PSYCHIC HEARTS
天海大僧正&刺青羅刹「依」
~滋賀県大津市坂本・西教寺~
「思いの外、良い感触を得られたのではないか?」
「ええ、その通りです。『私達は話し合いをする準備がある』と示せたのは大きいかと」
「それで充分。武蔵坂に対しては、後は筋のみを通し、時を待つとしよう。
では次は、当面の懸念に取り掛かるとしようぞ」
「朱雀門高校の生徒会長とは、ひと通りの話はついております。
対安土城怪人の戦闘において、協力を得られる手筈となっております。
向こうからの交換条件も妥当で、かつ一般人に危害を及ぼさないものです」
「武蔵坂との今後の交渉にも影響を与えないという事か。それに『獣狩り』ならば、儂等の戦力をそう割く事も無い……しかし、これは実に、危うい橋であるな」
「それは、どういう意味でございますか?」
「敵を欺き味方を裏切る者が、妥当で合理的な計画を進めているからだ。
将の器無き者が大局を語る様、小賢しく滑稽なり。遠からずの破綻は明白である。
……鞍馬天狗の楽しんでいる様が目に浮かぶようだ。彼奴は嵐を好むからな」