PSYCHIC HEARTS
カットスローター&縫村・針子
~血塗られたゲームセンター 23:30~
そして闇の中から、惨劇の主たる2人が姿を表した……。
六六六人衆「三日月・連夜」が、驚きの声を上げる。
「まさか……! ブレイズゲートに飲み込まれたあなた達が、何故かつての強さを……!」
カットスローターこと「切宮・顕嗣」が、くっくっと愉快そうに嗤う。
「本当にあったんだよね、『魔神ベヘリタスの秘宝』ってヤツが」
カットスローターの側に立つ少女「縫村・針子」が、その言葉を受け継ぐ。
「四大シャドウとして知られるベヘリタスが、何故ブレイズゲートの境遇を良しとしていたのか……あの魔神は最初から、ブレイズゲートを打破する手段を有していたのです」
「分割存在のひとりに、己の力を復活させる! これが、ベヘリタスの秘宝の力みたいだ。
使用は一度きりで、復活した俺が死ねば再使用は不可能だけど……死んだらオシマイなのは皆一緒だから、ペナルティでも何でもないね。まぁ、執念の勝利って奴だ」
「執念は、私達の大切な行動原理の筈です。一度ゲームを始めたのなら、負けたぐらいで場を降りてはなりません。何度でも、どんなイカサマをしても、場にしがみつくべきです」
ようやく話の趣旨を理解した三日月・連夜が、ふたりに返答する。
「つまり……灼滅者の勝ち逃げを許すな……という事ですね」
「正解です。答えが出るまで、随分殺してしまいましたね。切宮君は楽しそうでしたけど」
「いや、縫村の方がよっぽど……。まあいいや。
そういう事なんで、めでたく復活した俺達の前に、祝いの『贄』を並べてくれ。
闇堕ちゲームの生還者達を追い詰め、殺せ。『暗殺ゲーム』の始まりだ!」
「他の皆さんにも伝達してください。今すぐ、ここで」