地獄合宿~九州大演習・大規模戦山岳サバイバル!

    作者:志稲愛海

    「ここって、福岡の地獄合宿説明会だよね? お邪魔しまーすっ」
     そう地獄合宿の説明会場に姿をみせたのは、飛鳥井・遥河(中学生エクスブレイン・dn0040)。もしかしてエクスブレインな彼がこの合宿に参加可能であるのならば、今年はそんなに地獄ではないのかも?? なんて……一瞬だけ思った灼滅者達。
     だが。
    「あ、今年の福岡の地獄合宿はね、未来予測の必要がある内容だからさー。オレはその解析結果を、みんなに話しに来たんだよー」
     勿論そんなわけありませんね、ええ!
     それにしても、未来予測が必要な地獄合宿とは、一体どんなものなのか。

    「鹿児島で起こった、伝説の彫師事件はまだ記憶に新しいよね? 実はさ、その事件で作成された軍人風の強化一般人がね、敵の指揮を外れて、九州の山岳地帯で『自給自足徹底抗戦』を行なってるようなんだ」
     その軍人風な強化一般人達は、そう強敵ではないというが。
     予知された軍人風強化一般人達の数は、この福岡の地獄合宿参加希望者の約2倍程度。
     この強化一般人達は組織的な作戦行動を行うため、大規模戦の訓練には丁度良いし、何よりこのまま彼等を放っておくわけにはいかない。
     ということで!
    「今回の福岡の地獄合宿はね、そんな軍人風の強化一般人達を倒す際、大規模戦の訓練をしよう! って内容なんだよー」

    「軍人風強化一般人達が『自給自足徹底抗戦』してるのはね、福岡県と佐賀県の境にまたがる『脊振(せふり)山系』だよ。総指揮官は『少将』で、この少将率いる本隊、大佐が率いる精鋭の打撃部隊、中佐率いる索敵能力の高い警戒部隊、少佐の率いる愚連隊が、それぞれこの脊振の山岳地帯に配置されてるようなんだ」
     総指揮官の『少将』は、元はサバイバルゲーム好きな中年の男で、当時のサバゲー仲間からは『鬼軍曹』と恐れられていたらしいが。『鬼軍曹』から『鬼少将』となった彼は、やたらはりきって強化一般人達を指揮しているという。サバゲーと実戦は別物だが、伝説の彫師事件を得ており、普通の一般人よりは専門的知識も豊富であることは確か。強くはない敵の群れとはいえ、この強化一般人達は組織的な作戦行動を行っているため、無策で飛び込めばふるぼっこされるかもしれない。
     そして、精鋭の打撃部隊を率いる大佐は逞しいゴリマッチョなおネエ、索敵能力の高い警戒部隊を率いるのはセクシーな女大佐、愚連隊を率いる少佐は金のたてがみにピンクの学ランを装備した、地元・修羅の国を束ねた伝説のヤンキーと謳われる男であるという。
    「個人参加で孤高に戦場を駆けるのもいいけど、折角の演習機会だから、チームを組むのも面白いかも。敵は強くはないけど数いるし、策敵範囲も広いから……『仲間とはぐれて連携不可な状況であると想定して訓練をする』とか『前の戦闘の後に心霊治療を行ったという状況を設定して回復サイキック使用禁止縛りにする』とか『どこに敵がいるか判らない状況だけど、ここは空気を読まずにドロケイしてみる』とか……それぞれ、この状況をより生かした演習を、参加するみんなで工夫してみてねー」

     しかし、忘れてはいけない。何といってもこれは――『地獄合宿』。
    「昨年の福岡での無人島サバイバルに比べれば、今年はそう地獄ではない気がするが」
     集まった参加者のひとり・綺月・紗矢(小学生シャドウハンター・dn0017)はふと、そう首を傾けるも。遥河は、さらに説明を続ける。
    「あ、そうそう、訓練期間中の衣食住とかは、自力で勝手になんとかしてね! だって。数もそこそこ多いし戦場となる範囲もかなり広いから、敵を探し出してから殲滅するまでには3日くらいはかかるかも。相手も襲撃に遭ったら夜も積極的に動いてくる可能性もあるだろうし、そうなるとおちおち寝てもいられないから、不眠不休での大規模戦になりそうだね! もしかして逃げられるかもだから、訓練期間中、敵を殲滅するまで山から出ることは禁止だって。あ、あと脊振山系は九州だけど冬は有数の多雪地帯となるくらいの寒さで、もう雪はないけど夜とかかなりまだ冷えるんだ。それに雨も多いらしくて、訓練中に土砂降りなどの悪天候に見舞われることもあるかも。急な崖とか沢も多くて、足元も不安定な場所多いらしいよ」
    「ってそれ、結局今年もサバイバル地獄なんじゃねーか! しかも今回は敵がいるってわけかよ……」
     そう大きく嘆息するのは、伊勢谷・カイザ(紫紺のあんちゃん・dn0189)。そんなカイザに、遥河は首を傾けて。
    「まぁ、自給自足してる敵の食料奪ったり、有毒なものもあるかもだけど山の動植物とかちょっと食べてみたりとか、みんなならなんとかなるんじゃないかなー? 滝や川もあるから水辺にも何かいるかも? あ、ちなみにこれ訓練だから、防具ESPは使用禁止だって。その他の道具や食材は持参OKなんだけど……その際は、自分で荷物抱えて持ち込んでね!」
    「って、なんとかなるのか、それ!? しかもこの福岡に至るまでって、札幌でマラソンして東京で勉強漬けになって名古屋でサイクリングして大阪で遠泳するけど、まさか……」
    「うん勿論、荷物持ち込む気なら、その間もずっと自分で抱えててね! ってことだねー」
    「なるほど。札幌から続く地獄の終着点である、この気の抜けぬ九州の山岳の戦場で。敵は勿論、飢えや寒さや自然とも戦う、か……伝説の彫師事件で作成された強化一般人は確実に全て倒しておくべきだし、思った以上に過酷でサバイバルな大規模戦訓練になりそうだな」
     そんな紗矢の言葉に、まぁこれ地獄合宿だしねーと、へらりと笑んだ後。
    「じゃあオレは武蔵坂学園で、みんなの無事の帰還を待ってるから!」
     気をつけていってきてね♪ と。
     遥河はこれから地獄へと放り込まれる灼滅者達に、エールを送るのだった。


    ■リプレイ


     サバゲー? 空気読まず【りとらべらー】で、だるまさんがころんだしようぜ!
    「童心にかえって楽しみたいですわね」
     転ばないよう気をつけた方がいいかしら? と、じわじわ移動する隼世の隣で。
    「ひっ! くすぐるのは反則だよー!?」
     手をわきわき、夕眞のくすぐり攻撃で、次は唯空が鬼!
     だるまさんが~とペースを変則的にし、皆の油断を誘う唯空に。
     誰よりもぴたっと止まる夕眞。遵も、超かっくいーポーズでビシッ!
     そんな姿に吹き出すも。不意にやってきたのは……強化一般人。
    「轟木さん、あのKY野郎共を凹ませて来ていーっすか!」
    「邪魔しくさってからに。覚悟しぃや」
     楽しく遊んでたのに空気読んでください!
     そして鬼が背を向けている間に、敵へと全力攻撃を放つ蓮。
    「じゃないと捕まる。捕まるの、恥ずかしいじゃない」
     鬼に動きを見られたら捕まりますもんね、ええ!

     一方、【路地ラジ】の皆が挑戦するのは、3日間耐久かくれんぼ!
    「見つからんよう頑張るぞー!」
     おちょくる鬼は、索敵能力の高い女大佐部隊。
     見つかってもしばき倒すだけですけど!
    「あら、これはお仕事ですよ?」
     悪戯なんかしてませんよ? と。子供マインド開放中なリュシールは、逆にこっそり敵をつけて拠点を探り当ててみたり。
    「じきゅうじそくってたいへんなんですね」
     忍はかくれんぼに勤しみながらも。隙をみて、一やリュシールと釣りも楽しむ。

    「日本の山の水は基本そのままでも飲める、はず」
     飲み水を調達し、空飛ぶ箒で実を採取した織姫は、周囲の偵察をしつつ【フィニクス】の拠点に戻るが。
     この地獄にガクリと膝をつくさくらえが採取したのは……やたら鮮やかなキノコ。
     これ明らかに毒持ってますよね!
     だが靱はハッと思う。キノコには一日踊り狂う神経毒を持つものもある。
    「つまりあれですね、毒でやられてる内に合宿が終了している、と」
    「あはは、そんな合宿リタイヤテクなんて……ある意味アリかも……?」
     って、アリなの!?
    「…ってさくら、御納方くん? それ食えねぇしっていうか有毒キノコでラリるとか魔人生徒会の前に俺が全力で却下!」
     いえ、勇弥が一息で言い切って全力却下です!
    「その毒々しいほど綺麗な色したキノコは観賞用でいいんじゃないかしら」
     枝や石を拾う涼子も、そうそっとキノコを遠くへ退避。
    「現実逃避したい気持ちも判るけどな」
     そう冷笑する健が妖の槍で捕ってきたのは、川魚!
    「あ、それは食べて大丈夫みたいです」
     壊れ気味な先輩達に一時はハラハラしたが。
     食用の野草かをチェック、魚を捌く勇弥を手伝いつつ、クラウディアは蒔拾いや水汲みを。
     そしてやはり、地獄の沙汰も飯次第……?
     実の郷土料理も振舞われ、ご飯や珈琲で一息、戦いに備えます!
     例の鮮やかなキノコは……強化一般人な方々に振る舞えばいいんじゃないかな!

    「フフフフフ、これが本当の着ぐるみの森!」
    「やっぱりこの格好が一番落ち着くんだよー」
     【文月探偵倶楽部】の面々も、いざゆけ無敵の着ぐるみサバイバル!
     目つき悪いクロネコぐるみの直哉にイフぐるみな毬衣、そして。
    「葉っぱ、迷彩色に染めてみた!」
     迷彩葉っぱな、ヒマワリぐるみ!?
    「悪くないと思うわ」
     金糸雀はミカエラに頷いて。すごい! と飛び跳ねるサニー。
    「ヒマワリは常に野生っす」
     情報収集担当のレミもそう断言した後、熊らしき影を発見! キャリバーとの絆を深めるべく、うりゃー! と突撃すれば。
     ぶぎゃー!? と轢いたのはクロネコさんでした! 危うく殺人事件が起こるかと!?
     そしてクンクン匂いを嗅いだ毬衣の声も聞かず、怪しいキノコを食べた直哉は。
     にゃふふふふふふ! と笑い上戸に……ワライダケでした。
     それから、解体ナイフ1本でバサリと食料を調達しては捌く桐香であったが。
    「さぁ……! ステキな悲鳴を聞かせてちょうだい!」
     本能のままに、皆と共に。突然襲撃してきた敵をも容赦なく捌いていく。

     織久と翔が調達した食材を見て。
    「このキノコ、随分カラフルだけど食べれるのかな?」
    「蛇も蛙も割りと美味いんですよ」
    「二人とも、まともな食材を探してくださいまし!」
     どんなものでも美味しく料理するけど、せめて一般的な食材に! と。
     ベリザリオはそう却下!
     そして……ふと、何者かの気配を背後に感じて。
     勢力情報や水や食料を奪うべく、いざ慈悲なき攻撃を仕掛ける【弟同盟+兄】。
     生き残る為の手段は選びません。
     何故ならこれは、地獄合宿なのだから!

     【糸括】も敵地侵攻……ていうか、キャンプしようぜ!
     時に、案外上手くいってんの? と釣り糸垂らす明莉に訊かれたナディアは。
    「おかげさまだよ、ほんとに。ありが……! 木元さん魚来てる!」
     礼を言ういい機会……って、引いてる!?
     そして野草を探す心桜は。
    「この草、くるくる巻いてかわいいよっ」
    「わー、かわいいのう、くるくるじゃ」
     杏子の見つけた山菜に笑み、可愛いお花を彼女や輝乃、ここあの頭に飾ってあげて。
    「……有り難う。荷物持ち、任されました」
     杏子は荷物を持ってくれた理利の頭にも、お花を。
     そして、毒があるって見分けられるの? と訊かれ、輝乃は遠い目をし頷きつつも、食べられる山菜を籠の中へ。
     それから夕食時――山に変態だっ、ではなくて軍人だ!
     飯盒炊爨への情熱を遮られ、怒りの鉄拳を敵へと見舞う明莉や暗に輝乃も続いて。
    「皆との楽しい時間、邪魔しないでくれる?」
     イドが陽動する中、ナディアも木立を利用した死角からの致命の一撃!
     ご飯は死守、楽しいキャンプを邪魔するなんて許しません!

    「なんだかキャンプみたいだね」
     皆と談笑し、兼弘のジンギスカン鍋や、舞子とむすび持参のご飯を配膳する謳歌。
     それはただのキャンプの様だが。
     ふとエリザベスが送るのは……ハンドサイン。
     これは敵を誘き寄せる作戦、【正義の味方部】の演習は食事中の襲撃を想定した訓練!
    「キャプテン、新しいジンギスカン鍋です!」
    「スレイヤーズアッセンブル! 迎撃開始だ!」
     白マフラーを靡かせ敵を殴り飛ばした太郎が投じた予備の鍋を被って。
     ヒーローチームの出撃といえば的な声を上げる兼弘。
    「……その号令は少し不味いんじゃないか?」
     エリザベスはそうツッこみつつも、樹上から敵部隊へ奇襲を仕掛けて。
    「そのサインなんだっけ!?」
     確か、ご飯残すな??
     謳歌の連携のハンドサインにご飯をかきこんだ舞子も、鍋をむすびに任せ出撃!
     ジンギスカンが焼けるまでには終わらせます!

     水花も級友のヘルマイとカイザを、即席のチームに誘って。
     持参した塩で捕った魚で塩焼きに。カイザもその料理の腕をふるう。
     そして。
    「ほら、見てごらん。頑張って作ってみたんだ」
     ヘルマイの料理は……消し炭とか青色!?
     そんな異臭漂うソレを、食べるかい? と勧められ、口にしたカイザは。
     違う意味で地獄をみるのだった。
     そんな級友達に、やっほー元気? と声掛けた凛華は。
     川の近くにベースキャンプを用意したチーム【月隠堂】の皆と、食料や水の調達を。
     だが他の皆に食料確保を任せ、周囲を警戒するエリノアが発見したのは――敵。
     どうやら他の灼滅者の襲撃で指揮系統が乱れた、残党部隊らしい。
     そんな敵に追い討ちをかけるべく、相手をひきつける攻撃をエリノアが仕掛けて。
    「瑠威……後ろは……任せた……」
    「勿論、一撃たりとも通させはしない!」
     恋人と背中合わせで戦いに臨む零桜奈が、相手を殲滅すべく二天一流、敵陣へと斬り込めば。
     瑠威の攻撃に気を取られた敵に、死角からの芹の一撃が。ナナも懸命にふわふわハートを飛ばし、凛華も片っ端から敵を倒すべく戦場を駆ける。
     そして。
    「今のところは順調ね……っと」
     掃討が終われば次は。歓談しながらの、確保した食材を使った食事の時間。

     【イトマカルタ】の皆と過ごすサバイバルに、どきどきでわくわくするよね! と。
     かなりポジティブな優太とは対照的に、何だか顔色が悪い漣香は。
    「雉とか美味しいよ。兎も結構いけるし」
    「オレ缶詰! 缶詰だけでいいから!」
     サバイバル能力が高すぎる茜歌の、見事な手捌きを見ないようにして。
     そんな彼へと、持参した缶詰を分けてあげる祥太。
     ですが。
    「……うん。スープにすればたぶんばれない」
     猫缶って書いてあるけど、たぶんばれないよね!
     そして。
    「あのゴリマッチョ大佐ってどこか茜歌ちゃんに似てない?」
     優太は警戒中に見かけた逞しいオネエ大佐を指差しつつ、何気にとんでもない内容を漣香に振るのだった。

     この学園バカだよな全く! と、地獄の鬱憤を敵にぶつけた後。
     特製カレーを作る太一に茉莉が渡すのは、山菜やキノコと。
     つぶらな瞳の子ウサギ……ですが。
    「あーあ……肉なしカレーとか、がっかりです」
     そうからかうように笑う茉莉に、野菜カレーの気分だと言いながら。
     太一は子ウサギにも、山菜の夕食を。

     【西久保2-1】の級友と過ごすGWは地獄でした!
     ここまでの疲労が堪えている皆に、クレイは小さなチョコを配って。
     シグマは、敵との戦闘の際は奇襲をと……そう考えていましたが。
     不意にニヤッとガトリングガンを構えた星人が見つけたのは――敵部隊。
    「……うん、みんなのご飯貰いに行こうか……」
     何だかリアの目がヤバイです!
     でも、食糧ゲットの機会!?
    「そうね、足りないご飯は現地調達、よね。うふふふ」
     そうテンションがおかしいまま突撃しようとする春陽に、クレイも立ち上がって。
    「待った待った俺も行く! 2人だけで行くと危ないぞ!」
    「っし、終わったらきっと美味い飯が食えるぜー」
     梛も得物を握り、手をひらり。戦略なしでも勝てばいいんです!
     そんな皆を一時は止めようとしたシグマだが。
    「諦めよ、妾も正面突破を推奨するぞ。憂さ晴ら……ストレス発散に!」
    「……どいつもこいつも、ったくしょうがねぇな!」
     お前ら、援護は任せろ! 思いっきり行け! と。
     食糧確保と憂さ晴らしをすべく、いざ敵部隊へ突撃!

     【青空教会】の皆も、合宿最後のサバイバル!
    「味がまろやかになるんですよね」
     芙蓉は扶桑お姉と作ったカレーに、隠し味のヨーグルトを入れて。
     近くにいた敵をぶっ飛ばしてきたついでに、山のような罠を仕掛けたという幸谷は。
    「化野、へいパース!」
    「うわ、何じゃこりゃ!?」
     お、俺の体が侵食されるぅー! と声を上げる十四行に、キアゲハタイラベニナメタケと命名したキノコをポイッ。
     そして。
    「芙蓉のカレーは美味しいね。おかわりもらえるかい?」
     そう流季が皿を差し出した、その時。
     トイレに立った幸谷のいるだろう方向から、連続爆発音と悲鳴が!?
     自ら地雷踏んでフラグ回収したようです!

     有栖が設置した【一軒家勢と仲間達】の拠点は、入口は目立たなく狭いが。
     中は広く、石の目印が置かれた休憩所。
     そして昴が簡易調理台で拵えるのは、結実の捕った魚や野草や、小動物や鳥の炙り焼き等の夕食。
     休憩する皆と共に、作った食事を取ってから。
    「大丈夫か?」
     昴はふと結実に声を掛けて。
    「何、毛布で足りなければ肌寄せ合って寝れば良かろう?」
     冷え始めた山の夜、結実がそう答えた――瞬間。
     料理の匂いに誘き寄せられた敵が、仕掛けた鳴子にかかる音が。

     まさにちぎっては投げ、ちぎっては投げ!
     近距離戦闘の訓練を兼ね、敵部隊をぶん殴った後。
     ロアは、【三鷹北3年C組】の級友達とサバイバル!
    「そうですね、ここはやっぱりカレーですかね?」
     孤白は調達してきた鹿や山菜を、料理担当の人に手渡した後。
    「木の高い、ところに結べるハンモック、なら持ってきたのですが……」
    「ってか、ずりぃ!俺にも貸してくれ!」
     安全に眠れるようにと、ハンモックの設置を。


     楽しくて恐ろしい、不眠不休のサバイバル!
     柚琉と深槻は敵の殲滅量で勝負! 心霊手術は2回まで。
     一人対複数の立ち回りを訓練しつつ、潜伏し奇襲を目論む柚琉に対して。
    「人っぽいの吊るせばなんか来そうだな」
     竿で敵を釣ってみる作戦の深槻。
     勝負の行方は、纏まった敵を先に見つけた柚琉がやや有利?
     サイキック使用不可で敵の注意を引き続ける、これが二人の決めた縛り。
     ですが。
    「挑発、難しいです……」
     何故か敵に褒められた芽生。そしてナハトムジークの狙いは、挑発に乗りそうな愚連隊。
     そして縛りなしの最終日は、まるで怪獣VS軍隊!?
     反撃の見敵必殺で、ストレス発散です!
     陽和は境遇の似たカイザと話したいと、単身で彼の援護を。
     でもカイザを庇い、不利になったその時。
    「こんな危険なところに一人で突っ込むなんて朔夜らしくない」
     おねえちゃんが助けにきたよ!! と。炎の衝撃で敵を一掃したのは、姉の陽和。
     そして3人で料理を作りながら。色々な事を、じっくり語り合う。
     食糧や物資は基本、現地調達の成り行き任せ!
     角夜が敵の動きを成した結界で封じ、源一郎が慈悲無き鬼神の膂力で敵を殴り倒して。
    「そやつ何か使える物持っておったか?」
    「無いよ。つーかコレ山賊だよな俺達」
     ごそごそ物色しつつも角夜は源一郎の言葉に首を振り、また次の敵を探しに。
     5月5日は樂の誕生日! ですが。今年も地獄合宿真っ只中。
     朱里からのプレゼントは、野菜入りカップケーキ。
     そして二人で、レッツしりとり。勿論、戦闘中も続けます!
    「あーもー、こいつらほんと面倒」
    「『う』……うわー! こっちも敵いっぱいじゃん!」
     あ、最後に『ん』がついたから、朱里の負け!?
     悠里と玖露が競うのは、敵の撃破数!
     時々飛んでくる相手の攻撃をかわしつつ、両者とも敵を次々と薙ぎ払って。
     息もぴったり、最後の敵を二人同時に仕留めれば。
    「とどめは自分っすね。これで自分の勝利っす」
    「でも致命傷与えたのはボクだし、ボクの勝ち」
     わいわい仲良く、そんな喧嘩を。
     演習なので、それっぽいバスターライフルを用意したが。
    「フィアッセの中の淫魔が怒り狂っているのがわかります……」
     雨でゴスロリ服もドロドロ。さらに、敵と遭遇!
    「……チ……れ……」
     地面にめり込むほど踏みしめ、クリミアが敵へ杭を打ち込めば。
     ハンドサインを送るフィアッセも、何とか懸命に持ち堪える。
     夕食は、敵から拝借した食糧と野草。
    「携帯食料もどれだけ持つかな……」
     たき火をしつつ呟く悠蛇と食物を分けながら。
     雛菊は、うん、頑張ろう、と交代で夜の見張りを。
     理不尽だけど一人じゃないから。
     そして……敵の気配を感じて。
    「乗り切って校長先生に文句の一つは言わんとね」
     仕掛けた罠へ誘き寄せる。
     九音・律の訓練は『戦闘補助による支援』――つまり罠作成!
    「うふふ、ねぇいまどんな気持ち?」
     蓮太郎は、敵を誘き寄せ罠に嵌め写メを撮り、サボる律に嘆息するも。
    「さて、軍人もどきども。降伏するか、このまま生き埋めになるか、10秒以内に選んでもらおう」
     この後全員ボコって、山賊の如く物資回収です。

     仁人の目標は『敵本拠地の発見』。
     まず食糧調達と地図の作成。水源は相手にとっても重要、特に要チェックして。
     周囲に潜み、敵の物資補給を待ち伏せる。
     三成が狙うのは、伏兵潰しや斥候潰し、兵糧庫破壊。
     身を潜め無音で、まず強化一般人1体を仕留めて。
     敵の拠点を見つけるべく、泳がせた敵の後を追う。
     こういうのは好きではないが、放ってもおけない。
    「合宿とはいえごっこじゃないんだ。手加減は出来んぞ」
     本物より自分達の方が鬼じゃろうなと。篠介は樹上から敵へ襲撃を。
     そして勇介が思い返すのは、父の話。
    「……改造さえされなければ、みんな普通に生きていられたんだ」
     そして、羅刹に一矢報いてやる、と。灼滅された敵を弔う。
    「よかったら、うちの子と一緒に過ごさへん?」
     采の誘いに頷くカイザの横で、ゼロも采の霊犬と戯れつつ尻尾ふりふり。
     そして敵撃に、真っ先に駆ける2匹。
     正直、帰りたいけれど。
    「行きますよ、天網丸」
     少数部隊を見つけた武之介は潜伏場所から踊り出て。
     霊犬との連携訓練を目的に、息を合わせ天網丸と連携を。
    「伊勢谷と綺月、大丈夫か?」
     二人を助太刀する友衛は敵を薙ぎ払いつつも。
     灼滅者同士連携できるよう、演習を。
     この地獄は厳しいが……まだ、大丈夫。
     勉強SPでストレス溜まりましたが。
     今こそ勉強の成果を試す時!
     英語版ゲリラ戦術指南書片手に、剣は敵の動きを予測、多数の落とし穴やネットトラップを。
     略奪時以外は木から降りない縛りを決めて。
    「おらおらそっちじゃねーぞ、はっはー!!」
     少数部隊へと奇襲し、暗黒微笑を浮かべつつ、紅鳥は食糧を略奪!
    「ヴゥゥゥゥゥゥ~~~~~~」
     今までの合宿でさらに凶暴化!?
     未空の放った小石や小動物に敵が油断した、刹那。
    「グリィィィィィィ~~~~~~」
     山岳に殺人鬼の雄叫びが!
     地獄から逃げたつもりが、次はサバゲー地獄!?
    「イーーヤーーッ! っていい加減にしろこのヤロー!」
     ヘアバンドで前髪上げた梵我は、敵に八つ当たり攻撃!
     地獄合宿最後の灼滅バイアスロン!
     今までの合宿で徹夜も慣れたもの!? 小太郎は敵から食糧を奪いつつ。
     徹夜でただひたすら、二丁のガンナイフで灼滅!
     知信は敵の攻撃を得物で受け止めて。
     とにかく突っ込んでぶっ飛ばす! そんな戦い方を繰り広げる。
     追い込まれても戦い抜ければ、きっと自信になるから。
     珍しく作戦を立て臨むのは、炎次郎。
     まず敵の軍服を奪って。本陣に乗り込み、混乱を与えようというが。
    「!」
     正体がバレて、結局刀を抜き戦うことに!
     多くの敵を倒し、もっともっと強くなるべく。
     蔵人は単独で敵部隊へ戦いを挑んで。
     ヴァルナガンドで殴り、漆黒の焔を纏う菊一文字則宗で敵を叩き斬る。
     紫楽の演習は、戦場で孤高した際の対応。
    「気楽に舞い殺そうか。徒花の血の華が咲く哉、曼珠沙華」
     臨機応変を心がけ、慈眼刀と糸を閃かせ敵を斬っていく。
     刻葉も、敵地で単独行動する事になった想定で訓練を。
     単独ゆえに敵の処理は迅速に、倒した後食糧を奪って。
     次は休めるような、身を隠せる場所を探す。
     エニシアが臨むのは、集団を相手取る戦い。
     先制の一撃を見舞った後、確実に倒せる敵から狙って。
     木の上でFlower pop Candy食べつつ、休憩を。
     ダークバイターをナイフの様に使って。
     ジェノバイドは戦闘にサバイバルにと皆の助太刀をして。
     キノコに手は出さず、魚や動物、敵から奪った物を食糧に。
     昼に敵の位置を確認し、ブービートラップを仕掛けた佐奈は。
    「さて暗殺者の力の見せ所ね……」
     夜、暗視スコープを使いつつ。敵を倒すべく行動を始める。
     男だけの少数部隊を狙って。
     ゲリラ戦の実践演習のつもりで奇襲した榛は。
    (「……もう二三組襲って恐怖を煽っておくかのぅ」)
     食糧を奪い、また闇に紛れる。
     愛美が設定する目的は、単独での潜入任務。
     警戒部隊を早期撃破すれば、仲間の援護になると。
     敵を一撃離脱、確実に仕留めながら。愛美は女大佐の捜索を。

     その頃――寒さに耐え切れず、血の炎で暖を取る苺龍だが。
    「はっ!? 敵に見つかってしまたアルー!?」
     索敵部隊のセクシー大佐に見つかって、仲間に助けを!
     相棒のテディはお留守番、一人で望む紅葉は。
     山菜や茸を採りながらも、そんな悲鳴に気付き、確実に一体ずつ敵へと攻撃を仕掛けて。
     大佐こそ単独で撤退したものの、近くにいる灼滅者達と敵を殲滅すべく共闘を。
     敵の総数は多いから、そう一度の戦闘に時間はかけられないと。
     近くに居合わせた龍一郎も一緒に、一気に敵部隊を殲滅すべく戦闘に加わって。
    「邪魔するなー♪」
     イオも戦闘音を聞きつけ、飛び入り参加!
     勉強漬けは本気で辛かったけれど。サバイバルは得意分野です!
     仲間の助太刀をするのは、ペンギンぐるみ!?
     いえ、沖縄ご当地の技を駆使する星瞑です!
     そして防具ESPは禁止。キノコグルメは残念ながら没収です。
     休める時にしっかり休めるように。
    「交代で見張りはどうかな」
     ヴェリテージュが言った直後、二人は戦闘音に気付き、駆けつけて。
     これも修行の一貫。
     盾役に早く慣れるべく、ヴェリテージュはマキシミンを庇う様に立ち回って。
    「相手が嫌がることとかしたくなるだろ?」
     日頃の鬱憤を晴らすように、マキシミンは敵をBS漬けに。
    「敵も合宿に利用するとは学園のほうが恐るべしだよ……」
     そう呟くアシュも銃の訓練。
     こっそり木から味方を援護しつつ、スナイパーらしく遠くの敵を狙撃!
    「何か無茶したって別に大丈夫だよね、的な勘違いしてませんかね学園って」
     そうぼやきつつも。
     榮太郎も敵に囲まれぬよう警戒し、ヒット&アウェイで交戦!
     持ち込んだのがお菓子だけだと気付いたけれど。
    (「うん、やるだけの事はやらないとね」)
     近くにいた早苗も皆と連携をはかり、無理な追従はせず、確実に敵を倒して。
     闇薙・ナナも、この地獄に愚痴りつつ。
    「こういう生活もたまには悪くはないですね……?」
     愛用の棍を杖にして、遭遇した敵を殴りつつ、味方には回復を。
     そして、遊撃手として皆のフォローをする訓練をしていた那岐は。
    「この人たちってやっぱり元に戻らないんでしょうね……」
     死角から最後の敵を仕留めた後、そう呟くのだった。


    「精神力を鍛える合宿だと思えば……思えねぇよ!」
     迦月にとって救いは、遥香と一緒な事。
     そして遥香の目標は『二人で出来るだけ平和に過ごす』ですが。
     魚を釣ろうとして、川に落ちびしょ濡れに。それなら山の幸!
    「あの……ちょっと食べてみませんか?」
     でも彼女の手には。死を覚悟するほど毒々しいキノコが。
     女の子と過ごす3日間に少し緊張するも。
     やべぇ、腹減った……と呟いた有栖に、零菜は食糧を。
    「さっきあの辺にいた敵からインフィニティーに乗っけて奪ってきたっスよ」
     逆兵糧攻めです、逞しい!
     でもやっぱり女の子。異性と過ごす時間に少し照れをみせるも。
     ヒーローとして女として、合宿で磨きをかけます!
     水場を確保した斬夜は、シェリカに拠点を任せ食糧調達。
     敵から奪ったり、魚を捕まえたりして。
     シェリカが水浴びをする間は、真面目に警護を。
     そして。 
    「次は私が見張ってますのでどうぞですよ~♪」
     ポニーテール揺らし、水浴び後のその脚やうなじにドキドキしながらも。
     時間をかけず、斬夜も水浴びを。
     孤独なスナイパー・エミーリアは。
     隠れて狙撃しては移動し……24時間、スナイプ実践練習!
     ……のはずが。
    「よかったらお弁当、一緒に食べようよ♪」
     英明と一緒に、途端にピクニック気分!
    「ほっぺたにご飯粒が付いてますよ~♪」
     戦場をよそに、ちゅっ☆ と米粒を取ってあげれば。彼から労われ、よしよし。
     彩蝶とファイブは培ったサバイバル技術で、動物や魚、果物を採取して。
     彩蝶が自らの焔で調理を。
     でも食事の前に……愛の巣に侵入したお邪魔虫の退治。
     そしてその後はまた。
    「フィーならずっと撫でてもらっていいよー。だって彼女だし」
    「アイラヴユーデスヨ、アゲハ」
     二人でイチャイチャ、サバイバルデート!
     野生動物を狩って食料を調達する間も。
    「大丈夫、しっかり握っているよ」
     詩乃の手を優しく握り締める大郎。
     そしてキャリバーさんが周囲を警戒する中、持参したアウトドア用品や器具を使って。
    「大郎くん、はい、あーん」
    「あ、あーん……」
     楽しく美味しく、二人でサバイバル!
    「ほら、もっとこっちにおいでよ、くるみ」
     気分はピクニック!
     降り出した雨に、タージはそうくるみを引き寄せて。
     二人仲良く食事をしていたその時、迫る敵の姿が!?
     でも。
    「おびき出すためにわざと油断してる振りをしてたんだよ!」
     敵が来なかったら3日間、いちゃいちゃしてるつもりでしたけどね!
     残す地獄もあと少し。
    (「異性として意識してもらうチャンスだな」)
     悠は拳を握りつつ、採取した食材を持参した器具で料理。
     そんな彼に調理は丸投げし、眞白は周囲を警戒するも。
     やってくる敵部隊を発見、食事の前に戦闘に。
     でも良い所を見せるチャンス! バッカルさんに回復を任せ、悠は全力で白姐を守る。
     アリスとミルフィは敢えて索敵させ、『小人数毎の遊撃部隊』としての訓練を。
     待機中、美味しいアウトドア料理を作ったアリスだが。
     ミルフィは敵襲に、すかさず援護射撃で足止めして。
    「アリスお嬢様、くれぐれも、わたくしからはぐれてしまわれないように……!」
     アリスも剣の祝福の言葉で回復支援を。

    「は~っはっはっは~。殺せ殺せ殺せーーーッ」
     今までの合宿でハイ状態だった勇飛だが。
     一旦落ち着いた後、遠泳で捕ったマグロを山菜とキノコで和え、皆に振舞えば。
     ライドキャリバーに食材積んで。
     借りた屋台を自力で引いて来たスレイルも、兵站確保という形で動いて。
     出会った皆に料理を振舞い情報交換、敵の偵察を。
     同じく灼滅者に美味しい料理を提供しようとする蘭花だが。
    「味付けには調味料がないと……」
     でも、調味料を持っていそうな部隊を見つけて。刀片手に貰いにいきます!
     そんな皆の料理を貰った後。
    「油断するなよ、風雪」
     自然と同化し進む久遠が見つけたのは。
    「……フォローしておくか」
     不自然なダンボール。
    (「自慢のこのダンボールに隠れて潜入するわ」)
     これは隠密行動訓練です。
     京香の目的は敵拠点、敵指揮官排除。
     まずは敵の巡回部隊と、近距離射撃戦を!
     見つけた敵を片手間に倒しながら。
    「折角山に来たんだ、動物見れりゃ」
     ザックを担いだ紋次郎は、一息ついてはきょろきょろと、ふわもこアニマル探索を!
     ユウジョウで暖を取りながら。
     無常が仕込むのは、小型カメラやレコーダー。
    (「防具ESP使った子は証拠を提出しちゃおうねえ」)
     取締りお願いします!
     サバイバルはダイエットに最適!?
     スニーキングをメインに、敵との戦闘を避けつつ動く天馬は。
    「唐揚げ……ステーキ……寿司……カレー……」
     腹の虫を鳴らして、ご飯の幻を。暴飲暴食のフラグ!?
     そして最初に専念して奪った食糧を材料に。
     黒秋が、紗矢やカイザや周囲の皆に持ちかけたのは、缶蹴りや鬼ごっこ勝負!?
     早速集まった皆で、鬼決めじゃんけん!

     灼滅者二人と霊犬一匹で、大人数の愚連隊と喧嘩!
    「さぁ、覚悟はいいな? 暴れるぞー!!」
     少人数で大多数に挑む時気にするのは、大切な物だけでいいから。
     アヅマとティンと、敵を横から奇襲する夕月。
     アヅマもペース配分しつつ、夕月の無事を最優先に。
     圧倒的人数差のある敵を、彼女達と打ち倒しにかかる。
    「男を縛る趣味は無いんだが、ツァリちゃんの為なら!」
     少しでも彼女の気晴らしになればと。
     真咲の放った鋼糸が、セクシーポーズを取らせつつ敵を縛り上げて。
     彼を信頼し、敵陣へ突撃するカツァリダは。
    「死でもって救済しましょう」
     斬り刻み、磨り潰し、神の力を知らしめるべく。全ての敵に平等に、異端審問を。
     武器とサイキックの縛りを決めて。
    「行くよ、花夜子」
    「アタシたちの力、見せつけてやろう!」
     霧江にも声掛けた後、愚連隊へ「Lunare Regina」を振るう花夜子。
     桐人も獣の如く動き、敵前衛を薙ぎ払いにかかって。連携が決まり、花夜子は霧江とハイタッチ!
     大事な人と戦える事は、嬉しくて楽しい。
    「本当に強化一般人だらけだな……無双ごっこできて楽しいけど……」
     そんな飽きてきた様子のクリスの肩に。
     桃夜はそっと手を回して……。
    「……って、ああ! もうキミたち邪魔なの!!」
     敵だらけの状況に、しくしく。
     でも疲れたら、ばびゅーんと箒で2人乗りして。
     こっそり木の上で、仲良く交代で休憩を。
     料理は空香の担当だけれど。
     リオナと初日に採った食材で、二人一緒に、楽しくサバイバル。
     夜は交代に見張りをしつつ、相手の寝顔に、思わず笑みが零れる。
     そして先に空香を寝かせ、火の番をするリオナは、ふと月へと手を伸ばして。
     月を掴むように拳を作ると、決意の眼差しを。
    「では、参りましょうか!」
     そう杖を振り上げる翔也に、はい、と頷いて。
     薫は彼と、物資調達の夜の戦いへ。
    「……申し訳ありません。こちらも生活がかかっているので」
     薫はそう言いつつも、手に入れた物資を袋にぽいっと回収。
     大好きな人と一緒なら。地獄でも、心のどこかで楽しいと思えるから。


     戦闘手法を研究するクラブ【戦戦研】には、うってつけの合宿。
     威力偵察を担う華琳は敵部隊を発見、打撃に効果的な戦場を探して。
    「招待状の配送完了……パーティへの誘導開始します」
     遅滞戦闘すべく射撃し後退しながらも、無線連絡を入れるフォルケ。
     それを受け、遊撃班を直率して。
    「ネーベル・アインより各隊員へ、目標を捕捉。距離約100、恐らく増強小隊規模。各員配置に付き次第状況を開始。支援はないわ、独力でカタをつける。幸運を祈る、以上」
     包囲殲滅を図る狭霧。
     ……――サァ、狩リノ時間ダ――……。
     影業と暗殺術を最大限駆使し、敵の防衛網を攪乱させるべくヴァイスが斬り込んでいけば。
     彼女と背を護り合い、絶妙華麗な連携攻撃を仕掛ける宗嗣は。
    「俺のお姫様に手を出す狼藉は見逃せ無くてな……?」
     木々を利用した頭上から、ヴァイスに銃を向けた敵を斬り伏せる。
     そして光の掲げた盾が皆を支援し戦線を支え、ナオヒトさんの霊撃が戦場をはしる中。
     サブジェクトが紅水晶の龍へと成り、凍てついた炎や轟く雷撃を発射し、魔力爆ぜる一撃にて敵を沈めて。
    「攻撃は通さないぜ!」
     翳す盾にて簡易の防護壁を成し戦線の維持に努めながら。紗矢の放ったオーラがまた1体、敵を打ち倒す。
     その間に月華が狙うは、部隊を指揮している人物。そんな敵を捕獲すべく麻酔銃で狙いを定め、物陰からズドン。
     ……その同じ頃。
     簡易テントを張った拠点で、野営班のナターリアは、運んできたダッチオーブンにて夕食を。用意するのは、ベーコンとビーツを使ったボルシチに黒パン。
    「これ、食べられると思う? 他には、こんな物も拾ったんだけど……」
     そう夢乃が持って来たのは、いかにもな毒々しい真っ赤なキノコや危険そうな草!?
     そして一樹が一口サイズに野菜を切り、七葉が門司港焼きカレーの仕上げにかかった――その時だった。
    「ようこそ殺し間へ、と言ったところか」
     拠点防御用のバリケードを築き、周囲に罠を設置していた松庵は、遊撃班からの連絡を受け迎撃態勢に入る。
     何かが動く気配を感じるたび、ガトリングガンと仮想矢弾を遠慮なくぶっ放つ芽瑠。大丈夫、きっと敵にしか当たりません!
     そして、気品高きバスターライフルの砲口を存分に敵に聞かせる……はずですが。
    「ヒッ!! わぁ~ん、もういやだ~。私を、私を家に帰してよ~~!!!!」
     とにかく撃っては、ヴィネグレットに抱きつき盾にし、祈るように蹲る参三。精神的にもう限界!?
    「ったく騒がしいわねぇ。救護所すっ飛ばして墓場行くかコンチクショウ」
     医学部所属の腕の見せどころだと、所属関係なく灼滅者の手当てにあたっていた瑞穂も、敵襲に愛用のM37フェザーライト・カスタムで応戦して。
    「貴方たちが調理されても、文句は言えないよね? だって人の邪魔をするそっちが悪いんだし……」
    「敵用のご飯は無いよ?」
     遊撃班と野営班で挟み撃ちし、次々と敵部隊を打ち倒していく。終わったらご飯ですよ!
     そして静かな夜――密かにテントへと近づく強化一般人の襲撃者達は。
    「夜はお静かに。皆さんの安眠を妨げてはいけませんよ」
     矧の張り巡らせた結界糸に吊るし上げられて。
     逃亡も許されず無音のまま、伸びた影に喰らい倒されたのだった。

    「……さあ、向かってこい。この拠点はもう奪還できない。俺たちがいる限りは」
     精々、無駄に戦力を浪費するがいいさ、と。
     にやり笑む恢の視線の先には、敵部隊の姿が。
     帰還途中の敵を発見し、その拠点を占領した今。
     次はやってくる敵を返り討ちにする、拠点防衛訓練を展開するのは【エピタフ】の面々。
     3日3晩の過酷な戦闘合宿。
    「本当に地獄だなこれは。どうせやるからにはいい結果を残したいね」
     鋼糸や縄で仕掛けられた京夜のトラップにまんまと嵌った敵を討伐すべく、ナツと共に動く沙花。
     雪もパパと、占拠した拠点を奪われぬよう、回復を担い戦線を支えて。
    「そらそらそらそら! 死にたいやつから前に出な!」
     ナチュラルハイ状態な智の衝撃が、次々と強化一般人を打ち倒していく。
     そして敵を掃討した後は、奪った物資で腹拵え。
     この地獄を生き抜くべく、見張り、休憩、索敵を3交代で行って。
    「……!」
     夜の見張りをしていたラピスティリアは新手を発見、除霊結界を展開し時間を稼ぎながらも。皆に、トランシーバーで連絡を!

     敵部隊の襲撃。だが慌てる事なく迎え撃つ【梟の帳】の面々。
    「数は多いが個々で見ると脅威は少ないな……確実に潰していくぞ」
    「体力勝負なら負けませんよー!」
     翼の声に頷いたミルミは、逃亡する敵にも、ダッシュしてパーンチ!
     戦闘だけでなくサバイバルも、皆で乗り切ります!
     一哉は、雨風が凌げる水場近くの場所を見つけ、拠点を設けて。
    「食材集めなら任せてね」
    「食用の草がわかるんだ、頼もしいね」
     レニーはディアナの野草の知識に笑みつつも。缶詰だけでなく魚も捕らんと、川へと目を遣る。灼滅者だから素手でも大丈夫!?
     そしてミルミのほっぺの汚れを拭いてあげたディアナの分も。
     夜襲や朝駆けに備え夜の見張りにつく翼に、声を掛ける一哉。
    「……少し寝てきなよ。無理でしょ、もう」
    「翼も一哉も、根詰めすぎちゃいけないよ」
     とんだ地獄だけど、だからこそ適度に。

     ――GO! ボアヘッド!
     隊の目・惡人が声を上げた刹那。
     振り回す剣が加速し、敵群を斬り刻みにかかって。
     罠の警戒や解除にあたっていた月吼も派手に立ち回り、心身共に敵を追い詰めにかかる。
     そんな【1stBH5】の野戦慣れした二人は、野草でも何でも食するつもりであったが。
    「主婦の家事スキルを舐めてもらっては困ります」
     栄養面も考慮し丹精に、料理の火で寄ってきた敵すら利用して。
     食材や器具の調達をすべく、撫子も手当たり次第、敵を狩っていく。

    「ここから先はいかせません!」
    「オマエら運が良いぜ。大凶に当たるなんてさ」
     これまでの鬱憤を晴らすように敵を殴り倒す、拳系巫女の鈴乃と共に。
     敵へと獣速で疾駆し、ナイフの連撃を見舞った白焔が血飛沫を派手に撒き散らせば。
    「雪風が……そこだと言っている」
     風を感じ確信をもった鞠音の狙撃が、敵の頭を吹き飛ばす。
     そして木の上から奇襲し、敵を細切れにしていきながら。
    「これはこれで楽しいですね」
     わたしはとても物騒ですね、と。好きな【七天】の皆との共同作業に、緋頼は笑みを漏らす。
     それから敵の殲滅後。
     ……食べます? と、手製の罠を覗き、首を傾けた鞠音に。
     鈴乃と緋頼は頷いて早速、捌く準備を。

     【カピバラ】の皆も、昼夜問わぬサバイバル訓練を。
     アカギに積めた事もあり何とか水や食料は持参できた面々は、順に夜の見張りに。
    「えりりんは気にしないでいぱい寝るお」
     アンジェレネや皆に甘え、エリオは就寝――の、はずでしたが。
     敵部隊を発見、連絡を受けた隊長の沙雪は皆を起こし、戦闘態勢を整えて。
     いざ交戦! 沙雪の螺旋描く槍が敵を撃ち貫き、次に一気に纏めて薙ぎ払いにかかれば。アンジェレネも茂みから、ばきゅーんとスナイプ!
     副隊長の榛名も仲間へ癒しと護りを施し、アカギの機銃掃射が敵を蜂の巣に。
     そして皆の指示に従いながらも、敵部隊を掃討するべく。
     エリオの生み出した鋭い裁きの光条が迸る。

     さぁ……狩りの始まりだ、と。
    「我が身は絶対零度の氷華なり。その身全て凍てつかせてくれる」
     斬り込んだキースが、死へと敵を導く氷の華を散らせば。
    「いっぱい沸いてる有象無象と、ついでに魔人生徒会を殲滅する炎を! 顕現せよ炎刃!!」
     朱海が敵に叩きつけるのは、燃え盛る炎。
     氷霧も敵陣へ飛び込み、真っ向から斬りかかって。
    「百の鬼の恐ろしさ、その身をもって味わって頂きましょう!」
     仲間の張った罠へと、何気に敵を誘導。
    「賢い奴は抜け出すか、そもそも引っ掛らないんだよ」
     まんまと罠に嵌った相手に、ここぞと八つ当たりする瞬。引っ掛った奴が間抜けです!
     そして、罠に気を取られた敵を狙う伊織は。
    「足元ばっかしみてると頭上がおろそかになってますぇ」
     卑怯? 褒め言葉やね、と笑み、皆がうまく立ち回れるよう支援して。
    「逃げられると思ったか?」
     【鬼縁】の作戦通り、罠に嵌った敵部隊を一網打尽に!

     戦場で繰り広げられている激しい戦いは、【路地裏談話室】と【吉祥】の敵撃破数勝負!
    「テメーら全員駆逐してやらぁ!」
     この地獄の鬱憤を発散するかのように、倒せる敵からぶっ飛ばしていく縁。
     そしてオフロード仕様にカスタムしたバーガンディで縦横無尽。次々と敵を轢き蹴散らしては、ヒャッハー! と、千尋も片っ端から敵をハチの巣にしていく。
    「競争はあまり興味ないけれど、やれというのであれば遠慮なくやらせてもらうわ」
     さぁ、撃たれたい者から前に出なさい? と。そう敵部隊へと狙いを定めた祇鶴が、後方から砲撃支援すれば。
     腕自慢を兼ね参戦した麗羽もシールドを広げ、集めたオーラの輝きで癒しを施す。
     そんな皆の指揮官役は、やや防御的な前衛として立ち回る悠一。
     普段は切り込み役だが今回はこれも経験。油断せず、味方の火力を集中させていく。
     そして戦場を駆けるのは、キュートでウザ系な2匹のアルパカぐるみ!?
    「ふふふっ―……常識外の行動は相手の理解範疇を超えて思考停止になるのよね」
     これも奇襲や囮役を狙った、螢とゆいの作戦です!?
     一方の吉祥も、負けてはいない。
    「吉祥隊、俺の後に続け!」
     敢えて敵の多い所へ、大将首も頂く心算で。
     雷上動の百億の星を放ち、雷光斬兼光の鞘を払いて居合斬りを繰り出し攻め入る尚竹。
     アインは周囲の強化一般人に肩を竦めるも。
    「背後は任せているからな。前進あるのみだ」
     大切な人に背中を任せ、手当たり次第に敵を叩き斬って。
     彼を狙う輩達に風の如く回転させた槍を見舞い、セディの嗅覚や聴覚も頼りに、アインを支援狙撃する梗香に。
     一撃必殺! オリシアはその火力を持って敵を次々と沈めながらも。魔力の霧を展開し、仲間達の力をより漲らせて。
     皆の盾となるべく前へ出たマイケルが回復支援も担いつつ、倒した敵から抜かりなく携帯食を回収する。
     そして後方から撃ち漏らしを片付けるべく。
    「長旅の終わりも近いな、星椿よ」
     愛刀を閃かせる雛菊。
     競う撃破数は、ほぼ互角。だが僅かに、路地裏談話室の高い火力が上回ったか。
     そんな両クラブも、敵を殲滅した後は。協力し合い、合同で野営を。

     ビリの人は罰ゲーム――そんな【宵空】の、敵討伐数競争!
     朔之助は乱れ手裏剣をばら撒き、戦場を駆けながらも。
    「は!? しまった……ライバルを助けてしまった!」
     条件反射で、ついライバルも回復!
     でもライバルでも仲間、それに。
    「そうそうにくたばって貰っちゃ面白くないだろう?」
     奏夢は敵に状態異常を付与しキノと共に撃破数を稼ぎつつ、皆の回復も。
     そして、敵を鋭き裁きの光条で貫いていく爾夜は。
    「……というか疲れてるんださっさと消えろ」
     疲労からか、心なしか乱暴さが!?
    「ふふ、燃えるわー」
     勝負は負けない! でも折角の機会だから。
     普段使わない列攻撃の強化を試みる七はどす黒い殺気を放出し、止めに魔術の竜巻を……放とうとした、刹那。
    「大変そうだから手伝ってあげよう」
     葵のジャッジメントレイが、戦果を横取り!
     そんな彼にブーイングしつつも――でも皆となら、なんでも楽しい。
     そして競争の結果は。
     僅差ゆえに、上手く立ち回った葵が首位、横取り分が響いた七が罰ゲーム!
     それからこれは地獄合宿。ドリンクバーは没収です!

    「さぁ、スピードあげてくよー!」
     【チーム凸凹】が試みるのも、連携訓練!
     黒の大剣と白い剣を手に敵陣を駆け巡る鈴が撃ちもらした敵を、日向と連携し狙い撃ちながらも。
    「たく……鈴のやつもらしが多すぎだ。って、九さん!? 後ろ後ろ!」
     そんな景人の声に、振り返った九は。
    「ん? 後ろ? ……きゃあ!」
     彼と連携して、月光衝を!
     そんな息の合った攻撃に、もしかして凄く仲良しなのかな? かな!? と目を向ける鈴。
     今の可愛い悲鳴は忘れてください……!

     【君の名を呼ぶ】の皆も、いざ強化一般人討伐。
     普段出来ない戦術でヒーローごっこ!
     というか。
    「ふはははーっ! 我が軍は無敵じゃないかーっ! すすめーっ!」
     どや顔で魔法の矢を撃ちまくる、魔王っぽいヴェイグ。
    「えへへ、わたしたちの力、見せてあげようねっ!」
     少し緊張しつつも援護射撃するフィーネが、魔力の霧で皆の力を漲らせて。
     満を持して放たれるのは――皆の氷と炎が交差する、厨二的連携秘技!
    「これぞ『炎と氷が合わさって最強に見える攻撃』!!」
    「……おい、もうちょっと格好いいネーミングはなかったのか」
     翔琉はそう津比呂にツッこむも。何かそれっぽくて、楽しくなってくる。
     そして合体技は浪漫! ファイアブラッドである前に1人の漫画家である結葉は。
    「素晴らしい戦闘シーンをイラストにしてみせよう!」
     いえ、決してサボりたいわけじゃないですよ!

     手書きの『ゲー音』のフラッグを靡かせ、【ゲーム音楽愛好会】がやる事は。
    「お前らはオレ達が討つんだ、飯のために今日ここでっ!」
     嘉哉の言う様に、食料強奪です!
     狙撃兵ならゲームよりお手の物。狙いを定め、いざ攻撃を繰り出す円であったが。
    「おおっと手が滑ったー」
     積極的に背後を狙った七緒と玲仁へと、ついうっかり!
     そして。
    「って痛ッ、熱ッ!? 何!?」
     ゴン、と何かロッドで思い切り頭を殴られた衝撃と、七緒と玲仁のお返しの連携攻撃がこれまたうっかり円へ。
     響華は敵から食料を回収しながらも、円を……殴りませんよ!
     そして凜は円へと回復を施しながら。
    「て、なんでみんなどさくさに紛れてパーティアタックやってるんですか!?」
     敵あっちですよ!? と何気に彼を殴った事を棚に上げつつもツッコミを!
    「まったく、みんなルミを見習ってほしいね!」
     冷静に敵の位置を探り、わふうっと七緒の回復もする自慢の霊犬・ルミを見つつ、ミカは背後を警戒しながらも嘆息して。
    「……たまに思いますけど変な方向にもチームワーク発揮しますね、この部」
     晃はそう言いつつも、倒れたガタイの良い軍人から食料をドロップ! 本人の手作りか否か……ファンシーな箱のキャラ弁当を。
     そして戦闘後、ウマいのか? と円が手にしたドロップアイテムは、レーション。凜の戦利品は、またクッキー。
     玲仁がゲットした缶詰をガンナイフでこじ開けた嘉哉は。中身を、おいしくなあれ……いえ妙な殺気を感じ、クリエイトファイアで炙ってみるのだった。

     必要な物は奪えば良いよね☆
     【アルニカ】は二手に分かれ、れっつ物資強奪競争!
     主目的? なにそれ気にしない!
     Aチームの瀬宮・律は遭遇した敵部隊に、食糧を貰えないか一応聞いてみるも。
    「駄目なら無理矢理頂くまでっす」
     やっぱり、れっつ強奪!
    「私の歌を聴けー! ですの!」
     玲璃は敵を倒しつつ、箒などを駆使し相手の拠点を探して。
    「……他にどこに隠してるのかな?」
     敵を問い詰める千鶴。
     教えてくれても逃がしませんけどね! 逃げる相手には、たいちゃんの霊撃を!
     そして獲物に見つからないように追跡、これぞ浪漫!
    「女の子を狙うなんて、酷いんじゃないかしら?」
     つぐみは千鶴に荷物を押し付けつつ、玲璃を護りながら。敵部隊を、ひえっひえに!
     一方のBチーム。
    「手っ取り早く、備蓄がありそうなところを狙いましょうか」
     檀の割り出したポイントを参考に、敵の拠点を見つけて。
    「食料をありったけ出して頂きましょーか」
     素直に渡せば一思いにぶん殴り、抵抗すればトラウマ祭りでじわじわ!
     そんな絶好調に食料調達するくるみの隣で。
    「みてみて! お魚の缶詰!」
     罪悪感を感じつつも、めいこも缶詰ゲット!
     そんなめいこの荷物を持つ檀の横で、俺ももう中学生です、と。
    「檀さんに甘えてばかりではいられません!」
     敬厳はくるみの荷物を持ちつつ、食料やテント等の物資も調達。
     強奪勝負は、拠点を素早く見つけたBチームに軍配が!

    「……おい、この敵マジでどこから湧いてくんだ……」
     遭遇したセクシー大佐をちら見しながら、ドSな本性を垣間見せつつ。朔と動く詠は、【BLAZE】の仲間と視線を交わして。
     裕也と慎悟朗の3人での連携攻撃を心がけ、敵を打ち倒していく。
     そして敵部隊が撤退した後は。
    「連携攻撃って難しいですね。個々が順番に攻撃してるだけな気がしてしまいます」
     戦闘も日常での連携も、全て勉強だと。
     慎悟朗は先程の戦いを振り返りながら、3人交代で休憩と見張りを。

     【廃病院】の演習は、決めた救護ポイントを防衛する訓練。
    「とりあえずこれだけあれば何とかなるはず」
    「傷ついた方、休みたい方はこちらへどうぞですわ!」
     最低限の物を持参したフィナレは水源のある場所を見つけ、救護ポイントとして。怪我人へ回復を施すカリーナ。
     レイは、ここまで長かったと、今までの地獄を振り返るも。
    「ここへは一歩も踏み込ませないぞ……!」
     最終防衛ラインを守るべく、列攻撃を見舞うフィナレと共に。
     襲撃してきた敵部隊へと得物を振るう。

     【よろず屋】の偵察役は……ご法度のESPで犬変身した空斗。
    「おーっと、空斗先輩、自ら囮として縦横無尽に色んなものから逃げています」
     敵部隊とか魔人生徒会とか!
     そんな箒に跨った一二三の実況に、半分寝ていた千李はライフルを構えて。
    「白わんこ、そこに罠が!」
    「わふ!」
     綾鷹の声を信じ大きくジャンプした白わんこが。
    「ないです」
    「!?」
     予め掘られた落とし穴に、追っ手共々ダイブ!
     そして初撃こそ外したが、千李は穴に落ちた者達全てを狙い撃ち!
     一二三が成した氷で穴に蓋をして。綾鷹のトラウマ付与で地獄完成!?
     それから穴の中で頑張って敵へと炎を見舞う空斗をサクラが回復してあげる中。
    「白わんこ狩りじゃなかったのか?」
     そうふと、千李は首を傾げる。

     【Teegesellschaft】も、訓練という名のゲリラごっこを!
     軍人を罠に嵌めて遊ぶ算段です。
     ルーンことアリアーンが仕掛けた鳴子の音を確認して。
    「サーシャより各局。”ゲスト”がA5を通過」
    「"ウルフ"より"サーシャ"へ。"プレゼント"を届けたら、速やかにa9ポイントへ移動を。オーバー」
     サーシャ&ウルフover&out――罠発動!
    「ぎゃっ!?」
     ウルフことラルフとサーシャこと咲紀の落とし穴にはまる敵の群れ。
     そしてルーンはその間に、晩御飯の準備を。

     強化一般人という盾や的が豊富な戦場で。
     【現の夢】が遊ぶのは、サバゲー!
    「ぎゃー! 結構痛いんだけど!」
     たまに敵に弾が当たったりするも。
     強化一般人の討伐よりも、身内で遊ぶゲーム重視!
     そして沢山動いた後は、夕ごはん。
     遊び呆けつつ食糧を探すエルカは熊に遭遇、ぎゃー!!逃げろー!! とダッシュ!
     ノーラも山菜を取りながら、複数の小型投げナイフを使って蛇も捕獲して。
     小次郎が、仕掛けた罠を見にいけば。
    「……プライドもてよお前ら」
     かかっていたのは、ウサギ、鹿、猪に……強化一般人!?
     そして調理ならフェリスにお任せあれ。
     今日の夕食は山の幸を沢山使った、ウサギミートパイと山菜のスープ。

     大規模部隊へと突っ込むクーガーは、見敵必殺、敵を殴り飛ばしていくも。
    「すまない! 手伝ってくれると嬉しいぜ!」
     敵の多さに、近くにいる灼滅者に声を掛ければ。
    「自分が倒した数がアンタより多かったら……バケツパフェ、一ヶ月分っすよ♪」
     無数の虚空の刃をぶっ放し、てへぺろ☆ と敵を薙ぎ倒していくあやと。
     その勢いに巻き込まれるように。
    「返り血? あとで拭えばいいですわ……」
     これだけの標的がいますもの、と。エリスも加わり、敵を狩りつくさんと慈悲なき衝撃を繰り出す。

     そして戦場で突如始まるのは。
    「さぁ、野外ライブの練習開始!! ミュージック、スタートッ!!」
     【4SA(フォーシーズンアンカーズ)】の野外ライブ!?
    「さあさあ、怖い顔してないで! 僕たちの華やかな歌と踊りで、癒されながら倒れてくださいね!」
     そう矛盾な事を言いつつ、彩華とイカリは敵を狙い撃ち!

     【GEARS】の面々へと、拓哉と手を繋いだ黒が挨拶した後。
     暗くなった夜、凶は火の番を。
     そしてついうとうとする彼を、目隠しした望が周囲に殺気を感じ揺り起こせば。
     すぐ近くに、敵部隊が。
    「最初の一撃はオッサンの奢りだよっと!」
     そう巨剣で敵陣を薙ぎ払い、奇襲を仕掛ける拓哉。
     それに続き、雷纏いし大太刀で斬り上げ突撃して。素早く回転させた斬撃を敵へと心愛が見舞えば。
    「無駄ですよ?」
     踊るが如く強化一般人を切り裂くのは、望の無数の影で出来た鎌付き触手。
     そんな皆と共に、凶も攻撃を繰り出して。
    「自由に暴れろ。お前たちは皆、俺が守ってやる……!」
     そして、奇襲を躱した相手も討ち漏らすことなく。
    「残念! そっちは外れ!」
     牽制の一撃の後、追撃を加え敵を捉えていく黒。
     そして敵殲滅後は。缶珈琲や樹液のジュースで、勝利のひとときを。

     サイキックの縛りを決めて臨む【千川2-4】は二手に分かれ、まずは周囲の探索を。
    「どれだけ居るんだろ。貧血になりそうな気が……」
    「流石に罠を仕掛けているよな……」
     A班の燐花と昴が見つけたのは、敵の警戒部隊。その数や罠を確りと把握して。
     夜になったら――皆で奇襲を!
     そして夜襲する際も班毎に分かれて。
    「みぃーつけた」
    「悪いけど演習相手になってもらうよ」
     燐花や昴と共に敵を撹乱すべく、成した十字架を目眩ましに見立て、鋭き風の刃で敵陣を斬り開いていく蓮に続いて。
    「一気に行かせてもらう」
    「四季流、夏ノ舞・参ノ型――影法師。正解はこっち、だッ!!」
     敵の混乱に乗じて、B班が奇襲。巨大な刀へと変えた腕で敵を斬り裂く弌と、銃儀の見舞った鋭い手刀が相手にトラウマを与えて。
    「……貴船の馳走、もう一つどうだ?」
     琥界とともに踏み出し、皆の連携攻撃で揺らいだ敵へと。作楽は鬼神変を叩き込み、仕留めるのだった。

     【P&N】が狙うは、本隊の歩兵部隊。
     見回りを担う部隊を、その巡回ルートで襲撃する作戦だ。
    「っつか頭いーっスよね! 巡回ルートがあるとか考えつかなかった」
     麦は流希に感心したように言って。ホントはらぺこ、ご飯楽しみ! と笑む。
     目的は、撃破した敵からの食糧調達。
     芥もファルコンを先行させ、情報収集や挟撃しての襲撃などを行い、敵を見つけ次第減らしていって。
     ついでに薪になる枝や倒木、野草や木の実を拾いながらも、周囲の警戒にあたる夜龍。
    「学校行事で福岡に来れるのは、嬉しいっちゃね」
     にあは初めてのサバイバルに、かくれんぼを思い出してどきどき。
     だが……見つかったら、命懸け!
    「楽しいこと、途中でやめられないもんね!」
     派手に暴れるべく飛び出した唄音が、遭遇した敵陣へと飛び込んでいけば。
     風の如く槍を回転させ突撃した後、異形巨大化させた拳で敵を打ち倒す敦真。
    「役割はきっちりこなすさ」
    「またダークネスたちの戦力となっても面倒だ。一人残らず倒す!」
     夜龍と芥、ファルコンも続き、強化一般人の部隊を殲滅させて。
    「なんか、山賊になった気分だな」
     流希は倒した敵から、食糧を回収。
     そしてゲットした食材を使って。優歌は作成した石と土の簡易かまどで食事の準備を。
     ナイフで丁寧に下拵えし調味料で味を調えて。腹が減っては戦はできぬ、戦う皆を各方面からしっかり支えます!

     2個のみの武器縛りで戦いに臨むのは、打撃部隊を狙う【長屋「ゑ゜」】の面々。
     サバゲーの基本から進軍ルートや拠点位置を予測したエリスフィールは、不意をついた奇襲を敵部隊へと仕掛けて、いざ出陣!
    「常策が、常に良策であるとは限らぬぞ!」
    「……力試し……させて、もらう……」
     混乱する敵陣へ目掛け、回転させた槍の鋭撃を見舞う朔夜。
     葎も選んだ縛霊手と影業を得物に、戦場に霊的因子を強制停止させる結界を展開させ、敵を殲滅すべく立ち回れば。
     皆の盾となるべく、強化一般人達の攻撃を己に集めるエリスフィール。
    「みなさんはみなさんの動きやすいようにやっちゃってくださいまし♪」
    「……そう何時までもあやつに遅れをとってばかりは居れぬし、な」
     信頼できる回復手の菊乃や八重香に、安心して背中を任せられるから。

     【箱庭ラボ】の3人が狙うは、本隊を離れている愚連隊。
     春翔は少数隊をシュミレートし戦闘に臨んで。
     信頼を寄せていると言う律花の言葉に、より気を引き締めると。
     命中と火力を重視した攻撃で早期決着を心がけ、翡翠と声を掛け合い連携する。
    「修羅の国とか根も葉もない蔑称を使う人は許せません!」
     翡翠も浮き足だつ敵部隊へと、さらに重い一撃を。
     そして。
    「粋がるのも大概にしなさいよね……!」
     妙に気持ちのこもった律花の結界が、いつも騒音撒き散らす傍迷惑な連中を絡め取る。

    「ほら、倒されたい奴からかかってこいよ?」
     性別? 安定のイケメン枠です!
     地獄で地獄投げしまくる翼と共に、里桜と徹も負けられない勝負に挑む。
     【陰影】の戦い……それは、とんこつラーメンをかけたバトル!
     そして一番の敵は空腹な中、響からのタイムセール!
    「俺より撃破数超えたら、ラーメンにチャーシュー増加か替え玉許してやる!」
     その言葉に、目の色が変わる皆。
    「お前ら全員替え玉みたいに打ち据えてやるぞ!」
    「おい、とんこつラー……ではない、貴様達! 全員一斉にかかってこい!」
     びしいっと敵に槍先向け言い放つ優希に、一呼吸置いていた里桜も俄然やる気に!
    「おっしゃあぁぁ、ぜッてーにチャーシューゲットしてやる!」
     今なら穣も、ラーメンに命張れます!
     むしろ、チャーシューにみえてきた打撃部隊に。
    「景気よく焼きましょう!」
     徹は強酸性の液体を放って、こんがりと!?
     そして気になる、撃破数勝負の行方は。
     スタミナの高かった翼が首位、皆のやる気を滾らせちゃった響が僅差で最下位でした。ごちになります!

     移動時にも陣形を成し、敵部隊を探すのは【赤月館】の面々。
    「しっかし、今年も何でまた去年と同じ様に殲滅作戦でるのかね?」
    「別に殺してしまっても構わんのだろうとか思われてるきっと」
     舜の言葉に、そう苦笑する花月。
     葛葉・司とディートリヒも、舜に目を向けて。
    「あら面倒なんて事ありませんわいつもやっている事と変わりないではありませんか」
    「やれ面倒くさいとか言ってて、舜さんだって楽しんでると思いますよ?」
    「いいじゃん、雑魚無双だぜ? ボコボコにやって根切りしてやろうぜ、ヒャッハー!!」
     夜那は見つけた複数の足跡を指し、楽しまなくちゃ損だろ? と笑む。
     足跡の数からして、敵部隊は10人以下。
     茂みに隠れながら敵へと素早く接近し、舜が先制のどす黒い殺気を解き放てば。
     良い試し斬りになりそうだと花月も続いて。
    「……こういうのが一番楽」
     夜トも守りを固めつつ、迸るオーラの衝撃を敵へと見舞う。
     そしてまだ少しこの生活に慣れぬレオは、癒しの矢で皆を支援しながらも。
    「皆生き生きしてるヨネ~。オレ、人の形した敵簡単に攻撃できるのスゴイと思うヨ~」
     そう、躊躇なく敵を打ち倒していく仲間の姿を見つめるのだった。


     ピンクな学ラン愚連隊にメンチ切るのは――着ぐるみ!?
    「番長の名を有する俺の前でその格好……喧嘩を売ってるってことで良いんだよなぁ!」
     いえ、伝説ヤンキーに対抗し、ピンクの特効服へとメタモルフォーゼしつつ敵陣へかちこむ、達郎達【着ぐるみ野郎Aチーム】です!
    「死に晒せおるぁああああああ!」
     ファニーが狙うのは勿論、敵将の首!
     そして精神的に追い詰められた玄が。
    「ヒャッハーッ!! 食料と御命頂戴!!」
     見敵必殺、ヴォーバンに跨りつつ奇行に!?
     そして葵は、【古ノルド語研究会】の仲間である達郎を回復支援しながらも。
    「それとそれは食べれるよ、あとこれは体に良い効能があったりするよ」
     戦っている人達のすぐ横で、食料集めています!
    「これって、図鑑に載ってるこの草とよく似ている別の草じゃないよね……?」
     放っておけばいつまでも悩んでいそうな透流と共に、片手間で敵を倒しつつ。
     琥珀は引き続き山菜を集めながらも、彼女に肩ぽむ。
    「最悪、毒ぐらいでどうにかなるほど柔じゃないから食べてみた方が早いのよ」
     せいぜい、少し暫く地獄を見るくらいです、きっと!
     そして倒した敵から物資を手に入れてきたアルディマから食材を受け取って。
     皆が取ってきた具材と合わせ、調理する久良。
    「シチューが出来たよ、みんなで食べよう!」
     弾丸飛び交う激しい戦場の後ろで。ひたすらサバイバルに勤しみます!
     一緒に狩りや料理を楽しんでいた、依子と希沙。
     だが希沙が見つけたのは、ど派手な見目のヤンキー少佐と灼滅者の交戦。
     いっちょかましましょか、と、どこか似た二つの炎が燃え盛れば。
    「希沙ちゃん……遠距離合わせて行けますか!」
     絶妙の呼吸で放たれた、鋭き風の刃と赤き逆十字の衝撃が。
     同時に、少佐へと叩き込まれる。
     【自習室】の夕食は、安全な茸や山菜で響斗が拵えた炊き込みごはんと、迦南がこねこねしたヨモギ入り即席パン。
     そして、けいはふと何者かの気配を感じて。
     他の学園生徒と少佐率いる愚連隊の激突を発見し、乗じて襲撃に加わる。
    「御機嫌よう。出会い頭で申し訳ないが『ごめんあそばせ』」
    「俺らの安らぎのために……くたばれ!」
     戦闘の縛りは、回復サイキックなし。
     けいが少佐へと高い火力のサイキックで攻撃を仕掛ける中、七つの光輪で多くの敵を薙ぎ払いにかかる真言。
     物陰から迦南は敵を狙い撃っていたが。
    「……あ。それヨモギー! 踏んじゃ駄目ー!」
     ヨモギを踏んづけた強化一般人を漆黒の弾丸で、うつべしうつべし! しゅーと!
     そんな、敵が次々灼滅者に倒されていく中。
    「ヤンキーとは面白いじゃねえか!」
     自分も相手も不良となれば――喧嘩だ! と。
     利戈も徹底的にぶちのめすべく参戦!
     そして少佐目掛け飛ぶのは、ナイフ。
     咲楽は仲間達に手を貸すべくナイフを投じた後、少佐へと斬りかかるも。
     受け止められ、両者刃交差する激しい斬り合いに。
     その時――ふいに少佐を縛り上げたのは、空から接近し伸びた、リアナの影。
     さらに甲斐・司が撃ち放った魔法の矢が唸りを上げ追撃し、少佐の上体を大きく揺らせば。
     相手に生じた一瞬の隙を、決して見逃さずに。
    「「協奏曲(コンチェルト)!」」
     呼吸を合わせ同時に放たれた二つの破邪の白光が、ヤンキー少佐を斬り伏せたのだった。


     乙葉とオレンジが単独で狙うは、偵察部隊と女大佐。
     これまで奇襲し後退しつつ敵を尾行して、ついに標的発見!
     これからがオレンジの漢の見せ所。大立ち回りです!
     さらに女大佐を襲うのは、野生のゴリラ!?
     いえ、敵味方双方の目を欺くヘルスクリームです。
     そして大佐に目にゴリラを見せるべく。棍棒をぶん回す!
     【UISCE】というか狭霧と蓮二が狙うのも勿論、「セクシーな女大佐」一択!
     二人のセンサーで多分すぐ見つかるはず……見つけたー!
     というわけで女大佐ガン見しつつ、背中合わせで戦うのもいいけれど。
    「誰が一番多く倒せるか競争しようぜ!」
    「皆で競争するならここからは敵だね」
    「あは、心日ちゃんも一緒に競争ね!」
     安全第一ヘルメット着用の心日も、ナイフをシャキーン!
     動いておなかがすけば、ナイフで山の幸を調達。
     仲間と生き抜き、生きている実感を!
     去年は混浴温泉の夢に破れた地獄合宿。
    「だが今年はセクシーな女大佐……!」
     敵でもイイ! 潤いを!
     そんな相変わらず懲りない【純潔のフィラルジア】の面々は。
    「倒すの……? このパライソを崩壊させるの……!?」
     撃破というかおっぱいに狙いを定め、いざ突撃!
     攻撃を仕掛けるごとにボディタッチを試みる秋夜。
     でも残念! ゴツイ軍人野郎が大佐の盾に!
     おっぱい道とは険しく厳しいもの。ならば!
    「あっずるい! 上から行こうとかそういう……!!」
    「おっぱいアターック!! ……ぎゃあッ!?」
     フュルヒテゴットと共に、箒で空飛ぶ清純を石で撃墜して。
     途流は、ブッシュから何気にはみ出ている仲間をちらり。
     そして匡は、大佐に踏まれたり鞭で打たれる準備万端!?
    「この、変態!」
    「……あっ! 逃げないで! 変態じゃないよ、紳士だよ!」
     でも変態ってなじられちゃった! 
     そして例え殴られても、ちょっと間違えて雄っぱいを揉んだりしても。
     女大佐のおっぱいという理想郷を、ただひたすらに目指す皆に。
     無茶しやがって……そう呟きながらも、むっつり何気に大佐の揺れを堪能する優輝は。
    「実にきょうい的な相手だ」
     なんか上手いこと言いつつ、雑魚をきっちり片付けにかかる。
     そんなカオスな夜戦が展開する中。
     女大佐へと素早く距離を詰めることに成功したのは、奇襲を仕掛けんと予め奪っておいた敵の装備を身につけた陽太。
     陽太は魔弾の射手と共に情報を引き出すべく、女大佐拘束を狙うも。
     女大佐を狙う灼滅者チームは多く、敵味方入り乱れることを余儀なくされた戦場で。尚且つ敵の層も厚い主力部隊の中、それは叶いそうにない。
     だが恣欠の放った影が大佐を縛りつけ、一時的にその動きを止めて。
    「索敵を潰すのは基本ばい」
     大佐を助けようと動く強化一般人へと放った牡丹の黒き波動が敵の攻め手を封じ、菊も顔を晒して。
     奈落の生み出した七つの光輪が、女大佐の取りまきを一気に薙ぎ払う。
     そして防具ESPは禁止の為、使えなかったが。
     敵に攻め入るその前に、今の状況や戦況を瞬時に把握し対処する力を養うべく、時兎が偵察にあたって。
     やはり索敵能力の高い敵を欺くべく、倒した強化一般人の服を人数分調達しておく葵。
     過酷な地獄合宿。でも【Jaeger】の皆と遊べるのは楽しいし、何よりも!
    「セクシーな女大佐追い詰めるのも楽しみだしな!」
     そう本音を零す辰彦。
     そして奪った服を着た一向は、いざ女大佐の元へ!
     既に他チームの襲撃で混乱している戦場で、徐々に大佐へと近づいて。
    「オーッホッホッホ! かかったわねアホが!」
    「な!?」
     女大佐に匍匐前進で近づいたキングの、渾身のフォースブレイク!
    「はっ、手出しはさせねぇぞお前ら!」
     兵吾が周囲の雑魚を蹴散らしにかかって。
     女大佐からセクシーを学びつつ、攻撃を当てていく葵。
    「女大佐殿もこうなってしまっては、手も足も出まい、フフフ」
     さらに、何食わぬ顔で近づいた真人の除霊結界が、大佐の動きを封じれば。
     辰彦が女大佐に放つのは勿論、主にティアーズリッパー。ティアーズリッパーで!
     そしてまさに【Jaeger】の名の通り。
    「人の故郷でけったいな事すんなー!」
    「!」
     敵を狩る由宇の閃光百烈拳の一撃が、女大佐を仕留めたのだった。


     各班で役割分担し、敵拠点を狙う、チーム【黄昏講】。
    「ちょ、なんで皆さん僕を木に縛り付けて……い、いやぁ!」
    「……犠牲は無駄にしないであります」
     藪の中で囮の優太朗に、ほろり呟く優奈は。
     オネエ大佐を引き寄せちゃった彼を後目に、望遠鏡での調査、情報伝令、道標を設置して。
     央が優太朗の姿をビデオ撮影する中。
     貞操の危機に陥りつつも帰還する彼に、ミストは頷く。
    「任せろ。全部まとめて叩き斬るっ!!」
    「さあ、始めましょう。魔祭(まつり)の時間よ」
     白いシュシュで結んだ髪を揺らす一如は、皆の突撃をサポートすべく魔法の弾丸を撃ち出して。
    「大規模戦闘とかあんまりしないから楽しみだなぁ」
     発見した伝令役を真っ先に狙い撃つ雪音。
     敵陣の扉を氷漬けにしたアルクレインは、ノブが鳴ると同時にバベルインパクト!
    「ふっ鳥も鳴かずば撃たれまいに」
     敵の保存食も確保!
    「ええ、八つ当たりなどではありませんよ?」
     因縁の刺青屋敷、そして地獄合宿の苦しみも。
    「紅蓮の剣閃を以って、終わりを告げましょう」
     最前衛に躍り出た静香が、緋色の斬撃で敵を斬り倒していく中。
    「俺の魔力も乗せてやる。一気にぶちかませ!!」
    「悪いが、俺たちの相手は務まらない。役不足だ、出直して来い」
     央の蒼雷纏う雷虎がミストの大剣に宿り、激しさを増した炎の一撃が敵を薙ぎ払っていく。
     この部隊の殲滅が完了すれば待っているのは。ビデオ鑑賞を兼ねた慰労会です!
    「まったく、学園もとんでもない合宿を考えてくれるものですね」
     そう言いつつサバゲー風ゴーグルを装着する遥斗を、リオンは宥めつつも。
    「折角なのでゴリマッチョなおネエ様な大佐さんを相手取りたいですー!」
     【ましろのはこ】の皆へ、そう提案! そして今回は、武器を『銃』縛り。
    「銃の扱いには皆さん気を遣ってくださいね」
     そう言う柊・司が一番不安!?
     いえ、大丈夫! 集中して、オネエ部隊に挑む皆の援護を!
     みゆも銃を構え、バシュバシュ敵へと撃ってみるも。
    「……倒れぬのだが……何故だ?」
     何気に当たってないからです!
     それから、ええい! 面倒くさい! と、銃で敵をぶん殴るみゆ。
     ある意味、これも武器は銃です!?
     そして木陰からオネエ大佐を狙撃しようとしたリオンは。
    「リオン、どこー?」
     亡霊の如く山を彷徨っているホワイトを偶然見つけて、無事に保護!
    「……今の俺に、誰かを守れるだけの強さがあるのか?」
     龍牙も己の実力をはかるべく、回復サイキック禁止縛りにして。
     いざ、狙いは精鋭を指揮する大佐。
    「……学園は防具ESP禁止とか、何を考えているんだろうね」
     勿論、皆さんのスキルアップの為を思ってですよ!
     というわけで、戦場食を食べながらそう呟いた法子がチームを組む【炎血部】も。
    「オネェ大佐見に行くよー♪」
     弥勒の言うように、打撃部隊のゴリマッチョ狙いです!
     そして雨が降る中、交戦中の標的を発見して。
    「男になるか女になるかどっちかにしてぇーーっ!!」
    「お前ら倒さなきゃ山から出られねーんだよ! 俺達に倒されろ!!」
     爆炎の弾丸を連射しまくり叫ぶ唯に。
     体力が限界に近づき、さらに悪天候にイライラが募りまくった桜太郎が、オネエを煽りつつもストレス発散!
     そして、周囲に他チームの姿を確認した淼はあえて敵の中へと飛び込んで。
    「別におネエを否定はしねぇが、勝負の時は男らしく行こうぜっ!」
     敵を焼いては暴れまくり、対峙した大佐と、力と力の殴り合い!
     だが、大佐の首を狙うのは炎血部だけではない。
     露払いは任せろと、そう男前に言った文具に背中を任せるのは。
     逞しくて格好良い、料理上手な炎のメイドさん!?
     地獄合宿の間、ずっとこの炎宿すメイド服を纏っている喜一は、ダブルヒーローとして文具と連携をはかり、大佐を仕留めんと戦場を駆ける。
     あ、ちなみにこのゴリマッチョオネエ大佐。実は、オネエキャラの男なんです。
    「夜露、あんま前出たら危ないから後ろおってな」
    「お兄ちゃん、気をつけてね」
     大好きな妹が一緒なら、何倍でも頑張れると。
     アイコンタクトを交わし合い、絶妙な連携を夜露と取りながら、同じ敵を確実に討ち取っていって。
     裕士も妹に背を任せ、次はオネエ……大佐へと、日本刀を閃かせれば。
     脊振山系に鬼が出る――そんな都市伝説でも生まれそうな。
     地獄の中で豪快に振舞う覆面姿の虚露は、大佐とやり合うべくバトルリミッターを使用して。
     投げては投げられての、ガチな真剣勝負を!
     そんな様を見守りつつ、周囲の強化一般人を殴り飛ばしてはその性根を叩き直していく蒼麻。
     十織とチセも気合を入れて、ゴリマッチョなオネエの元へ。
     でも少し狙いが違います!
     シキテの六文銭射撃に一瞬怯んだ大佐へと、チセがドリルの如き杭と共に顔面に叩きつけたのは、蛍光ピンクの塗料。
    「今なんよ!」
     その声に九紡のシャボン玉が飛び、それに紛れトラウナックルをお見舞いした十織が。
     大佐の、トラウマ級な凄い顔拓をゲット!
     そして敢えて『墓標』は使用しない縛りで、木から木へ飛び移りながら。
     テロ戦法で敵を強襲していくスィランが、3体目の強化一般人を徒手空拳で打ち倒した時。
    「彫師の館では友達が重傷になったり、友達の大切な人が闇堕ちしたりしたんだ。そのお返しだ!」
     最前線へ躍り出た登は、【吉祥寺2G】の皆やダルマ仮面と共に、マッチョおネエ大佐目指して突撃!
    「私の友達に手出しはさせません」
     清美も持ち前の体力を生かし、サムと一緒に級友達の盾となって。
    「体を鍛えても、外見を変えても、本質の弱さは変わりませんよ」
    「この山には実は、良質のたんぱく質を含むキノコがあるそうです」
    「世界遺産登録祈願! 富岡製糸キーーーーーーーーック!」
    「なんですって!? ギャアッ!」
     オネエ大佐は、挑発する良太の言葉にぷんすか、菜々乃の有力情報に気を取られたところを。
     放たれたアナスタシアのご当地キックをくらい、マッチョな上体を揺らす。
     そして、うおおおっ、そこだ、いけーっす! とアナスタシアが藍を狂戦士化すれば。
    「志穂崎藍参ります」
     大佐の逞しい拳の一撃をかわし、カウンターを取って懐に入った刹那。
     藍の地獄投げがマッチョな巨体に綺麗に決まり、大佐を見事仕留めたのだった。


     玖が狙うは、本隊の総指揮官である少将!
     真っ向から突っ込んで敵の隙を作る作戦!?
     一彦はそんな級友の背を守るべく、少将隊を探しつつも。
     燃えるサバイバル合宿に、心なしか生き生き。
     それから、ついに少将隊発見! 金棒ぶん回して、いざ突撃です!
    「訓練とはいえ、戦場は滾る! 滾るのう!」
     翔が握る、鬼刀・閻魅天道。その実践での研鑽を高めるべく、戦場を舞う翔も。
     少将へと積極的に斬りかかって。
     イリスも木に隠れ、戦闘を回避しつつ見つからぬよう奥にいる少将の所までやって来て。
    「おとなしく投降しろ、既に包囲されている」
     モデルガンをジャキン。
     そして同じく、狙うは精鋭の少将隊。
    「二時の方向に敵影、戦闘配備をしてつかぁさい」
     雨が降りだす中、敵の拠点を発見し敵部隊が交戦中であることを、ハゼリはトランシーバーで錠に連絡して。
     それを受け【武蔵坂軽音部】がいざ、敵のキャンプへと襲撃……しようとした、その時。
    「軽音を潰してから強化一般人を狩れば、負けることはないよね?」
     軽音を率いる錠を主に狙い、奇襲を仕掛けるのは【きるせ】の面々!?
     そう、これは敵の撃破ポイントを競う2チームの、妨害OKの対抗戦!
    「軽音を潰してから強化一般人を狩れば、負けることはないよね?」
     そんな訳で、香艶も葉と共に軽音の連中へと特攻!
    「皆が撃ってる辺りを撃てば良いんだよな」
    「良かったな。この雨なら山火事の心配は無さそうだ」
     ブッシュに潜み昔を思い返しながらも、軽音の面々と強化一般人を狙い撃つエルメンガルトに。
     どす黒い殺気を放出し、雨の中、激しく燃え盛る炎を叩きつける啓。
     そんなスピード重視のゲリラ戦を展開する、きるせに対して。軽音は迎撃態勢を取る。
    「こうやって、背中を預けられる仲間が居るのは良いもんだな」
    「お前と一緒なら心強いぜ」
     盾役として立ち回り、背中を預け合う葉月に、そう一瞬視線を向けた後。
     返り討ちにしてやらァ、特に葉!! と。襲撃を真っ向から受けて立つ錠。
     そんな錠を最優先に狙うのは、鈴。
    「ご褒美だと思えぬレベルで瞬殺してくれるキエーッ!」
    「楽しい撃ち放題です。わくわくしますね」
     由乃も、軽音の面々と強化一般人達を一気に纏めて巻き込むような衝撃を撃ち出して。
     きるせの皆と揃いの迷彩レインコートを着ためぐみも、後方から回復支援を。
     そして――そんな激しい撃ち合いが繰り広げられる中で。
     軽音が狙う目標は、鬼少将!
    「対抗戦だし、どうせなら勝ちにいきたいですよねっ!」
    「思う存分、ひと暴れさせて頂きますね」
     凪流は、切り込む仲間の邪魔をする周囲の強化一般人を氷漬けにしていって。成海も少将の首を取る事を念頭に、早めに敵の数を減らすべく援護射撃を。
     そして時生が頼もしく送り出した千波耶が、発光弾で敵将の場所を伝えれば。
     大規模な敵部隊の精鋭を薙ぎ払い、朋恵も少将を仕留めんと狙いを定めて。
    「……ひ、ひかねば切る、です! 鬼少将さんお命ちょーだいいたしますです!」
    「ごめんください! 鬼将軍様、第一印象で決めてました!」
    「な、何……うぎゃあッ!!」
     千波耶の繰り出した会心の一撃が、見事、大将首を取ったのだった。
     そして対抗戦は、少将率いる強化一般人を主な目標に動いた軽音に軍配が!
     敵の大将を討ち取れば、この地獄合宿も、あとは残党の掃討のみ。
     そして、GW期間中行なわれた地獄合宿の締めに取りかかるその前に。
     皆で一緒に、実のふるまう郷土料理で腹拵えを。

     脊振山系で自給自足徹底抗戦を行なっていた軍人風の強化一般人達も、灼滅者の皆の活躍で無事殲滅。
     札幌から続いた地獄合宿、皆さんお疲れ様でした!
     ということで、帰るまでが地獄合宿です。
     走ったり泳いだり自転車漕いだり。
     あとはそれぞれ、自力で武蔵坂に帰ってくださいね!

    作者:志稲愛海 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2014年5月14日
    難度:簡単
    参加:405人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 8/感動した 1/素敵だった 10/キャラが大事にされていた 44
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