■第1ターン結果
(2)阿佐ヶ谷北市街地:Battle11
阿佐ヶ谷の市街地は、先の『阿佐ヶ谷地獄』事件で大量の犠牲者を出した地域でもある。
バベルの鎖は情報が広まることを許さず、そうした事件で生じた犠牲者の亡骸の中には、放置されているものも数多く存在した。
2B桃連合の灼滅者達は、つい先ほど行った奇襲の際にこうした遺体が黒いスーツを着た者達に回収されているのを目撃している。
これを行っているのは一見して葬儀社の職員のようではあるが、実際はアンデッドによって構成される企業、鍵島コーポレーションの社員たちだ。
鍵島コーポレーションの黒服を身につけたアンデッド、『ブラックスーツ』達を中心とした一団は、先程の奇襲から立ち直り、灼滅者を迎撃していた。
「アンデッドを増やす前に救出が行われるとは。厄介な真似をしてくれたものです」
「第4課主任」名張・明花率いる一団へと斬り込んでいく灼滅者達。
ライラ・ドットハック(サイレントロックシューター・d04068)の拳が閃光のように勢いよく繰り出され、無慈悲なまでの勢いで群れ為すアンデッドを打ち崩していく。
蒼い髪が戦場に軌跡を残した。
「……死者に容赦の二文字は、ない」
拳を固めるライラに、名張は日本刀を構えて応じる。
瞬時に距離を詰めて来るアンデッドの一刀を、ライラは銃で受け止めた。
硬質の音が響いた瞬間、逆の拳が名張の腹部へとめり込んだ。拳の先で力が弾け、名張の体が崩れ落ちる。
「門司さん……すみません」
「……あなた達はやり過ぎた。死者は黄泉へと還るといい」
ライラの言葉と共に、この戦場の勝利は確定した。
「鍵島コーポレーション、か……」
倒れた敵の持つ社員証。この会社がアンデッド達の隠れ蓑となっているのは
この戦いで大きなツケを払うことになるのは間違いないだろうと思えた。
(2)阿佐ヶ谷北市街地:Battle9
神園・和真(カゲホウシ・d11174)の纏うオーラが、アンデッド達の攻撃を受け止める。
阿佐ヶ谷北市街地を守るアンデッド達との戦いは、灼滅者達の優勢で進んでいた。
路上には既に、灼滅されたアンデッドの残骸が散らばっている。
それらを踏み越えて進撃する灼滅者達の前には、この地域のアンデッド達を指揮する一団が現われていた。
「奇襲作戦から合流しての反転突撃。若いにも関わらず、よくやるものだ!!」
「第15課主任」門司・一臣の放つ弾丸が、灼滅者が咄嗟に構えた殲術道具の表面で硬質の音を立てる。
和真が咄嗟に身をよじった瞬間、回転する弾丸はそのままオーラを貫いた。和真の肩に鋭い痛みが走る。
「やるもんだね! けど、ここを突破しないと始まらないよな!」
痛みを無視して影業を操作、眼前の門司の肉体に大きな裂傷が刻まれる。
しかし肉体を傷つけられながらも、門司は止まることなく反撃を繰り返して来る。
既に命を失ったアンデッドに痛みは意味を持たない。
「お前達の強さは認めよう。しかし、大人というやつは諦めが悪くてね……!!」
斬りつけざまに銃弾が放たれる。かわせるはずもない弾丸が、道路に当たって音を立てた。
「何……」
門司が瞠目する。
影業に自らの体を引っ張らせ、無理やりに低い姿勢を取った和真の拳に、シャドウハンターの力が宿る。
「大人なら、諦めの良さも肝心だろ……!!」
和真の振り上げた拳が、門司の顎を跳ねあげる。
そのまま門司はどう、と音を立てて倒れ、そのまま動かなくなった。
灼滅の手応えを感じながら、和真は周囲の灼滅者達に声を掛ける。
「今のうちに、残る一般人を避難させよう」
ファーストアタックである程度の人員を避難させているとはいえ、まだ残っている可能性もある。灼滅者達は残っていた一般人を救出すると、その場を撤退するのであった。
(3) 杉並区荻窪体育館 Battle:29
杉並区荻窪体育館の周辺で行われていた淫魔達のライブは、先程の奇襲を受けながらもなお続行されていた。
とはいえ、それは先程のような無防備であることを意味しない。
ライブを行っている淫魔の親衛隊が、その守りについていたのだ。
「ですが親衛隊とはいえ、これは少々……」
「むむっwwwぽろりんバニーたんのライブを邪魔する不届きものでござるなwww諸君、イケメンや美少女勢ぞろいの学生軍団に負けてはいけないでござるよwww」
やたらと気合いの入ったアンデッド達が、蒼井・夏奈(小学生ファイアブラッド・d06596)らの前に立ち塞がり、この先には徹すまいと鉄壁の防衛ラインを引く。
『おさわり厳禁』などと書かれた看板を手にしているアンデッドの姿に、夏奈はしばしどう対応していて良いものか悩んだ。
「デュフフwww小生こそはぽろりんバニーたんファンクラブ『様式美』第17代会長、原田修三、人呼んでハプニンガー原田でござるwww」
やけにバンカラな格好をしたアンデッドに率いられた一団が、灼滅者達の前に立ち塞がっていた。死んでいるために呼吸もしないし汗もかかない連中だが、多分生きていたら汗臭さとかを感じただろうと直感できる。
「でも死んでるから汗臭さとか熱気とかとは無縁でござるよwww代わりに腐臭が漂っているでござるがwwおっと、腐臭といっても別に薔薇的な意味ではないでござるよwww」
「……そ、そう」
なんだこいつ。
それが灼滅者達の等しく感じた感想であった。
よく見ると、そのハプニンガーとか名乗ったアンデッドの羽織っている学ランには萌え絵が刺繍されていた。
周囲にいるファン達が幼女萌え、とか言いながら写メを取っているのを見て、後であの携帯を破壊しなければ、と夏奈は心に誓う。
「これが今日のライブで使う水鉄砲とうちわと洗濯バサミでござるwwwこれをどうやって使うかって?wwwグフフお主にはまだ早いでござるか?wwwおいおい小生のハプニンガーっぷりに妬くなでござるwww」"
自分の世界に浸っているハプニンガー原田は、次々と学ランの下や学帽の中からハプニンググッズを取り出して来る。
その態度にいい加減嫌気がさして来た灼滅者は、一気にファンクラブを殲滅にかかる。
「あっ、ちょ、こいつら強いでござるwwwアッー!!」
親衛隊を乗り越えて、灼滅者達は体育館の内部へと突入していく。
(3) 杉並区荻窪体育 Battle:5
体育館の内部は、一層の熱気に包まれていた。
その熱気の原因は、ステージ上にいるアイドル淫魔だ。
「あれは……?」
「知らないのですか!!」
近くにいたアンデッド達が骨ばった顔を疑問の声を上げた灼滅者達に向ける。
ちょっと怖い。
「「「歌って踊って脱いじゃう恥ずかし系メガネっ娘バニーアイドル!!
それが淫魔ぽろりんバニーたんです!!!!」」」
アピールポイントが多過ぎて全体的に特徴がぼやけているという欠点はあったが、灼滅者達の目撃したぽろりんバニーの特徴はただ一つだ。
ヴァン・シュトゥルム(オプスキュリテ・d02839)の眼鏡が少しズレた。
「全裸ですよね」
「さ、最初は着てたんですよぅ」
涙目で応じるぽろりんバニー。
聞けばライブのうちに、『なぜか』ハプニングが起こって、こういう格好になってしまったのだという。
夏奈が周囲に目をやると、ファン達がそそくさとハプニングを起こすのに使っていた諸々の道具を隠す。
「と、とにかく! あなた達を倒してライブ再開です!」
「行くぞォォォ!! バニーたんのライブを邪魔するやつらを追い返すんだァァァ!!」
絶叫をあげて突撃して来るファンクラブ。
だが、突撃一辺倒の動きでは、灼滅者達の敵ではなかった。
「きゃ、きゃぁぁぁぁ!!」
「バニーたんがやられそうだ! 避難させろ!!」
ヴァンが繰り出した槍に倒れるバニーが、アンデッド達によって避難させられていく。
「深追いは禁物ですかね……あまり緊張する相手ではないような気もしますが」
引っ込んだ敵は、まだ戦力を残しているようだ。
ヴァンたち灼滅者は、一旦その場を退くのであった。
→有力敵一覧
→(2)阿佐ヶ谷北市街地(56勝0敗/戦力1988→0/制圧完了!)
→(3)杉並区荻窪体育館(29勝0敗/戦力1925→475)
→重傷復活者一覧
→死亡者一覧
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戦功点の★は、「死の宿命」が付与されていることを表します。