PSYCHIC HEARTS

    ソロモンの悪魔「ブエル」
    ~東京某所『見えない玄室』~

     ふむ……この情報も古くはない。その情報も古くはない。
     極めて退屈ではない。実に不満ではない。

     イフリート、シャドウ、ノーライフキング……。
     収集した知識を以って創造を行えば、如何なる種族の模倣創造とて難解ではない。
     他の獄魔大将勢力が、私の模倣配下の潜入に気づいた気配もない。
     もっとも私が無関心でない能力。それは業大老の暴力以外に有り得ない。
     暴力は知識を凌駕しないが、大老の力の有用性は、既に戦術運用の範疇にはない。
     大老の用意した「褒美」の獲得を望まない訳ではないが、私の目的は其処にはない。
     私は全ての力と知識を、私の元に所有せずにおれないのだ。