グリュック王国大決戦~溢れる肉汁、これは涙か

    作者:一縷野望

    「おおぅ、ゲルマンシャーク様……」
     てろんっと力無く萎れた頭のソーセージマンは、しょんぼり。左右のソーセージもしなしなだ。
    「ちょっとそれじゃあオツマミにならないビア。美味しいだけがアンタの取り柄ビア」
     テーブルにだらしなく足を投げ出しビールを煽るビアガールが絡む。
    「なっ……味だけではないっ! 弾ける肉汁、口中に広がる浪漫……」
    「味じゃないの。はやくおつまみよこすビア」
     飲み食いしないとやってられないと、奪ったソーセージをもぐもぐ。
    「シケた味ビア。せめて焼いてこいビア」
    「灼くとか言うな!」
     灼滅されたゲルマンシャーク様を思い出すだろ?!
     ……とか漢字にツッコミ入れる辺り、ドイツとしてのアイデンティティが崩壊しかかってる証。
    「……ゲルマンシャーク様あああああ」
     滝のように目から流れる肉汁、ますますマズくなるソーセージ。
     ぺっきり。
     おーれたおれた、心がおれた。
    「どっどうすればいいペナント。レディ・マリリン司令官代理様~」
    「………………」
     右往左往するペナント怪人達の脇を避けて、ソーセージマンは落ちくぼんだ目でとぼとぼと自室に戻るのである。
     

    「ま、お城でひとりになったら死亡フラグだよね」
     ……まー、みんなに灼滅される予定だしーと、したり顔でひどいことを灯道・標(小学生エクスブレイン・dn0085)は続けた。
     見事ゲルマンシャークを討ち取った新潟ロシア村の戦い、その勢いに乗って闇堕ち結界が消えたグリュック王国を攻略する作戦が立案された。
     なんたら四天王とかで斃された場合「奴は1番の小物」とか余裕見せるのがお約束。
     でもまぁ、無理。
     だってゲルマンシャーク様はラグナロクダークネス、間違いなく強かったんだよー。
    「でも立ち直ったら、再組織化や他の軍門に下ったりで、脅威になる可能性は高いからね」
     弱り目に手を緩めず、完膚無きまでに叩きつぶすべし。
    「現在、指揮系統もあったもんじゃなくて、もーバラバラ。今なら各個撃破できるよ」
     とぼとぼと自室に戻ったソーセージ怪人の死亡フラグ、きっちり回収しようではないか。
     このチームが担当するソーセージ怪人だが、自室に籠ってソーセージを噛みしめている。
    「スポンジを食べてるみたい……あ、ソーセージ」なんて、語尾も忘れるぐらいの意気消沈だ。
    「ははは……ビアちゃんと一緒に家族経営のドイツビアガーデンとか、夢見てたんだけど……」
     マズイって言われたしなー。
    「ううう、やはり金賞ではないと駄目なのかー」
     あ、心がバッキバキにおれて、とうとう責任転嫁まではじめたぞー。
     ……と、まぁ。
     そんな風に弱ったハートで、机に項垂れて目から肉汁をたぱーっと溢れさせてるので、背中から蹴る勢いでやってしまえ。
    「そーそー、心配して見に来たペナントレース怪人も2体戦闘に加わってくるよ」
     それぞれご当地ヒーローの技を使用する。
     ちなみにペナントレース怪人は弱いが、ディフェンダーでソーセージマンを護るように動くようだ。
    「ちょっと居たたまれない勢いでしょげてるけど、まー、手心加えるのはなしで」
     ゲルマンご当地怪人一掃の大チャンスなわけだし、混乱に乗じてさっくり灼滅してきて欲しい。


    参加者
    蛙石・徹太(キベルネテス・d02052)
    朝比奈・夏蓮(アサヒニャーレ・d02410)
    アイティア・ゲファリヒト(見習いシスター・d03354)
    三國・健(真のヒーローの道目指す探求者・d04736)
    英・蓮次(凡カラー・d06922)
    八坂・善四郎(そこら辺にいるチャラ男・d12132)
    北条・葉月(独鮫将を屠りし者・d19495)
    氷月・燎(高校生デモノイドヒューマン・d20233)

    ■リプレイ


    「まさかこんなにもあっさりとこの王国に攻め入る日が来るなんてな」
     三國・健(真のヒーローの道目指す探求者・d04736)は、やる気のないどよんとした気配立ちこめる廊下を歩きながら独りごちた。
    「追撃掃討戦、か」
     北条・葉月(独鮫将を屠りし者・d19495)は、方々からあがりだした戦いの気配に肩を竦める。弱った所を叩くのは戦術の基本だ。朱雀門と徒党を組まれても厄介だし容赦はしない。
     部屋に辿りついた灼滅者達を出迎えたのは嘆き節。
    『嗚呼! ゲルマンシャーク様ぁああ』
     たぱー。
     歪曲したソーセージの双眸から落ちテーブルに広がる涙は何処までも女々しかった。それはもう、質実剛健なドイツ家具に失礼なぐらいに。
    (「見事な折れ具合やなー」)
     それ程までに彼らにとってはゲルマンシャークやマリリンは偉大なる存在だったのだろう。
     だが。
     だからこそ「我こそは」と立ち上がる者なき事に、氷月・燎(高校生デモノイドヒューマン・d20233)は内心もやもや。
    『おろろ~ん』
     敵が近づいてるのも知らず、ソーセージマンは油っぽい涙をまた溜めた。テーブルに突っ伏して、力が抜けたソーセージを握り締め嘆く背中は、もちろん隙だらけだ!
    (「落ち込んでるところ追撃するのも申し訳ないんだけど……」)
     ひょこり。
     音なくそっとドアをあけ顔を覗かせたのはシスター服の少女、アイティア・ゲファリヒト(見習いシスター・d03354)。
    「せめて……」
     翡翠髪が流れるように空間を切り、突撃を合図するように仲間達の鼻先を掠める。
    「おいしく料理してあげるからね!」
    『ぬはぁ?!』
     可憐にして満面の笑みで鬼神変(ルビ:アッパーカット)跳ね上げられた視界に入ってきたのは、蛍光迷彩という隠れたいのか目立ちたいのかわからぬ帽子。
    「ダークネス灼くべし。慈悲はない」
     帽子の下の蛙石・徹太(キベルネテス・d02052)の唇が吊り上がると同時に、ソーセージマンの目の前は紅蓮に染まって、いた。
    『むぐぁあ!』
     ダンッ!
     テーブルに手をついて奴は油涙のたまる瞳をつり上げ叫ぶ。
    『貴様らっ失礼だぞッ! 入る際はノックするものだろうがッ?!』
    「ノックなんかするわけないだろ顔見知りの犯行じゃないんだから」
     でも出会い頭に下灼きとかあんまりだ。
    『確かにソーセージ』
     頷けば弾力が落ちた頭部がへんにょり、そこを思いっきり裏拳で殴りおろされた! 痛がる間もなく魂の部分に痛みを感じ、噎せ返った目の前で爆ぜる雷――まさに電光石火、織り上げたのは三人の灼滅者達。
     ずびし!
     背中合わせの英・蓮次(凡カラー・d06922)と朝比奈・夏蓮(アサヒニャーレ・d02410)の間に八坂・善四郎(そこら辺にいるチャラ男・d12132)が仁王立ち。
    「「「我ら吉祥寺白虎隊!」」」
     寸分の狂いもなく、ハモった。
     ソーセージマンは一瞬、やられるのが正しいと思ってしまうぐらいに彼らはとってもヒーローっぽい。
    「お母さんの味方のタコさんウインナーを不味くなんて絶対に許さないよ!」
     夏蓮の視線は真っ直ぐ善四郎へ。
    「ところで俺の事をお母さんって呼ぶのをやめよ? ね?」
    「番長不在でも漢らしく平和を守れる駅番です、宜しく」
     蓮次が再びヒーローっぽく持ち直させた。
    「首から上には自信アリ☆ 八坂善四郎くんです!」
     善四郎も負けないっ!
     薄暗い部屋の電灯が徹太の手でつけられて、健や葉月、吉祥寺白虎隊が用意したランプの輝きを馴染ませる。
    「喰らえ! 播磨の熱風、ドラゴンファイア!」
     もはや敵襲は明白と構えを取るソーセージマンへ、健はすかさず焼きに掛かる。
    「切って焼いてって、本当に料理しているみたいだな」
     煌々と燃えさかる炎に、葉月は花銘の剣で魂をより深く刻んだ。
    『あぁ、やめっ…………あああ、金はまた無理かあああ!』
     燎の影の中でトラウマに悶え苦しむ様は、戦闘序盤とは思えぬ展開だった。


    『ソーセージマン様!』
    『大丈夫でペナント?!』
    「出たなペナント」
     廊下へ警戒を伸ばしていた徹太は、予知通りに駆けつけた2体を仲間に周知するよう闇照らす銃口を向け声を張り上げる。
    『おっお前達……ありがとう』
     ソーセージマンは律儀に頭をさげると、肩パットのソーセージを外しぶうんっと前衛に向けて放つ。
     ところで、攻撃としては一端のダメージなのだが、ぶよっとした感触は……。
    「食欲が減っちゃうかも?」
     美味しそうだなーとこっそり思っていたアイティアは、むーっと頬を膨らましロッドを華麗に回す。
    『ペッペナッ?!』
     ジャーマンペナントに先がめり込み流し込まれた魔力で波打つ。それを印に徹太は狙い澄ました光で灼いた。
    「さすがあのゲルマンシャークの配下だな」
     ソーセージに狙い阻まれかけた葉月は、何処か賞賛混じり。
    『貴様、ゲルマンシャーク様を知っているのか?!』
    「知ってるも何も――トドメを刺したのはオレだ」
    『きっ貴様がそうかッ! 絶対に赦さんソーセージ! お前達、奴らを帰すな!』
    『『ペナッ』』
     激高するソーセージマンを庇うように、ペナント怪人達は前に出ながら大きく頷く。
    「ゲルマンシャークは強かったぜ」
     燎が清浄なる風を呼び寄せはじめているのを横目に、葉月は紅纏わせた影でペナント怪人の旗を裂いた。
    「とおっ! 播磨の刃風、ドラゴンカッター!」
     健は逆手に構えた幻影の剣でペナントを細かに切り裂く。
    (「この様子だと、ちょっと言えないかな」)
     ドイツの言い回し――「それはソーセージだ」=大した事がない、どうでもいい。
     覇気取り戻す程に彼に取ってゲルマンシャークは偉大なのだろう。だから強制闇落ちもその程度かという文言は控えた。
    「ソーセージはどちらかと言うと茹で派なんすけど、アリですかね?」
     配下のペナント怪人をこれでもかと殴る善四郎の問い掛けに『むしろアリだ』と答えるソーセージマン。
    「食べた時パキッて音するやつが好き」
    「うん。パリッと音がでないのは安いやつなんだよ!」
     蓮次と夏蓮の素晴らしい連携で氷漬け、もはや1体が虫の息。
    「なぁ」
     神の剣から風を導き仲間に絡みつくソーセージを絶ちきりながら、燎は興味津々の態度を隠さずに問い掛ける。
    「アフリカンパンサーとアメリカンコンドルで知ってる事あったら話してくれへんかなー」
     復活怪人のこと、混ざり合うご当地の力……風に髪を遊ばせる燎に、ソーセージマンはしなんっとソーセージを揺らす。
    『知っていてもゲルマンシャーク様の仇に話す事などないわっ!』
     そんなソーセージマンに呼応するように、ペナント怪人達が燎にビームを放つ。


    「そんな言い方ないやんー」
     怒りに煽られそんな物言いになる燎は、自分の気持ちを一番持てあましていた。何より癒し手としての役目が果たせないのがマズイと焦れれば、左肩から柔らかな気が流れ込んでくる。
    「どうどう」
     触れた肩をぽんと叩き、徹太は燎の心を整える。
    「ありがとー」
     はんなり西の礼と共に、燎はソーセージマンのフォークに貫かれる蓮次へと回復の準備開始。
    「蓮次さん!」
     庇われた背から巨大フォークが抜け自分の脇を掠めたのに、夏蓮はさっと青ざめる。
    「……だーいじょうぶ」
     今度は護れたとむしろ晴れやかに蓮次はにかっと笑い攻撃、夏蓮もひらり身を踊らせるよう背から飛び出して追撃。
     ペナントの1体が満身創痍なのを見て取り葉月は、仲間へアイコンタクトの後、大きく前へ踏み込む。
    「これでトドメだ」
     ここは戦場、あの日も戦場。
     変らぬ怜悧さで、ゲルマンシャークを屠った技でペナント怪人も同じ場所へ送る。
    「あと1体もさくっと倒しちまおうぜ!」
     同時に健の炎で燃えさかる新品ペナント。それを合図に吉祥寺白虎隊の面々が集中攻撃を再開する。
    『ペ、ペナーッ』
    「いっくよーっ。ジャッジメントレイ!」
     目まぐるしく動く戦場で仲間の動きをしっかり捉えたアイティアは、ほんの一瞬足を止め攻撃を締めるように巨大化した腕で薙ぎ払った。
    「なぁ、どこと合流する気なん?」
     祭壇の光で蓮次の傷を塞ぎながら、燎はのんびりとした口調で問い掛けてみた。ダークネスという存在そのものへの興味、志向性を知りたいと胸が疼く。
    『…………』
     ソーセージマンは黙りこくった後、ぽんっと手を叩く。
    『そっ、そうかっ! どこかと合流して持ち直せば、ビアちゃんとの夫婦店舗も届かぬ夢じゃないのか?! ……お薦めは?』
     そう問うてくるソーセージマンは残念な子っぽい。
    (「思ったよりささやかな夢やねー」)
     もっと壮大な野望を抱いているとてっきり思っていたけれど、と燎はひとつ好奇心を満たしたようだ。


     ディフェンダーでソーセージマンを護るという覚悟でも、所詮は10体以上いなければ満足に戦えないペナント怪人。つまり集中攻撃を受けるとそう長くは持たないわけで。
     一方で灼滅者達の動きは非常に統率が取れたものであった。
     メディックの燎を軸に、彼が役目を果たせぬ状況に陥ればすかさず徹太がフォロー。自らで持ち直す手立てを用意した前衛だが、それは使わず安心して攻撃に専念できた。

    「播磨の旋風、ドラゴンキック!」
    『ペッペナーーー!!』
     健のキックにズタボロに外装を傷つけられたペナント怪人は膝をついた。
     しゃらんっ!
     光輪を手元に招き寄せ、健は威風堂々とマフラーを靡かせる。
    「そろそろ食事の終る時が近づいてるようだなっ」
    「うんっ。これでおしまいだよっ!」
     翡翠が水得た魚のように豊かに靡く。元気よく跳ね回るアイティアは、可憐な笑顔で先程からえげつない程のダメージを叩き出している。
    「ジャッジメントレイ!」
     つきだした杖でギッタギタにペナントを破かれて、ペナント怪人は仰向けに斃れ伏した。
    『貴様! 先程から全て――ジャッジメントレイ、ではないか!』
     ……ああ、ソーセージマンがつっこんでくれたよ。
    「そうだけど?」
     きょとん。
     瞳ぱちくり手元に引き寄せた杖を握りアイティアは首を傾げた。
    『……く、まぁよい』
     押されると曲がっちゃう、だって所詮中身はお肉だから。
    「ねえねえ……」
     ぬ。
     善四郎は無表情でソーセージマンの前に立つと、マジマジとくぼんだ双眸に瞳を絡ませる。
    『な、なんだ』
    「守ってくれる人が倒されてどんな気持ちぃ?」
    『!!』
    「ねえねえ?」
     すたーんすたーんすたーん♪
     軽やかにステップしながら巨大な腕でぺち☆ チャッ虎おかーさん、とっても意地悪。
    「同情するが手は緩めない」
    「れんじせんぱいの言う通りだよ」
     改めて護りを前衛に広げる蓮次、それにあわせて突出し夏蓮はご当地の力でソーセージマンを地につける。
    「さっすがー」
    「えへへ」
    『貴様らっ、見せつけるなああ! あああ、ビアちゃーん』
     連携する度ラブラブな2人が、ソーセージマンの心を抉る抉る。
     ――だがしかし。
     確かに善四郎の言う通りで、ここから奴が盛り返すことはなく、状況は終息へと向う。
    「あー……」
     燎は風で前衛に絡むソーセージをふりほどきながら、苦笑い。
    「可哀想やけど、やることは洒落ならんからなー」
     落日の強者の憐れさよ。
     おちゃらけたノリだが彼らは決して弱くはない。だから灼滅はなさねばならぬのだ。
    「ご当地怪人デビュー戦もドイツかぶれだったっけ……飛行船に飛び移るアトラクションなんか一生物のスリルだった……痛かったなぁ」
     虚空を見上げ蕩々と語る徹太、銃口だけはしっかりソーセージマンへ。
     発射!
     ちゅどーん!
    『くはっ、がっ……』
    「爆発四散していいんだぜ? 走馬燈には俺が浸っておいたからよ」
    『余計なお世話だっ……ソーセージ』
     そんなお薦めも気遣いもごめん被る!
    「なら仕方ないな。とおっ!」
     健は床を蹴ると、風を纏いつま先をこれでもかとソーセージマンの実へめりこませる。
    「秘技ソーセージ付け合せの一品! ザワークラウトキーック!」
     キャベツが欲しい所だね!
    『……うぐ、くぅ。ば、爆発……してなるもの……か……』
     これがゲルマン怪人の意地なのか。
     葉月は口元に尊敬の意を浮かべ、5つの星を彼へと向ける――迷わず彼が逝けるように。
    「あと2、3分戦闘が長引いてたら、結果は多分違ったかも知れねぇ。それだけ強かったよ、ゲルマンシャークは」
    『はは、当たり前だソーセージ! ゲルマンシャーク様なのだぞ!』
     そこにいらっしゃるだけで、世界は輝きを放つ。誰よりも誰よりも尊い、ゲルマン怪人の先に立つ御方……。
    「思い残す事があれば聞いてあげるけど……なさそうだね、その顔だと」
     杖を腕で抱えるように持ちアイティアは指を組む。短い祈りの後、もう一度杖を手に葉月の星が示す場所へあて『裁きの光』の意を口ずさむ。
    「あの世でゲルマンシャークにヨロシクな」
     手向けの言葉にドイツ語で何某かを呟く彼は達成感に満ちた笑顔で、
    「それじゃ……Amen」
     祈りを締めに、アイティアは浄化するように魔力を注ぎソーセージマンを灼滅、した。

     ぐりゅるるる~。
     景気よく鳴ったのは健のお腹だ。
    「あっ。こ、これはっ……」
     焦る健に吹き出すアイティア。
    「確かにお腹が空く相手だったよね」
    「健くんとアイティアちゃんもそう?」
     夏蓮もお腹を押え蓮次へと口元を緩ませる。次に2人が見るのはお母さんこと、チャッ虎。
    「おう、美味しいソーセージ食べに行こうか!」
    「あ、マスタード」
     ぎゅるる~。
     健の物欲しそうな視線に、タッパーを差し出す徹太だが、やはり自重と頷きあう。机に転がるソーセージは間違いなく本場で美味しそう。
     だがしかし! お約束の拠点爆破がやってくると目も当てられない。
    「いこかー」
     やはり関西は美味しいモノが多いのかの問いに、燎は生まれも育ちも東京と苦笑い。それが呼び水となり笑いと再びお腹の虫がぐーぐー弾ける。
    「――」
     賑やかに立ち去る仲間達の中、葉月は一度だけ振り返った。
    (「……ま、当分そっちに行くつもりはねぇけど」)
     彼らは灼滅者として生き続ける、目の前にどんなに過酷な障害が横たわろうとも、自らの力を磨き仲間と協力して全力で排除していくのだ。

    作者:一縷野望 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2014年4月15日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 3/感動した 0/素敵だった 3/キャラが大事にされていた 7
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