PSYCHIC HEARTS

    鞍馬天狗&朱雀門高校生徒会長
     新潟での戦いを終えて帰還した『鞍馬天狗』。
     不気味に呻く刺青をその背に載せた伝説の羅刹を前に、生徒会長は語りだす。
    「鈴山・虎子は外道丸との接触経験があり、彼等の陣容をほぼ把握しています。
     ロード・パラジウムは、外道丸側にいるというロード・ビスマスについての詳細な情報を持っており、あなたに正しく提供するとの事でした。この後本人にお尋ねください。
     また、ラゴウについては、刺青羅刹同士の戦いに介入しないよう約束させました。
     新潟への参戦、虎子との一時休戦……その報酬は、これらの情報でいかがでしょうか」

     生徒会長の報告を静かに聞いていた鞍馬天狗が、静かな口調で返答する。
    「良かろう。貴様の兵隊が私の御山に踏み入った時はどうしてくれようと思ったが、御用聞としてはそれなりに有効な様だな。……だが此度の戦い、貴様等はしくじったな」
    「……と、申しますと?」
    「自らの兵隊を割かず、私との交渉だけで、ゴッドモンスターやロシアンタイガーの趨勢を把握したのだから、目論見は成功だろう。だがな、あの戦いを目撃しなかったのは失敗だ。
     武蔵坂学園! 意気に燃える奴等の強さ、輝きは実に素晴らしかった!
     あの学園に関する貴様等のデータは全て間違いだ。奴等は貴様等より強い!」
    「……やはり、そうでしたか。そうでなくては……」
    「……!? なるほど貴様、それほどの悪党か! ならば何も言うまい。
     身内をも焼き尽くさんとするその情念、せいぜい露見せぬようにするのだな!」