新宿橘華中学

　朱雀門高校から各地の学校に転校するヴァンパイアによる事件が起きる中、サイキックアブソーバーから流れ込む情報の中に、エクスブレインは『白い炎』を目撃する。
　新宿の高層ビル街の一角を覆い、エクスブレインの視界に映し出される白い炎。
　新宿迷宮のラグナロク、納薙・真珠は、その場所にある廃校のことを灼滅者達に伝える。

　『新宿橘華（たちばな）中学』。
　新宿副都心の高層ビル街の真ん中に、ビルに隠れるようにして立つ閉鎖された私立中学校である。
　都内のダークネスの間では、この橘華中学にまつわる一つの噂が流れていた。
　橘華中学のどこかに、『ベヘリタス』という名の強大な魔神が眠っているというのだ。
　噂に惹かれ、橘華中学には転校生を装って、ダークネスが集まって来る。

　鍛練のため、眠れる魔神と戦わんとするアンブレイカブル。
　野望のため、魔神から力を奪わんとする羅刹。
　純粋な興味から、魔神を殺さんとする六六六人衆。
　楽曲の着想を得るため、魔神の復活を求める淫魔。

　様々な動機の元に集った彼らは、誰一人としてベヘリタスを見つけることの出来ぬまま、２年Ａ組に集まり偽りの学校生活を送ることとなる。
　しかし、六六六人衆『カットスローター』が動き出した瞬間、その均衡は崩れ去った。
「他のダークネス殺してれば、ベヘリタスも起きるかも！」
　彼がその考えを実行に移すと同時に、ダークネス同士の激しい戦いは幕を開けた。一般生徒を巻き込み、殺戮と闇堕ちを連鎖させながらの戦いはサイキックエナジーの激しいうねりを呼び、やがて校内全てが危険なブレイズゲートと化す。

　ブレイズゲートと化し、通う者もいなくなった校舎の中では、今なおダークネス同士の争いが続いているという。足を踏み入れれば戦いは避けられまい。
　灼滅者達は覚悟と共に、探索を開始するのだった。

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