PSYCHIC HEARTS

    朱雀門・瑠架&義の犬士ラゴウ
    ~朱雀門家・私邸~

    「つまりこれは、私の『誇り』を利用した作戦だ、と?」
    「ああ、そうだ。これで君は、血で受けた誹りを血で贖わねばならなくなった。
     君の血縁を利用して僕等を戦地に駆り出すとは、なるほど彼は狡猾な男だ」
    「ですが、彼の理想は尊いと感じていました。今もその思いは変わりません」
    「変わってるな、君は。今も尚、その彼に利用されているというのに」

    「泣いて、いるのですか?」
    「友が死んで泣かぬ者など、僕は男と認めない。
     そして、我欲の為に己が同胞を殺すものなど、八犬士の名が許さない!
     ……いいだろう、瑠架。『足柄山の獣使い』の名にかけて、僕は新たな軍団を編成し、君に提供しよう。無論、ファフニールもだ。場合によっては、シン・ライリーや安土城怪人の協力を取り付けてもいい。君は存分に血を血で贖い、本国に勲(いさお)を立てるがいい。
     だがその後は、僕の復讐に付き合って貰う。それが条件だ!」

    「分かりました。では急ぎ別れを告げましょう。愛しき朱雀門高校に」