PSYCHIC HEARTS

    十字卿シュラウド & 朱雀門・継人
    「黒の王とはいえ、貴様如き弱者があのアラベスクを操るとはな」
    「これがサイキックハーツの力だ。最早爵位など無意味」
    「グヌヌヌ、このシュラウドが斯様な屈辱を受けるとは。グムムムム……!」
    「…………しかしシュラウド、私が他のサイキックハーツとの同盟を締結する間に、六六六人衆及び戦神アポリアの助力を取り付けた事は感謝する。急ぎ彼らに『アラベスク・ソード・カタストロフ』の儀式手順を伝え、準備に取り掛かれ」
    「い、言われずとも! だいたい何が六六六人衆だ、あの程度の奴ら、全員まとめてこのシュラウドひとり分にすら値せぬと言うのに! 不愉快だ、失礼する……!」

    (シュラウドが去り、継人はひとり考える)

    「…………………………。
     シュラウドとは、あのように矮小な男だったか?
     ……いや、どれだけ記憶を辿ってみても、以前よりあの男は、意志の純粋さも無く、知見も浅く、浅薄な自意識とプライドに囚われた愚かな男だ。
     だがそんな精神で、アラベスクに次ぐ爵位を持つ『国家破壊級ダークネス』まで己の力を高める事など、できる筈がない。私が何か見落としているのか? 或いは……」