ロードローラーは餃子を潰す

    作者:三ノ木咲紀

     深夜。
     浜松市郊外の工業団地の駐車場で、浜松餃子怪人が必死に逃げ回っていた。
    「な、なんでロードローラーが俺様を追いかけるんだ!? 俺様はただ、うまいつけダレの研究をしてただけなのに!」
     必死に逃げる餃子怪人。脇目もふらず走る餃子怪人を、黄色い車体のロードローラーが追いかけていた。
    「ふんふふ~ん。待て待て待て~♪」
     爆音をBGMに、拍子外れな歌を歌いながら爆走するロードローラー。
     浜松餃子怪人は、涙目になりながらも必死に逃げていたが、ついに追いつかれた。
    「うおお! こんなところで潰れたくないぃぃぃぃっ!」
    「だけどぺしゃんこ、餃子ぺしゃんこだね~♪ ヘイ!」
     サビと思われるパートが歌われ、餃子が潰れる音が重なる。
     機嫌よく歌いながらロードローラーが立ち去った駐車場には、ぺしゃんこになった餃子がアスファルトに貼り付いていた。


    「キャベツが教えてくれました。謎に包まれた六六六人衆『???(トリプルクエスチョン)』が動いたようです」
     丸いポットにお湯を注ぎながら、西園寺・アベルは食堂に集まった灼滅者たちを見渡した。
    「『???』は灼滅者・外法院ウツロギさんを闇堕ちさせて、分裂能力を持った六六六人衆を生み出したのです」
     その六六六人衆こそ、序列二八八位『ロードローラー』だ。
     二八八位の序列は『クリスマス爆破男』だった。
     彼が灼滅された後空席となっていたが、その席次が埋まったのだろう。
    「分裂したロードローラーは各地へ散らばって、事件を起こしています。皆さんにはその内の一つの灼滅をお願いします」
     アベルは一礼すると、小さな茶器に烏龍茶を注いだ。
    「このロードローラーは浜松餃子怪人を轢き殺そうとしています。どうしてなのかは分かりませんが、説得次第では浜松餃子怪人と共闘できるかも知れません。ロードローラーは強敵なので、共闘できれば戦闘を有利に運ぶことができるでしょう」
     敵の敵は味方、ということでしょうか。アベルは苦笑いしながら、淹れたての烏龍茶を差し出した。
    「ですが、浜松餃子怪人はダークネスです。浜松餃子怪人が潰されてから介入するか、潰される前に介入するかはお任せします。また、共闘後に浜松餃子怪人を灼滅するかどうかも、皆さんにお任せします」
     話し合いのお茶請けにどうぞ。アベルは烏龍茶と月餅を灼滅者達に勧めた。
     ロードローラーは無敵斬艦刀に似たサイキックを使ってくる。
     攻撃力も侮れないが防御力とスタミナが高い。油断していると、文字通り「潰しにかかってくる」だろう。
     ポジションはクラッシャー。
     一方浜松餃子怪人は、ご当地ヒーローに似たサイキックを使う。
     実力はそこそこといったところか。
     ポジションはディフェンダー。
    「皆さんならば必ず、ロードローラーを灼滅できると信じています。必ず帰ってきてくださいね」
     アベルは真剣な眼差しで灼滅者達に一礼した。


    参加者
    石弓・矧(狂刃・d00299)
    平・等(眼鏡眼鏡眼鏡眼鏡眼鏡眼鏡眼鏡・d00650)
    本堂・龍暁(龍撃・d01802)
    四月一日・いろは(剣豪将軍・d03805)
    龍月・凍矢(飛鳥に舞う氷の矢・d05082)
    狼幻・隼人(紅超特急・d11438)
    遊亀・夜弥亜(漸くわかったわ海葡萄・d12450)
    豊穣・有紗(小学生神薙使い・d19038)

    ■リプレイ

     浜松市郊外の駐車場に、ロードローラーの爆音が響いていた。
    「うおお! こんなところで潰れたくないぃぃぃぃっ!」
     浜松餃子怪人は叫びながらも必死に逃げ回っていたが、ついに追いつかれた。
     あと数センチでローラーに巻き込まれる! 浜松餃子怪人は、試作品のつけダレの入ったペットボトルを守るように抱きしめた。
     その時。
    「潰れたくないって言ったのはホントか?」
     平・等(眼鏡眼鏡眼鏡眼鏡眼鏡眼鏡眼鏡・d00650)の声が響いた瞬間、ロードローラーはローラーを止めた。
    「だったらオレ達に手を貸せ」
    「お、お前は……」
    「一緒に戦おうよ!」
     豊穣・有紗(小学生神薙使い・d19038)が放った打撃と共に広がる網状の霊力が広がり、影縛りから抜け出そうとするロードローラーへの捕縛を強化する。
    「動かないローラー♪ 潰せないローラー♪」
     ロードローラーはもがきながらも、動こうと試みる。だが、等と有紗が放った捕縛が車軸に深く絡まっていて、動くことはできなかった。
    「おい、こんなところで死にたかねえだろ? 俺たちと組んで切り抜けようや。んでそのあと、うまい餃子を食わせてくれ」
     怪人とロードローラーの間に入った龍月・凍矢(飛鳥に舞う氷の矢・d05082)は、自らを覆うバベルの鎖を瞳に集中させた。
     視界がクリアになり、以前よりもロードローラーの動きが容易に把握できるようになる。
     浜松餃子怪人は息を切らせながらも、困惑したような声を上げた。
    「お前達……灼滅者か! どうして俺様を助ける? お前達は俺様達の敵なんじゃ……」
    「要らんと言うのなら別にいいが怪人よ、あんた一撃で潰れるぜ? こっちも目的はローラーだから、助けたらぁ」
     本堂・龍暁(龍撃・d01802)はオーラを纏わせた拳をロードローラーに叩き込んだ。
     ロードローラーの車体が、大きな音を立ててへこむ。まだまだ余裕な顔のロードローラーは、影縛りから逃れようと車体を震わせていた。
    「お前らの狙いはロードローラーか!」
     目を見開く浜松餃子怪人の隣で、石弓・矧(狂刃・d00299)は頷いた。
    「お前が研究している、そのうまいつけダレにも興味あるしな」
     爆音に気付いてやってきた警備員をチラリと見ながら、矧はサウンドシャッターを使った。
     ロードローラーが出す爆音が遮断され、駐車場の外は静かになっただろう。
    「もやしが添えられた浜松餃子は誰の目にも一目瞭然の正義だよね」
     カンペを手に浜松餃子怪人を持ち上げる四月一日・いろは(剣豪将軍・d03805)が放った殺気に、警備員はこちらへ駆け寄る足を止める。
     そのまま何かを恐るように、足早に立ち去っていった。
    「わたくし、なかなか餃子は好きですのよ。なんなら帰りに一箱買おうかしら?」
     メデューサのような黒い蛇髪をなびかせながら、遊亀・夜弥亜(漸くわかったわ海葡萄・d12450)は、ロードローラーに駆け寄った。
     へこんだ車体に、更に打撃を加える。マテリアルロッドから流し込まれた魔力が爆発し、ロードローラーが少しよろめいた。
     夜弥亜の隣を、一人と一匹が弧を描くように飛び出してきた。
     エアシューズを起動させ、重力で加速させた蹴りが炸裂する。
     駆け出した霊犬のあらかた丸の剣が後を追う。
     一人と一匹の息の合った攻撃は、へこんだ車体をさらにヘコませる。
    「ま、そんなワケで、ちょっと手伝ったるー!」
     着地した狼幻・隼人(紅超特急・d11438)は、怪人に向かってにっと笑った。
    「夜叉丸! 今だよ!」
     有紗の声に、霊犬の夜叉丸が駆け出す。夜叉丸の剣は鋭い槍のように飛び出していき、ロードローラーの車体に突き刺さった。
     灼滅者達の攻撃に、ロードローラーの車体とローラーが干渉するまでに至る。
    「お、お前達……。俺様なんかのために……!」
     浜松餃子怪人は思わず流れた感涙をごまかすために鼻をすすると、持っていたペットボトルをびしっと構えた。
    「こ、この特製つけダレに合う最高の餃子を出す店を教えてやる! だから助けて!」
    「助けても助けても助からない~♪ 何故なら今から潰すから~ヘイ!」
     歌いながら、ロードローラーは思い切り後退した。突然の勢いに影縛りと縛霊撃が振り切られる。
    「その前にお前ら許さない~♪ まずはお前ら、お前ら潰す~ヘイ!」
     車体の一部がへこんでいるとは思えない勢いで、ロードローラーは突進を仕掛けてきた。

    ●大外から回り込み
    「それそれそれ~! 高速轢殺法!」
     妙な節をつけながら突進してくるロードローラーは、突然方向を変えると後衛へと突っ込んでいった。
    「踏み潰してやるぅぅっ!」
     ものすごい爆音と共に突進してくる巨大な塊は、夜弥亜と有紗、あらかた丸と煎兵衛を巻き込むように駆け抜ける。
     突然の方向転換にも対応して、なんとか避けるが避けきれない。
     有紗は巻き込まれた足を庇いながら何とか立ち上がった。
     事前に聞いていた通り、なかなかの攻撃力だ。攻撃に巻き込まれた後衛の体力は、かなり削られてしまっていた。
    「油断、しましたわね」
     右腕を庇いながら立ち上がった夜弥亜も相当なダメージを負っている。あの巨体がもう一度突っ込んできたら、危ないかも知れない。
    「ナノ!」
     ナノナノの煎兵衛が、体をきゅーっと縮こまらせた。限界まで縮まった時、ポンと解き放つ。
     ふわふわなハートが飛んできて、夜弥亜の体を包み込む。優しい光に包まれて、夜弥亜の険しい表情が少し和らぐ。
     有紗の霊犬・夜叉丸は主人の許へと駆け寄ると、心配そうに有紗に鼻をすりよせてきた。
    「大丈夫だよ夜叉丸。まだいける!」
     夜叉丸は有紗の目を覗き込む。癒しの力が有紗を包み込み、その傷を癒していった。
    「ありがとね! ボクも負けてられないや!」
     有紗は目を閉じ集中すると、己に下ろしたカミの力を顕現させた。
    「清めの風よ、ボクたちを癒し給え!」
     清浄な気が、みんなの傷を癒していく。痛みが体からゆっくりと引いていき、痛めた足もちゃんと動く。
     まだ万全ではないが、これでまた戦える。有紗は改めて戦況を見渡した。
    「水天逆巻く飛鳥の槍、天駆ける龍翼の斧よ、その力を我へ示せ!」
     戦場に、凍矢の解除コードが響き渡る。
     後衛を轢いて距離を取ったロードローラーに、凍矢は詠唱圧縮した矢を完成させた。
     予言者の瞳は真っ直ぐロードローラーの急所を見抜く。
     その名に恥じない氷のような矢が全て、車体に深く食い込んだ。
     凍矢の攻撃を追いかけるように、龍暁が突っ込んだ。
     両腕に装着したバベルブレイカーを起動させ、ジェット噴射でロードローラーの奥懐に飛び込む。
    「ロードローラーなど、俺の拳で打ち砕く!」
     龍暁は裂帛の気合と共に、バベルブレイカーを叩き込む。その拳は、バベルの鎖が薄くなる「死の中心点」を貫いた。
    「痛ぁーい! でもまだ大丈夫だよ残念!」
     ロードローラーは大きく車体を揺らして龍暁を振り払うと、そのまま灼滅者たちの方へ向かって走り出した。
     いろはは、こちらに向かってくる黄色い車体のロードローラーを見てため息をついた。
     ウツロギの面影はどことなく残しているものの、あれはどう見てもウツロギ本体ではない。歌も変だ。
    「全く……ウツロギは何処にいるのかな?」
     心配とも怒りとも言えない感情に、いろはは右腕を変化させる。
    「あんたに聞いても分かんないか!」
     巨大化した腕を振り上げたいろはは、突っ込んでくるロードローラーにカウンターのように掌打を叩き込んだ。
     いろはに呼応するように、夜弥亜は拳にオーラをまとわせると、ロードローラーに向かっていった。
    「喰らえ百頭! ファング・オブ・ヒュドラ!」
     オーラによって強化された拳が、ロードローラーに突き刺さる。
     速度を緩めたロードローラーは踊るように車体をゆすると、また歌いだした。
    「百頭じゃないよ♪ 一台だよ♪」
    「……ウツロギさんは堕ちようと堕ちまいと不思議な方ですわね」
    「くっくっく。分身するなんて、本当に器用な闇墜ちの仕方をしたものだね」
     楽しそうに笑いながら、等は実体のない剣を抜き、斬撃をロードローラーに放った。
     霊体となった剣はロードローラーの霊魂を傷つけ、ロードローラーは動きを止めた。
    「確かに、相変わらずロードローラーの姿がシュールですね。慣れません」
     矧はクルセイドソードを構えると、刀身に炎を纏わせた。
    「でもこの戦いに、言葉は不要でしょう?」
     矧は装甲の弱くなった場所を狙って、クルセイドソードを振り抜いた。
     引き裂かれた車体の傷から、炎が生まれ燃え広がる。ロードローラーは何とか消そうともがくが、なかなか消えない。
    「もいっちょ燃やしたろか!」
     隼人は一旦怪人と距離を取ると、ロードローラーに向かって猛突進した。
     エアシューズとアスファルトの激しい摩擦で炎が生まれ、炎をまとった蹴りが車体に突き刺さる。
     さらに生まれた炎はロードローラーの車体を更に激しく燃やした。
     叩き込まれる連撃に、さすがのロードローラーも平静ではいられないのだろう。
     炎を消そうともがいていたが、やがて再び大きく距離を取った。ローラーは確実に、再び後衛を狙っている。
    「それいけ火の玉! 高速・超速・光速火の玉だ轢殺♪」
    「させるか! 浜松餃子ビーーーームビビビビビ!」
     高速轢殺法を使いそうなロードローラーに、浜松餃子怪人は人を小馬鹿にするような、妙なポーズでビームを放った。
     ダメージ自体はそうでもない。だが、あまりにむかつくポージングに、ロードローラーは怒りを顕にした。
    「轢殺変更! まずはお前を潰ーーす!」
     叫びながら、火の玉のようなロードローラーは浜松餃子怪人に向かって突進していった。

    ●一直線に駆け抜けろ!
    「ローラーローラーローラー突進! むかつく餃子を踏みつぶせ!」
     顔を真っ赤にしながら、ロードローラーは浜松餃子怪人を追いかけた。
     浜松餃子ビームを放った直後に逃げ出した怪人だったが、ロードローラーの速度には及ばない。
     ほどなく追いつかれ、あと数センチで巻き込まれるところまで、あっさり追い詰められた。
    「火の玉潰し♪ これがホントの焼き餃子♪」
    「俺様もう焼けてるぅぅ~!」
    「何やってんだ!」
     誰に向けて叫んだのか。凍矢は一声吠えると、ロードローラーと怪人の間に割って入った。
     龍の骨も砕く斧がローラーを巻き込みながらアスファルトに突き刺さる。回転を止められたロードローラーは、顔を真っ赤にしながらなおもローラーの回転を上げた。ものすごい圧力に、凍矢は傷つきながらも全身で槍を支えた。
    「今はお前に用はない♪ 餃子を焼いてぺったんこ♪」
    「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァーッッッ!!!」
     龍暁がオーラを纏わせた拳で、ロードローラーに連撃を食らわせる。百の拳が一つに見えるほどの連打連撃は、突き進もうとするロードローラーの勢いに勝った。
     締めの一撃が放たれ、ロードローラーの車体がわずかに浮く。
     そこへ、マテリアルロッドの一撃が放たれた。
     夜弥亜が放った打撃が、ロードローラーを直撃する。
     裂かれたローラーから叩き込まれた魔力が爆発し、ロードローラーの車体を更に浮かした。
    「怪人さんが逃げ出さないか見ていましたが、いい所に逃げ出しましたわね」
    「た、単なる偶然だ!」
     ロードローラーからなんとか逃げ切り、肩で息をしながら、浜松餃子怪人は親指を立てた。
     浜松餃子怪人は、前衛の真ん中に逃げ出したのだ。下手な場所に誘導されるよりも、攻撃がしやすくていい。
    「おかげで、助かっちゃったかな?」
     有紗は大きく腕を振る。その動きに導かれるように、高速で回転する光の輪が、ロードローラーの死角から車体に突き刺さった。
    「これで貸し借りは無しですね!」
     矧が叫んだ時、ロードローラーの車体に螺旋状の穴が穿たれた。
     妖の槍から放たれた一撃がロードローラーのローラーを貫く。行動を止めたロードローラーは、訳の分からないことを叫び始めた。
    「イイ子にしてな。ここで解体してやるからよ!」
     一声吠えた等はマテリアルロッドを構えると、魔力を杖に纏わせた。
     一閃。
     べこべこになった車体にマテリアルロッドが突き刺さり、傷口から叩き込まれた魔力が爆発した。
    「あと少し! 気合入れていくぜ、あらかた丸!」
     隼人は勢いをつけると、重力をまとった蹴りをロードローラーに叩き込んだ。
     ロードローラーの硬い車体が割れ、バランスを崩してよろける。そこに追い打ちをかけるように、あらかた丸は斬魔刀で斬りつけた。
     再びのコンビネーションに、ロードローラーはじたばたともがく。
    「俺を倒しても、第二第三のロードローラーが、お前らを潰しにくるもんね!」
     ロードローラーの言葉に、いろはは眉をひそめた。大きく息を吐いて精神を統一すると、腰を低く落として大太刀【月下残滓】の柄に手を掛ける。
    「いろはは必ず、本体を探し出すよ。だから、分体はここで倒す!」
     空気をも断ち切るような、鋭い一撃が走る。
     いろはが大太刀【月下残滓】を鞘に収めた時、ロードローラーが大きな音を立てて崩れ落ちた。

    ●つけダレ甘いか酸っぱいか
     灼滅されたロードローラーが、音もなく黒い砂となり、夜風に乗って消えていく。
     脅威から開放された浜松餃子怪人は、大きく安堵の息を吐いた。
    「た、助かった……」
    「危ないとこやったなー。運動した事やし、折角やから餃子食わしてくれや」
    「そうそう。美味い店を紹介してくれるんだろう?」
     隼人と凍矢の声に、浜松餃子怪人は顔を上げた。
    「おうともさ! 地元民が『売り切れるから観光客に知らせたくない!』という店で……」
     怪人は喜々として、店の場所をメモ帳に書き付けた。
    「ここの餃子に合うつけダレを、研究してるんですよね?」
     矧の問いに、怪人は持っていたペットボトルを高々と掲げた。
    「そうとも! このタレこそが、試作品の中でも一番の出来で、醤油ベースに……」
    「つけダレにはココナッツを入れて歯ごたえを増すとイイぜ。中華街にあるんだ、参考にしな」
     ぶっきらぼうな等のアドバイスに、怪人は動きを止めた。
    「う、うおおおおおおお! その手があったか! ココナッツ! そうかココナッツか! 早速帰って試作だ!」
    「タレが進化したら、また味見させてね~!」  
     有紗の声に、脇目もふらず駆け出した餃子怪人は手を上げて応えた。
    「奴らも、手段さえまともならいいのだがな。食いもん美味いし」
     龍暁は怪人が落としたペットボトルを拾い上げながら、怪人の背中を見送った。
    「さてと。今日はもう遅いから、明日餃子屋さん探して帰ろう」
    「そうですね。お持ち帰りがありましたら、お土産に買って帰りましょう」
     いろはと夜弥亜の会話に、全員が頷いた。
     明日は、うまいつけダレで餃子パーティだ。
     美味しい餃子に思いを馳せながら、灼滅者達はホテルへと戻るのだった。

    作者:三ノ木咲紀 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2014年6月5日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 4/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 5
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