虚ろで光の灯らない灰燼の瞳、染まらない真雪の髪、異様に白い肌。痩せぎすで頼りなく華奢な体躯を白で包み、純白を騙る。疑問符を置き去りにした言葉を滲ませた諦観と共に淡々と、端的に紡ぐ。嘗ては奴隷として最下層の生活を余儀なくされ、とある吸血鬼を主人として暮らしていた過去を持つ。自由を諦め、痛みに、恐怖に慣れ、ただ怠惰に世界を傍観するようになり、やがてはそれすら慣れた。そんなある日。灼滅者がやって来た。