春爛漫、食べ買い歩き~横浜中華街に行こう!

    作者:志稲愛海

    「最近さーぽかぽか陽気で、まさにお出かけ日和って感じだよね!」
    「紗矢は、どこか行きたいところとかあるか?」
     飛鳥井・遥河(中学生エクスブレイン・dn0040)と伊勢谷・カイザ(紫紺のあんちゃん・dn0189)のそんな言葉に。
     綺月・紗矢(小学生シャドウハンター・dn0017)は勿論、こう答える。
    「お出かけか。やはり、美味しいものを沢山食べ歩きたいな」
     そんな紗矢に、遥河は予想通りといった様子でうんうんと頷いてから。
    「じゃあさ、また行くー? 横浜中華街」
     そう、へらりと笑む。

    「お、中華街か! 自分で作るのもいいけど、食べ歩きも楽しそうだなっ」
    「秋に一度行ったが、みんなと食べ歩きや買い歩きができて楽しかった。また秋とは違い、春ならではなメニューなんかも出ているかもしれないな」
     紗矢は以前行った時のことを思い出しながら、カイザにそう微笑んで。
     遥河が持参した中華街のガイドブックを改めて眺める。
    「中華街で食べた肉まんは食べ甲斐があった。あれはもう1度食べておきたいところだ」
    「うんうん、すっごい大きな肉まんとか、中華街らしいフカヒレまんやエビチリまんとか色んな種類あったよね! あとは、焼小籠包やちまき、肉にらまんじゅうとかも有名で美味しかったよー。こどもの日も近いから、ちまき食べるのもいいかも!」
     紗矢と遥河の言葉を聞きつつ、カイザもガイドブックを覗き込んで。
    「うお、聞いただけで美味そーだなっ。って、なんだこれ……! ハリネズミまんやパンダまんとか、かわいすぎるだろっ」
     隣でお座りしている霊犬のゼロをもふもふしつつ、可愛くて美味しそうな饅頭や中華まんに瞳を輝かせる。
    「買い食いも満喫したし、後は食べ放題の店で中華を満喫したり、有名店で好きなものを注文して食べたりもしたな」
    「てか、どんだけ食べたの!?」
     大きな肉まんだけでも結構おなかいっぱいになったのに!? とその胃袋に驚愕する遥河を後目に。紗矢は、さらに続ける。
    「そして中華街は、スイーツも充実していた。杏仁ソフトに杏仁クレープ、色んな種類があったタピオカドリンクも、マンゴーといちごミルク、杏仁にココナッツ、他にも随分たくさんの味があったが……この間は数種類しか試せなかったな。あとはやっぱり、プリンパイだな!」
     特にプリンに目が無い食いしん坊幼女は、そう大きく頷いて。
     プリンパイ、あの時紗矢っち一体いくつ食べたの……とツッコミを入れながら。
    「甘い物はオレも大好きだよー。てかクレープも甘い系は勿論、北京ダッククレープとか、なんか変わったのもあったよー」
     そんな遥河に、俺も甘い物は好きだぜ! とカイザは同意してから。
    「てか中華街って、美味しいもんもだけど、中華っぽい雑貨とか食材の店もあるのか?」
     料理好き家事好きにはそういう店も気になるぜ、と真剣にガイドブックに目を遣る。
    「うんうん、かわいい雑貨やチャイナドレスとか買い物したよー。チャイナドレスはレンタルして写真撮影もできたし、占いの店もあったね。食材も買えるんじゃないかなー」
    「チャイナドレス、今度は違う色も着てみたいし。それにパンダ雑貨なんかも沢山売っていて、本当に可愛かったな」
    「チャイナ服か、なかなか着る機会もないしいいかもな。それにパンダさん雑貨もかわいすぎだろ!」
     それからカイザは、食べ歩きや買い歩きにキラキラ瞳を輝かせている紗矢に笑んで。 
    「そういやもうすぐ紗矢の誕生日だし、折角だから楽しいお出かけにしたいぜ」
    「最近はあたたかくて天気も良いから、お出かけにはいい季節だしな」
     紗矢もそう、周囲の皆に微笑むのだった。

     季節はまさに、ぽかぽかの春爛漫。
     お出掛け日和の春の休日に、中華街に遊びに行きませんか。


    ■リプレイ

    ●賑やかな極彩色
     食べ歩きは経験ないけれど、聞いた事ならあります!
    「拳法の達人夫婦がフライパン持って痴話喧嘩しているのが日常茶飯事な街のことだろう?」
     そんな偏った認識ながらも大はしゃぎな天龍と、志良は中華街を食べ歩きながら。
     はむ、と半分こした肉まんを齧った彼に、君はどうだ、今美味しく感じてるのかね? とそう訊かれて。へらりと笑んで返す。
    「……ん? 美味しいよ。りゅーちゃんのお陰かな!」
     その言葉に天龍は、じぃと彼女を映した瞳を細める。
     ……ふ、バーカ、と。
    「すごい、すごいよ……っ。両手で持ってもなお余るこの存在感だよ……」
     たまきの手には特大肉まん!
     ハガネもフカヒレまんを口に運んだ後、少しちぎって彼女にお裾分けしつつ。
    「しかし……こないだダイエット頑張るっつってたのに、そンなに食って大丈夫か?」
     そうツッこめば、一瞬たまきの笑顔が固まるも。
     その分歩けばいいと。ちょっぴりやけに、もう一口、ぱくり!
     ガイドブック片手に、今回もいざ飯テロ!
    「あ、生煎包食おうぜー。あと餃子な餃子」
     テンション高めな葉に、アイアイーとついていく徹太だが。
    「すげえ体に悪そうなミドリがいる」
     ハッと見つけたのは、某スライム的な中華まん!?
     そして飯テロするべくそれを頬張りつつ、あざとくドヤァ!
     それに負けず葉も眼鏡を外して。ハリネズミまんと、スマイルツーショット!
     仲良く二人で手を繋ぎ、歩きながら。
     千佳が見つけたのは――ドクターフィッシュ!
    「ふ、おぉぉこしょばい……!」
     希沙もその感触に、あはは! と声を上げて。
    「スープに焼き小龍包、タピオカドリンクにマーラーカオ、ゴマ団子もきになる! こたろさんのお土産はインパクト勝負で……豚足?」
     お魚につんつんされつつ二人花咲かせるのは、これから廻る美味しい相談。
     可愛いパンダの店を仲良く見て回った後。紅葉と玖が訪れたのは、チャイナ服専門店。
    「ね、これ着てみてよ! すごい似合いそうっ」
    「ね、ね、一緒に着てみるっすよ~」
     玖には赤地に梅が沢山咲いたものを、紅葉には淡紅藤に紫の花咲くドレスを。
     互いに選び合って着れば、すぐに気に入ってお買い上げ。
     そして鮮やかな風景と思い出と一緒に。記念写真を1枚、パシャリ!
    「……え……それ、僕に着ろって事なのかな?」
     同じチャイナ服の店で禅が猫蓮に渡されたのは……水色のチャイナドレスとストール!?
     さらには着たその姿で、写真撮影まで!
     でも、仕返しと言わんばかりにニコリと。
    「……何で僕まで……?」
     猫蓮にも、チャイナドレス着せちゃいます!
     そして新しいピアスと一緒に、何故かチャイナドレスも結局買っちゃった猫蓮でした。
    「……どうしよう、頭から……」
     そう呟く悠太郎の隣で。
     甘い香りに負けた真魔は、可愛美味しいハリネズミまんをもぐもぐ。
     そして大きな肉まんを二人で半分こ。
     悠太郎と一緒に、どれだけお腹に入るかチャレンジ!
     それから貰ったあつあつの焼小籠包を、ふーふーしながら。
    「今日は付き合ってくれて……Grazie,悠太郎」
     素敵な一日を、まだまだ一緒に食べ歩き。
     その細い体のどこに入るのか。
     北京ダックに炒飯にニラ饅頭にと、評判のランチバイキングで食べまくるクリスの旺盛すぎる食欲に、桃夜は目をぱちくりさせるも。
    「この油淋鶏どうだい? うまいよ」
    「……んん! おいひぃ♪」
     差し出された油淋鶏を、あーん、ぱくり!
     でも……今夜の夕食は、もっと美味しいもの。
     杏仁ソフトを頬張るクリスお手製の油淋鶏で、決まり。

     月夜も恋人の手を引っ張りつつ、中華街を食べ歩き!
    「にゅー、去年も食べたですが、暖かいプリン美味しいのですー♪」
     店先で出来立てプリンを十分堪能して。次は、彼の食べたいものを。
    「ぼくの かお おんなじぐらい おっきい」
     クロの手には巨大な肉まん! 途中タピオカドリンクも買ってから。
     通りかかった紗矢のパンダまんを見て、それ どこで かったの? と。
     そして七葉は紗矢といざ、プリンパイ食べ比べ勝負!
     それから遥河が見守る中――30分後。
    「ん? 遠慮しなくていいぞ?」
    「もう、ダメ……」
     平気そうな紗矢の隣で、さすがにお目目ぐるぐるです。
     烏龍茶を買う為に、流希も凄い人出の中、お目当ての店を探し歩いて。
    「ついでに茶器でも見ていきましょうかねぇ……」
     クラブの皆と飲むのもまた一興、見つけた茶葉専門店の中へ。
     優歌の目的は、風水の店。
     それは迷信かとも思うけれど、経験に基づく科学的な事柄も含まれているから。
     どうしたら過ごしやすいか……インテリアの工夫を考えながら、楽しくその伝統を見て回る。
     あずみが興味深々見つめるのは、チャイナドレス。
     自分のちいさな胸を気にしていたけれど。
    「あ、あのっ、チャイナドレス着て、記念撮影して良いですか?」
     人が途切れた今が勇気を出すチャンス!
     嘉月も【あかいくま】の皆と、中華系の調理器具を買いに来た……はずですが。
    「……で、何で僕にまでドレスを着せようとしてるのですか」
     いえ、ちゃんとこの後、中華鍋や包丁も買いましたよ!

    ●色鮮やかな春
     慣れない踵の高い靴も、手をしっかり繋いでいるから大丈夫。
     ましろは倭にも、お気に入りの焼小籠包をふーふーお裾分け。
     優志も、今日も可愛いお姫さんへと中華まんを半分差し出す……のですが。
    「んぅ!?」
    「あたしばっかり貰ったら餌付けされてるみたいじゃないの……」
     えい……と、半分こした肉まんを口元に押し付けてきた美夜に、礼を言いつつも思わずくすくす。
     そしてお姫様達のチャイナドレスは、各々の王子様がチョイス。
    「美夜ちゃん早くーっ」
     倭が選んだ青のチャイナを手に、ましろは早速黒のチャイナを持つ美夜と試着室へ。
     そんな姉妹の様に仲良しな二人の姿に、俺らそっちのけだぜ? と優志は瞳を細めるも。
    「あぁいう光景が見られるのもWデートならでは、だろ?」
     倭が言うように、これもきっと、普段と違う相手が見られるWデートの醍醐味。
     暖かい陽気の中、恋人つなぎして歩く真二と藍が見つけたのは――『肉まんあんまん全種類食べ放題』!
     迷った挙句、藍は野菜たっぷりの野菜まんをモグモグ。
    「このフカヒレまん、結構イケるぜ~ほれ、食ってみ?」
     真二から貰ったフカヒレまんも美味です!
     そして、いっただきィ♪ の声と同時に。
    「あ、もうお行儀悪いですよ~」
     今度は真二が藍の野菜まんを、ぱくり!
     竜司と食べ歩きしながら、彼に奢って貰った肉まんをもぐもぐ食べつつも。
    「興味あるしバイトさせてくれるなら是非」
     神社での巫女のバイトの誘いに、そう答えを返す頼子。
     竜司は、そんな幸せそうに肉まんを頬張る彼女を愛おしそうにその瞳に映して。
     改めて、誓う。
    「将来、俺はお前と結婚して幸せにしてみせる」
     そして頼子はその言葉に。俯いて一言……うん、と。
     肉まんは勿論、尻尾ふりふり、目についたもの全部ねだって。
     座ったベンチで夢中で買ったものを食べるクライスは、情に写メで激写されながらも。
    「どう? 美味しい?」
    「美味い! ぬしも食べてみろ!」
     食べかけの肉まんを、彼の口にずぼり!
     そんなお裾分けをフガフガ一口貰った情は、いやーマジ先輩かわいいわーと。
     サッと、彼女の口の端についたお弁当も、ぱくり。
     前に来た時は苗字で呼んでいたけれど。
     にこにこ期待に満ちた瞳で、恋人が見つめるから。
     アレもコレもと買っては蘇芳に食べさせる朗。
     そしてお腹いっぱいと言いつつも、あーんした蓮の実入り桃まんをぱくり口にするその姿が、なんとも可愛らしく愛らしくて。
    「私も『はい、あーん』ってしたいです」
     なんて幸せな一日だろう――蘇芳の言葉に今度は朗が、あーんと口を開けた。
     所狭しと店に並ぶ、彩り様々な民族衣装。
    「久遠は黒が似合うね? その……格好いい、よ」
     言葉が久遠にと手にした黒のカンフー服には銀糸の狼が。
     そして言葉にと、金糸の鳳凰舞う真紅のチャイナ服を選んだ久遠は。
    「その、月並みな台詞で申し訳無いが……とても綺麗だぞ」
     その姿に一瞬目を奪われつつも微笑み、再び中華街を廻る。
     互いに選んだ中華服を着たままで。
    「ね、どれが似合うと思う?」
     くいくいエアンの袖を引いて店へ入った百花は、彼の選んだチャイナドレスにどきどき。
     黒地にピンクの大牡丹が咲く、背中の開いた大人っぽいデザイン。
     そしてエアンは試着した彼女の姿を眺めて。
    「思った通りだ、綺麗で可愛いよ」
     ……折角だし……これ着て、でーとの続きする? と。
     訊いた彼女に、いい笑顔を返す。もちろん、する、と。
     中華街をぐるり廻った後は、ゆっくり飲茶ランチ。
    「そういえば、先輩、大学生活はどうです?」
     誰かとご飯を食べる事に新鮮さを感じながら。
     飛将と一緒に小龍包を頼んだリヨノは、彼のそんな問いに、いい感じかなーとだけ返して。
     飛将もそれ以上はつっこまず、面白い所行きませんかな、と。次に誘った店は、なんと武器屋。
     楽しい時間を過ごす今が、一番大事だから。
     二人の将来の夢の参考にと。貴明が和泉と訪れたのは、19世紀末の帆船?
     いえ、そんな船内を模したアンティークな老舗バー。
    「かなり大きいから二人で分けて食べよう」
     数量限定という炭火焼バーガーを頼む貴明に、はんぶんこだな、と和泉はワクワク笑んで。
     お前が20歳になったらまた来よう、そう貴明も笑み返す。
     買い換えた、揃いの唐辛子ストラップを揺らしながら。

    ●食欲くすぐる楽しいひととき
     賑わいみせる中華街で、一層鮮やかなその姿は。
     【花の扉】の皆と歩く、チャイナな非や蓮。
    「ふむ、お二人共よく似合ってますね」
     いつもの仏頂面ながらも、昌利はチャイナドレス着た非とチャイナ帽を被った蓮を交互に見て。
    「何だ、惚れたか?」
     ノリノリでポーズする非に、かっけー! ヒュー! と楽弍の指笛が。
     ついでに蓮も、ニーハオ!
     そんな二人の姿に、何か着ればよかったか、と嵐は思うも……ぐぅと鳴った、腹の虫。
     というわけで、お目当てのハリネズミまんの店へ!
    「中々よく出来てるな」
    「食べるのがもったいないようですが、食べないのももったいない……」
     昌利に頷きつつ、可愛いと美味しいの間で葛藤する千鶴。
     いや彼女だけではありません。
    「どーしよ、この瞳見てるとめっちゃ罪悪感感じるっス……」
    「……めっちゃ見つめてきてる……た、食べづらい。……駄目だ、食えない」
     颯人と楽弍も、ちょこんと掌の上に乗っているハリネズミさんが食べられません!
     でも。
    「おー。評判通り美味いな、これ」
    「食わないんならあたしが食うぞ」
     普通に勢い良く食べる非と嵐に続いて。意を決して目を瞑り、ぱくり!
    「食べるのは可哀想になるけど頭からいただきます」
     さらに続いた蓮の口の中にも、優しくて美味しい甘さが広がって。
     記念に写メを撮っている千鶴に、後で回してとお願いする嵐。
     土産のハリネズミさんも沢山買って。
     そして通行人を呼び止め、皆で記念にハイチーズ!

     【星空芸能館】の皆をより鮮やかに彩るのは、チャイナドレス!
    「きっと紗里亜さんなら、すっごく素敵に着こなせると思うわ、美人だし!」
    「結衣菜ちゃん、小学生向けもちゃんとありましたよ」
     依頼に必要な衣装を探す紗里亜に微笑んだ結衣菜用にと、レモンイエローのチャイナをえりなは見つけて。
     さやかも、ブルーのミニ丈のものを選んだ……のですが。
    「なんとなく長い丈になっちゃった」
     濃緑に金糸縁のノースリーブミニのものを着てみた紗里亜も。
    「わ、えりなさんちょっと刺激的かも! くるみさんの白も品があって可愛いです♪」
     皆の姿に、素敵です♪ と笑む。
     でも、ドレスだけはありません。
    「アクセサリーいっぱいあるね。このパンダさん、かわいい~♪」
     くるみはそうパンダさんアクセを手に取って。結衣菜とさやかが見つけたのは、各々お目当ての蝶モチーフや翡翠のブレスレット。えりなも手にしたシュシュで、くるりアップループ。
    「おー、みんなよく似あってるぜ。なんつーか、雰囲気がいつもと違うな」
     店の外で待っていたファルケは、華の様な皆の格好を眺めながらも。
     一緒に、リサーチしておいたハリネズミまんやぱんだまんを買いに。
     そして、占い屋で占うのは勿論……ドキドキの恋愛運?

     月餅といっても、黒あんに白あん、クルミあんにミックスナッツ。
    「相変わらずいろんなのがありますね」
     奇をてらわぬ方が良いのか、それともここでしか食べられない変わったものか。
     真琴は【仮眠部】の皆と、色々な味を食べ比べ。
     そして育ち盛りでいたいけな中学生といえば、これ?
    「律ちんは肉まんが食いたいのか? オレはあんまんか桃まんが食いてー」
    「おいしいんだよ。お肉がぎゅっとつまってて、皮ももっちもちなの」
     律ははふはふ肉まんを頬張りつつも、なんぞ共食い? と呟くマサムネに頷いて。
     口を火傷せぬよう凛月が食べるのは、これまた定番のあんまん。面白そうだから、何気にピータンも一緒に!
     そして。
    「やっぱり中華街なら中華まんね」
     誰かとのお出かけが初めてなクレハも中華まんを買うべく。赤のロング丈チャイナを着た、お団子頭のメガネな売り子さんへと声を掛けるも。
    「仮眠部の皆、カミーン♪」
     オーッホッホッホ! とジョークも絶好調!?
     一足早く中華まんをゲットし、看板娘のフリをしたキングのドッキリです!
    「僕は、エビチリをいただこうかなぁ」
     そして、蟹入り海鮮、甘辛エビチリ、激辛ラー油の3種を買ったクレハから、ひとつお裾分けされる透。土産のパンダ饅を死守つつも。
    「中身で選べるけど誰か激辛を食べるのかしら?」
    「うふふ、マーホアもあるからこっちにする?」
     クレハと律のそんな言葉に、歩夏は皆の買ったものを少しずつ拝借して。
    「……うう胃もたれしそう」
     味が苦手だと言ってられません。調理学部所属のミキは、お目当ての杏仁豆腐だけでなく、いろいろ食べて研究を!
     そして食べ歩いた後、次の目的は。
    「帰ったら部の子に着させてやるぜ」
    「野郎のスリットチャイナなんざNoThanx!」
     華やかなチャイナドレス店に。
     回るテーブルの店で一休みしつつ食べる、美味しいチャーハンや飲茶!

     活気ある中華街で、一際賑やかなのは【光画部】の皆。
    「おじさん! 肉まんちょうだい!」
     あれもこれもと目移りしながら、張り切って食べ歩くまぐろ。
     あるなもスリット深いチャイナドレスで、杏仁ソフトにプリンパイにジュースにと、甘い点心狙い。
    「ちまきも美味しいよねー☆」
     いっそ全制覇する勢いです!
     メイニーは武流と半分こしようと、二つずつ肉まんを買ったものの。
     半分この意味を取り違えていることに気付いて、思わず紅潮してしまうけれど。
    「はい、あーん」
     色んな種類の中華まんを一緒に、そして彼女の笑顔を楽しめるようにと。
     武流はメイニーへ、半分こした肉まんを、あーん。
     そして、いちごを捕獲した桐香は。
    「肉まんでゲーム、します?」
     互いに端と端を咥えて食べるあのゲームを、肉まんで!?
     でも、そうはさせません!
    「いちごくんっ、ちまき買ったけど食べようっ」
     と言うか、胸押し付けちゃダメだよっ! と、負けじとすかさずちまきを差し出して。
     胸が当たっていることにも気付かぬほど身を乗り出す由希奈。
    「2人とも落ち着いて……!」
     そんな一歩も譲らぬ二人の、また違う肉まんの感触に、顔を真っ赤にさせるいちご。
     決してイヤではないけれど……恥ずかしくて、これでは味に集中できませんっ。

     つぶらな瞳をした、掌のハリネズミまん。
     その可愛さに葛藤する煌介だが。
    「食べないなら頭からもいで一口貰っていい?」
    「……せめて尻尾からにしてやって、っす……」
     煉火に、せめてそう懇願。そして。
    「食べようとしたら目があった……!」
     オ、オレはどうすりゃ……と呟く譲の耳元で、ハリネズミさんの声が!?
     そんなアテレコをしつつ、さすがご当地、煉火はパンダまんをしっかり買って。
     葛藤こそないけれど、パンダ風というジェラートに首を傾ける煌介。
     友達と、はしゃぎじゃれあい小突き合いながら、今日は食い倒れる心意気!?
     でも食い倒れるまで帰さないけれど。煉火の奢りではないようです!

     幾つも袋を下げ、豚まんとごま団子を握る春の、【やさしいあめのふるところ】の食いしん坊仲間・ツェザリは。民乃が写メ撮る間も我慢できず、むしゃり。
     そして大量の戦利品抱える春に、くすりと笑んで。
    「ね、クレープあげる!」
     はい、あーんして? と、杏仁クレープを差し出すまこと。
     そしてその礼はエビチリまん。でもこれ、どこかで見たような??
    「あれ? なんか減ってね……?」
     袋をごそごそしている民乃から、春が奪ったものです!
     ツェザリもまことからクレープを一口貰って。
    「皆で 食べる、おいしさ、増える?」
     じゃあ、俺のも皆にあげる! と。
     齧り痕のある大きな肉まんを割って、おいしさのお裾分け!
     タピオカごくごく、暫くはぷんすこしていた民乃も。
    「……ま、それでいっかな♪」
     皆と過ごす時間は美味しくて。やっぱり、楽しいから。

    作者:志稲愛海 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2014年5月7日
    難度:簡単
    参加:80人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 1/感動した 0/素敵だった 6/キャラが大事にされていた 15
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