静かなる殺戮を望む者にロードローラーだッ

    作者:飛翔優

    ●トラップハウスの攻略法
     住宅地から少しだけ離れた森の中にある、落ち着いた雰囲気が漂う大きな洋館。雑草などない庭や手入れされた花壇、程よく掃除されている門などから、のんびりとした金持ちが住んでいるのではないかと思わせる静かな場所。
     主は、六六六人衆、四三一位の田中実。七三分けの、どこにでもいそうなサラリーマン風の男。
     洋館は穏やかな殺戮を望む彼が作り上げた、ダークネスですら力尽きてしまう事もあるというトラップハウスなのである。
     そんな場所に挑戦する六六六人衆が一人。
     序列二八八位、ロードローラー。その赤き分身。
     雲ひとつない星空の下、意気揚々とエンジン音を唸らせながら鋼の肉体で門を踏み潰す!
     幾多の凶悪な罠を搭載したトラップハウスなど、外から砕いてしまえば問題ない。瞬く間に洋館を粉砕し、植物以外何もない更地へと変えてしまった!
    「更なる高みを目指し 混沌を駆け巡ろうか! 身を守る隠れ家など 六六六人衆には必要ないのだ」
     高らかなる笑い声を上げながら、エンジン音を唸らせ去っていく。風に揺れる花に見送られながら……。

    ●夕暮れ時の教室にて
     倉科・葉月(高校生エクスブレイン・dn0020)は灼滅者たちを出迎えるなり、挨拶もそこそこに説明を開始した。
    「謎に包まれた六六六人衆、???が動いたようです」
     ???は得意な才能を持つ灼滅者外法院ウツロギを闇堕ちさせ、分裂という稀有な特性を持つ六六六人衆を生み出した。その六人衆こそ、序列二八八位ロードローラーなのだ。
    「二八八位の序列はクリスマス爆破男が灼滅された後は空席となっていたのですが、得意な才能を持つ六六六人衆の誕生により、その空席が埋まったのだと思われます」
     序列二八八位ロードローラーは、分裂により日本各地に散って次々と事件を起こそうとしている。
    「皆さんには、この分裂したロードローラーの起こす事件を解決して欲しいんです」
     前提はここで終わりと、葉月は具体的な説明に移っていく。
    「皆さんに相手取って欲しいのは、拠点をロードローラーに潰された六六六人衆、四三一位の田中実になります」
     姿は七三分けの、どこにでもいそうなサラリーマン。わざと事件を起こして己を追わせ、トラップハウスに改造した洋館で迎え撃つ……そんな殺戮を行っていた。罠の精度、凶悪さは、ダークネスですら田中実に会うことすら叶わずに命を落としてしまうほどである。
    「反面……と言いますか、田中実本人の戦闘力は序列から感じるほど高いものではありません。それでも、私たちにとっては十分なほどの力量はありますが……」
     ともあれ、そんな田中実の拠点がロードローラーの襲撃を受け、完膚なきまでに破壊された。
     即ち、トラップハウスという最大の武器を失った田中実を灼滅するチャンスとなる。葉月は地図を広げ、住宅街から少しだけ離れた場所にある森の一角を指し示した。
    「時間帯は夜八時。この場所に赴けば、拠点を更地に変えられて呆然と佇んでいる田中実と遭遇する事ができるはずです。後は、失意の中にある田中実を襲撃すれば良いだけですね」
     力量は八人を十二分に相手取れる程高く、破壊力に特化している。
     どこにでもありそうなナイフによる連続刺突や、片手で握れるサイズの石による威嚇込みの殴打。周囲の石や尖った樹の枝などを一定範囲内を埋め尽くさん勢いで集中させる力、の三種を使い分けてくる。
     また、攻撃のどれもが高い殺傷能力を持つ。その点には留意が必要となるだろう。
    「以上で説明を終了します」
     地図など必要な物を手渡し、葉月は締めくくりへと移行する。
    「ウツロギさんは六六六人衆を弱体化させて、六六六人衆の殺し合いを助長する。そんな作戦をしようとしているのかもしれません」
     だが、身を守る拠点込みで高い序列を持っていた六六六人衆を灼滅するチャンスでもあるので、このチャンスを逃す理由はどこにもない。
    「ここで取り逃がせば、田中実が新たな拠点を得るために無茶な活動を開始し、大きな被害が出てしまうかもしれません。ですのでどうか、全力での灼滅を。何よりも無事に帰ってきて下さいね? 約束ですよ?」


    参加者
    乾・舞斗(冷たき冬空に振り上げる拳・d01483)
    一橋・聖(みんなのお姉さん・d02156)
    キース・アシュクロフト(氷華繚乱・d03557)
    鈴木・総一郎(鈴木さん家の・d03568)
    皇樹・桜(家族を守る剣・d06215)
    高遠・彼方(無銘葬・d06991)
    阿久沢・木菟(灰色八門・d12081)
    鬼追・智美(メイドのような何か・d17614)

    ■リプレイ

    ●ロードローラーが導く場所へ
     六六六人衆、四三一位の田中実。ダークネスですら力尽きてしまうほどのトラップハウス作成能力を持つ男。
     罠など関係ないとあざ笑うかのように、二八八位のロードローラーは踏み潰した。
     それから少し時が流れた夜八時。花壇を残して更地になったトラップをハウスを前に、七三分けのスーツ姿というどこにでもいそうなサラリーマン風の男、田中実は呆然と立ち尽くしていた。
     気づかれぬよう慎重に歩を進めながら、鬼追・智美(メイドのような何か・d17614)は瞳を細めてそんな光景を眺めていく。
     元々学園の仲間であるウツロギ……ロードローラーの元になった灼滅者……の事も気になるが、トラップハウスを失い著しく弱体化している田中実を灼滅するチャンスを逃す手はない。
     田中実に取っては災難だろうが、伝え聞くこれまでの行動を考えれば決して許してはならないダークネス……と。
     彼女が決意を固めていく傍ら、阿久沢・木菟(灰色八門・d12081)は小さな声で呟いた。
    「しっかし、アジトを壊されても自分が直接狙われなきゃ予知はできんのでござるな。そんならあのダークネス形態って、こういう待ちを得意とする相手には超有効でござるなぁ」
     実際はどうなのかはわからない。
     トラップハウスの突破など不可能とたかをくくっていた可能性もある。
    「ま、そろそろ行くでござろうか。すでに間合いでござるよ!」
     小さく肩をすくめた後、木菟がいち早く踏み込み刀を抜く。
    「何!?」
     ふくらはぎを斬られて漸く、田中実は灼滅者たちに気がついたらしい。
     振り向く田中実の腕を狙い、キース・アシュクロフト(氷華繚乱・d03557)が影を放っていく。
    「序列の高い六六六人衆を灼滅できるチャンスが、ダークネスによって齎される……なんとも皮肉なものだが、好機は好機だ。全力で当たらせてもらおう」
    「さぁライブオ~ン♪」
     田中実の腕が拘束された時、一橋・聖(みんなのお姉さん・d02156)が姿を変えた。
     今はなき、トラップハウスに変えられていた洋館にふさわしい、黒を基調とする落ち着いた貴婦人ドレス。艶やかな色に染まる唇を優しく撫で、静かに微笑み踊りだす。
    「館と貴方の灼滅に乾杯♪」
     どこからともなく鳴り響くミュージックに合わせたステップを踏みながら、ビハインドのペテっちゃんと共に歩み寄る。
     彼女たちが一撃を与えていく傍ら、皇樹・桜(家族を守る剣・d06215)もまた力を開放した。
    「さあ、狩りの時間だ!」
     腰元の刀に手を当てると共に踏み込んで抜き放ち、一閃。
     脚を切り裂くと共に、口元に笑みを浮かべて走り抜ける。
     仲間たちが次々と奇襲を成功させていく中、智美は霊犬に前へと向かうよう命じながら自身に守りの加護を施した。
    「申し訳ございませんが……この場で灼滅させて頂きます……!」
    「君たちは……」
    「引き篭り過ぎてて平和ボケじゃござらんか? 最近じゃ三歩進めば殺人鬼に出会える世の中なんでござるぞ?」
     状況を理解しきれぬ田中実に、反撃を警戒して腰を落とす木菟が言い放つ。
     反論を待つこともせず、ゴーグルをかける鈴木・総一郎(鈴木さん家の・d03568)の影が田中実の脚に絡みついた。
    「ほんと、ある意味ご愁傷様」
     直後にライドキャリバーに突撃させ、三歩ほど田中実を後退させていく。
    「万全じゃない所を申し訳ないけれど、ダークネスはそういう所を突いたりしないと強大過ぎて敵わない。悪く思わないでくれよ」
     奇襲は成功。
     戦力比も、数の上では一対多。
     それでも油断できない事を知っているから、総一郎は次のための力を影に注ぎ込みながら田中実の行動を観察する。
     田中実は静かなため息を吐いた後、無造作に影を振り払った。
    「ふむ、なるほど。どうしてタイミングが合ったのかは分からないが……どうやら、君たちを殺さなければならないらしい」
     喜ぶでもなく、嘆くでもなく、日常の事だというふうに、田中実が懐からナイフを抜き放つ。
     次からは、反撃が飛んでくる。
     ならば守りに優れる己等が抑える。ライドキャリバーに視線を送りながら総一郎はゴーグルを煌めかせた。

    ●常に変わらぬ殺人鬼
     状況自体はシンプル。
     ロードローラーで舗装された所に真正面から突っ込んで潰せば良いだけの話だと、高遠・彼方(無銘葬・d06991)は槍を片手に懐へと飛び込んでいく。
    「テメェは潰す。今、ここで、だ」
    「……」
    「ダークネスは殺す。殺戮して蹂躙して灼滅する。例外はない」
     螺旋状の回転を加えて上で、右肩を狙い突き出した。
     硬質な音が響いた後、軽い調子で弾き返される。
     彼方が小さく舌打ちする中、田中実は静かに笑った。
    「ふっ、この程度で」
    「そこです」
     言葉を中断させる形で、乾・舞斗(冷たき冬空に振り上げる拳・d01483)が前触れもなく虚空を裂く。
     宙を翔け抜ける風刃は、ナイフを引き戻す勢いで弾かれた。
    「……私を殺せるなどとは思わないことだ」
     お返しとばかりに、田中実は周囲の小石を浮かべていく。
     前衛陣のいる場所へと、前触れもなく解き放った。
     密度が高いわけではない。が、小石は高速で飛び回り、避けることを許さない。
     肩へと食いこんでいく痛みに耐えながら、舞斗はその力に風刃と似たような匂いを感じ取りながらも少しずつ距離を詰めていく。
     体を揺するついでに放たれたという風体の裏拳をかました時、誘われるかのように彼方が氷の塊を発射した。
     拳をナイフで、氷を左手に握りしめていた石で、田中実は叩き落とす。
    「実力の差を考慮し給え。君たちの力量では、私を攻略することなどできないだろう」
     宣言と共に、田中実はナイフを突き出す。
     反撃をいなして石を振るう。あるいは小石を枝を飛び交わさせる。
     威力こそ必殺、とまでは行かないものの、相応に高い三種の技。
     それ以上に厄介なのは殺傷力。灼滅者たちは一人の治療で全てが済んでしまうほどの深い傷……癒やす事ができない傷を刻まれていた。
     体中から激しく火花を散らしていたライドキャリバーが、石に殴られ砕け散る。
     しばらく直せぬと知りながらも、聖は歌と舞踏を続けていく。
     時に優雅に、時に艶かしく、ペテっちゃんと共に紡ぐ仲間を支えるためのミュージカル。ならされた地面を滑るように田中実へと近づき揺らめく剣を振り下ろすも、ナイフに阻まれ肉体まで届けることは叶わない。
     すぐさま離れるようなステップを踏んだ後、戦場を観察。
     サーヴァントは間に合わないかもしれない……ペテっちゃんにも一時的な別れを告げなければならないかもしれないと考えながら、それでもなお続く攻撃に備え喉に力を込めていく。
     歌声に背中を押されながら、キースは影を放つ。
    「縛れ」
     ナイフを振り上げた腕を縛り付けた上で、短く言い放った。
    「状況は悪いが重ねて行けば活路もある。今は、耐える時間だ」
     すぐさま振り解かれるも、送り込む力の質を変えて浮かび上がらせた。
    「喰らい尽くせ」
     田中実の全身を影に閉ざし、動きそのものを封じていく。
     が、すぐさまナイフに切り開かれてしまった。
    「この程度で捉えられるなどと思わないでいただきたい」
     用いる力の質を変えたのだろう。小石が再び宙を舞い、前衛陣へと襲いかかった。
     額を撃ち抜かれ、ペテっちゃんが一時的な消滅の時を迎えていく。
     されど、木菟はあくまで笑みを浮かべていた。
     余裕ぶった調子で刀を振り下ろし、弾かれながら、口の端を持ち上げ問いかける。
    「ちなみに、お仲間に狙われる心当たりあるでござる?」
    「……さあな。気づかぬうちにトラップハウスの餌食になっていた者もいたが」
    「でござるよねー。お主ら仲悪すぎでござろう」
    「……」
     あくまで変わらぬ笑みが不評を買ったか。田中実が、前触れもなく木菟の懐へと踏み込んだ。
     智美が強引に割り込んで、肩から脇腹にかけて切り裂かれる。
    「っ……」
     おびただしい量の血を流しながらも、智美は決して退かない。
    「このくらい、どうってことありません!」
    「ほう……」
     感心したように笑みを浮かべる田中実、自らに守りの加護を宿していく智美。
     治療は意味を持たないと判断し、聖は汝の仮面、我預かれりと掘られた指輪で田中実を指し示した。
     歌声は変わらない、舞踏も変わらない。
     ただ、強い感情を魔力の弾丸に変えて解き放つ!
     肩で受けながらも、田中実の様子に変化はない。
    「訂正しよう。確かに、こちらも本気にならなければ、あるいは」
     言葉だけで警戒の念を示しながら、小石を再び巡らせる。
     小さな礫に撃ちぬかれ、霊犬もまた姿を失った……。

     サーヴァントを失い、治療も満足に進まず、追い込まれていく灼滅者たち。
     激しい呼吸を繰り返しながら、総一郎はオーラを放つ。
     ナイフに触れた瞬間力を込めるも、刃に切り裂かれる形で霧散した。
    「……く」
    「そろそろ危ないのではないかね?」
    「なら、テメェがさっさと倒れろ」
     冷たく目を細める田中実に、彼方がオーラを宿した拳で殴りかかる。
     一発、二発、三発と放たれる拳をナイフで、石でさばいていく田中実。舞斗が横合いへと回り込み、拳を固めて殴りかかった。
    「……」
    「この後に残るのが真の殺人鬼ですから、それに勝てなければ意味が無いのです」
     影を重ねてきたからか、さすがに二方向からの攻撃は厳しいのか、舞斗の拳は田中実の頬へとめり込んだ。
     されど表情は変わらない。
     田中実は彼方を弾いた後、振り向きざまに舞斗の胸にナイフを突き刺した。
    「ぐ……」
    「さ、次は」
     倒れていく舞斗から視線を外していく田中実、その言葉のさなかに、桜が刀を振り上げ飛び込んだ。
     状況は悪化しているものの、桜の笑みは崩れていない。
     否、より楽しげなものへと代わり、刀を思いっきり振り下ろした!
    「っ! さすがだね! でも、そろそろ辛いんじゃない?」
    「……」
     即座に弾かれるも、距離を取らずにもう一斬。ナイフに防がせた上で体重を乗せ、鍔迫り合いへと持ち込んでいく。
     直後、木菟が背後へと回り込んだ。
     引き出した鋼糸で脚を裂き、そのまま駆け抜けていく。
    「そろそろ……でござるかな」
    「……油断していたわけではないのだがな」
     ――実際、影を重ねていた成果が出ていたのだろう。脚を狙い続けていたかいもあったのだろう。
     桜を弾いた後、田中実は足を止める。
     小さなため息を吐きながら、虚空に小石を浮かばせていた。

    ●今はただ静寂を
     状況が悪化しても、好転しても、聖のすべきことは変わらない。
     優雅に、華麗に、艶やかに舞い踊り、仲間たちを支えていく。これ以上倒れさせたりはしないとの決意のもと、歌声を高らかに響かせる。
     治療してもしきれない、次を受けられるかもわからない。そんな木菟に向かい、田中実が石を振り上げた。
     天を指し示した時、魔力の矢が石を叩き落としていく。
    「おや?」
    「これ以上好きにはさせん。貫け」
     担い手たるキースは、更なる矢を解き放ち田中実へと降り注がせた。
     対処など許さぬと、難を逃れた木菟が鋼糸を振るっていく。
    「戦いにおいて必要な天地人。もし生まれ変わりってあるなら是非揃える努力をする様にオススメするでござるよ。お主、この三つが徹底的に足りてないでござるからな」
    「……だが、私にも意地がある」
     鋼糸から逃れることを選択したか、田中実は魔力の矢を浴びながら後方へと退いた。
     改めてナイフを握り直し、彼方に向かって真っ直ぐに突き出していく。
     智美が間に割り込んで、左の腕で受け止めた。
    「……」
     笑う膝を叱咤し、霞む瞳の中から田中実を探り出し、篭手をはめている右の拳を握りしめる。
     治療は意味は無いと、ナイフが引き抜かれる刹那を見切り拳を鳩尾へと叩き込んだ。
     体をくの字に下りながらも退こうとしていく田中実へ、桜が氷の塊をぶち当てる。
    「さあ、こっから一気に行こうか♪」
     氷結していくスーツを見て、桜は意気揚々と駆け出した。
     田中実はナイフを捨て、手で静止をかけて行く。
    「いや……」
     小さく首を振った後、両手を広げて自嘲気味に微笑んだ。
    「これにて終わりだ。考えてみれば、トラップハウスを潰された時に私の運命は決まっていたのかもしれないな」
     言葉が終わると共に、全身が氷に包まれた。
     風の訪れと共に砕け散り、粒子となって星の瞬く夜空へと散っていく。
     見守る灼滅者たちの側に、怪我を負っていないものはいない。後一撃、二撃受けたら危うい者も多い。
     それでも勝利したのだと、チラホラと安堵の息が……。

     少しだけ長い休息になるかもしれない。
     目覚めた舞斗の容態は、他の者よりも少々酷い。故に、今夜はもう休もうと、早々に撤退する流れとなった。
     何とか体を支えて立ち上がりながら、舞斗は小さなため息を吐いて行く。
    「ウツロギのその想いはまだよくわかりませんが、この程度の事は六六六人衆なら普通にありえることなんで……この好機、無事活かすことができて幸いでした」
    「確かに、六六六人衆の潰し合い……と取れなくも無いが。ウツロギ、何を考えてるのやら」
     彼方も肩を落とし、ロードローラーが舗装していった洋館後を見つめていく。
     偽りの主が去った今、そこにはもう、何もない。踏み潰されずに残り続けた花壇の中、風に揺られて命を証を精一杯示している黄色い花の他には、何も……。

    作者:飛翔優 重傷:乾・舞斗(硝子箱に彷徨う者・d01483) 
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2014年5月18日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 8/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 0
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