ガチメイド喫茶

    作者:小茄

    「いや、キムラ氏の知らないお店が存在したとは驚きですぞ」
    「うむ。この辺は俺の庭だったのだが……最近出来たんだろうか」
     服の裾をしっかり仕舞い、背負ったリュックにはポスターを差した、オタク正装の中年男性が2人。何かに導かれるように訪れたのは一件のメイドカフェ。
     看板も呼び込みも一切無いが、扉には小さくメイド喫茶と記されている。(筆記体で店名らしきものも書かれているが、2人には解読不可能だった)
     ――ギィィ。
     軋むドアを開き、恐る恐る中に入ってみると……。
    「お帰りなさいませ、ご主人様」
    「「うおっ?!」」
     例えメイド服を纏っていなくても、何ならアイドルや芸能人に負けないくらいに見目麗しいメイド達が、一糸乱れぬ所作で彼らを出迎えたではないか。
    「既に夕餉の支度は整って御座います。こちらへ」
    「「は、はひっ」」
     2人の「ご主人様」が案内された先には、貴族が使う様な、凄まじく長いテーブル。
     キャンドルが揺らめく席の両端へそれぞれ案内される。
    「キムラ氏、こういうメイドカフェは初めてですぞ!」
    「うむ、俺もだ! カフェと言うよりレストラン……いや、お屋敷のダイニングルームみたいだ」
     テーブルの端と端から、相手に届くよう声を張り上げる2人。
    「ご主人様、その様に声を大きくされるのは、はしたのう御座います」
    「えっ? あぁ、済みませんフヒッ」
    「ご主人様、その様な言葉遣いをされる必要は御座いません」
    「え、あ……う、うむ。くるしゅうない」
    「では、お食事をお運び致します」
    「あれ……まだ何も注文してな」
     困惑する2人を余所に、程なくして運ばれてきたのはいかにも高級感溢れる皿に、美術品の様に美しく盛りつけられたオードブル。
    「ちょ、これフォアグラとキャビアじゃ……いやあの、頼んでないですし! ってか、僕らお金とか無いんですけど。こんな料理食えないっす!」
     問答無用で高価な料理を出し、高額請求するぼったくり店ではないか? 不安感がにわかに芽生え始めた2人は、思わず席を立ってメイドに弁明を始める。
    「ご主人様、お気に召しませんでしたか?」
    「い、いや……急用思い出したんで今日は帰って出直します」
     表情一つ変えず機械的に言うメイドに、恐怖心は益々高まってゆく。2人は這々の体でその場を後にしようとするが……
    「何を仰っているのですか、ご主人様? ここがご主人様のお屋敷です」
    「ち、違うし! 僕達はご主人様じゃないし! お店を間違えただけだし!」
     先回りするように立ちふさがったメイド達に、必死で訴える2人。
    「……そうですか、ご主人様ではありませんでしたか」
     だが、メイドは静かにそう呟くと、互いに顔を見合わせる。
    「でしたら、駆除させて頂きます」
    「えっ?」
     顔色一つ変えぬままそう宣言したメイド達は、刀、拳銃、アサルトライフル――それぞれに思い思いの武器を取り出し、先ほどまで主人と呼んでいた相手への無慈悲な攻撃を開始した。
     
    「メイド喫茶……一度くらいは行ってみたいものですけれど」
     有朱・絵梨佳(小学生エクスブレイン・dn0043)の調べによると、噂が囁かれる様になった時期は判然としていない。
     メイド喫茶をこよなく愛し、メイド喫茶に強く魂を惹かれた人間が、最終的に辿り着くのが、その「ガチメイド喫茶」なのだと言う。
    「秋葉原のどこかに存在すると言うそのメイド喫茶は、容姿端麗にして料理洗濯炊事その他諸々を完璧にこなすスーパーメイドばかりが、主人の帰りを待っていると言う……メイド好きには楽園の様な場所だそうですわ」
     この店に辿り着くことが出来た人間は、主人として手厚いもてなしを受ける事が出来る。
     が、彼女らの主人としてふさわしくない行いや言動があったと判断された場合、逐一厳しいチェックを受け、最終的には主人失格の烙印を押され、命を奪われると言う。
    「このお店に行く為の条件なのですけれど……とにかくメイド喫茶を巡りまくる事ですわ。メイド喫茶愛に目覚めた者だけが訪れる事が出来るそうですの」
     何軒ものメイド喫茶を延々とハシゴするうち、偶然辿り着くことが出来るはずだと絵梨佳は言う。
     
    「さて、この都市伝説メイド達、戦闘術にも長けていて、刀や銃器を自在に使いこなしますわ」
     メイド長が1人と、メイド達が7人、合わせて8人のメイドが存在する。
     数も多く、正面から戦えばやや厄介だ。
    「けれど、あくまで彼女達はメイド。主人と看做している間は、命令には服従する様ですわね」
     そうした特性を上手く利用出来たならば、討伐も容易になるかも知れない。
     無論、武器を棄てろとか大人しく討伐させろとか言った命令には従わないだろうが、無理の無い命令を出せば、先手を取ったり有利な状況を作るくらいは出来るはずだと絵梨佳は言う。
     
    「それでは、気をつけて行ってらっしゃいまし」
     メイドを意識したのか、絵梨佳は深々とお辞儀をしつつ、灼滅者達を送り出すのだった。


    参加者
    秋篠・誠士郎(流青・d00236)
    アプリコット・ルター(甘色ドルチェ・d00579)
    九条・雷(蒼雷・d01046)
    シルフィーゼ・フォルトゥーナ(小学生ダンピール・d03461)
    韜狐・彩蝶(白銀の狐・d23555)
    氷灯・咲姫(月下氷人・d25031)
    成宮・悠理(職業メイド・d25170)
    炎道・極志(火の点いたロケット・d25257)

    ■リプレイ


    「ご主人様もご一緒にー、おいしくなーれ♪ おいしくなーれ♪」
    「お、おいしくなーれっす」
     炎道・極志(火の点いたロケット・d25257)は、笑顔で可愛らしくポーズを取るメイドさんに促され、オムライスにおまじないを掛ける。
     東京都某所、数多くのメイド喫茶がひしめくこの町で、武蔵坂学園の生徒数名は、取りあえず目に付くメイド喫茶に片っ端から足を踏み入れていた。
    「メイド喫茶へ行く機会が此処で来るとはな……それも立て続けに何件も」
    「ご主人様ぁ? お待たせ致しましたー、カフェラテです♪」
    「ん、あぁ……済まんな。上手いものだ……」
    「えへ、ありがとうございますぅ♪ 猫ちゃんでぇす」
     厳格な警察官の父親を持つ秋篠・誠士郎(流青・d00236)は、こういったお店とは縁遠い硬派な青年である。が、今回ばかりは任務ゆえにメイド喫茶に慣れねばならない。にっこり笑顔のメイドさんにたじたじしながらも、描かれた猫のラテアートを褒める。
    (「どのお店も……私の知ってるメイドさんとは……大分違うかも」)
     名家の出身であるアプリコット・ルター(甘色ドルチェ・d00579)は、お屋敷でリアルメイドと接していた経験を持つ。
     その彼女からすれば、機能性を重視しない萌えメイドスタイルは、かなり違和感がある様子。それでも、メイドさんが飲み物を運んでくれば、ぺこりと頭を下げてそれを受け取る。
     複雑な生立ちゆえに心安らぐ実家では無かった彼女だが、優しく接してくれたメイドと言う存在に対しては憎からず思って居るのだろう。
    「そうではありません、主人の前にティーカップを出す時は……私がお手本を見せます」
    「えっ、あ……お嬢様?」
     一方、こちらもプロのメイドとして英才教育を施された成宮・悠理(職業メイド・d25170)は、メイドさん達の振る舞いが気になる様子。
     正しい給仕について事細かに指導を行っている。
    「男性って、こういう雰囲気好きなんですねー」
     氷灯・咲姫(月下氷人・d25031)は、次第にメイド喫茶の空気にも慣れて、それなりに愉しんでいる様子の男性陣を見て呟く。
    「そろそろ次行こうか。何かこんな数のメイド喫茶回ると頭痛くなってくるね……。あ、領収書お願いできます? はい、名前は武蔵坂学園で……」
     こめかみを抑えつつ、九条・雷(蒼雷・d01046)はさっさとお勘定へ。
     この後に重要な用事を残している以上、余り一つ一つのメイド喫茶を満喫するわけにもいかない。
    「予知ではぼったくりを疑って店から逃げようとしておったが……メイド喫茶の食事料金どこもぼったくり価格ではないかっ」
     シルフィーゼ・フォルトゥーナ(小学生ダンピール・d03461)は、武蔵坂学園宛の領収書を見て、ぼそぼそ文句を零している。意外と庶民的だ。
    「お金は経費だからいいとしてもー、そろそろたどり着けないと日が暮れちゃうよ」
     そうは言いながらも、一同の中では最も元気な韜狐・彩蝶(白銀の狐・d23555)。さっさと店を後に、次なる店へと皆を先導する。
     メイド喫茶をハシゴした者のみが、偶然たどり着けると言うガチメイド喫茶を求めて。


    「次はこの店っすね」
     午前中から始まったメイド喫茶巡りだったが、今や昼下がり。次第に日も傾いてこよう頃合いだ。
     メイド喫茶の達人を目指す極志は、疲れも感じて居ない様子で扉を開ける。
     ――ギィィ。
    「お帰りなさいませ、ご主人様」
     先ほどまでに訪れた何件かのメイド喫茶とは打って変わって、落ち着いた雰囲気のエントランス。
     規律正しく一列に並び、お辞儀の角度まで揃えて出迎えたメイド達もまた、先ほどまでのアルバイトメイド達とは一線を画している。
    「うむ。今帰ったっす」
     一行が目指していたガチメイド喫茶である事を悟った極志は、主人らしい振る舞いを心がける。このメイド達は、主人に相応しくないと判断した時点で襲いかかって来るのだ。
     逆に、主人と思って居る間は命令にも服従すると言う。
    「既にお食事の支度は調って御座います」
    「そうか、解った」
     誠士郎もまた、これまでのメイド喫茶巡りで耐性が出来たらしく、コートを脱がすメイドに主人らしく応える。
    「と、その前に……化粧室に行きたいのじゃが案内してもらえにゅかの」
    「私も。メイド長さん! 案内して下さい!」
    「畏まりました、お嬢様方。どうぞこちらへ」
     シルフィーゼと咲姫の言葉に応え、長い黒髪のメイド長が2人を案内する。
     他の一同は、メイド達に促されるままダイニングルームへ。長い長いテーブルには、既に何本ものナイフとフォークが綺麗に並べられている。
     しかも、灼滅者達が着席するが早いか、早速一皿目の料理が運ばれて来た。
    「ほう……」
     先ほどまでのメイド喫茶とは異なり、高級そうな食器に美しく盛りつけられたオードブル。
     テーブルマナー等に突っ込みが入らない様、一同は平静を装って食事を続ける。


    「メイド長さん、メイドとしての心得みたいなものはあるんですか?」
    「心得、で御座いますか? 誠心誠意お嬢様方にお仕えする事で御座います」
     その頃、ぴかぴかに掃除された綺麗な化粧室では、咲姫がメイド長の気を引くためにあれこれ話を振っていた。
    「のう、水がとまらにゅのじゃが見てくれにゅかの」
     少しすると、工作を追えたシルフィーゼが個室から声を掛ける。
    「畏まりました」
    「いや……これは人手がいりゅのぅ、部屋に戻って人を呼んでくりゅのじゃ」
     見れば、水が溢れ出して床に広がりつつある。二人はメイド長をトイレに残し、再びダイニングルームへ。

    「所で、美味しくなるおまじないとか掛けてくれないんすか?」
    「では、僭越ながら私が……美味しくなぁれ♪」
    「いや、ちょっと違うっすね。もっと笑顔で可愛らしいポーズで」
    「は、はい」
     多くの店舗を回った事で、すっかりメイド喫茶のノリを習得した極志。ここのメイドにも、あれこれとさせて隙を窺う。
    「おっと」
     ――かしゃん。
     誠士郎がフォークを落としたのに反応し、素早くそれを拾い上げようとメイドの1人が近づいてくる。
     ――かっ。
    「きゃっ?!」
     が、彼女の足を引っかける様に差し出されるのは彩蝶の尻尾。転びはしなかったが、よろめいて手を突いたサービステーブルが音を立てて揺れる。
    「もー、何やってるのさー?」
    「申し訳御座いません」
     自分でやっておいて、意地悪く言う。任務とは言えなかなかのSっぷりである。
    「ちょっと……なァにこのスープ、随分塩辛い……」
     と、それに合わせるように言うのは雷。もう食べられないとばかりに、スプーンを置く。
    「それと……床に、埃がまだ残ってる、みたいです」
     更にはアプリコットまでもが、床の綿埃を拾い上げてそう指摘し始める。
    「も、申し訳御座いません。すぐに作り直し――」
    「ダメな子にはお仕置きだね」
    「お、お仕置き……で御座いますか?」
     とりつく島も与えずに言う彩蝶。さすがのメイド達も、困惑気味の表情で顔を見合わせる。
    「確かに、主人を満足させられないメイドにはお仕置きが必要でしょ? 全員、後ろを向いて」
    「は、はい……お嬢様」
     しかし命じられるままに、メイド達は一列になって後ろを向く。
    「灼き尽くせ」
     ――バッ!
     スレイヤーカードを解除し、本来の姿に戻った彩蝶。後ろを向いて隙だらけのメイドへ、クルセイドスラッシュを見舞う。
     続いて、極志のバベルブレイカーから放たれた杭が、地面を揺るがす。
    「きゃあぁっ!」
    「後ろから攻撃するのは少し可哀相なのですが……」
    「こ、これも死人を出さない為だ」
     アプリコットや誠士郎も、心を鬼にしてメイドの背中へ攻撃を見舞う。
    「ご、ご主人様……?」
    「ほらぁ、まだお仕置きは終わってないよ」
     さすがに怪訝そうに振り返るメイドにそう告げた雷は、更に鏖殺領域を展開。
     メイド喫茶を愛する様なオタク達の思念から生じたメイド達だけあって、どうやらお仕置きという名目の攻撃はかなり効果的な様子。
    「儂らも参戦すりゅぞ」
    「どんどん燃やします!」
     ヴァンパイアミストを纏いつつ、化粧室から戻ってきたシルフィーゼ。咲姫もゲシュタルトバスターを放ち、メイド達を炎に包み込む。
    「ご主人様……お嬢様、幾ら仕置きといえどご無体で御座います」
    「この様なお振る舞い、主の所業とは思えません」
     と、ようやくメイド達も異変に気づいたようで、口々に抗議し始める。
    「メイドは主人を選ぶものではないですよ。どんな主人でも奉仕の精神を持って対応するべきですよ」
    「で、ですが……」
     悠理の言葉に、再び顔を見合わせるメイド達。
    「いえ、その方々は我々の主では有りません」
    「げっ」
     凛とした声に振り向けば、そこに居たのはモップを手にしたメイド長。
    「トイレの水漏れ、人為的なものでした。お嬢様……いえ、貴方達の仕業ですね。私の居ないところで、メイド達にこの様な狼藉を働くとは……主にあるまじき行為」
    「1人でアレを片付けて来たのかえ?」
    「もちろんです」
     掃除に関してはプロフェッショナルと言っても良いメイド達の長、思ったよりも素早く事態を収拾し、なおかつそれが灼滅者達の仕業である事まで露見した様だ。
    「始末させて頂きます」
     一斉に武器を構えるメイド達。メイドと武器はなぜこんなにもマッチするのだろう。
    「最近のメイドさんは武装してるんですね、物騒です! ……洒落じゃないですよ!?」
     予言者の瞳を発動させつつ冗句を飛ばす咲姫。
     完全武装のメイド達と、灼滅者の戦端は改めて切られた。


    「花!」
     誠士郎の声に高い鳴き声で応えた霊犬の花は、浄霊眼によって前衛の体力を回復させる。一方の誠士郎は、分刻みの長剣を構えて一気に間合いを詰める。
    「はぁぁっ!」
     ――ダダダダッ!
     軽機関銃を腰だめに連射し、弾幕を形成するメイド。
    「……メイドさんは、あくまで裏方であるもの。表に出るのはあまりよくないと思います」
    「ぐっ?!」
     死角から襲い懸かるのは、アプリコットのギルティクロス。
    「貰った!」
     催眠に惑わされる暇さえ与えず、誠士郎の長剣がメイドを貫く。
     メイド長の掃除の速度こそ予想を上回ったものの、彼女を隔離した間にメイド達を「お仕置き」出来た事は、灼滅者にとって果てしなく大きなアドバンテージとなっていた。
    「主を騙る者は許せません!」
     ――ヒュッ!
    「やっぱメイド服はクラシックなのが良いなァ」
     雷は余裕を持って槍の一撃をいなすと、雷華をメイドの背中へ叩き込む。
    「ぎゃぁっ! ……くっ、まだ……」
    「おっと」
     ――ヒュッ!
     起き上がろうとするメイドへ、レーヴァテインを振り下ろしとどめを刺す彩蝶。
     手負いである事に加え、高度な連携を取りつつ戦う灼滅者の前に、武装メイド達は1人また1人と倒れてゆく。
    「これであなただけですよ!」
    「覚悟するのじゃ!」
     ――キィン! ガキィン!
     咲姫がマジックミサイルを放つのに合わせ、緋色の闘気を纏う刀を振るって斬りかかるシルフィーゼ。メイド長もまた、刀でこれらを受け止める。
    「主人を攻撃する時点でメイドとして間違ってると思うっス」
     更に波状攻撃を仕掛ける極志。閃光百裂拳を死角より繰り出す。
    「ぐっ、私達の主に相応しくなければ処分するまでです!」
     表情を歪めながらも、鋭い反撃を繰り出しつつ言うメイド長。
    「主人にふさわしい人間を選ぶなんてメイドとしてどうかと思いますよ。わたしが本当のメイドというものを教えてあげます」
    「この私に教えるなどと!」
     悠理のガンナイフから放たれた弾丸を、はじき落とすべく白刃を振るうメイド長。
     ――ヒュッ!
     が、その弾丸は軌道を変え、正確にメイド長の胸を射貫いた。
    「ぐ……ふっ……見事です……さすがは、私達が見込んだ主……」
     がくりと膝をついたメイドは、鮮血を零しつつ、口元を綻ばせる。
    「ご主人様、お嬢様……お仕えできて……幸福でした」
     これまでの硬い表情とは打って変わって、あろう事か穏やかな表情を浮かべるメイド長。
     彼女はそのまま、床に突っ伏して動かなくなった。
    「ツンデレ……っすかね」
    「ある意味そうかも知れん」
     ぼそぼそと囁き合う誠士郎と極志。
     ともかく、危険なメイド喫茶の都市伝説は灼滅されたのである。


     メイド喫茶を後にした一行。振り向けば、ガチメイド喫茶への入り口はもはや見当たらない。
    「……帰りましょう、か」
     アプリコットは、実家の事を想いだしたのか、少し物憂げな表情で呟く。
    「うん。それにしても、都市伝説って変なの多いなー」
     こちらは元の姿に戻った彩蝶。
    「都市伝説だからね。と……まだ少し時間もあるしー……」
    「もう一件行っとくっすか?」
     一方、雷と極志はまだメイド喫茶のハシゴを続けるのに乗り気な様子。
    「じゃあ私も付き合おうかなー」
     咲姫も相変わらず疲れ知らずの様子で同意する。
    「あのぼったくり価格はどうにかならにゅのかの」
     依然として値段設定が気に掛かる様子のシルフィーゼ。
    「確かに本来のメイドとは全く違うが、そもそも別物だと思えば良いさ」
    「そう言うものですか……」
     誠士郎の言葉に、ふむと考え込む悠理。

     ともあれ、灼滅者達の活躍によって奇妙なメイド喫茶の都市伝説は打ち倒されたのだった。
     これでメイド喫茶を思う存分満喫しようとも、命を絶たれる心配は無い。
     一行は暫し、メイド喫茶巡りを続けた後、凱旋の途に就くのだった。

    作者:小茄 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2014年3月25日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 2/感動した 1/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 4
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