PSYCHIC HEARTS
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「これでトドメずら! 幻狼、銀爪撃……!」
半獣化した己の左腕を深々と突き刺し、白炎蜃気楼に包まれた少女は「古の畏れ」を灼滅した。灼滅を見届けた仲間達が、エアシューズの車輪を鳴らしながら近づいてくる。
「ふう、かなりの強敵だったな」
「鎧武者の姿をした畏れ……やはり凄まじきは、ニンゲンの想念という事なのか?」
口々に話す仲間達に、少女はかぶりを振る。
「いんや、本当に凄まじいのはあっちだべ……」
少女の視線の先には、既に息絶えた、巨大なスサノオが斃れていた。
常軌を逸するその巨体。スサノオにとって、「大きさ」とは「強さ」に他ならない。
そのスサノオを灼滅せしめた何者かが存在する……。
彼女は消滅してゆくスサノオの肉体を眺めながら、この宿敵を討ち果たした強者達が、味方であってくれることを祈るのだった。