PSYCHIC HEARTS

～滋賀県大津市坂本・西教寺～

「宴は終わりよ、天海さま」
　油断した隙を突いた、突然の依の奇襲。
　天海大僧正は依の糸により全身を斬り裂かれ、今まさに死の淵にあった。
「……また、我は同胞に欺かれるのか……」
「あら、それは歴史的な新説ね。元学生としては少し興味があるけれど、時間切れね」
「……外道丸亡き今『刺青』を手に入れたとて、何になるというのだ……」
「六六六人衆から受けた『ハンドレッド・コルドロン』の誘いを無視するような男に、最早その刺青は重荷でしょう？　いっぽう、私はこれで『ふたつめ』の刺青を手に入れたの」
「……まさか、六六六人衆の使者が述べていた復活法で、外道丸を蘇らせたのか……！」
「もう殺しましたけどね。残る刺青所持者は、武蔵坂に追い詰められたうずめ様と、朱雀門高校に身を置く鈴山・虎子と鞍馬天狗。そして、朱雀門は快く交渉に応じてくれたわ」
「……成程な。確かに、同盟関係による安寧など、我が浅慮であったか。
　良かろう、我が勢力全てと、慈眼城を使え。
　かくなる上は、必ずや刺青を完成させるのだぞ……」