姉貴が姿を消して今日で4日目。
窓の向こうに見える真っ赤な夕日が『血のようだ』と感じるようになって、今日で4日目。世界は何も変わらない。俺を置いて世界は進む。
「……胸くそ悪ィ」
多分、姉貴はもう帰ってこない。よくわからないけど、そんな気がする。原因はあの男。確証はないけど、それ以外に考えられない。
だからやめとけって、言ったのに。アイツは姉貴のこと、何もわかってなかったのに。
男の軽薄そうな顔が脳裏に焼き付いて胸くそ悪い。
「……ああ、そっか。だったら壊せばいいんだ」
あの男も、この世界も。
ああ、そうだ。姉貴を否定したこの世界に価値などあるわけがない。だったら壊そう。
胸くそ悪い全てのものを、全部壊してしまえばいい。
「現在、一般人が闇堕ちしてダークネスになる事件が発生しようとしています」
園川・槙奈(高校生エクスブレイン・dn0053)は教室に入ると、灼滅者達を見渡しながらそう言った。
通常ならば、闇堕ちしたダークネスは、すぐさまダークネスとしての意識を持ち人間の意識はかき消える。だが、彼は元の人間としての意識を遺しており、ダークネスの力を持ちながらも、ダークネスになりきっていない状況なのだと、槙奈は言う。
「対象者は曽根・亮(そね・りょう)さん、中学2年の男性です。彼はお姉さんの闇堕ちに巻き込まれ、ヴァンパイアになりつつあります」
彼の姉は悪い男に騙され、捨てられた。それによりヴァンパイアへとその身を堕としてしまったのだ。
「亮さんはご両親を亡くされていて、お姉さんが親代わりだったようです」
姉は亮と2人で生きるために、世間から後ろ指を指されるような仕事もしてきた。大切な弟を守るため、必死に生きてきたのだろう。亮はそんな姉に反発しつつも、心の底では感謝していたようだ。
「見た目は不良っぽい亮さんですが、実際は姉思いの優しい方なんです……」
そう言うと、槙奈は深いため息をついた。
「ですから……みなさんには、もし彼が灼滅者の素質を持つのであれば、彼を闇堕ちから救い出していただきたいのです。……でも、もし、完全なダークネスになってしまうようであれば、その前に……灼滅をお願いします」
槙奈はそう告げると、手元の資料を静かにめくった。
「亮さんはダンピールのようなサイキックを使います。その戦闘力は灼滅者8人と同等です。……問題は、彼がこの世界を憎んでいるということでしょう」
全てを壊したいと思うほどに。
亮は破壊への序章として、姉を不幸にした彼氏を襲うつもりのようだ。亮と接触できるのは夕方、亮が自宅のアパートを出てから姉の彼氏宅へ着くまでの間だ。
「今、亮さんは全てを憎んでいる状態ですが……亮さんの心に響く説得ができれば、戦闘力を下げられるはずです」
槙奈はそう言うと、灼滅者達の目を順に見つめた。その目はとても真剣だ。
「ずっと苦労されてきたご姉弟が、こんなことになってしまうなんて……本当にお気の毒です。……せめて、亮さんだけでも、闇を克服していただけたらと思うんです。どうか、みなさんのお力で彼を救ってあげてください。……よろしくお願いします」
槙奈はそう言うと、深々と頭を下げた。
参加者 | |
---|---|
小瀬・雅史(紅狂・d15254) |
佐島・マギ(滑走路・d16793) |
猫乃目・ブレイブ(灼熱ブレイブ・d19380) |
紅月・美亜(厨二系姉キャラ吸血鬼・d22924) |
ターニャ・アラタ(破滅の黄金・d24320) |
真柴・遵(放し飼われ・d24389) |
青山・紗智子(入神舞姫・d24832) |
夜神・狼花(タナトスの傍観者・d25500) |
●巣食う闇
夕焼け色に染まる河原に、灼滅者8人は来ていた。
(「唯一の家族を奪われた悲しみ……それを否定する訳ではありませんが、このまま厄災を振り撒く存在になるのを黙って見ている訳にもいきませんからね」)
青山・紗智子(入神舞姫・d24832)はもうすぐ来るであろう少年を思い、溜息をついた。その横ではターニャ・アラタ(破滅の黄金・d24320)が殺界形成で人を払う。やがて河原に、灼滅者以外の人影が現れた。件の少年、曽根・亮だ。真柴・遵(放し飼われ・d24389)がサウンドシャッターを発動し、まもなく起こるであろう戦闘に備える。
スレイヤーカードを解除した8人は、万全の態勢で少年を迎えた。
「曽ー根クン、俺らとちょっとお話しよーぜっ」
遵は歩いてくる亮の肩を組んでヘラッと笑うと、そのまま戦闘に最適な位置へと連れて行く。亮は馴れ馴れしい遵を睨みつけると、その腕を振り払った。
「なんだよ、テメェら」
「亮殿、拙者らは亮殿を助けたいその一心で来てるにござる」
そう言ったのは猫乃目・ブレイブ(灼熱ブレイブ・d19380)だ。さらに小瀬・雅史(紅狂・d15254)が言葉を続ける。
「俺達は曽根、あんたに近い存在だ」
雅史が前列に向けて魔力を宿した霧を発生させる。亮は少し驚いたように目を見開いた。しかし、それはすぐに嫌味な笑みへと変わった。
「……ふーん。俺もテメェらの仲間ってわけか? 悪ィけど、俺はテメェらの『仲良しごっこ』に付き合う気はねェよ」
「俺は以前、今のあんたのようになり、救出されたことがある。今、曽根が抱えている破壊衝動は曽根の中のダークネスに唆(そそのか)されているだけだ」
雅史は亮をまっすぐ見据え、そう告げた。少年が昔の自分と重なり胸が痛む。
家族を失ったあの日、妹の駒と化していたあの時。俺は学園の仲間に救われた。だから今度は俺が救う。
引き戻せるなら、戻してやりたい。
「よくわかんねーけど、俺の中に『変なの』がいて俺を暴れさせようとしてるっての? 願ったり叶ったりじゃねーか」
そんな雅史の思いなど知らない亮は、全てを嫌悪するような眼差しを雅史に向ける。
「お姉さんのこと悔しいよな。相手の男に復讐してやりたいよな。でもさ、君がその力でそいつ殺したとして気はすむのか?」
夜神・狼花(タナトスの傍観者・d25500)は静かに訊ねる。心を見透かしたような狼花の物言いに、亮の目の色が変わった。
「なんで……そのことを……」
戸惑いを見せる亮をまっすぐ見つめ、狼花は続ける。
「俺だったら『死』よりも辛い『生』をそいつに背負わせるよ」
死は終わりだ。そこには痛みも恐怖も後悔も無い。それならば、気が遠くなる程の時を後悔と共に『生かす』方が、己の復讐心は満たされるのではないか。
男も罪の意識がない訳じゃないだろう。なにより亮の姉は、弟に殺しなんてさせたくないだろう。
亮は眉間にシワを寄せると、苛立たしげに狼花を睨んだ。
「俺は頭が悪ィからな。あいつが生きてると思うだけで胸クソ悪ィんだよッ」
さあ、そこをどけとばかりに亮は狼花の肩を押しのける。そんな亮の前に、今度は紅月・美亜(厨二系姉キャラ吸血鬼・d22924)が立ちはだかった。
「少年、そんなに世界が憎いか? 全てを破壊したいか? その衝動に身を委ねたいか?」
亮が質問を肯定するように美亜を睨めば、美亜がニヤリと笑みを浮かべた。
「短絡的だな。実に子供だ。どうせお前の姉も短絡的で、ありもしない希望にすがって騙されて捨てられた哀れむほどに愚かしい女なのだろう」
その言葉に、少年はあからさまに殺気立つ。
「……黙れ。テメェに姉貴の何がわかる? さっきから聞いてりゃ好き勝手言いやがって……」
亮の変化に灼滅者達が身構えた。憤怒の瞳は美亜を見据える。
「テメェに、姉貴をとやかく言う筋合いは……ねェんだよッ!」
亮の怒りが赤きオーラの逆十字を出現させた。凄まじいオーラが美亜に向かうと同時に、白銀の影が軌道を塞ぐ。美亜の霊犬、輝銀乃獣が主人を守ったのだ。
「何故怒る。お前も姉を愚かだと思ったのだろう? なら、怒る理由は無いはずだ。私はお前の意見に賛同してやったのに」
「黙れ黙れ黙れ黙れッ」
挑発に激怒した亮は、そのまま美亜に殴りかかりそうな勢いだ。
「亮さん、落ち着いてくださいです!」
佐島・マギ(滑走路・d16793)が異形巨大化させた腕で亮を叩く。だが亮は、両腕でその衝撃を受けとめた。一触即発の空気が辺りに漂う。
●唯一の大切
緊迫した雰囲気の中、なおも美亜は亮を見据える。
「違うのだろう? お前は否定したい筈だ。故に怒った。私の言い分に腹を立てた。なら、それがお前の素直な気持ちの筈だ」
姉を慕う亮ならば、姉を蔑(さげす)めば己の本心を曝け出す。そう思っての挑発だった。結果は眼前の亮を見れば明らかだ。
「私もな、姉なんだ。ただ1人の妹の為に、妹の為だけに戦いに身を置いている。妹の日常を守る為に。お前の姉は違ったのか? そうでは無い筈だ。お前が堕ちる事は望まない筈だ。何故ならそれは……私もそう願うからだ。私の妹に」
美亜が言う。それは『姉』としての思い。大切な者を守りたいという、切なる願いだ。
「……詭弁だな」
低く掠れた声で、絞り出すように亮が呟いた。その手は固く握られ、拳からは血が滴っている。感情を押さえる為に立てた爪が、己の掌を裂いたのだろう。
「妹は……テメェが戦うのを望んだか? 自分だけが安全な場所にいることを、その妹は望んでいるか?」
亮が問う。守られる側の苦悩。亮の言葉には、そんな苦しみが滲んでいた。
「姉貴はいつもそうだった。俺の心配ばっかしやがって……ちょっとは自分の心配しろってんだよッ!」
「貴殿が本当に許せぬのは、姉君の力になれず無力だった自分自身なのだろう?」
ターニャが亮の心を言い当てる。
「如何なる手法を用いていたかは想像可能だし、うら若き女の身で人を養う事は非常に困難な事だ。養われていた身である貴殿が為すべき事は、激情に駆られてゴミ掃除をする事か? 断じて否だ、そのような些末事に係わっている暇があるものか」
表情を崩さず、淡々と語るターニャ。そこに遵が割り込み、亮の胸倉を掴んだ。
「全てが憎いだなんて八つ当たりでしかねーんだよ。その為に化け物になる道を選ぶってのか? ふっざけんな! お前まで姉貴を裏切ってどーすんだ!」
亮は遵の手を振り払うと、鋭い目付きで遵を睨んだ。
「俺が姉貴を、裏切る……だと?」
亮の激情は言葉にならない。代わりに、鋭い拳が遵に飛ぶ。遵はその拳を受け止めると、己の拳に炎を宿した。
「この世界がクソみてーだったとしても、お前は、お前だけは姉貴が愛したお前のままでいてやれよ!」
遵はそう叫ぶと、炎を纏った拳で亮にボディーブローを浴びせた。よろめく亮。
「ッ、これ以上邪魔すんなら……テメェらを最初に壊してやるよッ!」
そんな言葉と共に、亮の纏う気配は異質なものへと変わっていった。
●手にした力
破邪の白光と共に強烈な斬撃をターニャが繰り出す。避け切れなかった亮の左腕から血が滴った。よく見れば、その体には無数の生傷が刻まれている。それなのに、亮は薄っすらと笑みを浮かべていた。
幾度となく灼滅者の攻撃を受けたにも関わらず、亮は笑っているのだ。
「弱体化してなおこの強さか……相手は闇堕ちしてるとは言え、我が身の未熟さを痛感するな」
満身創痍のターニャが呟く。周りの仲間も皆、傷だらけだ。
不完全とはいえ、ダークネスの力を宿した亮。その一撃一撃が確実に灼滅者の体力を奪っていく。そして今、鮮血の如き緋色のオーラが再び亮の拳に宿された。
鋭い拳がブレイブ目掛けて放たれる。
凄まじい衝撃により後方へと押されるブレイブ。地面が抉れ、草の匂いが鼻を掠める。痺れる両手。それでも、ブレイブは亮の攻撃をマテリアルロッドで受けとめた。
「全てを破壊してよいのでござろうか。否定されるだけの世界ではなかったでござろう。楽しきことも姉上との温かき思い出も、この世界がなければ出来なかったもの」
ブレイブが言う。
「姉上は亮殿の行うことを良しとするか、それを良しとするような姉上であったのでござろうか。拙者、家族の思い出はなくとも、姉上は大切な弟の亮殿が人を殺めるようなこと、決して望んではいないであろうこと容易に想像出来るでござる」
必死に亮の心へ訴えかける。姉と過ごしたこの世界。きっと、憎いだけの世界じゃないはずだ。
「亮殿がそのようなことをしては、必ず悲しまれる。やめるでござるよ!」
そう叫ぶと、ブレイブは今日何度目かのフォースブレイクを繰り出した。体内から爆破され、血を吐く亮に紗智子が近づく。紗智子自身も傷だらけだが、痛みなど全く感じさせない程の気迫に満ちた佇まいで言葉を発する。
「正直な所、貴方をこのまま行かせた方が良いのでは? と心のどこかで思ってたりします。事情が事情ですからね」
私達がこうして立ち塞がるのは場違いなのかもしれない。
「ただ……『全てを壊したい』と思っている貴方を行かせる訳にはいきません。仮に全てを壊したとして、『本当』に貴方しか居ない世界にしたとして、その後はどうするお積もりで? ……どうして姉と生きて来たのか、もう一度考え直してみてはどうでしょうか?」
その問いに答えは無い。ただ、眼前の少年の瞳が僅かに揺らいだ。何も無い世界で得られるものとは何なのか。
きっと、誰にもわからない。
紗智子は扇を模した盾、空蝉を優雅に振るう。展開されたエネルギー障壁が亮を襲った。紗智子の攻撃によろめいた亮が怒りを宿して紗智子を睨む。そこにすかさず狼花が割り込んだ。
「一時の憎しみに任せて世界を壊そうとしているなら敢えて言おうか。世界を壊すっていうのは君の中の彼女を壊すって事じゃないか? それじゃ君達を拒絶した世界と同じじゃないのかよ?」
狼花は間合いを詰めると瞬時に抜刀。その刃が亮の右肩を切り裂いた。
「俺の中の……姉貴を壊す?」
肩を押さえ、亮が呟く。急に痛み出した無数の傷が、己は人間なのだと訴えてくる。姉貴に愛された弟なのだと、痛みが告げる。そんな中、マギの影が亮に絡みついた。
亮の視線がマギに向く。
「もし、パパやママやおばあちゃまが向こう側へ行ってしまったら、マギとて切欠を憎んでしまうです。自分にお仕置きしてしまうです」
くりくりとした瞳を心配色に染め、マギが言う。それは亮の立場に寄り添う言葉。
「けれど、それはそれ。もしマギが向こう側へ行ってしまったら誰にもついて来て欲しくないです。マギの分も『人』を謳歌してほしいんですよ」
マギが続けた言葉は姉の立場に寄り添うものだ。亮の姉ならきっとそう思うはず。弟を大切にしてきた姉なら、道連れなんて望まない。
「曽根、己に巣食う闇に負けるな。抗え。あんたの姉は、闇に堕ちる弟なんて見たくないはずだ」
雅史が、手にしたガトリングガンから爆炎の魔力を込めた大量の弾丸を乱れ撃つ。そこに遵の声が加わった。
「男だ世界だを憎む前に、お前だって姉貴の事を何も分かっちゃねーじゃんか。姉貴はこのクソみてーな世界でお前にどうあって欲しくて、ずっとお前を守ってきたのか。考えろ!」
遵が担いだロケットハンマーを振りかざす。ロケット噴射を伴う渾身の殴打が亮を襲った。
●力の使い道
倒れこむ亮にマギが駆け寄る。
「亮さんまで諦めてしまったらお姉さんが守りたかった『家族』が終わってしまうです。とても悲しいですよ。亮さんは繋げなければいけませんです。家族が残した幸せの記憶を残しましょう?」
マギがそう言えば、狼花も頷く。
「愛し愛された思い出のある世界を、君には大切にしてほしい」
仲間が続々と亮の周りに集まってくる。
「本気で怒り、そしてこれ以上もう何も出来ないと分かった時、人は何もない両手を握り締めて暴力に走る。原始の力だ、何も間違っていない。何を殴るかが問題だ」
紗智子がそう告げると、遵は亮を抱き起こしてその手を握る。
「腐った世界を変える力を、現にお前は持ってるじゃねーか」
この手に持っているのは闇に対抗する力。この世界を変える力だ。
「……変える、力?」
「そうだ。この世界、壊すことなく変えればいい。1人1人の力は微弱でも、仲間が集まれば可能性は無限に広がる。そうは思わないか?」
雅史が告げれば亮は小さく笑った。それは嫌味の無い、少年らしい朗らかな笑みだった。
希望は見えた。
美亜は剣を構え、亮に告ぐ。
「手伝ってやる、帰って来い。……こちら側になッ!」
美亜の非物質化した剣が亮の闇を打ち砕く。遵の腕の中、亮は光に包まれ気を失った。
やがて目を覚ました亮が見たのは安堵の表情で微笑む8人の姿だった。そして、亮は雅史から辛い事実を告げられる。
ダークネスと化した姉が元に戻ることはないこと。しかし、亮がその姉を救い得る存在であること。
「そうか、姉貴はもう……」
亮は言葉を詰まらせ、空を見上げた。浮かんだ涙を必死に堪える。
しばらくして、亮が灼滅者達に目を向けた。
「……傷、大丈夫か?」
先ほどの戦闘を思い出したのだろう。気まずそうに亮が問う。
「問題ない。この国では夕陽の見える河原で殴り合った者達は解り合えるのだろう?」
ターニャが普段通りの無表情でそう言うと、横から顔を出したブレイブが微笑んだ。
「必ず助けられると思ってたでござる。打ち勝つ心、亮殿にはあると信じてたでござるよ」
「ま、振り上げちまった拳はどっかに下ろさねーといけねーもんな。大丈夫、いつでも受け止めてやるよ、感受性マッハ野郎!」
ブレイブの言葉に続いて、ニカッと笑った遵が言う。遵は亮にヘッドロックをかますと、その頭をワシャワシャ撫でた。
「……おい。変なあだ名、つけんなよ」
苦笑いでそう言えば、沈んだ気持ちが少し和らぐ。
道を踏み外しかけた自分だが、全力で引き戻してくれる人がいた。この世界、案外捨てたもんじゃないかもしれない。
「さあ、一緒に帰ろう。学園へ」
雅史はそう言うと亮に手を差し伸べた。仲間も亮を笑顔で迎える。亮をがっちりホールドしている遵に至っては、『お前に拒否権は無い!』とばかりのイイ笑顔。
「……お世話に、なります」
少年は雅史の手を握る。
また1人、新たな灼滅者が武蔵坂学園に加わった。
作者:星原なゆた |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2014年4月29日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 3/感動した 2/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 0
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