PSYCHIC HEARTS

    朱雀門高校・生徒会長
    ~朱雀門高校~

     敬意を持って接する生徒会長の前で、爵位級吸血鬼のメッセンジャーは、尊大な態度で長々と、己が主からの通達内容をまくしたてた後に、更に私見を付け加えた。

    「デモノイドロードは人間の姿になるといいますが、奴等は灼滅者なのでしょうかな?
     だとすれば、人間風情とはいえ侮らず利用せよという、我が主よりの教訓でしょうな。
     そもそも私が主のメッセンジャーとしての栄誉を頂戴しているのは……」
    「デモノイドロードは灼滅者ではありません。理性と人間形態への変形能力を得た、デモノイドの一形態であり、純然たるダークネスです」
    「さ、左様ですか。……コホン、さすが、朱雀門高校の生徒会長様にあらせられましては、随分と博識でいらっしゃいますなぁ? いやはや、その豊富な雑学が実戦の成果としても結実すれば、我が主も大変にお喜びになるでしょうなぁ」
    「肝に命じます。デモノイドロードを配下に加える作戦、滞り無く実行致します。その旨、本国にもご報告を」
    「うむうむ、実に殊勝な心がけ。『デモノイドは魂の冒涜』などという青臭い事を言い出さなかったのは、さすが生徒会長殿ですな。我が主にも良く伝えておきま……」
    「メッセンジャー殿、今の発言は、瑠架の事を揶揄しておられるのですか?」
    「……! まままさか、めめめっそうもございません! おっと用事を思い出しましたのでこれで失礼させていただきます。くれぐれも、失敗はされませんように!」