北海道はグリュック王国。ご当地四大幹部が1人、ゲルマンシャークの本拠地は今とっても混乱していた。
そんな中、王国の会議室の1室に陣取り円卓の議長席に座った牛頭の怪人が落ちつきはらって宣言する。
「灼滅者たちは必ずやここへ来るだろう。我々を殲滅しに、だ」
ドンッとテーブルに拳を叩きつける牛頭。
「だが! そんな時こそ話し合うべきだ! そう、戦いではなく会議を行いお互いの妥協点を探るのだ」
パチン。
「アレを!」
牛頭が指を鳴らす。
「………………」
だが、誰もやってこない。
牛頭は無言で席を立つと一度会議室を出て……ガラガラと料理の乗ったカートを持ってくる。
そして円卓に並ぶは美味しそうなドイツの肉巻き料理ルラーデン。
「かつて洞爺湖にて行われたサミットでも振る舞われた白老びーふ、これを出されて話がまとまらないわけがないのだ」
牛頭――ルラーデン白老びーふ怪人が満足気に頷く。
もっとも、牛頭の怪人に賛同する同志は誰も1人いない……というか、会議室には怪人1人っきりだったりする。
結局、自分しかいない会議室で怪人は1人頷き続けるのだった。
「みな、新潟ロシア村の戦いはお疲れ様! とくにご当地四天王の中でも最強と言われるゲルマンシャークを倒しちゃうなんて本当凄いわ!」
教室に集まった皆を讃えるのはエクスブレインたる鈴懸・珠希(中学生エクスブレイン・dn0064)だ。
「それでね。ゲルマンシャークがいなくなったグリュック王国を攻略する作戦を行う事になったの」
珠希が言うにはゲルマンシャークを失ったゲルマンご当地怪人達はとても混乱していると言う。この混乱から立ち直ると再び組織化されたり、他の組織の軍門に合流するなりする可能性があるという。
だが混乱している今なら、王国にいる怪人達は全く連携が取れておらず、一気に攻め込んで各個撃破するなら今しかないというわけだ。
「みなに向かって貰いたいのはグリュック王国にある建物内の会議室、その1つよ」
そこに牛頭の怪人――ルラーデン白老びーふ怪人が1人でいるらしい。
「元は北海道のブランド牛肉、白老びーふの怪人だったんだけど……あ、白老びーふって言うのは……」
珠希の説明によると、なんでも洞爺湖で行われた世界的なサミットの会食にも出された有名ブランド肉らしく、霜降りの黒毛和牛でとても美味しいという。
怪人はその会議室に1人でいて、灼滅者が来たら会議を行い話し合おうと語りかけてくるらしい。
「話し合いに応じると言えば、怪人はドイツの肉巻き料理であるルラーデンをふるまってくれるわ」
しかし、怪人の要求は「無事に自分を逃がして欲しい」という事らしく、どう考えても許容できない。
油断を誘うための演技で会食を受けるのは構わないが、最終的には灼滅するようにと珠希は釘を刺す。
ちなみにふるまわれるルラーデンに毒が入ってたりはせず、とても美味しいらしい。
そして怪人と戦闘になった場合だが、怪人はご当地ヒーローとバスターライフルに似たサイキックを使い、防御が得意な戦い方をし術式が得意とのことだ。
そこまで言うと珠希はみなを見回し。
「ゲルマンご当地怪人を日本から駆逐するチャンスよ! だからみな、頑張って行って来てね!」
参加者 | |
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日向・和志(ファイデス・d01496) |
ヴァイス・オルブライト(斬鉄姫・d02253) |
ディーン・ブラフォード(バッドムーン・d03180) |
園観・遥香(夜明けのネコ・d14061) |
無銘・夜ト(紫眼黒獅子・d14675) |
ハリー・クリントン(ニンジャヒーロー・d18314) |
天草・水面(神魔調伏・d19614) |
一空・零菜(マジゴッドっスよ・d20512) |
●
グリュック王国にある会議室、そのホワイトボードの前に1人の牛頭の怪人がいた。
やがて……ガチャリ、扉を開け入ってくる8人の少年少女たち。
その中の1人、日向・和志(ファイデス・d01496)がドカリと入口付近の椅子へと着き。
「俺達は、お前と話し合いに来た」
「ほう……話の通じる奴らが来たか。いいだろう、好きな席へ座るが良い」
牛頭の怪人――ルラーデン白老びーふ怪人がホワイトボードの前の席(出入り口と部屋奥の中間)へと座る。
「おい、あんたはサミットのホスト役だろう? 上座に座ったらどうだ」
エイティーンを使って『らしい』姿で入って来たディーン・ブラフォード(バッドムーン・d03180)が奥の上座を指差す。
「それは駄目だ」
「なぜ」
「ゲルマンシャーク様の席だからだ」
まぁ、怪人が小声で「一度も座って頂け無かったが……」と残念そうに呟いていたのを、無言で着席したヴァイス・オルブライト(斬鉄姫・d02253)あたりは聞いていたりはしたのだが……。
やがて8人全員が思い思いの席へと座ると、最初に座った和志が両手を口の前で組むポーズで話しだす。
「まずは話し合いの提案に乗って頂き感謝する。さて、いきなり本題を突きつけあっては交渉も難航するだろう。まずは双方受け入れやすい要求をだそうじゃないか」
「そちらの要求は?」
怪人が促すと、和志の眼鏡がキラリと光り(眼鏡かけてないので雰囲気だ)。
「俺達は『情報』が欲しい」
「ふむ」
「もちろん。タダでとは言わない、こちらが飲める要件は出来うる限り飲むつもりだし、まず差し当たって『ルラーデンを世の中に広める』と約束しよう」
ガタッ!
怪人が勢いよく席を立ち、「失礼」と再び座る。
「ほ、ほう、ま、まぁ、悪く無いんじゃないかな? ゴホン、いや、悪くない条件だ」
目が泳いでいる所を見ると必死で嬉しさを隠しているっぽい。
和志は怪人が必死に頬を叩いて冷静に努めている間に、仲間達の顔を一廻りし。
「だが、1つ問題がある。残念ながら我らはルラーデンについて知識が乏しい。実際に食べた事が無い者がほとんどだ、それで広めるには限界があるだろう?」
「ふっ、そんなことか……それなら」
怪人が席を立ち、残される灼滅者たち。
そして……。
やがて会議室へワゴンを押して怪人が戻ってくる。
いつの間にかニンジャとは思えぬほどゴージャスなスーツ姿になっているハリー・クリントン(ニンジャヒーロー・d18314)の座っている席が怪人の席に近づいていたりするが、怪人は気が付かず1人1人にルラーデンの乗った皿を配膳していく。
美味しそうな匂いが灼滅者の鼻をくすぐり、お腹が減っていた園観・遥香(夜明けのネコ・d14061)などはゴクリと喉がなりそうになる。
「一つ聞いても良いッスか?」
配膳中の怪人に手を上げて質問するのは一空・零菜(マジゴッドっスよ・d20512)だ。
「ルラーデンって結局どんな料理なんスか?」
「ルラーデンとは世界で一番美味しい料理だ。具体的には……」
気分良く怪人の料理説明が入る。要約すると薄切り牛肉で野菜等を巻いて煮る料理とのことだ。
「ドイツの料理ッスね。国際会議っぽいッスね!」
零菜がコクコクと感心したように頷く。
さらに気を良くした怪人が講釈を垂れようと――。
ドンッ!
会議室のテーブルを叩く音が響き渡り、怪人すら口を噤んでそちらを見る。
それは無銘・夜ト(紫眼黒獅子・d14675)だった。
机を叩いたまま立ち上がり。
「とりあえず10人前だ」
俯いたまま呟いた夜トは、キッと顔を上げて怪人を睨み。
「講釈は良い! 美味しいというなら食べて判断すればいい! 俺はルラーデンが死ぬほど食べられると聞いてトースト一枚でここに来た!」
「(おいっ)」
と思わず心の中で仲間の灼滅者達がツッコミを入れるも夜トは怪人を睨んだまま。
「……早く、俺に、ルラーデンを食わせろ!!」
「貴様……」
怪人がプルプルと肩を怒らせ。それを見た仲間達が懐のカードに手を置き緊張が走る。
だが。
「貴様、そこまでしてルラーデンが食べたかったとは! 良いだろう、10人前と言わず100人前だって持ってくるぞ!」
「おお! それぐらい用意できなければ交渉は決裂と思っていたぐらいだ。どんどん持って来てくれ!」
嬉しそうにワゴンを押して夜トの席へとルラーデンを山積みする怪人。
灼滅者達もホッと緊張を解く。
そして灼滅者達が各々の前に置かれたルラーデンに舌鼓を打つ。
実際、本当のサミットで使われた白老びーふは絶品だし、それを調理した怪人もルラーデンのプロだ。これがまずいはずがない。
美味しいという感想に憂いそうに反応する怪人。
会食の良い雰囲気となったのを確認して、前に闘ったとあるびーふ怪人について質問するのは天草・水面(神魔調伏・d19614)だ。
しかし、怪人は首をかしげて一言。
「それは我が陣営の怪人か? 余所の怪人の事を聞かれても解らぬのだが……まぁ、私が何かプレゼントをするのなら、もちろんゲルマンシャーク様へ捧げるが」
「そういうもんッスか」
完全に雑談な空気を醸し出しつつ、灼滅者の半数が食べ終わった所で会議を再開させようとの話になった。
●
食事中もスカーフを外さず口元を見せずに食べていたハリーが会議再開にあたって。
「ちょっとこのままだと声が遠いでござるな」
と仲間数人と共に席を詰めて怪人へと近づく。
怪人は雑談雰囲気のせいで生徒に慕われる先生の如く「もっと近くでも良いぞ」と上機嫌だが、実際には取り囲むような配置となっている。
「さすが忍者。きたないな。き た な い」
それを見ていた水面が小声で呟く。
まー、そういう水面もこっそり会議室の扉を施錠していたりしており。
「お主も悪よのぅ」
と見ていた遥香に抑揚無く呟かれていたりする。
「それで、あんたの要求は何なんだ?」
ディーンが御馳走様と食べ終わって怪人に聞く。
「簡単な事だ。この傾いた船から無事に逃亡することだ」
「なるほど、しかし此処を去って何処へ行こうと言うんだ? 誰かの元に参じる予定なのか?」
「その考えは無かったな。ルラーデンの魅力を他の幹部が理解してくれるとは思えんし……だが、資金力という意味ではソレもありか」
ディーンのアイディアに頷く怪人。
「おいおい、他の幹部は手土産の一つも無いあんたを、そんな簡単に受け入れてくれるのか?」
「手土産? それならあるだろう」
やはり……そんな表情を浮かべるディーン。俺達の首を手土産にするつもり、か。
だが、怪人は嬉しそうに。
「この白老びーふのルラーデンを持って行けば、さすがの上手さに資金位は提供してくれるはずだ」
ディーンの力が抜ける。
というか、もしかしてこの怪人……けっこう頭が平和なのだろうか?
「先ほどの見逃すという要求だが、私達の一存では決めかねる」
話を戻して冷たく言い放ったのはヴァイス。
「なんだと? 戦いになれば双方リスクを伴う。戦わずして終われるならそれに越した事は無かろう」
「確かにリスクは減る。だが仮に見逃したとして、我々にとってのメリットは何だ?」
ヴァイスの正論。
対する怪人は「はっはっはっ」と笑うと。
「好きなだけルラーデンを振る舞ってやろう。どうだ、素晴らしいメリットであろう」
どや顔の怪人。眉根を潜めるヴァイス。
しかしヴァイスが「ここまでだ」とばかりに口を開く前に零菜が。
「ルラーデンだけ? もう悪い事しませんとか、そういうのはないッスか?」
「反省するべき事など何も無い」
「そんな……祖国の料理を広めるのも、ご当地名物をそれ自体も悪い事じゃないっスけど、悪事を悪事と認めず反省すらしないのは許せないっス!」
ガッ!
ルラーデンの最後の一切れを乱暴に食べて、フォークをテーブルに叩きつける零菜。
そしてその一言を口にする。
「交渉は決裂っス!」
「なん……だと……!?」
驚き立ち上がるルラーデン怪人。
と、怪人の横できっちりルラーデンを食べ終わった遥香が立ち上がり、怪人に向かって丁寧にお辞儀をする。
「ルラーデン、とても美味しかったです。ご馳走様でした」
「え、いやいや、ルラーデンを広めてくれるのならこれしき――オボフッ!?」
褒められ喜んでいた怪人の顔が苦痛に歪んで身体ごとホワイトボードにめり込む。
遥香がお辞儀からのシールバッシュを叩き込んだのだ。
「ただ……それはそれ、これはこれ、です」
「お、おのれ……!」
怪人からサイキックエナジーが放出され、めり込んだホワイトボードからゆっくり床へと降り立つ。そのまま青筋の浮かんだ牛顔が。
「おのれ! あれだけルラーデンを食べさせたと言うのにこの仕打ち! 貴様らのような」
ドンッ!
誰かが机を叩く音にビクッと言葉を切る怪人。
皆も視線が音の方へと注がれる。
そこでは夜トが一心不乱にルラーデンの山を食べていた。
すでに残っている皿も3枚、2枚、1枚……そしてゼロ。
何か言うのかと待っていた皆(怪人含む)だが、夜トは食べ終わるとゆっくりと立ち上がるとクラウ・ソラスとデュランダルのレプリカをすらりと抜き放つ。
さっきのドンッは何だったんだろう? と皆が思うが、遥香が。
「あー、食べ終わるまで待って欲しかったのです」
遥香の解説にコクリと頷く夜ト。
『………………』
「さ、さて、そろそろ本題に入ろうか」
仕切り直したのは和志だ。
「交渉は決裂、こちらからの要求は『死 ん で (はぁと)』だ」
「ふん、それはこちらの台詞だ」
「よろしい、ならば戦闘だ」
●
怪人を取り囲むような陣形は事前の策略もあり簡単に整っていた。
「ちっ、逃げれん……さては貴様ら、サミットではなく最初からこういうつもりだったな!」
怪人が叫ぶ、だが負けじと叫び返すのは水面だ。
「ぬぅあーにがサミットだっつの。こっちの仲間を強制闇堕ちさせた時点で、とっくの昔に交渉決裂してるわボケェ!」
うぐぐ……と唸る怪人。
そこに軽い口調で語りかけるのはハリー。
「いやはや、とても有意義な会議でござった。ルラーデンもとても美味しかったでござるよ、はっはっは♪」
しかし、スッと口調のトーンを落し――「では、気が済んだところで天誅の時間でござる!」
片手を懐に差し構えを取るハリー。
「好き勝手ばかり言いおって……天誅だと? それは貴様らの方だ!」
カッ! と牛頭の怪人が口を大きく開くと、口奥に光が集まり瞬後一気に解き放たれる。
怪人の口から放たれたビームに近接にいたメンバーが薙ぎ払われ、周囲の円卓や椅子が巻き添えで吹っ飛ぶ。
だが光が収まったそこには、仲間の盾になるよう立ったまま耐えている遥香と和志の霊犬加是、そして零菜のライドキャリバー・インフィニティーの姿があった。
「感謝する」
遥香達に守られつつ、その間に破壊の力を自身にエンチャントさせ準備を整えたヴァイスが短く礼を言い、続けて怪人に冷たく言う。
「交渉とは対等の立場で者同士が交わす取り決めや約束事……」
手にする虚空の刃にはユラリといつも以上の力が漲る。
「故に、先の大戦で敗北を喫し、あまつさえ自分だけ助かろう等という小狡い輩の勝手な言い分など、私は最初から耳を貸すつもりはない」
怪人へと迫るヴァイス。
そこに並走するようにディーンがイヴィルブラッドを構えて突貫する。
「けどまぁ愚考するに、ルラーデン以外の手土産が無いと逃亡先でも捨て駒扱いされるのがオチって気がするけどな」
灼滅者の攻撃を腕で受け流し、身を捻り最小限のダメージで耐える怪人。
決して灼滅者が弱いわけでもないが、怪人の護りを重視した戦い方もなかなかどうして厄介だ。
「皆強いっスねえ」
そんな戦いぶりを見て呟く零菜。
だが、すぐに首を振ると。
「自分も負けてらんないッス! 皆の援護を中心で行くっスよ!」
仲間達の姿を虚ろにする霧を発生させ、援護と共に回復を行う。
仲間が回復する間も、苛烈に攻撃を仕掛けるのは夜トだ。
剣に破邪の白光を纏わせ怪人の首を狙う。
だが、怪人も僅かに首に斬りこまれつつ、それ以上行かせぬとばかりに夜トの腕を掴んで押さえつける。
睨む怪人、同じく見つめる夜ト。
「(その世にはルラーデンという美味しい料理があると言う事を、俺がお前に変わって世に伝えてやる……だから、安らかに眠るがいい……)」
心の中で呟くと夜ト。
まあ、心の声なので何も伝わっていないのだが……。
●
一進一退の戦いは続く。ヴァイスだけは術式の攻撃が回避され、気魄の攻撃を続ければ見切られと多少効率は悪かったが、ディーンや夜トの攻撃は的確にヒットし、和志と加是の連携攻撃も侮れず、結果としてはプラスのままジワジワと戦況が進み……。
「おのれ……せめて貴様だけでも!」
怒りで頭がいっぱいの怪人が、回復を忘れて遥香へと突っ込んでくる。
対する遥香は、怪人がそろそろ限界なのを見抜くと避けずに攻撃を受けて背後へと吹っ飛ぶ。
だが、遥香を吹き飛ばして満足する怪人の足元に黒い影の猫が現れ、伸びた影が怪人を縛り上げる。
「なっ!?」
動きが止まった怪人の目の前、巨大な十字剣を構えた水面がいた。
「てめえらは救いようのねえ自分勝手な屑だが……料理に罪は無い、ルラーデンは……美味かったぜ。アーメン」
白光に包まれた巨大な剣が振り下ろされる。
「こ、こんな所で……こ、この私が……」
大きく袈裟掛けに斬られ、背後の壁に寄りかかるように息も絶え絶えに呟く怪人。
「ハリーさん!」
インフィニティをふかしつつ零菜が叫べば、ハリーも意図を察してコクリと頷く。
「必殺! シラオイビームッス!」
零菜から放たれたビームが怪人の胸を焼き、同時にハリーが飛ぶ。
「イガ・忍者・ダイナミック!」
ビームが直撃した個所に叩き込まれるトドメのご当地ダイナミック!
ド……サリ。
倒れる怪人。
もう立ち上がる力は残っていない。
「ルラーデンだけに拘らなきゃ、もう少し心が揺らいだかもな……悪い、冗談だ。でも、ルラーデンは美味かったぜ?」
今まさに命が尽きようとしている怪人にディーンが最後の言葉をかける。
「ふっ……それは……良かっ――」
最後まで言い終らず……そのまま怪人は爆発し、消滅したのだった。
その後、王国のあちこちから怪人が灼滅され爆発する音が聞こえ始める。
他の仲間達も残党を灼滅したのだろう。
8人も決して無傷では無い、他の怪人と見つかり連戦になるのもキツイのですぐに撤退する事を決める。
次々に会議室を出る仲間達だったが、夜トは部屋を振り返り。
「………………」
「どうした?」
仲間の言葉に首を横に振り、会議室を後にする。
「(……とりあえず、寮の寮長に言って、ルラーデン作って貰おう)」
夜トの心の中の呟きに、ふと怪人の嬉しそうな顔が思い浮かんだのだった。
作者:相原あきと |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2014年4月15日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 4/キャラが大事にされていた 7
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