普通の家庭で普通に育った、ごくごく普通の女の子。優しい両親に仲の良い友達の居る生活。ずっと幸せなときが続く、――そう思ってた。ある日、目が覚めたら思い出も自分も泡沫のように零れ落ちて消えてしまって。それでも皆は優しかった、だけど、ふとした時に感じる壁のようなものが、辛くて悲しくて。過去の自分を演じて、今の自分を殺すのが本当は嫌だった。だから、一人ぼっちに逃げた。自分を認めてくれる世界を探すために。