「最近急にあったかくなって、いよいよ春到来って感じだよねー」
そう窓側でぽかぽか日向ぼっこをしていた飛鳥井・遥河(中学生エクスブレイン・dn0040)は、いつも通りへらりと笑んだ後。
教室にいる皆を見回して、こう続けたのだった。
「ね、桜ももうすぐ満開になるからさ。お花見に行かない?」
「お、花見か。いいな!」
隣でちょこんとお座りしているポメラニアンの霊犬・ゼロに、おまえも行くか? と。
まんまるふわもふな身体を撫でてあげながらも笑む、伊勢谷・カイザ(紫紺のあんちゃん・dn0189)に。
「もう桜の時期か、わたしも花見に行きたいな。それで、どこの桜を見に行くんだ?」
綺月・紗矢(小学生シャドウハンター・dn0017)も頷きつつ、首を傾ける。
そんな紗矢に、遥河は、じゃーん! と。
どや顔で、スマートフォンで検索した花見特集サイトを見せて。
「みんなもお馴染みな井の頭公園の桜の見頃がね、今年は3月下旬から4月上旬なんだって。学園からもすぐ近くで手軽に行ける場所だし、井の頭公園はどう?」
提案したその場所は、武蔵坂学園生にとって身近な――井の頭恩賜公園。
「近くだとその分、朝ガッツリ時間かけて花見弁当作れるな!」
「それに、吉祥寺には美味しい食べ物やさんもいーっぱいあるからさ、何か買って持ち込んでもいいし。公園内の売店でも、団子やクレープやアイスとかも売ってるみたいだよー」
「花見弁当に、スイーツ……!」
料理好きなカイザや吉祥寺グルメに詳しい遥河の言葉に、食いしん坊幼女の紗矢はキラキラと瞳を輝かせて。
「花も団子も、どちらも全力で楽しまなければな」
ぐっと拳を握り締め、気合を入れる。
手作りの花見弁当は勿論のこと。井の頭公園周辺の吉祥寺駅前には、メンチカツやコロッケ、小龍包やたい焼きなどのテイクアウトできる美味しいものや、オサレなスイーツやさんも沢山。公園内の売店でも、弁当や飲み物やスイーツが売っているようだ。
桜の下でシートを敷き、桜を見上げ楽しんでもいいし。桜色に染まった公園をのんびり散歩したり。井の頭公園では、ボートに乗って池から桜を愛でることもできる。
一言で桜を楽しむと言っても、愛で方は好みに合わせて、皆それぞれで構わない。
「やっぱ、春に桜は愛でておかないとだよな。花見弁当も気合入れて作るぜ!」
「オレも、吉祥寺の美味しいお店でスイーツとか飲み物とか買って持ち寄ろうと思うー」
「花見弁当もスイーツも桜も、本当に楽しみだ」
満開の桜を愛で、持ち寄ったものを食べたり飲んだりしつつ、春のひとときを楽しむ。
そんな休日を過ごすのも、いいのではないだろうか。
お一人様で桜を眺めても良し、大切な恋人や気になるあの人と二人で桜色の世界を満喫しても良し。大人数で賑やかに宴会するのもまた楽しいだろうし。
それにサーヴァントも、周囲に不自然に思われなければ一緒でも大丈夫。ライドキャリバーは公園内には入れないが、井の頭公園を縦断する吉祥寺通り、いわゆる公園通りを走りながら満開の桜を楽しむことができるだろう。
貴方も武蔵坂の春を感じに、井の頭公園に桜を愛でに行きませんか?
●
「どうせなら、綺麗な場所で見たいですからねぇ……」
桜が綺麗なポイントを神音が探して。
合流した桜が拵えてきたのは、馴染みやすいメニューの花見弁当。
「こうやって外で見る桜は綺麗ですわ」
安心して任せられるのは……互いに知った関係だからこそ。
――すっげ良い眺め!
そう十織をてしてしする綾人の席は、一番桜に近い特等席。
九紡となの子を肩に、猫な綾人を頭に。変な見物人に見られないかと思いつつ、十織も桜を見上げれば。
にゃあー! と転げ落ちた綾人をキャッチ!
桜の儚さが少し寂しいと呟く藍花に。
「それじゃ、これから先も何度も桜を見に来ようよ!」
そしたらきっと寂しくないから! と。ビハインドと、みたらしや三色、草団子を頬張る銀河。
そして頷きつつも藍花は思うのだった。
来年の団子はもっと多めに――と。
満開の桜にきょろきょろ、隣をふわふわ歩くカーティスの手製弁当は。
「桜のちらし寿司とか、こっちはうさぎのおにぎりで……」
お見逸れする程女子力の高いキャラ弁!
リアンはそんな可愛いおにぎりを貰いつつ、四季を感じながら思う。
誰かと何かをする事がまた一つ増えた、と。
「おっしゃ、力仕事は任せろ!」
去年もボートからこうやって桜を愛でたけど。
「あ~ん♪」
日方の口にお手製卵焼きをあーんして。アナスタシアは彼と笑み合い、思う。
大好きな人と観る桜は――去年よりずっと、鮮やかだと。
桜並木を歩きながら、味は食べてからのお楽しみと。
微笑む逢紗は、綺麗な桜色を指すレニーがふと伸ばしたその手の行方に気付いて。
「それじゃあ……こうしましょうか?」
手を重ね、大きなランチバスケットを二人で一緒に。
桜色の空に夢中になって、わっ! と思わず躓いた桃香は。
「あー……ほら」
差し出された遊の手を、赤くなりつつも取ってから。彼とまっちゃとボートに乗り込んで。
そして彼を意識し始めた時と同じ、桜舞う中、改めて実感する。
ジンクスよりも信じられる、この好きっていう気持ちを。
お互いが、相手が逸れぬ様にと手を握って。
「『花より団子』って、この景色が目に入らない程すごいお団子があるって事よね……」
刃のリードを引くディアナの発言に、思わずこけそうになる翼。
帰ったら、しっかり教えてあげて下さい!
「……ネ。そッチ…行てモ、良…?」
水面を往く桜の筏を。一緒にボートから眺める今日のデートは、正統派。
そして前より上手になったお握りを、あーんする夜深は。
芥汰の好きな具の把握もばっちりな、さすが未来のお嫁サン。
繋いだ手の温もりが、此処に居てくれている証。
その証に感謝し頬を染めつつ、手製弁当を広げた花月に。
「完食するよ? 好きな子が作ってくれたものを何で無駄にせにゃぁならんのさ」
また来ようね、と舜は続ける。
一緒にいる好きな子の頭を、ぽすぽす撫でながら。
クリス手製の弁当は、桃夜の好きな物で一杯。
「僕の唐揚げにまでレモン汁かけたらデコピンすっぞ」
そんなラブ光線を受けつつ、エビフライを摘んだ桃夜は。
「キレイだよ……桜も……クリスも、ね」
ずっとずっと一緒に見たかった桜に飾られた、愛しい人を見つめる。
重箱三段になったという蘇芳の手製弁当を食べながら。
ふと朗が感じたのは、寄りかかる肩の重み。
早起きして頑張ってくれたその姿が、愛おしくて。
(「……目を覚ましてしまうだろうか?」)
朗はひらりその頭を飾る花弁の上からそっと、キスを降らせた。
「まるで桃色の雲の上を歩いているみたいじゃない?」
そんなロマンチストな後輩と桜色の道を歩き、ベンチに腰掛けた一哉は。
テストの労いや進級祝いに、お互い奢りのジュースで乾杯!
狭霧お手製の軽食も一緒に摘みながら。
あーんされたウインナーのお返しは、卵焼き。
食べさせあいっこする裕士と夜露は幸せそうに微笑み合って。
見かけた遥河達に手を振りつつ、売店巡りのデートへ。
ずっと一緒――桜降る中、二人仲良く手を繋ぐながら。
「ん……お粗末さまでした」
互いにそう言い合うのは、毎度の如く弁当を作りあいっこしたからで。
美夜は自分の為の美味しいご飯が、やっぱり少しくすぐったい。
そして優志はデザートのクレープを買いに人混みから脱出をはかる。
舞う桜花弁で飾られた、甘い物好きなお姫さんの手を引いて。
花弁に飾られた信彦の可愛らしい姿に吹き出しつつも。
奏は奪ったウインナーを彼の口元へ。あーんはしても、させません!
でも――触れる様な口付けを与えられて。頬の紅潮を隠すように、お返しのキスを。
大丈夫、見ているのは満開の桜だけだから。
手を繋ぎ歩き、弁当を食べた後。
桜振る中、膝枕で耳掃除されつつも気持ちを紡ぐ水華。
「ありがとう、フィアッセ。……愛しているぞ」
気恥ずかしさで言えなくなる、その前に。
そしてフィアッセも彼に笑み返す。
……はい、愛しい貴方、と。
お互い和装と洒落こみ、手を繋いで。
眞白が緋織の髪に咲かせた、揺れる簪の桜花。
「……今年も、一緒にお花見出来たね」
ほっこり桜餅で一休みしながら、叶った去年の約束に微笑み合った後。
また来年も一緒に来よう――そんな新しい約束も。
●
この春で高校生の藤乃は。
綴るなら、美しく迷い無く在る桜をと。
唯一つの道を――恐れず迷わず、歩める様に。
「桜も良い加減に咲いていますし、平和ですねぇ……」
そう桜を愛で流希は一句詠むも。出来は本人的に今一だったよう?
才蔵はお相手のマカロンやお茶を口に運んでから。
「お前も桜が好きなのか?」
散歩中出会った野良猫を、撫で撫で。
写真も綺麗に撮れて、ゼロをもふもふぎゅーする咲結が気になるのは。
早起きして拵えたという、カイザの花見弁当。
水花もカイザの弁当を覗き込み、卵焼きを交換こして。
彼の桜色の卵焼きのレシピを聞きつつ、メモメモ。
ゼロの額を優しく撫で、カイザの力作弁当に微笑んだ芽衣は。
茶椀に花咲かせた春一輪の桜茶を、彼にも。
今日の【星空芸能館】は、和テイスト!
どうぞ召し上がれと、智恵理が広げた三段重は、まさに豪華絢爛。
「和のお弁当……それなら♪」
くるみも、色々な具材のお握りや味噌汁を。
「味は大丈夫だと思うんよ。よかったら食べてみてね」
少し形は崩れたけれど、さやかの卵焼きもなかなかです!
「ふふ、食べきれるでしょうか?」
皆にほうじ茶を淹れる紗里亜が、そう並ぶご馳走を眺めるも。
誘った紗矢がいるから心配無用?
「あんこに抹茶クリーム、これはマロンクリームですよ~」
「甘味の追及者という名前は伊達じゃないってな」
えりなの和ッフルに、ファルケの和洋折衷な茶菓子、さやかの商店街一の桜餅。デザートも勿論忘れません!
そして皆で楽しく桜を愛でながら。いざ、春を詠う一句を!
普段は頼もしい【路地裏ラジカル】の仲間なのに。じゃれ合う姿は可愛らしくて。
「団子、早く食わねぇとなくなっちまうぞ」
「れん、よもぎのおもち、とってもおいしいですよ……♪」
そう同時に言った一とユークレースに、おかずとの交換こを提案した刹那。
「待って、そのまま」
煉が手鏡に映したのは――鼻に留まった、一片の桜の祝福。
場所取りも万全、【吉祥】の花見弁当も多種多彩!
「わぁ、なんて美味しそうなんだろう」
習った日本料理の腕を振るったマイケルが、いただきます! と箸を伸ばすのは。
オリシアの、肉じゃがや筑前煮や鯖の味噌煮。煮物が多いのはご愛嬌♪
そしてデザートは、奏の妹手製の春色ムースケーキ。
そんな美味な物や会話を楽しむ、穏やかな桜の宴。
悟が確保した【Chaser】の花見場所は、サイコーの桜花の下!
悟と想希が作った弁当を並べれば。漢は黙って山葵てんこ盛り!?
「悟くんっやまっそれやまだよっ」
「千尋さん、大丈夫ですか?」
いや、男なら肉だろ??
「コレナンテ辛いん……ヤ?」
想希に続いて千尋持参の色々味な唐揚げを摘んだ悟は、そうパタリ。
その後は、昼寝や記念撮影を満喫です!
巡り来た春に感じる事は、【礼拝堂】全員が同じ――また共に桜を愛でる幸せ。
そして由宇が配る、東雲特製デリシャスサンド! ……という名のレタスサンド。
直人も売店で、大量に食べ物を調達! ……いえ、殆んど自分用です。
そして稲葉が取り出したのは、お花見団子ー!
皆で守った桜の景色をスマホで撮りながら。やはり、団子が花見です?
本来花見とは、花を愛でるもの!
でも【糸括】の花見は。
「なるほど、ニッポンの伝統芸能エンカイゲー・どじょうすくいだね!」
「きゃー、ナディたんカッコイイ!」
ジャパニーズ花見の醍醐味、宴会芸!?
ざるを振るナディアに花吹雪をぶわっと浴びせつつ、明莉の目は夜斗の弁当に釘付け。咲沙の鼻先に、いるか? と唐揚げをちょん。
そんな夜斗の卵焼きを嬉々と頬張って。
「絵、好きなの?」
そう聞く杏子に、こくり頷く輝乃は。
「少しでも、色んな事をできるようにしたいから」
桜餅の美味しさに感動しつつ暗をスケッチして。宴会芸の絵は素直にナディアへ提出。
よさげな準備をした、よさげな【武学交友】の部長・要を。
ホナミと星はわしゃわしゃ撫で褒め!
「ありがとう要! 私はお弁当作って持って来たわ」
「やっぱり花も団子もだよね」
さらに、定番メニュー満載なホナミの手製弁当に。
ドーナツ王子・星の、いつものドーナツのデザートも。
いざ、花も団子も頬袋もお腹も心もいっぱいな春を満喫!
【ましろのはこ】の皆も桜を愛でに……いやともかく、お弁当~♪
婿に立候補したい位だとみゆに褒められ、香奈芽は微笑むも。
司お父さんが許しません、お弁当は全部自分のものだから!
でも。
「お弁当全部食べるなー! ええい! デザートは没収だ!」
みゆにデザートを取り上げられた刹那、ぐっと喉に詰まらせる司。
死ぬかと思いました!
重箱二段に沢山用意したつもりだったけれど。
「でか! んな重箱見たことねぇぞ!?」
「その風呂敷包みは、いったい……?」
琥珀の『究極5段式重箱』の特大さに圧倒される達郎と、芽衣子のやたら大きな包みを見遣る透流。芽衣子のは、一斤サンドイッチらしいです。
そして自分の分を食べ尽くした琥珀の狙いは、足がもげた透流のタコさんウインナー?
そんな【古ノルド語研究会】の皆とのお花見を。戦いの日々も忘れて、達郎も楽しんでいる。
絶好の場所にシートを敷いて。【雨宿り】の皆で、満開の桜を見上げながら。
「どれを食べようかな……」
見事な桜花と弁当に、キラキラ目を輝かせる菫。
「美味そうだな。準備ありがとう、言葉」
皆や紗矢にも緑茶を淹れつつ、久遠がそう礼を言えば。
どういたしましてと、照れた様に返しながら、言葉は笑う。
来年はもっとお弁当作ってくるね――と。
【玉占部】の皆に雪羽が用意したのは、桜色の空に咲く番傘と。
「必要なもんは全部揃ってんな! よっしゃ! 騒ぐぜ!」
スペシャル花見重箱!
「せっかくっすから、桜味のお菓子持ってきたんすよ~」
玖は桜なお菓子も並べて、ナイからお茶を貰いつつ。逆十字を切る彼女と一緒に、最後だけアーメン!
そして用意したゲームに興じる皆の目を盗んで。
「ふふふ、二人だけの秘密のミッションみたいでドキドキですね」
アイスバーンは雪羽と二人、桜並木のお散歩に。
夏南美が【心癒寮】の花見にと選んだ場所も、絶好のスポット!
「これ、好きでしょ?」
「ありがとう、また作ってきてくれたんだな」
広樹は桜紅茶を鶫に渡し、唐揚げを貰うも。ヴェインにもひとつ、お裾分け。
そんなヴェインに飛びつかれ、もふり抱きしめてサンドイッチをあげるレイラは。
鶫にあーんされ、はわっと照れつつも唐揚げをぱくり。
そして周囲を盛り上げるのは、澪とパニーニャ。
「えへへ、寄ってらっしゃい見てらっしゃい! らぶ巫女の踊りで桜もらぶも満開や~♪」
「ではでは、この杖をよーく見ててね……ワン、ツー、スリー♪」
ウェリーは5色お握りを振舞いつつ。パニーニャの投げた花が魔法の様に桜吹雪となった中、跳んで回って弾む澪の舞いに、日本っぽい! と賞賛を。
そんな今の幸せを夏南美も沢山楽しんで。広樹はそっと呟く。
また来年もこんな時間を過ごせたらいいな……と。
「やっぱり池の上から見る桜も綺麗です」
去年と同じ、桜咲く井の頭公園で。
花弁揺れる水面をボートの上から、そっとすくう真琴。
ヒオは桜と皆を写真に収め、歩きながら。
「ぽかぽかしててありがてーです」
舞う花弁の様に、くるり。
そして【吉祥寺6年椿組】の皆も、もう中学生。
来年は届くかな? そう潤子は桜の枝へと、手を伸ばしてみる。
幸太郎も故郷の話をしつつ、【空部】の皆とボートに乗って。
「桜の花弁空中キャッチ、10秒一本勝負ー!」
「おう、焼き鳥買ってきたからな、負けたら潔くやるよ」
「へへ、負けないぜー!」
朱那の提案に、供助も才葉も本気モード!
朱那は10秒間の皆の表情も愛用のカメラでぱしゃりと撮って。
「きゃー、才葉くん大丈夫っ!?」
「わわっ! あ、危ない……」
花弁を懸命に追う瑠音の声に、ボートの揺れにドキドキしつつも才葉はえへへと笑んで。
「押すなよ? 絶対に押すなよ?」
「ほう、それはフリか?」
真剣にキャアキャアはしゃぎながら、みんなで手を伸ばす。
桜舞う、春色の空へ。
豪華絢爛な【Cc】の皆の弁当に感嘆しつつも。
藍はサズヤの視線に、座れるかと、シートの傍らを叩いて。
「……たまごやき」
「こっちも良けりゃどーぞ」
依子の卵焼きに目が釘付けな紋次郎は。サズヤには筍御飯のお握りや苺入り桜餅を、藍にはやたら大きな握り飯を。
そして壱子は渡された苺サイダーに一瞬きょとんとするも、慌てて礼を言って。
ふと昭子に降った桜花弁を取って戯けてみる。
「この花弁、先輩の事が好きなのかな」
「花びらは可愛い御嬢さんが好きなのかな?」
貰った紅茶を口にしつつ、桜空を瞳に映すシェリーもそう頷いて。
皆が春みたいだから遊びに来てくれたのかもと、昭子ははにかむ様に目を細めた。
アイナーはニャー呼ばわりする紋次郎を睨みつつ、桜餅は確りと頂きながらも。春は色々勿体無いと呟くサズヤに相槌を――逃しては勿体無いね、と。
そして、歌いだしたくなるような陽気ねぇ、と言った依子はハッと篠介を振り返るも。
「ん? どうせ唄うなら皆で唄うのが楽しかろ?」
宴じゃしなと笑う篠介は、せーので一曲を。
そして依子は、のびやかな声を乗せる。あったかい桜空に響く彼の歌声に。
場所取りは花見には付き物!
「ここだー」
真人はやって来た【千川1-7】の級友達に手を振って。
「見事に満開ですね……!」
少しはしゃぎながら桜を見上げる真火。
唐揚げにお握りに卵焼き、悠月の重箱には定番メニューが。新も持参の重箱を広げて。
「めっっっちゃ眠い……!!」
でも花見の至宝・弁当は全力で完成させました!
アグニスにとって初めてみる桜や花見は、珍しいスイーツと一緒に。
「バクラヴァっていう、トルコのお菓子。甘いやつだけど、口に合うといいな」
「どれも美味しそうですねぇ……!!」
ライドキャリバーで尋が運んだ飲み物を、優歌が紙コップに注いで。
そして乾杯の音頭を取るのは、セトラスフィーノ。
「みんな、来てくれてありがとう! これからも一緒に思いっきり高校生活を謳歌しちゃおうね!」
賑やかなクラスを作るべく集まってくれた皆と。
「それでは皆さまご唱和ください……かんぱーいっ!」
新しいクラスに乾杯!!
うぇーいいえーい!! と場を盛り上げる新の声や、どんパフどんパフ! と千草の玩具の太鼓が鳴って。
着物姿でも帽子は忘れずに。
「いいねぇ今ここだけの輝きばかり! なんて素晴らしい日だ!」
食べ物を摘みつつ、花見に興じる皆を撮影する情。
そして桜の木の下で。
「えと、不肖ながら、一曲……」
真火のフルートが、賑やかな春の空に響く。
「これだけあれば足りるか?」
今日は景気づけだと、武道と八雲が準備したのは。10キロの肉に野菜、ダースケースの飲み物。
花見弁当は女子担当。桜型の5色おにぎりに、桜あんのモンブランを振舞う樹。麗羽も重箱におかずやデザートを詰めてきて。彩歌は弁当は勿論、隠し芸を求められても大丈夫。アルパカぐるみ持参です!
そんな級友達との高校生活も、残り一年。
悠一は少しだけ寂しく思うも。
「……ま、このメンツにはそんな感傷は似合わねぇか」
濃い【吉祥寺2-8】の友人達を見回して。
フン! フン! と不穏に動く鉄子を予め警戒していた皆は。
「熱い! 脱ぐぞ! 全裸だ!」
すかさず全裸阻止!
そしてその脱ぎネタに怒るのは。
「貴様ァ! 俺が……この俺が、流石に自重したというのに!」
樹のおにぎりを食べていた拓馬。何故か赤いニンジャルックに片目穴開いた紙袋被ってますけどね!
「今年もこうやって桜を見れるってええことやな」
シジマはそうほわんと、お茶や味噌汁やおまんじゅうを配って。
『花より団子』な絶奈は、弁当を食べながらも紡ぐ。
「そういえば……桜の花言葉は「純潔」や「精神美」なのだそうです」
灼滅を生業とするからこそ、そう生きたいものです――と。
桜降る中、相変わらずな級友達を眺めながら。
作者:志稲愛海 |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2014年4月4日
難度:簡単
参加:128人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 21/キャラが大事にされていた 7
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