灼滅者の皆さん、よくぞここまで生き残ってくださいました。
「ハンドレッド・コルドロン」、そして今回の「学園襲撃」。
これは、武蔵坂学園の灼滅者に対する、ダークネス達の『無意識の焦り』です。
現在、世界はダークネスによって支配されています。
そして皆さんも、この支配を打ち倒すべく、学園に集ってくださったものと思います。
ダークネスの支配を打ち砕く。その目的は、決して絵空事ではありません。
今、全ての準備は整いました。盤石の強さを手に入れた今の皆さんに託します。
この力、
『サイキック・リベレイター』を。
もはや闇堕ちによる情報漏洩を恐れる必要もありません。私達の知る限りの情報を全て話しますので、それを元に、皆さんで今後の戦い方を検討してください。
■武蔵坂学園前史
●そもそもの動機
私は、世界をダークネスから解放すべく、この武蔵坂学園を設立しました。
しかし、その目的は、「人類に自由を取り戻すため」ではありませんでした。
私は今でも、世界が維持されるのであれば、ダークネスが世界を支配する状態であっても構わないと考えています。これはおそらく皆さんとは異なる考えだとは思いますが、このような考えの人間であっても、ダークネスの世界支配を打破しなければならない『理由』が、過去に発生したのです。
●かつて訪れた『世界の滅び』
実は、20世紀末、世界は『滅びの危機』に瀕していました。
皆さんも御存知の通り、ダークネスは『本質的に邪悪な存在』です。それゆえに極めて利己的で、それゆえに、ダークネスの支配下で人類の文明は大きく発展してきました。たとえそれが、人類から苦しみを搾取する為に作られた歪んだ発展であっても、人類社会はそれによって繁栄出来た側面は否定できません。
しかし、滅びは訪れました。
ダークネスは邪悪であるため、根源的に『他者と信頼を繋ぐ』事ができませんでした。ダークネスの社会とは、例えば、全員が剣で武装し、全員が隙あらば隣人を殺そうとする狂人だけの村を想像してみてください。これは極端な比喩ではなく、ダークネスの社会とは本質的にそのようなものなのです。
この精神構造が、文明の発展の結果、大きな問題となって現れました。文明の発展により、『ダークネス同士の争いの規模が大きくなってしまった』のです。かつては一地方の小競り合いで済んでいた争いが、現代兵器の登場により拡大し、やがて、僅か数人のダークネスの諍いが、20世紀末に『全面核戦争』や『第三次世界大戦』に発展し、全ての人類が死滅しようとしていたのです。確かに、これらの事態が勃発してもダークネスが死ぬ訳ではありませんが、『人類が滅亡すればダークネスも終わり』というのは、ダークネス自身もよく理解しています。それでも、世界の滅びに進む事を『ダークネス自身では止める事ができなかった』のです。
『ダークネスに支配された状態のままでは、世界は滅ぶ』。
それが、私達がダークネスの世界支配を打破すべきと考えた『本当の理由』です。
●緒形・時雄
私、緒形・時雄は「ラグナロク」です。
後の研究により、ラグナロクとは「種が絶滅の危機に瀕した際に、脳に全能計算域(エクスマトリックス)の異常を持って生まれる突然変異種」だという事が分かりました。
おそらく人類滅亡の危機によって、20世紀末、私を含めた数十名の一般人が、ラグナロクに覚醒しました。私は、20世紀末に覚醒した「第一期ラグナロク」の、最後のひとりです。
●サイキックアブソーバー
第一期ラグナロクは、全員でひとつのラグナロク能力を行使する事ができました。
その能力の名は『超機械創造』。使用者の残り時間……『寿命』を削る事により、人類の文明がいずれ未来において到達するであろう『超機械』を創りだす事のできる能力です。
その能力で、私達は『超機械サイキックアブソーバー』を創造しました。
サイキックエナジーを吸収するこの機械は、思惑通り強力なダークネスの活動を封じ、全面戦争に転じようとしていたダークネス達の暴挙を止めることができました。
しかし、私達がサイキックアブソーバーを作った目的は、それだけではありませんでした。
●灼滅者
話は、サイキックアブソーバーの作成前に少し遡ります。
ラグナロクに覚醒した私達は、それによってバベルの鎖から解放されていた為に、この世界の真実を調べる事ができるようになりました。それにより、私達は「灼滅者の存在」を知る事ができたのです。
「灼滅者」と名付けたのはダークネス達です。彼らは灼滅者を、人類にとってのペストのような「病理」と捉え、
「サイキックエナジーの枯渇した場所で覚醒した際になりやすい」と結論づけていました。病理であるが故に、ダークネスは灼滅者を脅威にこそ思ってはいましたが、容易に駆除する程度の脅威という認識でした(おそらく今も、ダークネスの多くは灼滅者をそのように認識しているかと思われます)。
私達は、この「灼滅者」という存在に、『希望』を見出したのです。
●武蔵坂学園の目的
私達は、灼滅者こそが、世界の理を覆すものであると結論づけました。
そこで、最終的な目的、到達点を定めました。
それは、
『ダークネスの上位に灼滅者を君臨させること』です。
それが、武蔵坂学園の設立理由、超機械サイキックアブソーバーを創造した目的です。
世界の支配をダークネスに任せた結果、あやうく世界は崩壊する所でした。ならば、ダークネスを倒すもの……すなわち『捕食者』が、ダークネスの『上位』に位置するならば、最悪の結末を避けることができると考えたのです。
・灼滅者は、不死のダークネスを灼滅して糧(癒やし)を得る。
・ダークネスは自滅(人類滅亡)を防ぐ事ができる。
・人類は、現在の社会と今後の発展を享受しつつも、滅亡を回避できる。
これが、私達の考えた到達地点でした。
サイキックアブソーバーは、『その目的に到達する時間を稼ぐ』為、創造されました。
超機械は思惑通り稼働し、サイキックエナジーの吸収に成功すると共に、灼滅者の増加を促しました。
また、私達第一期ラグナロクは、超機械に寿命を吸い尽くされた同胞の声を聞くことのできる、私達と同じ全能計算域(エクスマトリックス)を持つ一般人、すなわち「エクスブレイン」を同時に集めたのです。それは私達が、情報の収集が何よりも重要であると、初期に痛感したためでもあります。
●誤算、そして
が、実は、この計画は重大な『誤算』が存在していました。
それは、強力なダークネスの多くが、封印・弱体化・転生・ソウルボードへの移行等の手段によって、サイキックエナジーの枯渇に対処できた事です。幸い、バベルの鎖の影響で、初期にサイキックアブソーバーが直接狙われるという事はありませんでしたが、この誤算により、目的の達成は『ほぼ不可能』という状況に陥っていました。
しかしこの誤算は今、払拭されたどころか、私達が思い描いた以上の形で、目的への道が開かれようとしています。
それは……言うまでもありません。皆さん灼滅者の力によるものです。
蒼の王コルベインという「ダークネスの伝説的存在」に緒戦で勝利出来た為に、時間を稼ぐことができたのも大きいのですが、そればかりではなく、皆さんは、幾度と無く強大なダークネスの脅威に晒されながらも、その全てを退けてきました。
皆さんが集まってくださった為に、私達は、今日この日まで、希望を失う事なく進む事ができました。第一期ラグナロク最後のひとりとして、皆さんには感謝してもしきれません。
本当に、ありがとうございます。
●世界の転換点
そして今、世界は『転換点』を迎えました。
先の戦争……ハンドレッド・コルドロンが、その象徴です。
これまで、ダークネスは人類の事を『所有物』と認識していました。つまり、圧倒的な君臨者としての視点です。
しかし、今回の戦争、ハンドレッド・コルドロンは、皆さんも感じているように、この前提が大きく変化しています。この戦争は、ダークネスの持つ『世界の支配者だという自負』が揺らいだ、象徴的な戦争なのです。
それはつまり、「このままでは灼滅者に支配者の座を明け渡すことになる」と、ダークネスの多くが考え始めたという事です。
●サイキック・リベレイター
ダークネスが、灼滅者の脅威を認めたならば、次には何が起こるでしょう?
そうです、先の戦争や、それ以前の「生殖型ゾンビ」の件でもあったように、「灼滅者を倒す為に、一般人を利用する事」を、より一層考え始めるようになるでしょう。人間はダークネスにとって糧である為越えなかった『最後の一線』……例えば、電気水道ガスといったライフラインの大規模破壊や、窮地に陥った複数のダークネス種族の共闘などの行為……を、「灼滅者に勝つため」に企てる事が、増えてくるでしょう。
つまり、これまでと同様の行動では、人々を守りきれなくなるのです。
よって、私達は
『サイキック・リベレイター』の機能を解放しました。
これが、サイキックアブソーバーの最後の能力。これまで吸収してきたサイキックエナジーを特定の地点に照射する能力です。サイキック・リベレイターが『強大なダークネス』に命中すると、そのダークネスと配下達は
『サイキックエナジーを得て蘇生』してしまいますが、その代わり、サイキックアブソーバーは下記ふたつの利点を得ます。
・蘇生した勢力の詳細な予知を得ることができる。
・殲術再生弾が装填される。
●これからの方針
つまりこれからは、皆さんは
「選択した任意の勢力と戦えるようになる」のです。
これまでは向こうの思惑に振り回されていましたが、これからは、灼滅者の皆さんの方から、戦いを仕掛けることができるようになるのです。
こちらから出向き、積極的に攻め入る事で、ダークネスが大規模なカタストロフを引き起こす計画を立てる暇を無くしてしまうのです。
最後に、私が知るかぎりのダークネス組織の情報を提供します。
それらを確認し、最初にどの勢力に『サイキック・リベレイター』を照射するか、決定してください。
(強大なダークネス存在を知っていれば、その居場所を知らなくてもサイキック・リベレイターは命中します。また、強大なダークネスの蘇生までは時間が掛かる為、敵勢力の各個撃破も可能となります)
■勢力情報
(1)爵位級ヴァンパイア
首魁「剣樹卿アラベスク」。
現時点で最も強力な組織です。
現在の世界情勢についても良く理解しているため、サイキックエナジーを放出しても、配下を逐次投入する事無く、全ての爵位級ヴァンパイアが動けるようになってから、武蔵坂に攻撃してくると思われます。
この敵組織と戦うためには、多くの敵組織を壊滅させて、灼滅者の基礎能力を上昇させる必要があるでしょう。
なお、傘下の朱雀門高校は多くの前線指揮官を失ったことで著しく弱体化しており、爵位級ヴァンパイアと同時に壊滅が可能と判断されます。
(2)六六六人衆
首魁「第1位:パラベラム・バレット」。
個体の戦闘能力が高く、更に、上位者の殆どが封印されている状態のダークネス組織です。
個体の戦闘能力の高さから、敵幹部の撃破作戦の難易度が非常に高く、ある程度の基礎能力の向上が無ければ、全敗もありえる強敵です。
ただ、戦力自体は多く無い為、敵幹部の撃破を考えずに、物量作戦で押しつぶすという戦略はありえるかもしれません。
決戦を生き延びた六六六人衆は、以後の戦いの全てに援軍として参加する為、物量作戦に失敗すると、大きな危機を招くかもしれません。
(3)シャドウ
首魁「慈愛のコルネリウス、贖罪のオルフェウス、歓喜のデスギガス」。
絆のベヘリタスは既に灼滅されていますが、残りの四大シャドウと決戦を行います。
最大の敵は、歓喜のデスギガスとなるでしょう。
慈愛のコルネリウス、贖罪のオルフェウスと共闘してデスギガスと敵対する事ができれば、作戦の難易度は下がりますが、デスギガス撃破後に、強力なダークネスを野に放ってしまう危険性があります。
特に、慈愛のコルネリウスは、価値観の違いから、武蔵坂学園と相容れない行動を行う可能性が高く、注意が必要です。
(4)ソロモンの大悪魔
首魁「魔術師ソロモン」。
既に復活を遂げたソロモンの大悪魔達に加え、未だ、復活を遂げていない全ての大悪魔を復活させて決戦に挑みます。
ソロモンの大悪魔は、超魔術空間『ソロモンの鍵』に入り、あるいはブレイズゲートの分割存在となりながらも地上の状況を良く知っており、一般人の配下を生み出す手腕に長けています。
復活したソロモンの悪魔達が、一般人を配下として軍勢を整えるのを阻止できなければ、物量で押し切られる危険性があります。
逆に、それを阻止できれば、勝利に大きく近づけるでしょう。
(5)ご当地怪人
首魁「グローバルジャスティス」。
ご当地幹部の多くが灼滅されている状態ですが、グローバルジャスティスの復活と同時に、世界中のご当地怪人が集まってくる事が想定されます。
グローバルジャスティスの能力や目的が未知数である為、何が起こるかわかりませんが、最も油断できないダークネス組織かもしれません。
(6)イフリート
首魁「ガイオウガ」。
大地の化身ともいうべき、イフリートの首魁です。
その強大な力は、他のダークネス組織からも危険視されたり、或いは、利用されたりしています。
ガイオウガは、他の組織と同盟する事はありません。
(7)刺青羅刹・依の勢力
首魁「刺青羅刹・依」。
刺青羅刹・依の勢力です。
いずこかに潜伏している状態ですが、密かに配下を増やしながら、既に持ち主が灼滅された分を含めた刺青の収集を行おうとしています。
決戦を挑んだ場合、得られた力を利用して他の組織を傘下に加えたり、逆に他の組織の傘下に加わったりするなど、武蔵坂学園の最も嫌がるであろう作戦を考えて実行してくるでしょう。
敵勢力としては弱小の部類に入りますが、安易に力を与えるのは危険かもしれません。
依の勢力は、灼滅者有志による行動を積み重ねる事で、殲術再生弾を使った決戦を行う事無く灼滅できる可能性があります(シナリオによる撃破の可能性があります)。
(8)淫魔
首魁「大淫魔サイレーン」
封印された最後の大淫魔です。
それなりの戦力を保持しているようですが、敵勢力としては弱小の部類に入ります。
また、封印が解かれた時点で、現在の世界情勢を理解できていない為、討伐も難しくないでしょう。
くみしやすい相手ですが、勢力の弱さから、他の勢力と決戦している余波で復活し、他の組織と合流してしまう危険が最も高い組織でもあります。
大淫魔の勢力が、他組織に吸収された場合、一般人を配下として軍勢を作り出す可能性が高いので、注意が必要でしょう。
(9)スサノオ
首魁「スサノオ大神」
スサノオ大神との決戦を行います。
スサノオ大神が復活するまで、スサノオ達を導く姫である、スサノオの姫・ナミダは、多くのダークネス組織と友好的な関係を結んでいる為、他のダークネス組織と同盟しやすい勢力といえるでしょう。
また、スサノオの姫・ナミダに義理のある勢力も多い為、スサノオ大神との決戦時には、その時点で生き残っている他の組織からの援軍も想定されます。
(10)デモノイド
首魁「ロード・プラチナ」
デモノイドは、新しく生まれたダークネスである為、封印された強敵というものは存在しません。
しかし、サイキックエナジーの放出に呼応して、レアメタルナンバーを中心とするロード種が大量に発生すれば、危険な存在になるかもしれません。
デモノイドは、組織として確立していない為、他組織の傘下に加えられる危険が高いようです。
(11)タタリガミ
首魁「ラジオウェーブ」
全ての都市伝説の根源となった、タタリガミが存在するという都市伝説があります。
もし、それが本当ならば、タタリガミの根源を灼滅する事で、都市伝説事件の発生を抑える事ができるかもしれません。
ダークネスのタタリガミは、数も組織力も非常に小さいため、ダークネスを全て滅ぼした後も、都市伝説の被害に目を瞑るならば、決戦を行う必要はありません。
(12)ノーライフキング
首魁「統合元老院クリスタル・ミラビリス」
蒼の王、白の王を失い、盟主に相応しい強力な指導者が存在しません。
種族としては、吸血鬼に匹敵する強敵ではありますが、指導者の不在から、その戦力を充分に活用できないようです。
プライドが高い為、他の組織との同盟には消極的ですが、危機感が高まれば、他の勢力の指導者に従うかもしれません。
強力な指導者の下に、ノーライフキングの戦力が加われば、その危険度は非常に大きくなるので、注意が必要です。
(13)アンブレイカブル
首魁「ジークフリート大老、建御雷大老」
勢力の規模は調査が不足しており不透明ですが、戦争になれば、その時点で活動できる戦力で戦争に参加してくる戦闘狂です。
先に倒しておくことで、戦争時の援軍を阻止できますが、戦争のたびに援軍を叩いていくことで、撃破する事も可能でしょう。
※補足:サイキック・リベレイターを解放したくない場合
校長先生に、サイキック・リベレイターの解放をやめて貰うよう説得する事もできます。
おそらく、この能力の解放は校長先生の寿命を削るのでしょうし、それにひょっとしたら、ハンドレッド・コルドロンのような「ダークネスによるテロ行為」はもう発生しないかもしれません。もし発生しないなら、無理してダークネスを刺激する必要はないと結論付けるのも、ひとつの考え方かもしれません。
サイキック・リベレイターの解放をやめて貰う場合は、プレイング欄の一番最初に、下記カッコ内の文章をコピー&ペーストで入力してください(【】もコピー&ペーストしてください)。
【サイキック・リベレイターの解放をやめて貰う】
50%以上の投票者のプレイング欄の一番最初に上記の文章がコピー&ペーストされていた場合、サイキック・リベレイターの解放は行われません。なお、他の選択肢と同様に、これを選択した人の一覧も公開されます。
また、これを希望した場合であっても、どの勢力を攻撃するかの選択は行ってください(50%に満たずサイキック・リベレイターを使用する事になった場合の投票になります)。
投票の締め切りは、
「2016年5月9日(月)朝8時30分」です。