寒ければタオルを巻けばいいじゃなーい!

    作者:一縷野望

     タオルの街、今治。
     駅出てすぐに『海峡(ルビはうみ)のまち』なんてイカした看板で出迎えてくれるこの街は、ガーナからの襲撃者によりピンチに陥っていた!

    「キーッキッキッキッ、これはとても肌触りがいいリン」
     タオルマフラー売り場を飛び交う悲鳴、逃げ惑う店員に構わずに、タオルマフラーを掴んで頬ずりするのは二足歩行のキリンだった。
    「キー! アフリカパンサー様、この地のガイアパワーは格別でございますリン!」
     ここには居ない大幹部へ向けお決まりの台詞を吐いた後、キリン怪人はこれ見よがしにタオルマフラーを巻いていく。
     赤、青、薄緑、桜模様、黄色……首が長いのを良いことに何本だって巻けちゃうんだからな!
     ――こうして『今治タオルマフラーキリン怪人』が誕生した!
    「キーッキッキッ! この地域のガイアパワーは全て奪いつくし、我が糧にしてくれるリン!」
     

     肌触りの優しさは自然素材の成せる技!
     ちくちくしないので肌が弱い方も安心!
     汗をかいたら拭いちゃうのもOK、だってタオルだしな!
     洗濯すればますます馴染み手触りよくなります!
     なによりお求めやすい!
    「そんなタオルマフラーが超ピンチなんだ」
     首に薄紅のタオルマフラー(通販で買った)をふかっと巻いた灯道・標(小学生エクスブレイン・dn0085)は、真顔で言った。
     事件が起るのは今治市。タオル専門店が出しているタオルマフラーの露天だ。
    「アフリカから来た奴らは、ご当地怪人の風上にも置けない奴だよ」
     なにしろ奴らにとっては『ご当地名物』は使い捨て。ガイアパワーを吸い尽くす事だけが目的で、奴らにタオルマフラーへの愛なんてないのだ。
    「みんなに戦って欲しいのは、キリン怪人だよ」
     見た目は二足歩行のキリン。だが目つきは非常に悪く、勘に障る笑い方をしてくる。動物園での人気者のキリンさんとはわけが違う。
     更には、愛もないくせにタオルマフラーを使いこなし、遠近回復バランス良く使いこなしやがるのだ。ああ憎たらしい!
    「現れるのはとある広場に店を出してる露店。腰を抜かした店員の前で、延々と長い首にタオルマフラーを巻いて満喫してるよ」
     店員のおばさんが逃げ遅れているので、手を貸して逃がしてあげて欲しい。
    「戦うに充分な広さだから、後は思う存分ぶちのめしてきてよ」
     できれば売り物のタオルマフラーは一本でも無事だといいなあと、標はそっと付け足した。
     標はタオルマフラーを外すと、灼滅者達の前に畳んで差し出す。触れてみてよと言いたいらしい。
    「ね? 柔らかくていーでしょ? けっこーあったかいんだよ」
     そんなタオルマフラーを是非護ってきて欲しいと、標は今一度皆に念を押すのである。


    参加者
    睦月・恵理(北の魔女・d00531)
    羽柴・陽桜(ひだまりのうた・d01490)
    米田・空子(ご当地メイド・d02362)
    三國・健(真のヒーローの道目指す探求者・d04736)
    松下・秀憲(午前三時・d05749)
    惟住・多季(花環クロマティック・d07127)
    篁・アリス(梅園の国のアリス・d14432)
    靴司田・蕪郎(靴下大好き・d14752)

    ■リプレイ

    ●正義の味方現る
    「ひいいいいい!」
     いきなり現れた余りに堂々とした強盗に、店員のおばさんは尻もちついて恐慌状態。
     そこへ降り注ぐ、輝き。
    「どうも撮影か何かみたいで恐縮ですけど……本物のヒーローと正義の魔法使い達参上ですよ」
     怯えた瞳へ安堵が映りこんだのを確認し、アルティメット起動中の睦月・恵理(北の魔女・d00531)は更に安心させるように柔和に小首を傾げた。
     ずびし!
     青のエプロンドレスの少女が胸を反らしキリンへ指を向ける。
    「アフリカキリン怪人! きさまの好きの好きにはさせないぞッ!!」
     啖呵を切った篁・アリス(梅園の国のアリス・d14432)と共に、ツインテールを靡かせて売り場へと駆け込んでくるのは、惟住・多季(花環クロマティック・d07127)。
    「おばさん待っててね! あのキリンマフラーマニアなんですよきっと!」
     少しでも心が和らぐように、多季は理屈をつけつつ明るく笑ってみせる。
    「やっつけて、取り返してきますから!」
     破顔一笑、三人娘はマフラーがこれ以上傷まないように手早くワゴンを遠ざけにかかる。
    「商品も出来るだけ何とかします」
    「だんだん(ありがとう)……ヒィッ!」
     なんとかお礼は言えたものの、恐ろしい目つきのキリンに睨まれまたまた身が竦むおばさん。
    「お嬢様、どうかご安心くださいませ」
     前に立った紫陽花色のふわ髪のメイドさん、米田・空子(ご当地メイド・d02362)はどう見てもおばさんの娘より幼い。だが完璧なメイド作法はつっこむ隙を与えない。
     更に、
    「お怪我はございませんか?」
     素肌にムタンガ、顔はニット帽に見せかけて巨大ソックスにて隠されわからぬ青年が、現れて手を取ってくるもんだから、な?
    「あぁ……はい、けつまげただけけん」
     肌荒れでガサガサの指が恥ずかしいと頬赤らめるご婦人を、靴司田・蕪郎(靴下大好き・d14752)は壊れものを扱うようにお姫様抱っこ。
     アルティメットで感動+タオルマフラーを気遣うヒーロー達。ラブフェロモンがぎゅんと効く下地はばっちりだ!
    『キー! 貴様ら何者だリ……?!』
     マフラーをぐっと鷲づかみ怒り心頭のキリン怪人だが、頬を掠めた巨大な左ストレートに肝を冷やす。
    「へいへーい」
     鮮やかなエメラルドグリーンをはらり背に流し、松下・秀憲(午前三時・d05749)は静逸な眼差しにそぐわぬフランクな口調で煽る。
    「マフラー巻いてキリンさんご機嫌だねっ」
     相手は格上ダークネス、初撃が避けられるのは織り込み済み。おばさんから目が反れ、売り場から遠ざけられれば上出来だ。
    「はいチーズ」
     携帯で写真まで取っちゃう。カラフルで笑えるので彼女へのお土産――手ぶれでよくわからない物体になってしまっているかもだけど、それはそれ。
    「キリンさん、首ながー……」
    『そうだリン♪ 長くてステキなお首だリン』
     長い、という続きは呑み込んだ羽柴・陽桜(ひだまりのうた・d01490)だが、キリン怪人は勝手にエスパーして誉められたとドヤ顔だ。
    『このながーいお首で、タオルマフラーを巻き放題』
    「もふもふタオルうらやま……」
     羨ましくなんかないんだからっ! と、陽桜はほっぺたぺちぺち、自分を律した。
    『膨大なガイアパワーをかき集められる私はこの地に相応しいリン!』
     その身勝手な物言いに者靴者達の怒り心頭。
    「ふざけるな! 名産品を使い捨てにする様な宿敵は赦さん!」
     太陽色のマフラーを靡かせた三國・健(真のヒーローの道目指す探求者・d04736)が、鋭い刃を挨拶代わりに見舞う。
     登場が遅れたのは、売り場のタオルマフラーが汚れないようにシートで覆ったり袋に入れて保護していたからに他ならない。
    「一致団結の力で真のご当地愛、その長い首筋に刻み付けてやるぞ」

    ●愛なきキリン
     ご挨拶と首で手近なアリスを頭突き。エプロンドレスから真っ赤なマフラーのヒーロースタイルにチェンジした少女は、痛みに耐えた。
     その間、蕪郎によりベンチに座らされるおばさん。それを確認した灼滅者達は攻撃に移る。
    『キーッキッキッキ! 名産品などただのガイアパワーの元にすぎぬリン』
     ひゅんひゅんひゅん……。
     手にしたタオルをヌンチャックのように振り回し、キリン怪人は口元を歪につりあげた。
    『見よ、既に我はタオルマフラーを使いこなしているリン!』
    「カッコ悪っ」
     ぼそり。
     多季、短く刺した。
    『ぬな?! 今、なんと言ったリン?!』
     自慢げなキリン怪人へ、顎を逸らし思いっきりバカにした口調で続ける。
    「そんなに何枚も撒いたら台無し! ぜーんぜん似合ってない!」
     がびーん!
     ショックの余り紫の舌をべーして固まるキリン怪人、腕は惰性でタオルマフラーを振り回し続けている。
    (「むしろサイケでウザカワって感じで嫌いではない」)
     何気に初めて見た時から気に入っていた秀憲だが、調子に乗られても鬱陶しいので誉めない。
    「あっベロ紫きめぇなー」
     代わりに率直に呟き火に油を注いでみた!
    『ぐぬぬぬ! 舌は気にしてるのに……リン』
     可愛らしいキリンさんの隠したい所らしいぞー。
    『貴様、我が舞いを受けてみよリン!』
     ひゅっひゅっひゅっ!
     薄紅と蒼空色のマフラーが前衛を取り巻き、血と共に舞い踊る。
    「何かそのドヤ顔がすっごく腹立つんですよね」
     足下に漆黒の魔方陣を描き、恵理は朗らかとすら言える表情だった。
     が。
     故郷を英国と言わずオークニー諸島と名乗る恵理が、ご当地愛一切0のキリン怪人に怒っていないわけがない。
     怒りが弾ける様に魔方陣から無数の腕が現れて、怪人へと襲いかかる。
     ぎゅっ!
     ぎゅっぎゅっ!
     ぎゅうぅううううう!
    『キッ?! くっ、首がぁああリン』
    「……幾つも巻いて、こうなったらって考えませんでした?」
     影が首に纏い付き、自慢げに巻かれたマフラーで締め上げるように動きを縛る。
     狙い澄ました健の攻撃がこじ開け、恵理が動きを鈍らせた所へ、先鋒の二人の輝く拳と巨碗がクリーンヒット!
    「ご当地怪人の風上にもおけないやつめー!」
     緋ノ司と共にアリスは風に乗るように滑らかに、
    「ご当地名物へ愛がない怪人さんなんて、失格なの!」
     陽桜もはなうたを振りかぶり頬を膨らませる。
     梅と桜、花を冠した武器を翼のように背に逸らし、二人の少女は一切臆せず怪人の前へ走り込む。
    「ボルトッ! クラァァッシュ!!」
     ガガガガガガガ!
     梅紅色から溢れる魔力。狙ったのは顎、つまりタオルマフラーの結ばれてない部分。
    「目つきもご当地愛へのおぎょーぎも悪いキリンさんは、ひお達が絶対こらしめてやるんだから!」
     覚悟せよと蔦絡めるように糸がキリンへ伸びる。
    「羽柴ちゃん、アリス……あわせるぜ」
     タオルマフラーを取り返す気概を込めて、健は目の前に翳した光剣から刃を放つ。
    「行くぞ! 播磨の刃風、ドラゴンカッター!」
     狙い澄ましマフラーを傷つけずそれでいてキリンの防御力を落とすようドラゴンカッターは絶妙な位置へ着弾した。
    「白玉ちゃんも回復を」
    「ナーノっ」
    「空子は……」
     回復優先順位が漠然としていたためしばし惑うメイドさん。一番深傷だったのはアリスだったはずと、光をそこへ注いだ。
    「ナノ~」
     一方、みずむしちゃんは陽桜へハートを飛ばす。
     カサカサカサカサカサカサ!
     橋。
     あ、ブリッジ。
     そうだ、蕪郎だ。
     どうしてその体勢でこの速さなのか、仕組みがまったくわからないよ!? 
    「ソォォォォックス!!」
    『キッキキキキキー?!』
     程良いを遥かに超越した熟成が醸し出す饐えた香りがキリン怪人を襲う。鼻に掛かりびよーんっと伸びたソックスを巻くついでのように、杭を打つ……のはさすがに外した。
     カサカサカサカサカサカサ!
    「複数の方への回復は私めがフォローしマァス。米田さんは先程のように深傷の方を重点的にお願いしマァス」
     戻って来た蕪郎に空子は「はい、畏まりました」とはにかむように頷いた。

    ●ヒーローの前に敵はなし!
     灼滅者達は気持ちいいぐらいにテンポ良く攻撃をつなげていく。傷を負っても、蕪郎と空子、二人のナノナノが手早く塞ぎにかかる。
     連携、更に声を掛け合う事を意識した結果、灼滅者側有利に戦いを進める事ができていた。

    「悪しき心、光と共に打ち砕け、神龍剣!」
    「お、結構できるもんやな」
     至近で斬りつけながら結び目解き二枚目のマフラー保護する健に、秀憲は感心したように頷きロッドをねじ込んだ。もちろんマフラーは破かぬ位置へ。
    『ゲホゴホッ! マフラーを返せリンッ』
    「お前はマフラーじゃなくて、これでぎゅうぎゅう縛られたらいいです」
    「そんなに巻きたいんだったら、マフラーの代わりにこれあげる!」
     腕を伸ばすキリンへ、多季の影と陽桜の蛇剣がぎゅっぎゅっぎゅー!
    『嫌だ、そんな痛いの巻きたくないリン』
     ……ちょっとこの人達、つけいる隙がないよ?!
    「文化に敬意を払わない方って大嫌いなんですよ」
     終始楚々とした微笑みの恵理さんですが、怒りのインファイトを仕掛けまくり。
    「サンダァァァッ! スマァァッシュッ!!」
     あわせてアリスが苛烈な打撃でどんどん押し、結果としてキリン怪人は首を伸ばした所で売り場に被害がいかない場所まで移動させられていました。
     遠いよ。
     マフラーが遠いよ。
    『ぐぬッ……ガイアパワーが足りぬ。貴様らどけどけ……リン!』
     余裕がなくなってきたからか、随分前から語尾『リン』がもはや付け足しである。
    『キィー! 数を減らさねば』
     ぽいっと投げ捨てたタオルマフラーを、すかさず回収する健と多季。
     それに構わず、キリン怪人はぎゅぎゅーんっと首を伸ばすと、前衛で回復に善戦していた白玉へ強烈な頭突きを見舞う。
    「ナ、ナノ~」
    「あ、白玉ちゃん?!」
     回復間に合わず力尽きるのを前に、空子は胸の前でぎゅっと拳を握る。ロングのメイドドレスのドレープが、哀しげに揺れ地面に影を描いた。
    「荒ぶるキリン……! それ首ぶん回してるだけでしょ!?」
     多季の軽口が気遣ってくれているのだと空子は気付き、頷くように大きく頭を揺らした。
    「空子は大丈夫です。回復は必要ですか?」
     大丈夫と示すように元気に振られる手の平。だからメイドの力を攻撃へと傾ける。
    「さあヒーロー、連携タイムですよ!」
     景気づけに手を叩き、恵理が霊力で縛ったキリン怪人を地面からつり上げる。
    「……やっちゃって下さいね!」
     この上なくとってもイイ笑顔でぽーいっと放り投げたぞ!
    「ああ、今治名産の真の力この手に受けて!」
     今治にてチャージした想い、ガイアの悲鳴――それらを身に宿し健はぎゅうっと拳を握り締めると恵理へと頷く。
     ご当地の力を焼き畑農業のように貪るなど、絶対に赦されることではない!
    「参ります」
     スカートをつまみ上げお辞儀した空子、次の瞬間にはメイドキックで回し蹴り。
    「みずむしちゃん!」
    「ナーノー♪」
     宙を舞うソックス!
     みずむしちゃんがご褒美に食いつく隣で、蕪郎はシャボン玉弾けた胴体に螺旋をねじ込む。
    『キキキキ、リンッ、リンリンリン!』
     まるで鈴のような鳴き声。あわせてあがるは凛としたアリスのかけ声。
    「虎の尾! 白難波! 烈公梅! 江南所無! 柳川枝垂! 月影!」
     マフラーの外れた部分へリズミカルに拳を叩き込み、
    「水戸六名木!! クラァァァァッシュッ!!!」
     仕上げはすんなりとした足がしなる鞭のように鼻先を打った。
    『ヒンヒンッ……鼻はダメリン』
    「舞いとか癒しとか……」
     しゃがみ込む怪人へゆらり降る影。左右で結わえた髪飾るリボンを靡かせて、虚空を握り潰すように拳を翳すは、多季。
    「荒ぶる時間は終わりです!」
     どごおっ!
     地面にめり込ませる勢いでぶん殴った、これ以上ないぐらいぐりぐりねじ込むオマケ付き。
    『キィーー……』
     涙目のキリン怪人へ注ぐは幼き天使の謳。
    「目つきの悪いキリンさんはアフリカの夢見ながらおやすみなさーい、なの!」
     左目の下にひとさし指をあて「イーッだ」な陽桜はまるで小悪魔、怪人をショックと共に酩酊へと誘う。
    「アフリカより動物園で客寄せしてた方が向いてんじゃね……って思ったけど」
     秀憲はしゃがんで視線をあわせるとしみじみと頷き続けた。
    「その目つきだと子供が泣くなー」
     ……拳も痛いけど言葉も痛いリン。
    「奪われたものはきっちり取り戻す!」
     こんな出逢いじゃなればと悔やみながら、健は迷いを振り払い体の奧からその技を、叫ぶ。
    「タオルマフラーダイナミーック!」
     健に羽交い締めにされ脳天直撃!
     こうして愛なき力はご当地の大切さを知る灼滅者の前に破れ去った!

    ●買い物楽し♪
     灼滅者達が店舗から離すように戦った事もあり、被害は最小限ですんだ。
     無事お店が再開できそうなのに、秀憲は内心胸を撫で下ろす。
    「綺麗になーれっ」
     地面に散らかったタオルマフラーを多季がとんとんと叩けば、洗い立てのふんわりに早変わり!
    「さすがに破れたのは無理ですね……あの、買い取らせてもらってもいいですか?」
     気遣うような恵理に、おばさんは良ければタダでもらって欲しいと瞳を眇めた。
    「ありがとうございます」
     でも折角だからと恵理はお買い物モード。
    「タオルマフラーと一緒にタオル地の靴下を置いてはいかがでございましょう」
     すかさず提案する蕪郎に、おばさんは成程と頷いている。確かにタオル地靴下は、肌触りが良さそうだ!
    「白玉ちゃん。空子とお揃いです」
    「ナノ~」
     木陰で戻ってきた白玉へくるり。羽で抱えるように触り嬉しげに鳴く白玉をぽふりと撫でた。
    「わぁ、もふもふだぁ、ふっかふかだー♪」
     お家とお兄ちゃんへのお土産に……下げてあるのを頬に押し当てながら、どれにしようか楽しく悩む陽桜。
    「やっぱ本場の品揃えは違うよなー。羽柴ちゃんも皆もヒーロー巻きで決めてみるか?」
    「ヒーロー巻きってどうするの?」
     健の提案に興味津々です。
    「おー」
     毛糸とも違う手触りにアリスが目を見張る。実際に巻いてみると見た目よりずっとあたたかくてまたびっくり。
    「小学生男子にだったらどんなんおすすめですかねぇ」
    「模様違いもあるんやけん」
     車の透かし模様入りを秀憲に奨めるおばさんへ、多季が「一番売れてるのどれ?」と問い掛ける。なにしろお財布に優しい一枚500円~だからついつい目移りしてしまうのだ。
     ――ふかふかのタオルマフラーが誰かの首元を護るように、灼滅者達は無事タオルマフラーを護り切った。
     そのご褒美のお買い物を彼らは心ゆくまで堪能するのであった。

    作者:一縷野望 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2014年3月20日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 7
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