PSYCHIC HEARTS

    義の犬士「ラゴウ」VSロード・パラジウム
    ~千葉県木更津市地下・デモノイド収容所~

    「まさか、あれは!」
    「副会長、あの素敵な殿方はどなたですの? ……とても、友好的には見えませんけど」
    「私も、噂に聞いた事があるだけ。主の復活の為に各地を巡っているという『八犬士』のひとり、おそらくは『義』の犬士・ラゴウ! まさか、スキュラとハルファスが同盟を!?」

    「いかにも、僕はラゴウだ。お嬢さんの予想は当たったが、僕の予想は外れたな。
     ここにはロシア化怪人達か、ラブリンスターの軍が来るものと思っていたが」
    「くっ……あの素敵な殿方、強いですわ。このままでは、せっかくの優勢が……」
    「いい機会だ。朱雀門高校の君達に聞いておこう。神津・零梨はどこだ?」
    「残念ながら、私達は確保に失敗した上、彼女は既に『可能性世界』を失っています。
     それはそれとして、流石に油断をなさりすぎでは? ……パラジウム、プランB!」
    「かしこまりました! パラジウム、プラス、ジルコニア! おりゃぁぁぁ~!」

    「くっ、何をする気だ!? 止めなくては……!」
    「自己紹介が遅れました。私の名は朱雀門・瑠架。朱雀門高校の副会長を務めております」
    「司令官自らが時間稼ぎか! その意気や良しだが、身の程を知れ!」
    「確かに力量はあなたの方が上。しかし私が稼ぎたいのはほんの数分。沈められますか?」
    「おっ、おのれ……!」

    「うぉぉぉぉぉぉ、とっとと動きなさいデモノイド達! 命・令・電・波ぁ~!!!」
     肉体を異形化させたロード・パラジウムが、収容所のデモノイド達に怪電波を浴びせる。
     既に朱雀門高校の生徒達によって解放されていたデモノイド達は、次々と洗脳され、朱雀門に付き従う兵卒へと書き換えられてゆく。
    「ぉぉぉぉぉぉぉぉぉっハイここで終わり! これ以上は副会長が持ちませんわ!
     残ったデモノイドは木更津のそのへんにばら撒いて、オトリにします!
     さぁ副会長、プランBは完了です。撤退しますわよ!」