PSYCHIC HEARTS

    智の犬士カンナビス&悪魔ハルファス
    ~茨城県古河駐屯地・武装実験室~

    「竜種イフリートによる大地の乱レ、まさかアレもハルファス君の仕業だったトハネ」
    「その通りだカンナビスよ。最も警戒すべきは、イフリート『三竜包囲陣』であった。
     あれは獄魔覇獄において必殺の戦法だが、もはや奴等にそれを構築する時間はあるまい」
    「しかしハルファス、君の部下が調べた『獄魔大将』の情報が本当ナラ、実に脅威です。
    ブエル卿の強さは君に言うマデも無いガ、シン・ライリーはワタシ達八犬士の中でも別格。そして六六六人衆の関与に、デスギガスの配下が動き出したと言ウのでしょう?」

    「……確かにそれらも脅威だろう。だがカンナビスよ、今最も警戒すべき相手は違う」
    「ソレが、武蔵坂学園だと?」
    「其の通りだ。ご当地幹部や爵位級吸血鬼を退けた奴等こそが、最も侮れぬ相手だ。そして何より、奴等の磨きぬかれた殲術道具は、警戒すべきイレギュラー要素となっている」
    「ダークネスの力を模シタ、ダークネスには必要のない紛い物ノ武器……。
     しかし、その発生原理は分かっていない……君が研究をしているのみだとか?」
    「そうだ。私の試作型殲術道具は世界中に偽装配置してあるが、まだ我が武器庫に収めるだけの完成度には至っていない。それだけでも、奴等は警戒するに余りある」
    「スキュラ様の結界を灼滅者用に調整するダケの価値はある、という事デスね。では、それはお任せして、ワタシは霊玉から生まれしものを使い、ナミダ姫への対策を進めまショウ。
     ……それにしても、よくぞこれだけの情報を集められた物ダ」
    「部下に恵まれているのでね。君にも期待している。我らが獄魔大将、カンナビスよ」