柔らかな真珠色の髪に、宵に曇る双眸。嫋やかな物腰を崩さず、静かに咲む少女。そのあわい微笑は何処かおとなびているようにも、あどけないようにも映る。そう遠くない夢の終わりに、幼い恋を喪った。胸裡は紗幕の奥にひそめて、時々、こぼれおちる。穏やかな瞳がどこかを真摯に見つめていたら、ひとり空想に耽けているあかし。懐にはたいてい、甘いショコラを一粒しのばせている。