第４話「花咲く刀の艦隊戦」

■オープニング

　果てしなく海が続く「海洋地球」。
　倭国の首脳部は、遂に恐るべき「暗黒艦隊」の本拠地を突き止めた。
　残された「花咲く刀剣」の備蓄も、あと僅か。
　果たして、倭国艦隊は敵の本拠地「暗黒空母ゴッドモンスター」に辿り着けるのか！？
　倭国の興亡、この一戦にあり！

「こちら大帝ラグレイダーク。倭国艦隊を発見せり」
「暗黒空母ゴッドモンスターです。こちらも倭国戦艦を確認！」
　地獄提督・大帝ラグレイダークと、暗黒空母・ゴッドモンスターから同時の入電。しかし倭国艦隊の侵入は既に、彼、暗黒艦隊総司令・白鷺鴉の知る所でもあった。
「このバミューダ・トライアングルまで乗り込んでくるとは、倭国も余程後が無いと見える。それとも、倭国以外の全ての国を沈没させた張本人がこの私、白鷺鴉だと気付いたか？」
「しかし、沈んだ世界各国の『花咲く刀剣』は我等が手にある。如何に倭国が世界一の刀剣産出国といえど、もはや我等には叶うまい」
「その通りです、ラグレイダーク！　私達に負ける要素などありません」
「敵を侮るな、ゴッドモンスター。我ら暗黒提督は所詮、お前から生み出された幻影。我等が消える前に、詫び石をじゃぶじゃぶ浴びた『花咲く刀剣』達を全て集め、一糸を報いるのだ。世界の創造と破壊を繰り返す狂気の超存在、遮幸神ジャブにな……！」

「一七〇〇、戦闘海域に突入します！」
　戦艦に変身できる系美少女・クレマンソー級航空母艦は、緊張をこらえて報告を行った。
「同じく、刀剣士・桐生冬馬。準備完了だ」
　花咲く刀剣を開発した一族の末裔、刀剣士・桐生冬馬も、直立不動のまま海面を移動しつつ報告する。全ての報告を聞き届けた倭国艦隊総司令・セルベリアは、厳かに言い放った。
「これより、倭国全ての戦艦を擁した総攻撃を行う。ラグレイダークを仕留めねば我等は敗北し、白鷺鴉を仕留めねば世界の仇討ちを果たせず、ゴッドモンスターを仕留めねば奴等を滅ぼせない。
　私達は、全ての敵をこの一戦で駆逐せねばならない。
　この作戦の難易度は『史』。すなわち、最上難易度だ。
　だが、人々の為にやらねばならぬ。倭国の興亡、この一戦にあり！」

　さあ、詫び石でカードを揃え、8隻の「戦艦」を召喚して共に戦え！
　提督たる君の決断が、この戦いの趨勢を握る！
　君は、「暗黒艦隊（悪）」と「倭国艦隊（善）」の、好きな方に味方できるぞ！

■参加勢力を選択してください

(1)「地獄十将軍」に加わる

「暗黒艦隊（悪）」に味方し、地獄提督・大帝ラグレイダークの率いる大艦隊「地獄十将軍」に加わり、バミューダ・トライアングルに踏み込んだ倭国艦隊を蹴散らします。地獄十将軍は暗黒艦隊の最強戦力ですが、窮鼠の力は侮れません。

(2)大帝ラグレイダークに立ち向かう

「倭国艦隊（善）」に味方し、倭国艦隊総司令・セルベリアと共に、ラグレイダークの大艦隊に立ち向かいます。必ずしも敵を全滅させる必要はありませんが、敗北すると、倭国艦隊は地獄十将軍に蹂躙され、皆殺しにされます。

(3)ゴッドモンスターを防衛する

「暗黒艦隊（悪）」に味方し、暗黒艦隊の発生源である、暗黒空母・ゴッドモンスターを防衛します。ゴッドモンスター自体も謙虚な態度に似合わず超強力ですが、全ての暗黒艦隊及びそれに属する提督は、彼が死ぬと全員消えてしまいます。

(4)ゴッドモンスター破壊作戦

「倭国艦隊（善）」に味方し、戦艦に変身できる系美少女・クレマンソー級航空母艦と共に、ゴッドモンスター破壊作戦に突撃します。ゴッドモンスターさえ倒せば倭国の勝利ですが、他方面の勝敗も戦況に影響するなど、その難易度は最大です。

(5)倭国をバミューダに引きずり込む

「暗黒艦隊（悪）」に味方し、暗黒艦隊総司令・白鷺鴉と共に、倭国艦隊をバミューダ・トライアングルにおびき寄せ、怪奇現象と戦艦の挟み撃ちを狙います。白鷺鴉には、他にも何か目的があるようですが……？

(6)白鷺鴉を倒し、世界の仇討ちを果たす

「倭国艦隊（善）」に味方し、刀剣士・桐生冬馬と共にバミューダ・トライアングルへと進軍、世界のかたきである白鷺鴉を討ち取ります。この作戦に戦略的な意味は殆どありません。しかし仇討ち果たさずして、武家の誉れを守れましょうか！

■リプレイ

●死闘！地獄大将軍
　バミューダトライアングルへと進撃する倭国艦隊。
　人類存亡をかけたこの戦いにおいて、最初に倭国艦隊の前に立ちふさがるのは、暗黒艦隊『地獄十将軍』であった。
　十隻の超戦艦『地獄十将軍』と、それらを総べる総旗艦ラグレイダーク。
　この守りに対し、倭国艦隊は倭国艦隊総司令・セルベリアが乗ったアームドフォート艦隊を中核とした船団によって、真っ向から突撃していった。
　三笠之・武蔵（黒鱗の武成王・e03756）が吠え猛る。
「我ら三笠之艦隊！　祖国の為、仲間達の為……そして今は亡き国々の為！　特攻の先駆けとならん！
　いざ、進撃！　全砲門斉射！　撃ち切り次第、大艦隊に向け突貫せよ！」

　だが、突進して来る倭国艦隊は、カリーナ・ストレリツォーヴァ（銀龍無頼・e00642）にとっては良い的だった。
「出るまで回す。当たるまで撃つ。それが、まさしく我らの採るべき手だろう？」
　重ミサイル巡洋艦のみで構成されたカリーナ艦隊が、一斉砲撃を開始する。
「ガチャも戦いも数だ、当たるまで投げりゃいい。詫び石の限り！！」
　花咲く刀剣たちの戦いが、海を赤く染め上げていく。

　雪村・達也（漆黒に秘めし手負いの炎剣・e15316）は、倭国艦隊の無謀ともいえる猛進に感心するように息をついた。
「あれが倭国艦隊総司令・セルベリアか……叶うのなら、このような艦隊戦ではなく一騎打ちを申し込みたかったが…是非もないか」
　達也をはじめ、暗黒艦隊の猛攻撃が、セルベリア達へと集中していく。
「ワシの『ロングヘアー艦隊』に勝てると思うな！　潮風に靡く長髪最高ゥ！」
　柵・緋雨（嘘つき・e03119）の率いる艦隊が、倭国艦隊を翻弄する。
「馬鹿め、こちとら海外艦も揃えておるのじゃ倭国の小艦隊に負けるはずもないわ」
「この戦力差、大帝ラグレイダークを守ることもあるまい」
　達也は、十将軍傘下の暗黒艦隊の勝利を確信していた。

　──だが、それは、暗黒艦隊に生まれた隙であった。
「第7隻『イビルロード』デスバリア、ご、轟沈しました！？」
「何ッ！？」
　暗黒艦隊に動揺が走る。
　十将軍の守りの要たるバリア艦デスバリア。その突然の轟沈をもたらしたのは、空から迫ったランティア・ストラトス（中身は野菜なお花畑・e06540）だった。
「なんか飛べる気がしたんですよねー」
　わざわざ海の上を水平移動しなくても良いよね。
　その至極もっともな意見に乗っ取り、彼女は空戦部隊を率いて立体機動攻撃を仕掛けたのだ。
　花塗れになって轟沈していくデスバリアに続いて、第1隻「黒将」マクマディガン、第2隻「銀将」ソーンダイク、第3隻「魔戦童子」ヴァルガリウス、第4隻「貪狼紳士」サイフォン、第5隻「騎神装攻」ゼルバルガ、第6隻「天恵暗鬼」マルヴァス、第8隻「暴君烈士」ペヨーテ、第9隻「幻奏猟兵」ギャロ、第10隻「白蓮清流」イクリミア……。
　十将軍の中核となる艦が、次々に破壊されていく。
「まさか十将軍が一文でまとめて沈むなんて！？」
「こうもあっさり行くと恐ろしいな」
　お船の時代は終わろうとしているのかも知れない。
　そう予感しながら、クリム・スフィアード（水天の幻槍・e01189）は杖を振り上げる。
「ゆくぞ、我らが精鋭たちよ！　総司令・セルベリアと共に倭国の武勇を此処に示さん！倭国の荒廃、この一戦に在り！」
「総員撃ち方用意！てーっ、デス！バーニングラァァァァヴ！」
　紅茶を片手に号令をかける天道・レン（神よ貴方は人の為に・e16386）提督。
　温存されていた別働隊が、憎き暗黒艦隊へと横合いから食い破らんと攻め入っていく。
　総司令セルベリアを囮とした、倭国艦隊の大胆な戦術であった。
　分断された地獄十将軍を、倭国艦隊は撃滅していく。
「敗北の未来は、僕達には無い……！」
　エンドブレイカー戦艦達の未来予知能力を駆使し、饗庭・樹斉（沈黙の黄雪晃・d28385）はラグレイダークの行く手へと回り込んだ。
「地獄的な因縁、ここで断ち切る！！」
　樹斉の艦隊の一斉攻撃が、ラグレイダークの装甲を貫く。
「くっ……鴉よ、奴との因縁を断つ大業、貴様に託したぞ！！」
　その通信を最後に、ラグレイダークは水底へと沈んでいくのだった。

●激闘、暗黒空母ゴッドモンスター
「第７２防衛艦隊沈黙」
「第１７３防衛艦隊より援軍要請」
「プエルトリコの基地航空隊壊滅。敵艦隊の損傷は軽微」
　バミューダ・トライアングル海域の防衛網は、倭国の誇る花咲く刀剣の大艦隊の大侵攻により、刻一刻と崩壊に近づきつつあった。
　このまま戦えば、全滅もありえる。
　暗黒艦隊司令部は、悲壮な空気に支配されていた。
　だが、誰もバミューダ・トライアングルを放棄しようとは言い出さない。
　バミューダ・トライアングルは詫び石をジャブジャブつぎ込む事で、次々と暗黒艦隊をロールアウトできる唯一の造船拠点である。
　このバミューダ・トライアングルを失えば、暗黒艦隊は二度と新たな艦隊を造船する事は出来ないのだ。

　暗黒艦隊の幕僚達は、助けを求めるようにゴッドモンスターを見上げる。
　しかし、暗黒空母ゴッドモンスターも、明確な方針を打ち出すことはできなかった。
「倭国艦隊の戦力が、当初の予想を大きく上回っているようです。また、暗黒艦隊の動員戦艦数も規定値を下回っており、この戦況は順当であると判断されます」
　ゴッドモンスターの分析は正確だった。
　だが、正確であることが、正しいとは限らない。幕僚達は、刻一刻と悪化する戦況に、顔色を青から白へと変化させていく。
　それを見かねたゴッドモンスターが、
「糖分が足りていないのですね、マフィンをどうぞ」
　と手作りのお菓子を薦めてきたが、受け取る者はいなかった。
　そして遂には、
「地獄十将軍艦隊壊滅、地獄提督・大帝ラグレイダーク様の安否は不明！」
　という、特大の悲報がもたらされた。
　もはや、暗黒艦隊に残されたのは、暗黒空母ゴッドモンスターと随伴艦による徹底防衛作戦しか無かった。
　ゴッドモンスターは、丁寧にその作戦方針を説明する。
「敵艦隊の補給も有限です。ここを耐え抜けば、敵は撤退せざるを得なくなり、我々は勝利する事ができるでしょう。我々は、失われた戦艦を、詫び石をジャブジャブさせる事により幾らでも生み出す事ができるのですから」
　逆に、倭国艦隊は、この大侵攻で勝ちきれなければ失った花咲く刀剣を短期間に補充する事は不可能。つまり、守りきれれば暗黒艦隊の勝利であり、その勝率は、この期に及んでも決して低くは無いのだ。
　その暗黒空母ゴッドモンスターの説明に、悲壮感の漂っていた幕僚達の目に光が戻る。
　まだ、勝利の目があるのだと思えば、気力もわいてくるだろう。
　そんな中、
「防衛戦なんてつまんないですわ。アニマはクレマンソーの所に行かせてもらいますね」
　暗黒艦隊の攻撃戦艦、アニマリア・スノーフレーク（赤翼の影巫・e16108）が意見を具申した。
「アニマの必殺大量破壊兵器があれば、クレマンソー級空母を沈められる可能性はあるのですわ。アニマは防衛戦とか苦手ですから、適材適所ですわね。他にも防衛戦に向かない艦を集めて、派手にいかせてもらいましょう」
　成功率は決して高くは無いが、旗艦と後方の補給艦を撃沈できれば、防衛戦も有利になる……、そういって、にこりと笑ったアニマリスに、ゴッドモンスターは感謝を込めて頭を下げた。
「ありがとうございます。アニマさんの死は無駄にはしません」
「やだなぁ、ゴッドモンスターさん。死ぬって決まっているわけではありませんよ」
　確実な死地に向かう作戦を具申したアニマリアであるが、死を無駄にしないというのは、ちょっと気が早すぎるだろう。
「報告によれば、敵の旗艦はクレマンソーは、アニマと同じ赤いフードの美少女らしいですから、挨拶するのも礼儀ですわよね」
　こうして、アニマリア以下数個艦隊が離脱し、残る戦力が防衛戦を行うために陣形を組みなおすのだった。

「完勝ではないか、我が艦隊は」
　ゴッドモンスター破壊作戦の前方展開艦隊の指揮を任された鵺咬・シズク（黒鵺・e00464）は、次々に入る景気の良い報告に意気軒昂で前進を続ける。
　残る敵は、ゴッドモンスターを守って絶対防御の陣形で待ち構えているようだが、この日の為に準備し練兵を続けてきた、攻撃特化陣形ならば、たやすく撃ち抜けるだろう。
「全艦、大破しても撤退は無い。大破進軍上等、勝つまで戦うんだぜ！」
　シズクは、そう言うと、花咲く刀剣の艦隊達に総攻撃を命じる。
「ここで勝てば、戦いは終わりだ。ありったけの物資を敵にぶつけてやっつけれ。出し惜しみは必要ないぜ！」
　そして、艦隊史上に残る猛攻撃が開始された。

　シズク率いる前方展開艦隊の猛攻撃が始まった頃、アニマリアの別働艦隊は前方展開艦隊の進路を迂回し、倭国艦隊旗艦クレマンソーと後方補給艦隊を射程に収めていた。
「敵艦隊さんはバカみたいに物資を消費してますわね。この分なら、案外作戦もうまくいくかもですが……。でも、あの猛攻撃が続けば、ゴッドモンスターも無事では済まないでしょう。アニマ達の命でゴッドモンスターを救う、その心意気があるものだけ……行きますわよ！」
　アニマリアの言葉に否を言う艦は無かった。
　皆、決意を秘めた瞳で前方の敵艦隊を睨みつける。
「みなさんは補給艦をお願いします、アニマはクレマンソーに挨拶をしてきますから」
　そして、アニマリア別働艦隊はアニマリアを先頭に敵艦隊に突っ込んだ。
　多勢に無勢、確実に全滅するのがわかりきった突撃。
　だが、これは戦争である。勝利の為の犠牲を惜しむ艦隊に勝利などありはしないのだ。
　そして、
「見つけましたわ、クレマンソーさん！」
　開幕魚雷によって中破しつつも、アニマリアは、敵旗艦を直接殴る距離まで距離をつめる事に成功する。
　そして、愛用の花咲く刀剣を大量破壊モードで振りかざし、クレマンソーを狙うアニマリア。
　そして、必殺の一撃！
　今までの戦艦人生の中で最高の攻撃が、クレマンソーに向かう。
　必中必倒の大量破壊兵器の一撃が、吸い込まれるようにクレマンソーへ向かい……、クレマンソーを庇った僚艦に阻まれた。
　僚艦は撃沈するもクレマンソーへの被害は軽微なものに留まったのだ。
　その後に、残されたのは大量破壊兵器の使用の反動で戦艦機能が大幅に低下したアニマリアの姿であった。
「私が旗艦でなければ、撃沈されていたのは私だったでしょう。その勇気に敬意を表して、全力で攻撃します。全攻撃機発艦、あの敵艦を沈めなさい」
　そして、クレマンソーから放たれた艦載機が、アニマリアに殺到し雷撃によりその命を奪いつくしたのだった。
　アニマリア別働隊は、補給艦数隻とクレマンソーの僚艦を撃沈するも全滅し、暗黒艦隊がバミューダ・トライアングルの戦いで勝利する唯一の機会が失われたのだった。

「シズク指令、後方のクレマンソーに敵艦の攻撃ありとの事です」
「結果は？」
「損害は軽微、敵艦は全滅だそうです」
「ならば良し」
　シズクはそう答えると、攻撃指示を続ける。
　敵艦は櫛の歯が欠けるように数を減らしていく。
　あの威容を誇ったゴッドモンスターの姿も、今は昔である。
「頃合か、俺が出るぜ」
　そういうと、シズクは、自らの艦隊のみを率いて、一路ゴッドモンスターの元へと直進する。
　司令官の特出という状況に驚きに目を見張るゴッドモンスターにとりつくと、花咲く刀剣を振るって、ゴッドモンスターの体の上を駆け上り、
「お前が存在する限り、暗黒艦隊は不明らしいな。ならば、この俺がお前を倒す。エアハルト、アナム、誄火、アリシア、茴香、風音、恵太、お前達の力を、今こそ俺の元に、一刀両断！！」
　艦隊の総力をあげた一刀により、ゴッドモンスターの命運を断ち切ったのだった。
「見事です。私も、できうるならば、あなたのような司令官を持ちたかった……」
　ゴッドモンスターはそういい残し、そして、海の藻屑と消えた。

　こうして、バミューダ・トライアングルの戦いは、倭国艦隊の勝利に終わり、世界の海は平和を取り戻したのである。

●バミューダ海域を血に染めて
　果てしなく海が続く「海洋地球」は、最初からこの姿だったわけではない。
　暗黒艦隊の出現に前後して、倭国以外全部沈没したのである。
　それこそは、海底に沈んだ詫び石の力であった。
『花咲く刀剣』に力を与えた詫び石は、暗黒艦隊の力の源であり、同時に世界を滅ぼす元凶となった物体でもある。
　ゴッドモンスターの轟沈により、間もなく暗黒艦隊の全軍は消え去ろうとしている。

　だが、それでもなお倭国艦隊ははじゃぶじゃぶと海を渡り、白鷺鴉を目指す。
「全提督、戦闘準備完了。これより、艦隊の指揮を各提督にうつします。幸運を」
　刀剣士・桐生冬馬の声に、応諾の声が返る。
「この作戦に戦略的な意味は殆どありません……それでも散るのが和の魂！！　お船はちっともわからないし、刀狩りもすぐに飽きちゃったけれど、冬馬さんが行けというのならば往きましょう！！それが武家の心ならば！！」
　血のりに飾られたバットを手に、遠之城・鞠緒（死線上のアリア・e06166）は暗黒艦隊を見つめる。
　これは、誇りをかけた戦いであった。

「あれほどの数が来るとは。倭国艦隊も、『奴』によって状況を設定され、敵意を煽られているな。消える前に、『奴』を引きずり出さねば……」
「時間を稼げばいいんだな？」
　そう白鷺鴉に告げるのは、海風香る船上にて黒きコートをなびかせる嘩桜・炎酒（星屑天象儀・e07249）。
　その傍らには八つの艦。
　ざっ、と男が手を前にかざせば一様にそちらへと顔を向ける。
　眼前には大海原。そしてその先に見えるは倭国艦隊。
「白鷺鴉殿に続け！我らが力を示すときが来た！」
　炎酒がそう叫ぶと同時に、砲声が鳴り響く！
「さぁ、楽しい争いの始まりだ！！」
「怪奇現象ならこっちにまかせろー」
　直立不動で海面に立つラトウィッジ・ザクサー（悪夢喰らい・e00136）が、力強く白鷺鴉に告げる。
「イナゴとか蝶々とか出したらぁよ！　そう、オリグラで！　いくぜ狂夢侵食ぅーーー！！！！」
「その程度で仇討ちだとか笑わせンなよ、ここまでおいでーっと！」
　白鷺鴉を撃破し、世界の仇を取らんとする倭国艦隊を、七瀬・遊（烈火戦刃・d00822）は機動力重視の小型戦艦で倭国艦隊の軍をかく乱し、バミューダ・トライアングルへと誘い込んでいく。
　八代・社（子連れ刑事純情派・e00037）は、あえてその誘いに乗った。
「戦略、戦術の類は最早どうでも良い誇りが保たれてもメシは食えんが、魂が輝く！　桐生！　おれの力をお前に貸すぞ！全艦密集陣形で先駆け！　先頭艦、弾幕張れ！　後続艦、爆雷用意！　敵のど真ん中に風穴を空けてやれ！」
　社の砲撃を受けた遊の艦隊と、怪奇現象と艦隊の砲撃を受けた社の艦隊、その双方が同時に消滅する。

「フフ……へただなあ、暗黒提督くん。へたっぴさ……!欲望の解放のさせ方がへた……。提督くんが本当に欲しいのは……★(こっち)……これをアトリエで投げて……リクエスト文を作ってさ……3点セットで戦いたい……！　だろ……？　フフ……。だけど……それはあまりに値が張るから……こっちの……しょぼい侘び石でごまかそうって言うんだ……。提督くん、ダメなんだよ……！　そういうのが実にダメ……！」
「それ船じゃなくて地下だろ」
　狂舞・刑（その背に背負うは六六零・d18053）に後ろから刺された天尊・日仙丸（通販忍者・e00955）が沈んでいく。
　もはや、戦闘は泥沼の消耗戦へと突入していった。
　爆轟が鳴り響き、残り少ない『花咲く刀剣』が刀剣破壊されていく。
　それは、この地球の終わりを象徴するかのようであった。

　そして、倭国艦隊は、バミューダ・トライアングル中心部に佇む白鷺鴉の元へと迫る。白鷺鴉は最大の怪奇現象『幻の大陸アトランティス』を呼び出し、艦の接近を阻まんとする。
　だが、メロウ・グランデル（眼鏡店主ケルベロス・e03824）は大陸を駆け抜け、白鷺鴉
「前髪を伸ばしすぎると目に入って視力低下につながります。白鷺鴉よ――――あなたもパッツンになるべきです。そしてメガネかけろ！！」
　白鷺鴉にはアンダーリムスクエアが似合うと気付いたので眼鏡かけに行きます。

「詫び石のため、お前らはプチッとやられればいいんだよォ！！」
　最後の守り手として倭国艦隊の前に立ちはだかるゾラ・ラウィーニア（アンビリーバー・e10915）の叫びに、影から現れた新たな艦隊が立ち向かう。
「愛と正義の星！月を守護にもつ神秘の忍、見参！」
　鬼に遭わば鬼を仕置きし、神に遭わば神を仕置きする。
　葛葉・影二（暗闇之忍銀狐・e02830）率いる隠密艦隊の刃がゾラ艦隊に断裁の一撃をもたらした。
「世界に仇なす不届き者共よ！　拙者が……拙者等が、月に代わって、仕置き致す！」
　そして、倭国艦隊の一斉砲撃が、白鷺鴉を貫く──。

●遮幸神ジャブ
「これで、この世界も終わる……だが、目的は叶ったぜ」
　バミューダトライアングルの中心に、巨大な渦が生まれていく。
　輝く詫び石が、次々とその中へ吸い込まれていった。
　倭国艦隊を前に、白鷺鴉は告げる。
「世界を海に沈めたのも、全てはこの時のため……バミューダ・トライアングルの底に潜む幾多の世界を創造し、破壊してきた『ヤツ』を引きずり出すためだ！！」

　そして、海が割れた！
　割れた海底から現れるのは、一人の男──いや、『神』であった。

→(1)「地獄十将軍」に加わる
　（参加人数：143名　合計戦闘力：16712052　/敗北……）

→(2)大帝ラグレイダークに立ち向かう
　（参加人数：313名　合計戦闘力：37332177　/勝利！）

→(3)ゴッドモンスターを防衛する
　（参加人数：106名　合計戦闘力：12658995　/敗北……）

→(4)ゴッドモンスター破壊作戦
　（参加人数：271名　合計戦闘力：32620510　/勝利！）

→(5)倭国をバミューダに引きずり込む
　（参加人数：175名　合計戦闘力：21211138　/敗北……）

→(6)白鷺鴉を倒し、世界の仇討ちを果たす
　（参加人数：265名　合計戦闘力：31757474　/勝利！）