PSYCHIC HEARTS
武内・邦明&緒形・時雄
「……緒形教授! お越しになってよろしいのですか?」
「心配は無用だ、武内君。時は誰にでも平等に流れるのだからな。
ところで、ゴッドモンスターのアブソーブは成功したかね」
「はい、サイキックアブソーバーには大きな負荷がかかりましたが、どうにか……」
「その消耗分は、私が今回持ち帰った呪術素材で、おそらく修理できる範囲だろう」
「これで、教授の仮説のうち『可能性世界』『ゴッドモンスター』の獲得に成功し、仮説に無かった『絶対切断糸』『地獄絵図』も得られました。また、他にも未解析のラグナロク因子を3つ所有しています。闇堕ちによる情報漏洩の危険性があるため、この研究に携われる人間は少ないですが、解析は少しづつ進めていきたいと思います」
「素晴らしい成果だ。……しかし、ままならぬものだな」
「そうですね……殲術再生弾も、すでに数多く発射されました。子供達を守る為の研究は成果を上げましたが、それは、彼等を戦場に送り続けている事に他なりません」
「灼滅者達に少しでも報いる為、一般人の私達は、持てる全ての力と知識を振り絞ろう。
武蔵坂学園に集ってくれた彼等こそが、歴史上最初で、おそらく最後の希望なのだから」