PSYCHIC HEARTS

タタリガミ『ラジオウェーブ』
 僕の抵抗は無駄だったようだ。灼滅者を一番侮っていたのは僕のようだね。
 タタリガミは結局、世界の周りを覆う者達の、更にその外側を漂っていたのだろう。
 彼らと直接対峙できなかったのは残念だけれど、仕方ない。
 僕が予想した743種の結末から違えるであろう、最後の可能性に賭けてみよう。

 ……『鎖』よ、君のシステムは極めて完成されている。
 だからきっと、ガイオウガより前にも『サイキックハーツ』はいたのだろうね。
 でも、僕はいなかった。
 僕は、『ラジオウェーブ』は、現代の人々によって造られた、新しい存在。
 僕は、人の想念から生まれた、絆と不安……すなわち『つながり』の集積体だ。

 赤の王やコルネリウスのように、君は今から僕を吸収するのだろう。
 超然たる自動的な存在として、粛々と計画を進めるがいい。
 そして君は、僕を吸収してはじめて知るのだ。
 君がこれまで弄んできた生命の『意志』とは、どのようなものであるかを……!