PSYCHIC HEARTS
安土城怪人 & グレイズモンキー
~琵琶湖・竹生島~
一列に並ぶペナント怪人達の群れ。
それらの一体一体に、安土城怪人が何やらチクチクと細かい仕事を行っている。
清里高原、京都、アメリカ、大阪万博……。
様々な地域のペナント怪人達の頭部を、「琵琶湖」のペナントに縫い直しているのだ。
突如、居並ぶペナント怪人達に緊張が走る。強大なダークネスの出現を察知したのだ。
ペナント怪人達が注目する中、黒いシミのような影が現れ、徐々に膨らんでいく。
完全な姿となったそれは、「信」の犬士・グレイズモンキーであった。
グレイズモンキーは安土城怪人の御前に進み、言葉を発する。
「フェン、フェン、フェン!」
「おお、グレイズモンキーよ、戻ったか。して、我等が敵は何者ぞ」
「フェンフェン」
「なるほど、敵は天海か。久しいな……」
グレイズモンキーの言葉は人間のそれでは無い、鳴き声のようなものだ。
しかし不思議な事に、その場にいる全員が、話の内容を理解することができた。
「敵の兵力は膨大だ。お前にも、犬士の霊玉の解読を一時中断して協力願いたいのだが」
「フェフェーン!」
「感謝する、では共にペナントを縫い直し、軍備の増強を進めようぞ!」