PSYCHIC HEARTS

　る……瑠架ちゃん僕の瑠架ちゃん！　思い出してくれたね僕の事を瑠架ちゃん！
　まって言わないで瑠架ちゃん！　考えてることはその芳しい匂いで分かるよ瑠架ちゃん！
　ふんふん、無闇な殺生は好まないんだね優しい瑠架ちゃん。

　でもね瑠架ちゃん、やっぱり……血で受けた誹りは血で贖わなくちゃだめなんだ。
　それは、あの小賢しい生徒会長を僕がぺちゃんこにするより、優先すべき事なんだ。
　……ごめんね、もちろん知っているよね瑠架ちゃん。
　それでも、心が悲しんでいるね瑠架ちゃん。僕のだいすきな優しい瑠架ちゃん。

　だから、僕が来たんだよ。
　これからは僕が前線に立つよ。この僕、黒翼卿メイヨールが。
　まだまだ、ヴラドやバーバ・ヤーガには負けないよ。安心してね瑠架ちゃん。
　君の弟君である『黒の王』への言い訳は、また後で考えるよ瑠架ちゃん。
　僕はただ、瑠架ちゃんが時々僕を思い出してくれるだけで幸せなんだ。

　……だめだ、撫でて触って確かめたいと思ったけど、やっぱりそんな事できないや。
　だから僕は遠くから瑠架ちゃんを眺めて、心配するしかできない。
　どうか、その優しい心を涙で曇らせないで。瑠架ちゃん僕の瑠架ちゃん……。