部活帰りの男子高校生二人が、コンビニ袋を手に談笑している。
「おい、あそこの噂、知ってるか?」
「なんだよ、それ?」
「ほら、あれだよ」
見上げれば、動かない観覧車が、夜風にその身を晒している。
「あそこ、遊園地があったところだよな? もう閉鎖されてるらしいけど」
「それがさ、閉鎖されてるはずなのに、観覧車が動いてたり、物音がしたりするんだと」
「お前そういうの好きだよな……言っとくけど、俺は行かないからな」
「んだよ、つれないヤツ」
何気ないその会話の中で、自らの運命が最悪の結末から逃れたなど、彼らは知る由もない。
そう、知る由もないのだ。
彼らがもし、好奇心からその遊園地に足を踏み入れていたら……そこに巣を張る魔物の群れに、貪り食われていたなどとは。
夜風に乗って、観覧車の軋みが恨みがましく響く――。
みんな、集まってくれてありがとう。
エクスブレインの須藤・まりんだよ。
ちょっと前にあった、閉鎖された遊園地での事件、覚えてる?
そう、ゾンビの大群が出るっていうあれ。
実は、前の時に遊園地に行ってくれたリリー・アラーニェ(スパイダーリリー・d16973)さんからの情報で、同じ場所に、今度はむさぼり蜘蛛の巣窟があることがわかったの。
まず園内の状況だけど、中はもう完全に巨大な蜘蛛の巣だらけになってるみたい。
この巣をどうにかしないと、身動きも思うようにできないと思うよ。
巣が残っていると戦う時はこっちは身動きがうまくとれなくなる上に、むさぼり蜘蛛の方は巣の上を素早く移動できるしでだいぶ不利になっちゃうけど、向こうも待っててくれるわけじゃないから、巣を完全に取り除いてから戦うのは多分難しいんじゃないかな……。
戦闘に入る前にできるだけ蜘蛛の巣を取り除けるような準備をしておくとか、どうにかしてむさぼり蜘蛛の注意をほかに向けるとか……。
むさぼり蜘蛛は全部で8体もいるしね。
それに今回はボス格として、まだら模様の大きなむさぼり蜘蛛がいるの。
こいつは普通のむさぼり蜘蛛の能力にくわえて、粘り糸を発射する攻撃を使ってくるの。
直接当たれば動けなくなっちゃうし、避けてもしばらく粘性が残るから、トラップとしてもやっかいな攻撃だよ。気をつけて!
一難去ってまた一難、って感じだよね。
それに今回は前回よりも状況は厳しいみたい。
でも、今度こそこの場所での事件も終わりにしなきゃ!
参加者 | |
---|---|
烏丸・織絵(黒曜の棘・d03318) |
賀上・沖経(居合撃ち・d05529) |
幸・桃琴(桃色退魔拳士・d09437) |
赤松・鶉(蒼き猛禽・d11006) |
ラピスティリア・ジュエルディライト(夜色少年・d15728) |
リリー・アラーニェ(スパイダーリリー・d16973) |
天堂・櫻子(桜大刀自・d20094) |
シルヴァーニ・ルカ(銀月狂想曲・d25884) |
静まり返った夜の闇の中に軋んだ音をかすかに立てて、鉄扉が開かれる。
「うっ……これは想像以上だ……」
中の様子を見た賀上・沖経(居合撃ち・d05529)が、思わずうめき声を上げる。
閉鎖された遊園地の中は、霞がかかったように蜘蛛の巣だらけになっていた。
「うぇー、ざんねん! これじゃあ終わったあとに遊ぶのは無理かぁ。ちぇーっ」
「まあその分、戦いの方を楽しめばいいのではなくて?」
口を尖らせる幸・桃琴(桃色退魔拳士・d09437)の頭にぽんと手を置き、赤松・鶉(蒼き猛禽・d11006)は不敵に笑ってみせる。
園内は、壁も床もすべてが蜘蛛の巣に覆われていた。
視線を上げれば、観覧車まで蜘蛛の巣に絡め取られて固化した滝のような糸を夜風になびかせている。
「もう敷地内は完全にむさぼり蜘蛛の巣になっているようね。下手に動くわけにはいかないわ」
園内を注意深く観察しているのは、今回の情報提供者でもあるリリー・アラーニェ(スパイダーリリー・d16973)だ。
「同じ蜘蛛の名を冠する者同士、負けるわけにはいくまいなぁ?」
からかうような口調でそう言う烏丸・織絵(黒曜の棘・d03318)に、リリーはかすかな笑みで返す。
「さて、始めましょう。哀れな蝶のごとく網にとらわれないうちに、ね」
「そうだね。ディフェンダーのみんなが注意を引いている隙に、蜘蛛の巣を処理する……て、よかったよね?」
髪をかき上げつつ、やや気取った口調でそう言うラピスティリア・ジュエルディライト(夜色少年・d15728)に、天堂・櫻子(桜大刀自・d20094)が小さな声で返事を返す。
「生肉にスピーカーねぇ。ちょっとしたお祭り気分だな」
「そ、そんな気楽な……」
不安そうな顔をする沖経に、シルヴァーニ・ルカ(銀月狂想曲・d25884)が陽気な笑顔を向けた。
今回はまず、一行は巣の処理を行う班と囮チームに分かれるという作戦だ。
巣の処理には、沖経、ラピスティリア、リリー、櫻子、シルヴァーニ。
囮の方には、織絵、桃琴、鶉が向かうことになっている。
「それではみなさん、またあとで~」
おどけたように両手を振る鶉を先頭に暗闇に消えていく囮班を見送る沖経たち。
「さて、まずは連絡待ちってとこか。でも俺、正直待つのって苦手なんだよなー」
「ふふ……まあおとなしく待ちましょう。それこそ、蜘蛛が巣に獲物がかかるのを待つみたいにね」
ぼやくシルヴァーニに、リリーは薄く笑って見せる。
静寂の中、観覧車のきしむ音が不自然に大きく聞こえる。
「大丈夫?」
あわてて何か答えようとして、沖経は結局、ふっと息を吐いて苦笑を浮かべた。
それを見て櫻子も、小さく笑う。
「心配なのはわかるけどね。そんなに緊張することないよ」
「ふふふ……沖経君は真面目ですね」
「か、からかわないでくださいよ……」
櫻子とラピスティリアにからかわれてちょっと顔を赤くしつつも、沖経は体が軽くなるのを感じた。
そして、その頃。
「さぁて、蜘蛛どもはどこに潜んでいるのやら、と。まずはスピーカーを用意しましょうか」
「ほぇ~……ほんとに蜘蛛の巣だらけだねー」
「まったくだ。この園内全部が全部、連中の腹の中のようなものだな」
「……うずうず」
「おい桃琴。お前まさかさわってみたーい、とか考えてるんじゃないだろうな?」
「ふぃっ!? そ、そんなことないよ?」
あわてて目をそらす桃琴に、織絵は思わず吹き出す。
「わかりやすいなあお前は。でも、冗談抜きで下手に触っちゃだめだぞ?」
「はーい!」
「うむいい返事。さて鶉、準備はどうだ?」
「お二人がいちゃいちゃしてる間に完了ですわよ。もうっ、ちょっと緊張感が足りないのではなくて?」
「すまんすまん。鶉もあとでかまってやるからな」
「あら、それはうれしい申し出ですわね」
などと軽口をたたきながら、三人は要所要所に持ってきた肉やスピーカーを配置する。
「もう音楽流しても大丈夫かな? くもさん、来てない?」
「ええ、まだバレてはいないようですわ。今のうちに敵を引きつけておきますわよ」
「よーし……!」
桃琴が配置されたプレーヤーのスイッチを入れると、大音量で音楽が流れ始めた。
「あの、織絵さん」
「うん?」
「……なんでアニソンなんですの?」
「趣味だ」
「そ、そう……」
そんなやり取りをしていると、照明の消えたショップの向こうから、動かないジェットコースターの向こうから、閉ざされたゲートの向こうから……ざわざわと何かがうごめく気配がし始めた。
目を凝らすまでもない。その禍々しい配だけで、わかる。
「ね、織絵おねえちゃん……!」
袖をくいくい引っ張る桃琴に軽くうなずき、織絵は鶉のほうにも視線を向ける。
鶉は唇の端を持ち上げると、ぐっと腰を落とす。
「さあ……ショーの始まりですわ!」
一方、処理班のほうは――。
ポケットの中の携帯電話の着信に、沖経は思わず肩を跳ねさせた。
その様子に気づいたラピスティリアが、目顔で問う。
沖経はそれにうなずいて、すばやく電話を取り出し、緊張した面持ちで電話に出る。
『私だ、織絵だ』
「来ましたか!?」
『ああ、まんまと釣られてきたぞ』
「大丈夫ですか? 持ちそうですか?」
『持たせるさ。そちらは掃除を頼んだぞ』
電話を切った時には、ほかのメンバーはすでに準備を整えていた。
「では、始めましょうか。主賓を迎える前に場を整えなければね」
リリーの言葉に答えるように、処理班のメンバーはおのおの周囲を取り囲む蜘蛛の巣を焼き払い始める。
「燃やしすぎないように気をつけて……はっ!?」
地面に張られた蜘蛛の巣に足を取られながらも、頭上から迫る悪寒に、櫻子はとっさに身をひねる。
間一髪、鋭い牙を備えた巨大な口が、一瞬前まで櫻子のいた場所を通り過ぎた。
「くそ! こっちに迷い込んできやがったか!」
シルヴァーニがゲシュタルトバスターを放つが、むさぼり蜘蛛はまだ残っている巣の上を滑るように移動し、これを躱す。
「2匹くらいならまだどうにかなるわ。囮班がひきつけてくれている間に、こいつごと巣を焼き払うわよ!」
「蜘蛛のほうはこちらに任せてください!」
櫻子の檄に答え、沖経がむさぼり蜘蛛の前に立ちはだかった。
制約の弾丸でけん制射撃を繰り出しつつ、むさぼり蜘蛛をラピスティリアのほうへ誘導する。
「まだ下手に動くわけにはいかないな……」
言いつつ、首にかけていた愛用のヘッドホンを付けるラピスティリア。
音楽に乗るように軽く持ち上げられた腕が、見る間にアメジストを思わせる紫色の結晶に覆われた。
「――ふッ!」
鋭い呼気とともに、巨大な拳の正拳突きがむさぼり蜘蛛の腹に叩き込まれる。
緑色の体液を撒き散らしながら後ろへ吹っ飛ばされるむさぼり蜘蛛。
しかし、吹き飛ばされながらも大きく口を開け、返礼とばかりに天井から垂れさがった糸を使って振り子のように襲ってくる。
とっさに避けようとするラピスティリアだが、足元の糸が粘ついてうまく動けない。
そこに、反対側から青白い炎が撃ち出された。リリーだ!
真正面から炎を食らい、飛び退るむさぼり蜘蛛。
「ふう……助かったよ。その調子で蜘蛛の巣も処理してくれ」
「ええ、もちろん」
態勢を取り戻したラピスティリアと沖経がむさぼり蜘蛛を押さえている間、ほかの3人が蜘蛛の巣を焼き払っていく。
そして、囮班のほうも戦いを始めていた。
「ううう~っ! やっぱり動きにくいーっ!」
もどかしそうにしながらも、後方に下がった桃琴が、飛びのいてきた鶉を回復する。
「回復ありがと! さあて、処理班が巣をどうにかしてくれるまで、もうひと頑張りですわ!」
「鶉おねーちゃん、あんまり無理しちゃだめだよ?」
「大丈夫大丈夫、レスラーは耐えるのが仕事!」
そう言ってガッツポーズを決める鶉の頭上から、糸を伝ってきたむさぼり蜘蛛が大口を開けて迫る!
「――こんな風にね!」
その胴体を、鶉はがっちりとホールド。鼻先まで牙に迫られながら、不敵な表情を崩さない。
「いっきますわよぉーっ!」
そのままバックドロップの要領で、むさぼり蜘蛛を投げ飛ばす。
その先には、すでに織絵が待ち構えていた。
「まったく、無茶をするものだ」
つぶやきつつ、投げ飛ばされてきたむさぼり蜘蛛の背中をティアーズリッパーで唐竹割りにする。
吹き出す緑色の体液をよけたところで、ポケットの携帯に着信。沖経だ。
短く言葉を交わすと携帯をしまい、二人に向き直る。
「向こうも準備完了だとさ。移動しよう」
「ここからが本番ってわけだね!」
「ふふん、盛り上げなくてはね!」
三人は本隊と合流すべく、蜘蛛の巣を避けながら移動を開始。
そのあとを、複数の影が、床を、壁を、天井を滑るように追いかけてきている。
背後を警戒しながら、蜘蛛の巣だらけの園内を走りにくそうに駆けていく三人。
やがて曲がり角の向こう、入口付近のゲートのあたりにオレンジ色の炎が見えてきた。
周囲の蜘蛛の巣は、天井部分に多少残ってはいるものの、十分焼き払われているようだ。
「みんなーっ! だいじょぶだったぁ?」
桃琴が声をかけると、処理班の面々は一様に安堵の表情を浮かべたが、すぐにその表情を引き締める。
理由は明白、残りのむさぼり蜘蛛が集まってきたからだ。
「ふむ、蜘蛛の巣の心配はもうないようだな。さっきは動きにくかった分、存分に暴れさせてもらおうか!」
「こっちも集合、あっちも集合。役者はそろったといったところだね」
その軽口に答えるように、天井に残った巣を伝ってむさぼり蜘蛛がラピスティリアに襲いかかる。
大きく開いた口から逃れたラピスティリアを狙うように、別のむさぼり蜘蛛の足が振り下ろされる。
「ふん。罠を張れるのはそちらだけじゃあないよ」
ラピスティリアが軽いステップで間合いを外すと同時に、入れ替わるように飛び出した櫻子の妖の槍の穂先がむさぼり蜘蛛の胴体を見事にとらえた。
「はっはぁ! こいつでとどめ!」
真正面から串刺しになったむさぼり蜘蛛に素早く飛びかかったシルヴァーニのガンナイフが、その首を切り飛ばした。
「さあ、どちらがうまく糸を使えるか、勝負と行きましょうか――今度はわたしが、縫いとめてあげる!」
リリーのしなやかな指先から伸びた鋼糸は、まさしく彼女の繰り出す糸だ。
意趣返しと言わんばかりに、ちょうどさっきまでの状況とは逆に、リリーの鋼糸はその場にむさぼり蜘蛛を縫いつける。
「よし、今だ!」
動きを封じられたむさぼり蜘蛛の群れに、沖経のバニシングフレアが降り注ぐ。
熱気が引くのも待たずに飛び出した櫻子とシルヴァーニが、ひるんだ蜘蛛の群れに飛び込んだ。
「これでもくらえ!」
「おとなしくしてなぁ!」
メリケンサック状に変化した櫻子の拳と、逆手に構えたシルヴァーニのガンナイフが、それぞれむさぼり蜘蛛の頭部に叩き込まれる。
「こっちも負けてはいられませんわね! さあ、本気でいきますわよぉーっ!!」
ゲートの上にひらりと飛び乗った鶉が、服に手をかけて一気に脱ぎ捨てた。
その下から現れたのは、肌もあらわなリングコスチューム。
足元のゲートを蹴って高く舞い上がった鶉は、そのまま一直線に落下。
むさぼり蜘蛛の背中に突き刺さるような強烈なキックを放つ。
「強烈ゥ! リングの上なら3カウント確実だな!」
歓声を上げるシルヴァーニに、鶉はガッツポーズ。
「……」
そんな鶉を見ながら、桃琴は自分の胸のあたりをぺたぺた触っている。
むさぼり蜘蛛の数は徐々に減っていき、動いているのは織絵が相手にしている1体のみとなった。
その1体も、足の数本を手刀で切り飛ばされている。
「そぉらどうした、貪ってみろ八つ脚! いや、今は三本脚か?」
最後の抵抗とばかりにかみついてきたむさぼり蜘蛛の牙をWOKシールドで受け止め、カウンターとばかりに殺人注射器の針が胴体を貫く。
「これでザコは全部かな? 残りは……!」
ラピスティリアが視線を向けた先、闇を裂くように真っ白な糸が放たれた。
全員が武器を構えなおす。
闇の奥から現れたのは、今までのむさぼり蜘蛛よりも一回り大きい、毒々しいまだら模様の蜘蛛だ。
「こいつが今回のメインディッシュってワケか。ラピス、いっちょのしてやろうぜ!」
「ええ、いいでしょう。この饗宴も、そろそろ終わりにしますか――!」
ボス蜘蛛が吐きかけてきた糸を頭を低くして躱しながら、二撃目の糸をフリージングデスで迎撃。
氷のかけらが舞い散る中を引き裂くように、振り下ろされた脚をガンナイフで受け止める。
その後ろから、鬼神変で巨大化した腕を振りかざし、ラピスティリアが迫る。
ボス蜘蛛はこれを網の目のように組み合わせた脚で防御。
そのまま糸の塊を連続して吐き出した。
「ちっ! せっかく掃除したっていうのに、また汚されたんじゃかなわないわ」
このままでは、周りの状況が振り出しに戻ってしまう。
櫻子は敵の攻撃を防ぎつつ距離をとり、妖冷弾で床や壁に撒き散らされた糸を処理していく。
「一気に攻めたほうがよさそうですわね。それなら……!」
鶉は姿勢を低くしてタックルの態勢に入る。
と、その横を小柄な影が通り過ぎた。桃琴だ!
「えぇーいやぁっ!!」
118.9cmの小柄な体が、突き出されてきた杭のような脚をことごとくかいくぐる。
一気に懐に入った桃琴は、掛け声とともに体当たり。鉄山靠!
吹き飛ばされたボス蜘蛛は転倒、無防備な腹を仰向けにさらす。
その絶好のチャンスを逃す理由はない。
「その隙、もらいます!」
沖経の斬影刃が、とっさにガードしようとした脚の数本を切り飛ばした。
それに重なるように、空中高くジャンプしたリリーが、バベルブレイカーを真下に向けて構える。
青白い光を帯びた尖端が、正確に胴体をとらえた。
「巣にとらわれた哀れな獲物は、そちらだったようね……!」
ズン! と重く響く炸裂音とともにボス蜘蛛の腹に大きな穴が開く。
断末魔の悲鳴を上げる間もなく、ボス蜘蛛は黒い塵となって消滅していった。
「お見事……。蜘蛛の名を冠するのは、どうやら君のほうがふさわしいらしい」
おどけたように拍手をするラピスティリアに、リリーもスカートをつまんでお辞儀を返す。
「ふぃー、疲れたあ。でも、みんな無事でよかったよね!」
「桃琴もお疲れ様。ナイスサポートでしたわよ」
「ここの事件はこれで2回目なんだろ? もういい加減終わってほしいよな……」
「3回目があるなら、それでも構わんさ……」
「とにかく、みなさん無事でよかったですよ、本当に……」
「う、着物が汚れちゃった……。今度は汚れにくいところだといいわねえ」
口々にそう言いながら、遊園地を後にする一行。
そんな一行を、月だけが静かに見下ろしていた。
作者:神室樹麟太郎 |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2014年4月22日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 6/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 0
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