学園祭クラブ企画 結果発表!

    車・小虎
     今年の学園祭もめいっぱい楽しんでいる車・小虎(中学生ご当地ヒーロー・d08114)に、またもや、お願いが届いた。
    「ほうほう、今回はこんな結果なんだね、ブラックタイガー号」
     ライトキャリバーのブラックタイガー号と共に小虎が覗き込んだのは、極秘と書かれた書類であった。
    「それじゃあ、さっそく行こうか!」
     その小虎の声に応えるかのように、ブラックタイガー号がぶるるんと低い音を出しながら、震えたのだった。

    ●3位 ~文月探偵倶楽部~【着ぐるミステリー◆闇の中の真実】
     小虎が最初にたどり着いたのは……。
    「いやぁ、今日も暑いね、こんな日は着ぐるみに限るぜ。それはさて置きそこのキミ、探偵活動に興味はあるかい?」
     入った途端に駆け寄ってくるのは、クロネコの着ぐるみを着た、部長の文月・直哉(着ぐるみ探偵・d06712)。
    「え、あ……今回はそうじゃな……」
    「参加してくれるのかい、ありがとう! 大歓迎だぜ!! 足元気を付けてな。1名様ご案内~♪」
     直哉に案内されてきた場所には、3つの着ぐるみが置かれた、3つの扉の前だった。
     そういえばと、小虎は思い出す。
     さっき直哉は、3つの話を体験すると言っていた。
     この着ぐるみは、その物語のプロローグになっているに違いない。
    「よし、これ!」
     小虎が選んだのは、トラネコ。よいしょと着込むと、そこには、悪の組織のシロネコの着ぐるみ、シロネコブルーと天才少女レミ博士こと、鈴木・レミ(データマイナー・d12371)がいた。
    「ええと、じゃあこの天才少女レミ博士が、まるっとさくっと説明するっすよ!」
     話によると、どうやら、トラネコの着ぐるみに罠がかかってるらしく、それを解くには4人の仲間を連れてこなくてはないらしい。
     小虎はつぎつぎと現れる仲間(最終的には着ぐるみになる)を連れて、元のアジトに戻り……。

     出口にはたくさんの学生達の姿が見える。
    「お邪魔させてもらいました。ウミネコルートでの皆のお芝居、楽しませてもらいました。ありがとうございます」
     そうスタッフにぺこりと頭を下げているのは、草那岐・勇介(舞台風・d02601)。
    「ウミネコルートクリアだぜ! 斬新な催しで、すごく楽しかった! ちょっと休憩したら、別ルートにも挑戦したいぜ!」
     まだまだ遊び足りない穂村・白雪(無人屋敷に眠る紅犬・d36442)は、またチャレンジする様子。そんな中、着ぐるみを脱いだ小虎がやってくる。
    「はーっ!! 面白かった! 次はどの着ぐるみを着よう……じゃなかった!!」
     本来の目的を忘れそうになりかけたが、なんとか思い出した小虎が、部長の直哉を呼び止める。
    「おめでとう! 【着ぐるミステリー◆闇の中の真実】が3位になったよ!」
    「ええ!? マジで!?」
     そう告げると、直哉は転びそうになりながらも嬉しそうに握手を求めてきたのだった。

    ●2位 ~屋上菜園【万華境】~ブーケ作り体験学習
     ここは色とりどりの花が咲き乱れる屋上菜園。
     どうやら、ここにも大勢の学生達が集まっている様子。
     颯爽とブラックタイガー号から降りると、小虎もその菜園の方へと向かって行った。
    「この度はうちのクラブ企画にご足労、ありがとうございます。今日のブーケ作りの体験学習で、綺麗な花のブーケが作れます事を願い、皆さんが楽しんで頂けたら幸いです」
     そう説明するのは、部長の竜胆・藍蘭(青薔薇の眠り姫・d00645)。
     藍蘭の説明によると、自分で好きな花を選ぶのではなく、ダイスを振り、出た目で花を選ぶことになる。もちろん良い目が出れば、自分で好きな花を選べることも可能だ。
     さっそく小虎もダイスを振らせてもらい、ブーケを作ることに。
    「えっと……3と8だから……水仙と桔梗かぁ」
     お日様柄のラッピングをしてもらい、小虎も嬉しそうだ。
    「水仙と雛菊ですねぇ。白で組み合わせて綺麗なブーケをつくるのですよー」
     来海・柚季(月欠け鳥・d14826)はリボン付きのラッピングをしてもらう様子。
    「……面白い、色合わせやねぇ。よし、できました。ありがとうさんです」
     一方、八千草・保(虹輝花雨及びゆーの嫁・d26173)のブーケは紫陽花に雛菊を束ねたブーケになったようだ。
    「朝顔と躑躅、か。綺麗な色の対比が出来そう、だ。ありがとさン、貰ってゆく……で」
     邪聖・真魔(逢魔ヶ刻の美辞麗句・d03748)も嬉しそうに微笑みながら、出来たばかりのブーケを持っていく。
     その間に、小虎はそそそーっと手の空いた藍蘭の元にやってくる。
    「あ、小虎じゃないですか。どうかしたんですか?」
     そういう藍蘭へと小虎は、にんまりと笑みを浮かべると。
    「おめでとう! ブーケ作り体験学習が2位に選ばれたよ!」
     そう伝えた後、藍蘭は嬉しそうに新たなブーケをささっと作ると、ブラックタイガー号にと小虎に手渡したのであった。

    ●特別賞 ~☆ 星空芸能館 ☆~歌声喫茶☆Star light song☆
     小虎は、ちょっと一息といわんばかりに一つの喫茶店へと、ブラックタイガー号を走らせた。
    「大きなイベントは全て終了しましたが、☆Star light song☆は最後までのんびり開店してます。のんびりお茶してって下さいね」
     そう告げるのは、部長の星野・えりな(スターライトエンジェル・d02158)だ。
     小虎は喫茶店に貼ってあるスケジュール表を確認する。
     どうやら、1日目から、コンサートやライブ、アリアなど、ステージイベントが行われていたようだ。しかもそれだけではない。
    「ビンゴーーーー!!!」
    「長いとは何だったのか。ビンゴ!」
    「こっちもビンゴーーーー!!」
     かなり白熱したビンゴ大会が行われている様子。順にポンパドール・ガレット(火翼の王・d00268)、名取・真糸(皓キ鴉ハ宵闇ニ啼ク・d12688)、師走崎・徒(流星ランナー・d25006)が勢いよく壇上へと上がっていく。
    「わ! なんとびっくり3人同時ビンゴ!! お見事です!! ガレットさん、名取さん、徒さん、おめでとうございます♪♪」
     部員の徒が3位になり、結果、1位が真糸、2位がポンパドールとなった。

     そんな白熱したビンゴを眺めながら、小虎は星座をモチーフにしたフードを頼む。
    「はふはふ、うまいっ!!」
     小虎が選んだのは、おうし座のフレンチトースト。デザートにうさぎ座のプリンをぺろりと平らげる。お腹が落ち着いたところで、小虎はえりなに声をかけた。
    「今回も楽しかったよ! 今回の特別賞は歌声喫茶☆Star light song☆で決まりだね!」
     そう告げられて、えりなは驚き、目を丸くしていたのだった。

    ●1位 ~Le jardin secret~花園迷宮2016『魔王の試練場』
     小虎は元気よく、次の目的地へと向かう。
    「いつみても、物凄く迷いそうだよね……」
     毎年、物凄い花園迷宮を作り出すのが、このLe jardin secretだ。
     かなり盛況らしく、かなりの学生が挑戦してはリタイアしている様子。
     けれども、その誰もが笑顔を浮かべているところを見ると、とても楽しんでいるようだ。
     ちなみに内容はというと……。
    「もっとも、皆さんにしていただく事は至極単純。中で出会った部員の出す設問に答えながら、迷宮を進んでいくだけです」
     そう入り口の前で説明をするのは、部長の黒岩・りんご(ジョバンニのお母さん・d13538)だ。
     りんごの説明通り、奥へと進みりんごのいるゴールを目指すのが、この花園迷宮なのだ。

    「凍らされました……まだちょっと寒いです」
     がちがちと震えているのは、古海・真琴(占術魔少女・d00740)。それでも去年の最大数まで、部員等に出会えたのはよく健闘したと言えよう。
    「最後の魔王様で12人かな。勝てたし大満足だね」
    「サーヴァント込みなら、14かの。いやぁ、楽しい時間じゃった♪」
     楽しげな夢築・遥(両性類コスプレイヤー・d22136)にべったりくっついているのは、イルル・タワナアンナ(勇壮たる竜騎姫・d09812)。
    「結構奥までいけたと思ったんだけどなぁ」
     どうやら、サーシャ・ニコラエヴィチ(小学生サウンドソルジャー・d32725)は、思った以上の成果を出せなかったようだ。
    「無事魔王も討伐っと……今更だけど、年々この迷宮、おっきくなってない?」
     思わず、常連だろうパニーニャ・バルテッサ(せめて心に花の輪を・d11070)がそう呟いている。
     それを聞いて小虎は入り口だけ見て、入り口にいるりんごに声をかける。
    「なんだか、凄いね……」
    「あら、小虎さん。来てくれたのですか? もしよければ、この花園で体験学習していってくださいね」
    「あ、いや、今日はそれで来たんじゃなくて……」
     こほんと咳払いをして、小虎が盛大に叫ぶ。
    「おめでとうー!! 展示&体験学習で、花園迷宮2016『魔王の試練場』が1位に選ばれたよ!」
    「ほ、本当ですか? また……本当にありがとうございます。これも来ていただいた皆様のおかげですね……」
     そういって、りんごは涙を滲ませながら、嬉しそうに微笑むのであった。

     発表は終わったが、学園祭はまだまだ続く。
    「さてっと、大事な用事も終わったし、またぐるっと回って来ようか、ブラックタイガー号?」
     そう小虎が声をかけると、ブラックタイガー号は嬉しそうにエンジン音を吹かしている。
     小虎はまた、ひょいっとブラックタイガー号に跨ると、音を響かせながら、校舎の方へと向かって行ったのだった。