分からないが、それは間違いなく彼らにとって、未知なるモノ。
自分の想像を上回るほどの経験をするのだから、忘れる事が出来なくなってしまうのも無理はない。
「大人への道、気になるのです……」
ノーラ・モーラ(お嬢様の皮を被った野蛮兎人・d22767)が、興味津々な様子でドキドキとした。
一体、あんな事や、こんな事とは何なのだろうか?
考えれば考えるほど、謎は深まるばかり。
「純真な少年を大人の世界に……。耳が痛い気がするけれど、湊君をイケない世界に誘惑した訳じゃないわ。湊君というのは、私の彼で14歳のショタっ子! ……えっ? 聞いてない?」
海堂・月子(ディープブラッド・d06929)が、ハッとした表情を浮かべる。
何となく都市伝説と重なり合うところがあるのだが、自分とは違う……違うはず。
そんな気持ちが強かったせいか、思わず声を上げてしまった。
単なる言い訳かも知れないが、自らの正当性を証明したかったのかも知れない。
「とりあえず、殺界形成で人払いだけはしておこうかな?」
木元・明莉(楽天陽和・d14267)が、念のため殺界形成を発動させた。
その途端、公園のある方向から少年達が赤ら顔でズボンを穿きつつ、そそくさと横を通り過ぎていった。
「これで都市伝説にあーんな事や、こーんな事をされても、音が外に漏れず、近所迷惑にもなりませんね!」
小鳥遊・優雨(優しい雨・d05156)が、色々と察した様子でサウンドシャッターを使う。
少年達に一体何があったのか分からないが、耳を澄ませばまだ声が聞こえる。間違いなく、公園から。少年と思しき声が……。
「まあ、ここで待っていたまえ、うまくやるさ」
ポー・アリスランド(熊色の脳細胞・d00524)が、余裕な態度で公園に入っていった。
そこには半裸で怯える少年と、都市伝説がいた。
しかも、都市伝説は全裸であった。ぽろりどころの騒ぎではない、モロである。
(「こ、これはマズイ状況に出くわしてしまったのです」)
ノーラ・モーラ(お嬢様の皮を被った野蛮兎人・d22767)は兎の姿で、あたふたとした。
だが、この状況で見て見ぬふりなど出来はしない。
例えるなら、誰もいないと思ってトイレに入ろうとしたら、中に人がいた時の気まずさ。相手が無防備な状態で、カッと両目を見開く、それに似ていた。
「……見たわね」
都市伝説がポーをジロリと睨む。
「ああ、何か問題かい? 何時も誘うばかりではワンパターンだろう? たまには誘われるのも良いだろう。付いて来給え、君」
ポーの言葉に都市伝説がクスリと笑う。
「遠慮しておくわ。だって、この子が……まだだもの」
含みのある笑みを浮かべ、都市伝説が少年の肌を撫でた。
●少年愛
「そういえば、ショタやショタコンって日本で生まれた造語なんですね。まぁ、どうでもいい事ですが……」
茂みに隠れて様子を窺っていた優雨が、プリンをもふもふと食べつつ呟いた。
何やら少年のくぐもった声が聞こえているが、おそらくまだ大丈夫。
ここで邪魔をするのは、野暮である。
「行く? まだ?」
アイレインが両手で顔を押さえながら、仲間達に確認した。
何やらマズイ気がする。少年誌的な意味で。
行くべきか、行かざるべきか、そこが問題。
飛び出す事は簡単だが、状況的に考えて、それが正解なのか分からなかった。
「おそらく、ある程度あんな事や、こんな事をされた後の方がいいような気が……」
花梨がさらりと答えを返す。
釣りで言えば、魚が餌に興味を示した段階。
その状況で釣竿を引っ張ったところで、魚が釣れるわけがない。
それにポーも覚悟が出来ているはずなので、多少の事をされたところで、音を上げる事もないだろう。
『そこまで待てないのです』
兎になったノーラが、ぴょこぽんと戻って来た。
どうやら、ポーがまったく動揺しなかったせいで、かなり際どい行為が行われているようである。
「それをやる事に何の意義があってしているのかね?」
茂みの向こう側からポーの声が聞こえる。
それに加えて、都市伝説が囁く声も……。
色気や色恋沙汰と無縁のせいか、ポーはまったく動揺していないが、それを間近で見ている少年の方は、緊張で失神しそうなほどに慌てていた。
都市伝説はそんな少年の緊張をほぐすようにして肌を撫で、耳たぶをかぷっと噛んで、指を服の中へと忍ばせていった。
「それ以上は少年誌を超えちゃうわ、そこまでよ」
いつの間にか猫になっていた月子が、変身を解除して都市伝説に飛び掛かった。
「……えっ? 何っ? 何よ、あなた達は!」
都市伝説が両目をぱちくりさせて声を上げる。
まったく予想外だったのか、無防備な状態だった。
「ほーら、ショタはこっちにもいますよー?」
貞明が思わせぶりな態度で、都市伝説を誘う。
「それなら、いらっしゃい。何も怖くないわよ。怖いのなら、目を閉じている間にすべてが終わるわ」
都市伝説が妖艶に笑う。
既に、月子の事など目に入っていない。
少年以外には興味がないため、存在すら認めていないようである。
「はい、残念でした、お嬢さん。まぁ、大人と遊んでみるのも良いかもよ?」
すぐさま貞明がエイティーンを使い、都市伝説を見つめてニヤリと笑う。
「だ、騙したのね!」
都市伝説が全身に鳥肌を立たせて仰け反った。
「出てこい、バカ犬」
その間に貞明が魔導書を広げ、霊犬のガルムに合図を送る。
「許さないわよ、絶対に……!」
途端に都市伝説が殺気立った。
「いいのか? 俺が持っているデジカメの中には、大人の世界に導かれてる最中の少年のあんな表情やこんな表情が、みっちりしっかり記録されてるぜ? アンタ、コレを壊すなんて勿体無い真似するコトできんの?」
明莉の言葉に都市伝説が鼻で笑う。
「……出来るわ。だって、ナマモノじゃないもの」
そう言うや否や、都市伝説がデジカメを木端微塵に破壊した。
それを目の当たりにして、明莉が驚いた様子で目を丸くした。
●こだわりのショタ
「そ、そんな馬鹿な……!」
明莉にとって、それは予想外の出来事であった。
養殖よりも、天然……。
こだわりを持つ都市伝説であるが故。
知識豊富なむっつり坊やよりも、何も知らないチェリーを求めているのも、それ故だろう。
「私って、戦闘する必要あるんでしょうかね?」
複雑な気持ちになりながら、優雨がベンチに冬用のレジャーシートでも敷いた。
このまま、まったりしていても、問題がないような気がする。
むしろ、その方が平和的な解決が出来るような気がした、何となく。
「ま、こんな所で誘うんだ。それなりの覚悟してるよな?」
含みのある笑みを浮かべ、貞明が黒死斬を仕掛ける。
その途端、都市伝説が跳んだ。華麗に舞うようにして。
「モフモフヒャッハー!!」
花梨が叫んだ。
まるで世紀末に跋扈する悪党の如く。
その勢いに乗せて、ソニックビート。
都市伝説はその攻撃を避ける事が出来ず、派手に尻餅をついた。
途端に都市伝説の胸が揺れた。
まるで明莉を誘うように……。
「変な趣味はないんだけど……」
大量の鼻血を噴きつつ、明莉が影縛りを発動させた。
なるべく、意識をしないようにしていたが、都市伝説のたわわな胸が揺れるたび、視線で追って追って追いまくっていた。
あれはメロン、スイカでもいいや、と思い込み、心頭滅却していたが、無理。おっぱいはおっぱいであった。
それを自覚したら最後。後はめくるめくおっぱいの楽園にレッツゴー。
もう帰れない、戻れない。そこはドリーム、パラダイス。
元の世界に帰るなんて、滅相もない。そもそも、俺はここの住民だから!
そんな言葉が脳裏に過ぎるほど、明莉はおっぱいの虜になっていた。
「鼻血の海に沈んでしまう前に、終わらせるのです」
ノーラは察した、色々な意味で。
明莉が我を失う前に。おっぱいの住民と化す前に。
既に鼻血の海に沈み、意識を朦朧とさせる明莉を横目に、都市伝説めがけてフォースブレイクを放った。
躊躇う事なく、全力を込めて……!
それと同時に断末魔が辺りに響き、都市伝説が跡形もなく消滅した。
「さて、終わったか。やはり子供は子供らしく画一番だね、君」
都市伝説が消滅した事を確認した後、ポーが疲れた様子で溜息を漏らす。
「もう少し助けに入るのは遅れても良かったかしら?」
くすりと悪戯っぽく笑いながら、月子が少年の顔を覗き込んだ。
少年は未だに惚けた表情を浮かべているが、そのうち我に返って悪い夢を見ていたのだと、自分自身に言い聞かせる事だろう。
「もう、惑わされちゃダメよ。まあ、どちらにしても、これで子ども達が大人の世界を覗かないで済むわね。大人にはゆっくりなればいいのよ」
アイレインがそう言って少年の頭を撫でた。
少年にとって、この結果が良かったのか、悪かったのか、この場で断言する事は出来ないが、それでも初めての相手が都市伝説では、後々で困る事になるだろう。
人間では味わう事が出来ない禁断の果実を口にして、他のもので満足する事など出来ないのだから。
作者:ゆうきつかさ |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2014年2月12日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 9
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