PSYCHIC HEARTS
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~神奈川県南部横須賀市~
横須賀港の海底から、突如として、ひとつの光球が浮上した!
その光球は空中を浮遊した後、横須賀市のほぼ中央で着地した。
その中から現れたのは、ひとりの少女であった。
「どうして、こんな所に? 確か私はパワースポット巡りを……」
何か思案を巡らせている風の少女であったが、ふと合点がいったかのように手を打った。
「光に誘拐される……もしかして、エイリアン・アブダクション!?
……いえ、何かをインプラントされた様子は無いみたい。じゃあ、いったい何が……」
ひとりでよく分からない事をつぶやいていた少女は、ふと、何かを感じ取った。
そして懐からおもむろに水晶球を取り出し、なにやら念じ始める。
「見える、見える……。
不可視の車輪、静かなる武人、牙を剥く獣、派遣社員、巨躯の闇、薬殺死体、燃える狼。
それら全てが、『人にあらざるもの』!
……まさか! 自分で占いしておいて何だけど、そんな存在が本当に……?
しかもこの気配は……みんながわたしを狙っている!?」
彼女は思わぬ占いの結果に動揺したが、すぐに気持ちを切り替えた。
そして地面に奇妙な文字が書かれた紙を広げ、その上にコインを置いて叫ぶ。
「何が何だかわからないけど、わからないまま殺されるのだけはイヤだ!
コックリさんコックリさん、お願いします。わたしの逃走ルートを教えてください!」