ゴッドモンスター　ファーストアタック

●新潟ロシア村

　この場所では、かつて「新潟ロシア村」というテーマパークが運営されていた。
　運営を終了し現在は廃墟と化していたのだが、その廃墟に今、幾つかの要塞が急造されつつあった。この地を拠点とするご当地幹部「ロシアンタイガー」の仕業である。
　ロシアンタイガーにとって、この地は自らのご当地パワーを高めるに相応しいロシアン要素に満ちた場所だったのだ。かつて北陸地方でロシアン怪人達の活動が多く確認されていたのは、この場所があるが故だったのだろう。

　そして灼滅者達が辿り着いた時、ロシア村は戦場と化そうとしていた。
　ご当地怪人に敵対する三つのダークネス勢力が、同時に攻撃を仕掛けていたのだ。
　ロシアンタイガーの弱体化装置を狙う、業大老一派のアンブレイカブル。
　奪われたガイオウガの力を取り戻さんとする、クロキバ達イフリート。
　謎の刺青羅刹達は、何の理由か、アメリカンコンドルを標的に定める。
　それぞれの思惑の元、ダークネス勢力はロシア村への進軍を開始するのであった。

　ダークネス勢力同士の開戦と同時に、灼滅者達もまた動き出していた。
　拠点を設営する組連合が運送して来た貨物を展開する一方、既に配置についていた奇襲担当の組連合の灼滅者達が、ダークネス同士の争いの合間を縫って攻撃を開始する。
　(8)レストラン「ダーチャ」跡を奇襲するべく森林に潜伏していた１Ａ梅連合のギィ・ラフィット (カラブラン・d01039)は、アンブレイカブルとロシアン軍の戦いに目を向ける。
「ガイアゾーンへは、「ダーチャ」跡から繋がっているみたいっすね」
　重苦しさすら感じさせるような強いサイキックエナジーの気配は、戦場となっているレストラン跡の方角から伝わって来ていた。
　新潟ロシア村を拠点とするロシアンタイガーが、自らゴッドモンスターを守っているということだろう。
　そしてギィは他の組連合に連絡を取ると、指先を突きつけ叫ぶ。
「キリング、リヴァイヴァーっ！！」
　ギィの宣言と共に、光の柱が空から降り注いだ！
　ラグナロクが体内に秘めた膨大なサイキックエナジーを吸収した時、サイキックアブソーバーに装填される武蔵坂学園の切り札、「殲術再生弾（キリングリヴァイヴァー）」。
　これはその【最後の一発】だ。
　発射された殲術再生弾がロシア村に着弾し、灼滅者達に力を与えていく。

　殲術再生弾の光が降り注いだ瞬間、1Ａ梅の灼滅者達は声ならぬ声を聴いた。
（「私はこれ以上腕を奮ってはいけない……人を不幸にする料理など要らない……」）
「……この声は……？」
　その独白の言葉は、世界征服計画の実現に燃えるご当地怪人達にも、攻め寄せるアンブレイカブル達の耳にも届いてはいないようだった。
「自分達にだけ聞こえているんすか？」
　悲しみに満ちた思念。それは果たして誰のものなのか……。
　だが、アンブレイカブル達とロシアンタイガー達の戦いが激しさを増すと共に思念は途切れる。
　灼滅者達もまた、急ぎ奇襲を開始するのだった。

●謎の「慈眼衆」

　各ご当地幹部のいる地点の敵は比較的強い者が多いが、ダークネス同士の戦闘を煽ることに成功した(3)(8)地点での奇襲は効果的なものとなっていた。
　そうした中で5Ｅ蓮の灼滅者達は（9）マンモスイリュージョンスタジオ跡の六六六人衆へ奇襲を仕掛ける。
　本来的に、この地点を制圧しなくてもゴッドモンスターとの戦いに臨むことはできる。
　問題は、ここにいる六六六人衆「カットスローター」「縫村・針子」の両名が、何かを企んでいるらしいということだ。
　灼滅者達の狙いも、六六六人衆が何を狙っているのかに関する情報収集が主眼だ。とはいえ元々ワンマン気質の強い六六六人衆。情報を得るには、上位の者との接触が不可欠であるように思われた。
「だからって、いきなり出て来るかよ！」
「おいおい、殺し合いしに来ておいて、相手を選ぼうなんざ上等過ぎやしないか？」
　淳・周 (赤き暴風・d05550)が叫ぶ先には、武装ジャケットを着込んだ少年がある。
　六六六人衆「カットスローター」その人だった。
　武蔵坂学園が奇襲を仕掛けて来たと見るや、率先して飛び出して来た彼は、思うがままに手にした刃を振るっていた。
　キリングリヴァイヴァーが発動しているとはいえ、今すぐに彼の相手をするのは得策でない。灼滅者達にしてみても、彼が現れた際には早期に撤退する構えだった。
「なんだ、今すぐ戦うつもりはないのかよ。そんな調子じゃ、あのラグナロクは俺達のものになるぜ」
　濁った眼で、カットスローターは笑ってみせた。
「その前に、お前を倒して止めてやるよ！！」
「俺や縫村を殺したところで、アイツは止まりやしないっての」
　周に応じたカットスローターのカッターナイフが、キチキチと音を立てる。
「まあ、今回の『ゲスト』に言わせりゃ、アンタらが動いた方が好都合なんだろうけど」
「ゲスト？」
　灼滅者達は視線を走らせ──そこに、異質な集団を見た。
「羅刹！！　……あの武器は！？」
　ご当地怪人や六六六人衆に混ざり、和装に身を固めた羅刹の集団が存在していた。
　彼等は皆厳格に押し黙り、刀や槍、そして『輪状の武器』で武装している。
「汝等と我等は初顔にあらず。世に戦あるところ、必ず我等『慈眼衆』あり」
「慈眼衆……？」
　初顔ではない、とはどういう意味なのか。それを問いただす間もなく、ダークネス達は5Ｅ椿の灼滅者達を迎撃して来る。情報収集に主眼を置いていた5Ｅ椿の灼滅者達にも、本格的な攻撃を行うつもりはなく、小競り合いの後に撤退することとなった。

　やがて奇襲を終えた灼滅者達の帰還と共に、駐車場跡にいた灼滅者達の元へと情報が集積されていく──。

---

●奇襲対象地点の敵の強さ（比較）

●ファーストアタック効果

組連合	ファースト アタック	ファーストアタック結果
1Ａ梅	奇襲８	(8)レストラン「ダーチャ」跡の敵戦力が３７０減少！ 戦闘中に聞こえた声は誰のものなのか。まさか……！？ （これにより、武蔵坂学園の灼滅者達は、戦争の合間にこの人物の思念を受信する可能性が出てきました。この人物に対する『説得』の鍵となるかも知れません）
2Ｂ桃	一般人救出	全てのターン、重傷からの復活率が2%上昇！ 4D椿連合のファーストアタック時に、ヤンキー戦闘員に変えられ、羅刹相手の緒戦で戦闘不能に陥り元に戻っていた一般人が確認されたため、保護しました。それ以外の地点で一般人は確認されていません。
3Ｃ桜	テンションアップ	敵戦力「５３０」までスルー可能に！ 『第一回武蔵坂学園ふるさとまつり』を兼ねて『夜桜見物』を実施しました。
4Ｄ椿	奇襲３	(3）アメリカンショッピングモールの敵戦力が４６０減少！ 貯蔵庫は確認できませんでした。幹部達が確保した巨大化フードはご当地怪人達に既に配布済みのようです。 襲撃を仕掛けている羅刹のリーダーは「鞍馬天狗」を名乗っています。
5Ｅ蓮	奇襲９	(9)マンモスイリュージョンスタジオ跡の敵戦力が１５０減少！ 六六六人衆によるゴッドモンスター奪取計画は、カットスローターや縫村・針子の生死に関わらず行われる模様です。 また、(3)を襲撃している者達とは異なる羅刹集団「慈眼衆」の姿が目撃されました。
6Ｆ菊	奇襲７	(7)マールイ美術館跡の敵戦力が２５０減少！ ゲルマン怪人の頭数は他のご当地怪人に比べて少ないらしく、この地点の敵は新人の六六六人衆が主体です。 何人かがゲルマンシャークの闇堕ちビームの直撃を受けましたが、殲術再生弾によって闇堕ちを免れました。
7Ｇ蘭	奇襲５	(5)森の小道の敵戦力が２０６減少！ ご当地怪人の主戦力はダークネス勢力との戦闘に駆り出されており、それ以外の地点の敵は比較的弱いようです。 なお、小道は多数のカバ桜島怪人に封鎖されつつあります。
8Ｈ百合	救護準備	全ての戦場で、ＫＯ時の重傷／死亡率が5％減少！ (1)に救護所を設置しました。状況に応じ(6)にも進出します。
9Ｉ薔薇	撤退条件	今回の撤退条件が決定されました。条件を満たした場合、プレイング画面に『撤退』が表示されます。

---

●今回の撤退条件