PSYCHIC HEARTS

    淫魔『ラブリンスター』
    ~千葉県安房地方の山中~

    「あっ、ひょっとして緋影丸さん? お久しぶりです!」
    「ラブリンスター! 何故、斯様ナ場所ニ!?」
    「えへへ、このへんで野生のアスタリスクさんが出たって聞いたんですよ!
     だから2、3人ゲットして、作詞作曲をお願いしようと思って。緋影丸さんは?」

    「……余裕ダナ。我ガ主君『スキュラ』ノ復活、聞キ及ンデオランノカ?」
    「関係無いですよ、スキュラさんは敵じゃありませんし」
    「今マデハ貴様ヲノサバラセテオイタガ、コレカラハ違ウ。モウ貴様ノ時代デハナイ!
     残ル八犬士ヲ見ツケ出シ次第、マズハ貴様カラ喰ラッテクレル!」
    「きゃーん、緋影丸さんコワーい! でもスキュラさん達、武蔵坂学園と戦ったんでしょ?
     あの人達はコワいですよ。私まで相手してるヒマなんか無いんじゃないですか?」

    「フン、愚カナ。貴様モ灼滅者風情ガ『蒼の王』ヲ殺シタトカ言ウ戯言ヲ信ジテイルノカ。
    奴等ナド我等ノ敵デハナイ。ソノ証拠ニ……」
    「ラグナロクを取られたあげく、復活だけしてあとは逃げ出したんでしょ?
     ダメダメじゃないですか! しかも、武蔵坂学園はまだ全力じゃなかったのに」
    「……ドウイウ意味ダ?」
    「わからないですか? 簡単ですよ、『彼らはまだ闇堕ちしてない』んです」
    「………………!!」
    「ほらほら、だからもっと焦らないと♪
     少なくとも、あの八犬士さんは必要じゃないですか?
     八犬士最強の軍師、『人間五十年、下天のうちを比ぶれば……』の人ですよ!」