伝説の彫師拠点強襲~十五分の一の行方

    作者:緋月シン

    「さて、皆集まったわね」
     四条・鏡華(中学生エクスブレイン・dn0110)は教室を見回し皆が集まったのを確認すると、早速とばかりに話を切り出した。
    「今回皆に集まって貰ったのは、刺青羅刹に関することなのだけれど……刺青羅刹の事件について調査していた人達が無事に戻ってきたのは知っているかしら?」
     その結果探り当てることに成功したのは、刺青を彫ることで一般人を強化一般人とするダークネスの存在だ。
     これを放置すれば、罪のない一般人が刺青持ちの強化一般人にされてしまう。
     そんなことは許されないし許してはならない。
    「そこで今回、敵に察知されない限界の戦力で一気に攻め込む作戦が行なわれることになったわ」
     具体的には十五チーム総勢百二十人。その戦力を以って一気に拠点を潰し、刺青強化一般人を生み出しているダークネスの灼滅を狙う。
    「ということなのだけれど、協力してもらえないかしら?」
     皆が頷いてくれたのを確認すると、鏡華は次の説明へと移る。
     今回は皆で協力して動くため、特に情報の共有が大切だ。
    「まず敵の拠点だけれど、これは鹿児島県のとある山中にあるわ」
     人里離れた場所に作られた和風の屋敷であり、土蔵や幾つかの建物がある事が判明している。
    「一般の人達が捕らえられているのが、この土蔵よ。どうやら福岡から運ばれてきているらしいのだけれど……これは今は蛇足かしら」
     敵の戦力に関しては、詳しいことは分からない。それでも、おそらく百体以上はいるだろう。
    「敵の強化一般人は刺青を施されていて、まるで昔の軍隊のような規律をもって作戦行動を行うわ」
     戦闘力はそれほど高くは無いが、統一された指揮の元に連携して攻撃してくる為、かなりの強敵になるかもしれない。こちらも相応の戦力で臨むとはいえ、決して油断できる相手ではない。
    「そしてさっきも言ったけれど、今回の作戦は多くのチームが協力して行なうことになるわ」
     最終的にやることは一つではあるが、そのためにやること、やれることは多い。
    「けれど、いえ、だからこそ、こちらから何をするのかに関しては指定しないわ。自分達が全体の作戦でどんな役割を果たすのか、それは皆で相談して行動を考えてちょうだい」
     今回の作戦は人数が多いものの、それでもバベルの鎖によって事前に予見されない規模だ。故に襲撃までは敵に察知されることはないだろうが、その後は当然別である。
    「作戦開始後、敵が通信機などで援軍を呼ぶ可能性は高いでしょうね。人里離れた場所にあるから、援軍が来るまでには時間があるでしょうけれども」
     まあつまりは、無制限に時間があるわけではない、ということだ。速やかな作戦行動が必要だろう。
    「色々と難しい作戦ではあるけれど、あなた達ならば出来ると信じているわ。吉報を期待して待っているわね」
     そう言って、鏡華は話を締めくくったのだった。


    参加者
    黒洲・智慧(九十六種外道と織り成す般若・d00816)
    龍統・光明(千変万化の九頭龍刃・d07159)
    シーゼル・レイフレア(月穿つ鮫の牙・d09717)
    白金・ジュン(魔法少女少年・d11361)
    穂都伽・菫(マグノリアの舞台劇・d12259)
    不破・桃花(見習い魔法少女・d17233)
    渡口・陽羽(咲う弱鳥・d20616)
    大和・呉葉(カレーなるヒロイン・d21319)

    ■リプレイ


     その音はそこまで届いてきていた。
     響き渡る轟音。張り上げられた誰かの声。
     戦闘開始を告げる音である。
     八人が動き出したのは、その直後だ。
    「それじゃ、私達も作戦開始ね?」
     大和・呉葉(カレーなるヒロイン・d21319)の言葉を合図とするように、自分達の背を優に超える塀を一足飛びに飛び越える。
     もっとも本番はこれからだ。八人は素早く周囲を見渡すと、敵の姿がないのを確認した後で屋敷に侵入するための場所を探す。
     そうしている間にも音は徐々にその数を増やし、大きくなっていく。どうやら正面側の戦闘が本格的になってきたらしい。それは決して少人数が暴れた程度で出せる音ではないが、そこに居るのは今回の作戦における総人数の半分にも満たない。
     その事実は、今回の作戦にどれだけの者が関わっているのかを自覚させるには十分過ぎるほどであった。
    「こんなにも大人数で動く依頼……必ず、成功させたいですね」
     正門の方へと視線を向けながら呟いたのは、穂都伽・菫(マグノリアの舞台劇・d12259)だ。しかしそれはすぐに戻され、屋敷へと向けられる。
    「まあ、私たちはあくまでやるべきことをするまでですが。こちらはあくまで暗殺班を動きやすくするための光ですからね」
     菫達は潜入攻撃班。陽動と、正面への挟撃が役目だ。
     この作戦の切欠となった依頼の報告書によれば、一般人が捕らえられている可能性の高い土蔵などもあるらしいが、そちらは別の班の役目である。
    「御神楽の聖地とは何なのでしょうね?」
     と、ふと思い出したようにその言葉を口にしたのは、白金・ジュン(魔法少女少年・d11361)だ。土蔵同様件の報告書に書かれていたものであるが、直後にジュンは首を横に振る。
    「いえ……今は疑問はさておき行動すべき時ですね」
     その言葉に異論のある者がいるはずもない。ここに居る者達を野放しにしておいては、一般人への被害は広がる一方だ。
    「初の宿敵依頼がこんなに大掛かりでタイヘンそうな依頼だなんて……」
     呟きながら渡口・陽羽(咲う弱鳥・d20616)は、緊張によって勝手に震えていく手を押さえる。
    (「これ以上被害が広がるのはどうにかしたいし、頑張らなくちゃ!」)
     そして思いながら、いつものように笑みを浮かべた。常に比べればかなり硬いしカラ元気でしかないけれども、それでもどうにかなるだろうと……どうにかするために。
    「こういう話を聞くと、怪人のやってる事の方がマシに思えるのよね……別に怪人の行動が許せる訳じゃないけども」
     もっともどちらにしても、呉葉達のやることに違いはない。
    「全力で阻止するだけよ」
     屋敷の裏へと回った八人は、割とあっさり扉を見つけることが出来た。
     が。
    「ちっ、さすがにそう上手くはいかねえか」
     シーゼル・レイフレア(月穿つ鮫の牙・d09717)が幾らぼやいてみたところで、それは開く気配を見せない。もっとも開かないのならば仕方がない――実力行使あるのみだ。
     脇に退くシーゼルが向ける視線の先に居たのは、龍統・光明(千変万化の九頭龍刃・d07159)。
     扉に向かって構える光明の脳裏を、ふとここに来る前に話し合ったあれこれが過ぎる。
    (「あれだけ話し合ったんだ。他と上手く連携取れる様気を引き締めて行かないとな」)
     思ったのと、身体が動いたのはほぼ同時。
     ぶち破った。


     大声を上げながら移動をしようと考えていたジュンであるが、その必要がなさそうなことを悟ったのは屋敷に踏み入った直後のことだった。
     理由は単純で、その時点で敵がこちらに向かってきているのが見えたからである。
     その姿を確認したと同時、その手に握られたのはスレイヤーカード。ちらりと周囲に視線を向ければ、仲間の手にも同様にそれが構えられているのが見えた。
    「マジピュア・ウェイクアップ!」
    「我……九頭龍乃顕現者也……来い絶、纏え創破……」
    「月海で躍れ」
     直後に叫び、続き響いたのは解放の言葉。瞬時に殲術道具が展開され、それぞれの戦闘準備が一瞬で整う。
     ただしその中で一人、不破・桃花(見習い魔法少女・d17233)だけは他の者と若干趣を異にしていた。
     全身を煌かせながら武器を、服を纏っていくその様子は、変身という言葉の方が近い。その服装が所謂、魔法少女などと呼ばれるような者が着るものであったこともそれに拍車を掛けている。
     だがそれがそこまで目立たなかったのは、そのすぐ傍に似たような格好をした者――ジュンが居たためだろう。
    「白金さん、頑張りましょうねっ」
     そしてそんなジュンへと桃花が向ける視線には、憧憬が混じっていた。桃花はジュンの――ジュンを含めた、マジピュアというチームのファンなのである。
    「はい、頑張りましょう」
     勿論ジュンはその視線に気付いており、何処かむず痒さのようなものを覚える。とはいえ止めるように言うようなことではないし、何よりそのような目で見られて嬉しくないわけがない。
     とはいえ今は大きな作戦の行動中だ。浮ついた心を抱えていられるほど生易しい状況ではない。
     ただ。
    「数多の罪なき人々を攫い、傀儡へと仕立てあげるその所業。この希望の戦士 ピュア・ホワイトが天に変わってお仕置きです!」
     向かってくる敵に放たれた口上が、いつもよりも少しだけ気合いが入ったものになっていたのは仕方のないことだろう。
     ともあれ。
    「正門の方が騒がしいかと思えばこっちにもか……襲撃とは舐められたものだ」
    「中尉殿、どうするでありますか?」
    「まずはこいつらを叩いた後で正門の援護に向かう。女子供相手だからって油断するな!」
    「は、了解であります!」
     向かってきた敵の数は、こちらと同数の八。全員が軍服を着ているものの、そのほとんどは年齢的には自分達とそう変わらないだろう。
     中尉と呼ばれた男だけはその様相からスーツの方が似合いそうではあるものの、それでも本来ならばこちら側の人間ではないことに違いはない。
     だがそこに何かを感じていられる余裕はなく、出来ることは一つ。これ以上彼らのような人を出さないために、ここを叩き潰すことだけである。
     故に。
    「みなさん、いきましょうっ!」
     桃花の言葉を合図とするように、全員が一斉に動き出した。
     敵陣へと真っ先に切り込んだのは、黒洲・智慧(九十六種外道と織り成す般若・d00816)だ。一瞬で死角へと回り込むと敵の身体を斬り裂き、しかし次の瞬間に目を見開く。
     かわすでも防ぐでもなく、自らの身体を以って抱え込むようにして智慧をその場に留めたからである。
    「今であります!」
     その言葉と智慧が顔を逸らすのは、果たしてどちらが早かったか。寸前まで顔のあった場所を銃弾が切り裂き、だが安堵してる暇もなく眼前の敵を蹴り飛ばし――直後にその身を貫いた衝撃に血を吐き出した。
     その正体は続けて放たれた二つの銃弾。咄嗟に後方へと飛び退くが、その後をすかさず二人の敵が追う。
     しかし向こうが集団であるように、こちらも集団である。
    「渡口先輩、レイフレア先輩、私が回復します!」
     菫が言葉と共に放ったのは防護符。智慧の負った傷を符が癒し、名を呼ばれた二人がその代わりとでも言うように前に出る。
     それでも構わずに敵の腕が横薙ぎにされ、だが直後に響いたのは甲高い音。
    「ざぁんねん、その攻撃は通させねーぜ?」
     痺れる腕は無視しながら、シーゼルは周囲へとシールドを与えていく。未だ眼前には敵が居るが、この場に居るのは自分だけではない。
     もう一人飛び込んでいた陽羽が踊りながら打撃を加えていき、力が緩んだところを殴り飛ばすと二人同時にその場を離れる。
    「さて、派手に暴れますか……創破よ喰らい尽せ。斬り裂く、九頭龍……龍ヶ逆鱗」
     直後に荒れ狂ったのは漆黒の刀身。光明が振るう7尺3寸の長刀――絶が、敵を纏めて斬り刻んだ。
     しかし敵もやられてばかりではない。
    「傷ついた者は一旦下がれ! 後衛前に出ろ、押し負けるな!」
     中尉の言葉に従い、前衛と後衛がそっくりそのまま入れ替わる。しかもそれだけではなく、こちらの追撃を防ぐために足元に銃弾を撃ち込むおまけ付きだ。
     さらにお返しとばかりに前衛の一人が腕を振るい、広範囲に衝撃をばら撒いた。
    「させません!」
     だがそれを桃花が魔力障壁を展開することで防ぐ。衝撃を強引に押さえ、しかしそのせいで一瞬逸れた注意の合間を縫うように、敵が振り下ろした刃がその身を斬り裂いた。
     苦痛に顔を歪め、だが敵は攻撃の手を緩めない。返す刀で再度刃を振るい――今度は寸前でかわした桃花に、カウンターで殴り飛ばされた。
     さらにそこに合わせるように呉葉が迫る。振り下ろすのは巨大な刀と化した己の腕。
     斬り裂いた。
    「付け焼き刃の軍隊もどきに本気を見せるまでもないわね?」
     見下ろしながらのそれへの返答は、敵の一斉攻撃。その身を貫き斬り裂き、しかし薄っすらと浮かんだ笑みが、狙い通りであったことを示している。
    「っ、狙いはこっちか!?」
     中尉が気付くも、既に遅い。懐へ踏み込んだジュンが杖を振り上げ、衝撃の瞬間に魔力が爆ぜる。
     くの字に身体が折れ、だがそれで終わらない。
     飛び込む智慧より突き出されるのは、螺旋の如き回転を加えられた槍。
     そして。
    「刺し貫く、九頭龍……龍ヶ牙突」
     白光を放ちながら振り下ろされた光明の斬撃がその身体を斬り裂き――崩れ落ちるようにその場に倒れた。
    「中尉殿!?」
    「っ、だがまだ我々は倒れていないであります!」
     戦意は未だ保っている様子であったが、指揮官を失った敵の動きは明らかに精彩を欠いていた。そのために支払った代償は安くはないものの、そうなれば後は倒すのは難しいことではない。
     目の前の敵を全て倒すのに、それほどの時間は必要なかった。
     そして。
     順調に進められたのは、そこまでであった。


     結論を先に述べるならば、見通しが甘かった、というところだろう。
     端的に言うならば、彼らの思っている以上に敵の戦力が残されていた、ということである。
     もっともこれは正確には彼らの責任というわけではないが、結果は同じことだ。
     囲まれないように気をつけたところで敵が次から次へとやってきたのではどうしようもなく、休んだり連絡を取り合うような暇は当然のようにない。陽動という意味ではその役割を十分以上に果たしたとも言えるが――当たり前であるが、限界というものは存在する。
     最初に倒れたのは、菫のビハインドであるリーアであった。
     壁役のリーアが離脱してしまえば、後方へと攻撃が逸れてしまう確率も上がる。
     そしてその隙を狙ったように、一斉に敵の攻撃を受けた菫が倒れた。
     後はジリ貧だ。桃花やシーゼルも回復重視で臨んでいたものの、やはり回復役に比べれば効率は落ちる。智慧や呉葉も回復に回らざるを得なくなり、そうなれば当然敵を倒しにくくなる。受ける攻撃が増えると共に癒しきれないダメージが蓄積されていく。
     智慧が倒された時点でそれはさらに悪化し――
    「撤退しましょう」
     陽羽が倒れた瞬間、彼らはその場から引くことを決意した。
     ただ――撤退を決めたからといって、即座に退けるとは、当然であるが限らない。
    「こちら潜入攻撃班のシーゼルだ。思ってたよりも被害がでかくて正面攻撃班との合流は出来そうにねえ……悪いがこっちは撤退させてもらう。……後は頼んだぜ」
     攻撃を凌ぎながら何とか連絡だけはするも、返答はない。おそらくは何処もその余裕がないのだろう。
     だがそれはこちらも同じである。
    「ジュンは菫を頼んだ。俺が残りの二人を担ぐ」
    「分かりました」
    「なら私は足止めをするわね」
    「私はやってくる攻撃を防ぎます!」
    「んじゃ俺は二人から漏れたもんを担当するぜ」
     呉葉が近寄る敵を薙ぎ払い、桃花が迫る攻撃を防ぎ、シーゼルが漏れた敵を斬り裂き攻撃を弾き――しかし撤退の動きを見せ始めた彼らを敵がそのまま見過ごす道理はない。光明が智慧と陽羽を担ぎジュンが菫を抱えようとするのを、先んじて邪魔してきた。
    「ちっ、倒れてるやつ狙うとか、軍隊の真似事してやがる癖にえげつねえな!」
    「弱点を突くのは基本であります! それに敵前逃亡は死刑であります!」
    「それはあなた達にとっての規律でしょう? やりたいのならばあなた達だけで勝手に……っ!」
    「大和さん!?」
     足止めしようとするのが邪魔だったのか、複数の銃弾にその身を貫かれた呉葉の顔が苦痛に歪むも、動こうとした桃花を首を振ることで制す。
    「今は撤退することが最優先よ。あなたは二人の援護をお願い」
    「……っ、分かりました」
     唇を噛み拳を握り締めながら、大和から強引に視線を切った桃花は、光明達を包み込むように障壁を展開した。
     そうして経過した時間は僅かに数分。それが長く感じたのは、それだけ大変だったということだろう。
     それでも――
    「撤退準備完了しました。いつでも退けます」
    「こっちもだ。よし、さっさと――ジュン!」
    「――え?」
     菫を抱えたことで生じた死角。そこに潜り込むようにして放たれた弾丸が、ジュンの身体を貫いた。
     呆然とした顔のまま、その身体が崩れ落ちる。
     そしてそれとほぼ同時。
    「……っ、ごめん、なさい。後は――」
    「大和さん!」
     敵に斬りつけられた呉葉が、力を失い地面に倒れた。
    「……っ!」
    「ちっ!」
     逡巡は一瞬。即座に桃花が呉葉へ、シーゼルがジュンへと駆け寄る。眼前の敵を殴り飛ばした桃花が敵の攻撃も気にせず呉葉の身体を抱え上げ、同じくシーゼルも菫ごとジュンを担ぐ。
    「仕方ねえ、こうなったら強引に突破するぞ!」
    「それしかなさそうですね……!」
     こちらの被害を気にしていられる状況ではない。三人は顔を見合わせると頷き、向かってくる攻撃の一切を無視して走り出した。
     敵の攻撃は容赦なくこちらの身体を傷つけていくが、ここで倒れれば待っているのは全滅だ。或いは正門へと向かっていればそれでもまだどうにかなかったもしれないが――
    「むしろ最初から強行して挟撃を狙っていた方が……いや」
     今更かと呟きながら、光明は銃弾と斬撃の嵐の中を突き進んでいく。
     そして。
     三人が地面へと倒れこんだのは、ほぼ同時であった。その際に担いでいた者達が投げ出されるが、申し訳なく思ってもどうすることも出来ない。
     三人の視界に映し出されているのは――空。敵の姿は既になく、屋敷からは遠い。
     ギリギリのところで、撤退に成功していた。
    「……作戦はどうなったのでしょうか」
     ふと桃花が呟くも、その結果が彼女達に知らされるのはもう少し後になるだろう。
    「さてね。まあ俺達に今出来るのは、上手くいくよう祈ることぐらいかな」
    「ま、とりあえず今は生き延びれたことを喜ぼうぜ。反省は、その後だ」
     異論はなかった。一先ず荒い呼吸を整えるべく、三人は大きく息を吸い込むと、そのまま吐き出したのだった。

    作者:緋月シン 重傷:黒洲・智慧(九十六種外道と織り成す般若・d00816) 白金・ジュン(ボランティア灼滅者・d11361) 穂都伽・菫(煌蒼の灰被り・d12259) 渡口・陽羽(籠の弱鳥・d20616) 大和・呉葉(カレーなるヒロイン・d21319) 
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2014年3月4日
    難度:やや難
    参加:8人
    結果:成功!
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