お嫁になんていかないで

    作者:篁みゆ

    ●大好きな人だから
    「郁斗、この人があなたの新しいお兄さんよ」
    「ええ、式をあげたら彼の転勤についてニューヨークにいくわ」
     家族みんなで外で夕飯なんて久々でウキウキしていた僕の心は砕かれた。なぜか先にお店に来ていたお姉ちゃんの隣には男の人がいて、なぜか男の人も一緒のテーブルについて。お姉ちゃんはこの人と結婚するって言った。結婚したら、外国に行くって言った。
     大好きなハンバーグもあんまり食べられなかった。帰ってきて部屋に閉じこもった僕を誰も気にしなかった。みんな、お姉ちゃんの結婚の話をしている。僕はお姉ちゃんの作ったハンバーグが食べたかった。
    (「お姉ちゃん、英語なんか全然駄目なんだから、アメリカに行ったらきっと苦労するよ」)
     突っ伏したベッドでぎゅっとシーツを握りしめる。
    (「お姉ちゃんのハンバーグ、たべられなくなっちゃうの?」)
    「……行かないで」
     いつの間にか眠ってしまった郁斗は、自分の呟きで目覚めた。時計を見ると深夜の3時。家の中も静まり返っている。
    (「お姉ちゃんがあの人を嫌いになっちゃえばいいんだ」)
     何かに憑かれたように郁人は、姉の部屋を目指した。
     

    「やあ、よく来てくれたね」
     教室に足を踏み入れると、神童・瀞真(高校生エクスブレイン・dn0069)が穏やかに灼滅者達を迎えた。椅子に腰を掛けるように示し、全員が座ったのを確認すると和綴じのノートを開いた。
    「一般人が闇堕ちしてシャドウになる事件があるよ」
     通常ならば闇堕ちしたダークネスからはすぐさま人間の意識は掻き消える。しかし今回のケースは元の人間としての意識を残したままで、ダークネスの力を持ちながらダークネスには成りきっていないのだ。
    「彼が灼滅者の素質を持つようであれば、闇堕ちから救い出して欲しいんだ。ただ、完全なダークネスになってしまうようならば、その前に灼滅をお願いしたい」
     彼が灼滅者の素質を持っているならば、手遅れになる前にKOすることで闇堕ちから救い出すことができる。また、心に響く説得をすれば、その力を減じることもできるかもしれない。
    「彼の名前は河内・郁斗(かわち・いくと)、今年小学3年生になったばかりだ。彼の年の離れたお姉さんが、今度結婚して、旦那さんの転勤について海外に行くことになった。彼にとっては母に近い存在でもあったお姉さんが遠くに行ってしまう、それが耐えられなくて、お姉さんの夢の中に入ってしまう」
     郁斗が行動を起こすのは午前3時過ぎ。二階にある自分の部屋を出て廊下を通って隣の姉の部屋へと行く。そして眠っている姉にソウルアクセスして、ソウルボードへと入り込むのだ。
    「一階のリビングの、庭に面した大きな窓には鍵がかかっていない。ここから入るのがいいだろう。間取りは特殊なものではないので、階段もすぐに見つかると思う。注意するとしたら、庭に小屋のある犬と、二階の寝室で眠っている両親に騒がれないようにすることくらいかな」
     犬がしきりに吠えれば両親は起きだしてくるだろう。
    「君たちが到着する頃には郁斗君はお姉さんの夢へと入っているだろう。急いで後を追ってくれ」
     戦闘になれば郁斗は愛犬の姿をした手下を二体呼び出して共に戦う。シャドウハンターと同じサイキックの他に『鋼糸』相当のサイキックを使ってくる。
    「彼としては突然大好きな姉を奪われるということが耐えられないのだろうね。物理的にも結婚相手は姉を遠くに連れ去ってしまうから。結婚相手へ直接の刃が向かなかったのが幸いというべきか……難しいね」
     なんとか彼の目を覚まさせてあげてほしい、瀞真はそう告げてノートを閉じた。


    参加者
    勿忘・みをき(誓言の杭・d00125)
    二神・雪紗(ノークエスチョンズビフォー・d01780)
    山本・仁道(高校生デモノイドヒューマン・d18245)
    リアナ・ディミニ(アリアスレイヤー・d18549)
    瀬川・蓮(高校生魔法使い・d21742)
    グラジュ・メユパール(暗闇照らす花・d23798)
    風見・兵吾(喧嘩とジャージ以外は一夜漬け・d24204)

    ■リプレイ

    ●思いに溺れる君を救いに
     午前3時すぎ、住宅街は闇と静寂に覆われていた。申し訳程度の街灯だけが闇を切り取っていた。8人の男女は使える者は闇纏いや旅人の外套を使用し、使えない者はその分気を使いつつ河内家の敷地に入る。
     玄関側から庭へと向かうとすぐに犬小屋が見て取れた。近づく気配と物音を察知したのか、小屋の中でもぞりと主が動いた。
    「任せて下さい」
     小声で告げたラピスティリア・ジュエルディライト(夜色少年・d15728)が喚んだ優しい風が犬小屋の中に入り込み、ミルクに寝息を立てさせる。ラピスティリアの手招きに従って、一同は庭に面した窓からリビングへと入り込んだ。
    「そーっと、そーっと……」
     自分に言い聞かせるように呟きながら歩くグラジュ・メユパール(暗闇照らす花・d23798)は眠そうだ。小学2年生に深夜3時過ぎは確かにちょっときつい。
    「大丈夫か?」
    「うん、ありがとう」
     同じように足音に気遣いながら進む風見・兵吾(喧嘩とジャージ以外は一夜漬け・d24204)にそっと背に手を当てられて、グラジュは頷いて答えた。
    「階段はこっちです」
     先行して階段を見つけたリアナ・ディミニ(アリアスレイヤー・d18549)の小声の招きに瀬川・蓮(高校生魔法使い・d21742)が続く。音を立てぬように階段を登れば、扉がきっちりと閉じられた部屋と開け放たれた扉の部屋が目に入った。
    「慕っていた姉が、遠くへ嫁いでしまうか。なるほど、たしかに年端もいかない少年には受け止めがたいな」
     開け放たれた扉から室内を覗いた山本・仁道(高校生デモノイドヒューマン・d18245)は小さく言葉を漏らした。そこは男の子の部屋で、タオルケットが無造作に床に落ちていた。ここは郁斗の部屋だろう。首を振った仁道に頷き返した勿忘・みをき(誓言の杭・d00125)は郁斗の部屋と並んだもう一つの部屋の扉へとゆっくり進む。
    (「掛け違ったボタンを直しに行く、それだけだ」)
     心の中で呟いて細く開いていた扉の隙間から中を覗き込む。女性らしいインテリアで統一されたその部屋が里都の部屋で間違いないだろう。扉が閉まりきっていないのは郁斗が入り込んだ時に閉めなかったからだと思われる。
    (「相変わらず、人の心は理解が難しい」)
     全員集まった部屋の中で里都を見下ろすのは二神・雪紗(ノークエスチョンズビフォー・d01780)。
    (「精々、最善を尽くすとしよう」)
     そっと、ソウルアクセスを試みる。灼滅者達は郁斗を追って、里都のソウルボードへ――。

    ●君の本当の思いは?
     里都のソウルボードの中は本人の心境を表しているかのようだった。明るく、花で満ちたその中に所々見える写真のような画像に写っている男性は彼女の婚約者だろう。
    「郁斗くんはどこでしょう?」
     幸せ一色のソウルボードを覗いて彼はどう感じただろうか。蓮は視線を彷徨わせる。夢の中が初めてだという蓮と同じように郁斗も僅かな戸惑いを抱いているかもしれない。
    「いた」
     一番に郁斗を発見したみをきが指し示したのは咲き誇る花の下。郁斗は体育座りをして小さくなっている。蓮が駆け寄って郁斗と視線を合わせるようにしゃがんだ。
    「初めまして! 私は瀬川 蓮といいます。貴方は郁斗くん?」
    「……? 何で僕の名前……」
    「それは、この不思議空間と関係あります。話を聞いてくださいね」
     笑顔の蓮へ視線を向けた郁斗はそのまま彼女の後ろに視線を向ける。そこには少しばかり距離をおいて郁斗にとって見知らぬ男女が立っていた。
     誰、身構える郁斗にアルカイックスマイルを向けて声をかけるのはラピスティリア。
    「郁斗君、僕達は君を止めに来ました。家族が離れて行く事が嫌な気持ちは分かりますよ、僕にだって双子の弟が居ます」
    「僕は、何も……」
    「でも……もし僕が君と同じ立場になっても、僕は祝福したいと思います。だって、大切な家族には幸せで居て欲しいですから」
    「でも僕は幸せじゃない。僕は幸せになったら駄目なの?」
     誰もそんなことは言っていない。けれどもまだ小さい郁斗は自分が否定されたように感じたのだろう。そっと、仁道が言葉を挟む。
    「君の言い分は、わかる。誰しも家族と離れ離れになるのは辛く、痛みを伴う。たしかにお姉さんにはお姉さんの人生がある。しかしそれをすんなり受け入れることは難しいだろう。俺が君の立場でも、難しい」
     語りながら彼が思い浮かべたのは義妹の事。気の早い話ではあるがいつか妹が嫁ぐ時に自分自身も淋しさと折り合いを付けなければならないのだろう、そう思うと郁斗の痛みがわかる気がした。
    「しかし、君はその気持ちを、自分の思いを、お姉さんに分かってもらおうとしたのか」
     無骨さは垣間見えるができるだけ優しくと心砕かれた言葉。
    「こんな乱暴な手段に出る前に、嫌だと。寂しいのだと、ちゃんと伝えたのかな」
     きゅっと唇を引き結んで黙る郁斗。
    「さて、残念ながら演算装置たるボクに感情論は苦手でね。理詰めで行かせてもらうよ」
     雪紗は真っ直ぐに郁斗を見つめ、言葉で射抜く。
    「少年、君はその自分の心の内を話していないのだろう? こうして心の中へ閉じこもって、問いにも黙っているぐらいなのだから、きっと言えなかったのだろう――何故か?」
     感情が希薄なその言葉は郁斗を震わせる。だが雪紗は迷わず続きを口にした。
    「それは、君自身、心のどこかで姉の選択を正しいと受け止めている自分がいるからだ」
    「僕は、僕はっ……お姉ちゃんと離れたくなくてっ、こうすれば、お姉ちゃんもきっと外国にいかなくて済んで一緒に幸せにっ……」
    「自分の事ばかりだな。姉の気持ちを聞いたことは、考えたことはあるのか」
     言い募る郁斗の言葉を遮ったのはみをきの鋭い言葉。本人が目を背けようとしている所を的確に突いたことで郁斗の言葉を止めた。
    「今やろうとしている事は大切な姉を苦しめ、お前自身の首を絞める行為だ」
    「君のやろうとしてることは、とてもひどいことです」
    「そうだよ、郁斗がしてることはよくないことだよ」
     リアナとグラジュが言葉を寄せる。小さな彼にも伝わるように。
    「もし誰かが勝手に、君のお姉さんを大好きな気持ちを書き換えるようなことをしたら、許せないですよね」
     リアナはあくまでも冷静に。肉親との縁が薄いリアナは、姉を思う自分の気持はわからないと言われたら心苦しいところがある。だが学園には彼女が姉、兄と慕う人がいて。気持ちそのものに干渉しようとしていることが許せなくもあった。
    「お姉ちゃんが好きって気持ちを、勝手に変えられたらどう思う? 僕も姉さまが好きだよ、それを変えられたらすごく悲しいよ」
     郁斗と歳の近いグラジュが自分の思いを乗せて告げれば、郁斗の瞳が揺れた。
    「ハンバーグはもう食べられないわけじゃないよ。でもお姉ちゃんに嫌われたらもう食べられないかもしれないし、お姉ちゃんのことを思ったらこんなことやめなきゃだめだよ」
    「お姉ちゃん……嫌われたくないよぅ」
     涙をぽろぽろ零す郁斗を見て、蓮は優しく口を開く。聞くまでもないかなと思いつつも、言葉にすることが大切だから。
    「食事会の時、お姉さんと婚約者さんはどんな様子でしたか?」
    「……しあわせそうだった」
     絞りだすように紡がれた言葉。それが聞けてしまえばこっちのものだ。
    「もう、お姉さんの気持ちはちゃんとわかってるね」
     そっと笑んでみせたが郁斗は唇を噛み締めていて。わかっているけれど認めたくない、そんな様子だ。それまで説得の様子を黙ってみていた兵吾だったが、たまりかねて皆の後ろから声を上げた。
    「郁斗、お前は姉ちゃんの笑顔と涙、どっちが好きなんだよ。それだけ考えてみろ」
     泣きべそをかいたまま視線を彷徨わせた郁斗は兵吾を見つけて視線をあわせる。兵吾は小さく頷いて。
    「結論は出てるんだろ? だから、姉ちゃんの心を弄らずにそんな所でうずくまってたんだろ?」
     誰が見ても幸せが溢れているとわかるソウルボード。先に辿り着いていた郁斗なら灼滅者達が到着する前に弄ることもできたはずだ。だが彼はそうしなかった。迷いが作った時間が灼滅者達と出会わせ、そして衝動よりも迷いが正しいという彼らの説得が、郁斗の心を繋ぎ止める。
    「僕、お姉ちゃんが幸せに……ヴ、ガ……」
     だが、彼の中のシャドウがそれを黙ってみているはずはなかった。涙を拭いて立ち上がろうとした郁斗の表情が歪んでいく。
    「危ない!」
     郁斗の近くにしゃがんでいた蓮の腕をみをきが引き、立ち上がらせて下がらせる。
    「Twins flower of azure in full glory at night.」
     ラピスティリアの解除コードに続くように、灼滅者達は戦闘態勢を整えた。

    ●君を連れて帰るよ
     郁斗を守るように現れた2体の犬が吠える。犬が後衛を襲っている間に郁斗はみをきを狙ったが、ビハインドによって阻まれた。
    「落ち着け、笑顔の姉ちゃんにまた会いたいだろ!?」
     闘気を雷に変換した兵吾は、目を覚まさせようとするように郁斗にガツンと拳を叩き込む。
    「また『お姉ちゃんのハンバーグ』を食べたいんだろう! なら手遅れになる前に考えろ!! ……俺のように、ならない為にも」
     盾を前衛に広げながら叫んだみをきの声はいつもより感情的だ。姉と姉の記憶を持つ郁斗が羨ましくもあり、同時に自分と同じ思いを味わってほしくない――その思いがみをきの心を揺らす。ビハインドが素早く1体の犬へと迫った。
    「ねぇ、郁斗君。君のしようとしている事は、お姉さんの心を削り、壊し、勝手に作り替えようとしていると言う事です」
     白いヘッドフォンを装着すると、仲間の声を遮断しない程度のアップテンポな音楽が流れてくる。
    「君には、大好きなお姉さんの幸せを一緒に喜んであげる事は出来ませんか? このままシャドウに身体を任せて、お姉さんの幸せを、壊してしまいたいですか?」
     肩口から巨腕に変化したそれを傷を負っている犬に叩きつけるラピスティリア。きゃん、と犬の上げた声が背筋をくすぐる。間髪入れずにリアナが犬達の熱量を奪っていく。
    「郁斗、がんばれ!」
     赤い2つの角を生やしたグラジュの瞳は赤い。人造灼滅者たる彼の闇堕ち姿だ。白光で犬を斬りつけながら叫ぶ。この声が、彼を闇から助ける糸となれと。
    「自分の心の矛盾に気づいただろうか? それが人の心と言うものだ。だったら君はその不完全のままに伝えるべきなのだ」
     淡々と告げながら、雪紗は両手の『ジェミニ・バタフライ[カストル]』と『ジェミニ・バタフライ[ポルクス]』を構える。
    「現実で、『寂しい』『行って欲しくない』と伝えるのだ。結果は変わらずとも、君の心には決着が付くはずだから」
     狙いを傷を負っている犬に定める。
    「さぁ灼滅演算を開始しよう。GetReady?」
     狙いすまされたその一撃は常以上の威力を持って犬の身体を撃ちぬいて。撃たれた衝撃で犬の身体が宙に舞う。素早く落下地点へ移動した仁道の超硬度の拳が犬の腹に埋まり、そしてその身体を霧散させた。
    「お姉さんが大好きなのだろう?それなら、ちゃんと自分の口で言わなきゃいけない。こんな夢の中ではなく、な」
     郁斗を見つめてシャドウの影に隠れている本物の郁斗へと訴えかける。戻ってこい、と。
    「回復は任せて下さい、いきますよ!」
     風を喚んで後衛の傷を癒やす蓮。その間に霊犬のルーがもう一匹の犬を斬りつけた。

    ●おかえり、待ってたよ
     犬が2匹とも倒されると、郁斗にも焦りが見えた。
    「こい。真っ向から受け止めてやる」
     その宣言通りに後衛を狙って撃ちだされた漆黒の弾丸はみをきやグラジュによって阻まれて。思い通りにいかないことと徐々に深くなっていく傷に焦りが出たのか、郁斗の攻撃はあらぬ方向へ放たれることも増えていた。
    「予測、予測、予測……完了。――射出」
     兵吾の拳が郁斗の身体を穿ったのに合わせるようにして放たれた雪紗の一撃は傷を深くして。
    「郁斗、さみしくてもだいじょうぶだよ。お姉ちゃんとの間が変わることなんてないよ」
     だから、帰っておいで――グラジュの放った大量の弾丸が爆炎を喚ぶ。仲間を庇い続けていたみをきの傷をリアナの美しい歌声が癒やす。ラピスティリア振るった『Ex Machina Amethyst.』から流し込まれた魔力が郁斗の体内を蹂躙し、その間に蓮が小光輪を遣わせてグラジュの傷を癒やした。ルーが郁斗の身体を斬りつける。
    「甘えることは悪くない。家族なら、なおさらだ」
     悲鳴を上げる郁斗に肉薄した仁道が言葉をかけ、そして拳を突き出して。
    「お前はまだ、引き返せる」
     みをきの『ADAMAS』が郁斗をぎりぎりと締め上げる。小さく呻き声を上げて抵抗していた郁斗が抵抗をやめた。意識を失った身体が倒れる。これで、終わりだ。

    「郁斗、おかえり!」
     里都の部屋で目を覚ました郁斗に小声で語りかけるグラジュ。郁斗はまだ起こったことが現実なのか夢なのかはっきりしていない様子だったが、ラピスティリアの学園についての説明と、何よりも夢の中で会ったはずの8人がこの場にいることですべて現実であると理解したようだった。
    「これから、仲間として、よろしくお願いしますね」
    「……うん」
     リアナの言葉に不安そうに返すも無理は無い。郁斗はまだまだ小さな子供なのだ。だが灼滅者達が口々に優しい言葉をかければ、郁斗の不安も薄らいでいくようだった。これから、彼らが仲間なのだから。
     皆で里都の部屋を出る。最後に部屋を出たリアナは扉を締める前にそっと告げた。
    「良い夢を」

    作者:篁みゆ 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2014年5月20日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 2/感動した 1/素敵だった 6/キャラが大事にされていた 1
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