■第5ターン結果
●都立杉並高等学校
(6) 都立杉並高等学校 Battle:3
都立杉並高等学校の校庭に広がる召喚円。
召喚円の周囲では、淫魔達が踊り狂い、次々とソロモンの悪魔が召喚し続けられている。
「無様なものね、アモン様。折角だから、あなたの残した遺産は、この私が受け継がせてもらうわよ」
召喚円の儀式をみながら、笑みを浮かべるのは、ソロモンの悪魔・美醜のベレーザこと、ベレーザ・レイド。
地上の戦いは、どうやら敗色濃厚ではあるけれど、偉大なる蒼の王コルベインの水晶城がある限り、最終的な勝利は揺るがない。
ならば、この召喚円を守る事が、自分ができる最良の選択である。
それが、ベレーザの決断であった。
アモンの組織をそっくり頂いたとしても、その組織は鶴見岳と阿佐ヶ谷の敗戦で随分と弱体化しており、ダークネス組織としての体裁を保つのは難しい。
この劣勢を覆すためには、蒼の王コルベインの後ろ盾は、是が非でも得なければならないのだ。
幸い、窓口にあたる鍵島は、話の通じる男であるようだし、この苦境さえ凌げば、今後の展望は明るいだろう。
「だから、私は、あなた達なんかに殺されはしないのよ」
橙堂・司(獄紋蝶々・d00656)の閃光百裂拳を受けた、ベレーザは、素早く身を翻して逃走する。
蒼の王コルベインが勝利するまで、生き延びさえすれば、活路は開ける。
あとは、時間との戦いであった。
(6) 都立杉並高等学校 Battle:6
召喚円の前で踊り狂うカルマクィーン達。
その姿は、まさに、サバトのようであった。
カルマクィーンは、淫魔らしい露出度の激しい服装で衣装を揃えていたが、その踊りは、芸術的な観点からも素晴らしいものとなっていた。
まるで、アイドルグループのバックダンサーであるかのように。
そうひとりごちたアンリエル・クロスライン(アイソレータ・d09756)の言葉に、カルマクィーンのリーダーである、ヒヒイロカネ銀虎がフフンと自慢げに口を開いた。
「当たり前よ。私達は、ラブリンスター様のバックダンサーなのだから。演歌の若様みたいな、下品な淫魔と一緒にされたくないわ」
大淫魔ラブリンスターのバックダンサーというのが、どの程度の地位であるのかは判らない。
だが、その地位に、銀虎は誇りを抱いているのは間違い無い。
それゆえか、アンリエルの放ったデッドブラスターは致命傷を与えたに見えたが、銀虎を灼滅するには至らなかった。
「可愛いボウヤね。この戦争が終わって互いに生き残っていたら、ラブリンスター様のライブに招待してあげるわよ。私の最も輝ける場所……ラブリンスター様のバックで踊る姿、見せてあげるわ」
そう言ってアンリエルの前を去る、銀虎。
撃退された筈なのに、その表情は、少しだけ楽しそうな笑顔に見えたのだった。
(6) 都立杉並高等学校 Battle:1
召喚円で儀式を進めるカルマクィーン達。
ダンスが得意な淫魔達が集められた、その戦場を見渡した石田・和也(大罪の処刑人・d09196)は、大淫魔ラブリンスターによって引き起こされた事件を思い起こしていた。
ダンスを志す少女達が、ラブリンスターの呼びかけで闇堕ちさせられ淫魔と化す事件の事を。
もしかしたら、この淫魔達は、その呼びかけで集められた少女達なのかも知れない。
だが、ここは戦場である。
戦場は少しの油断が死を招く危険な場所。
そういった感傷は無用な筈だ。
「名前をおしえてもらえるかな?」
咎人の大鎌を構えて、一人の淫魔に詰め寄る和也。
それに対するのは、カルマクィーン達の中でも、最も初々しい雰囲気を醸し出す一人の少女。
「私の名前? そうね、佐藤・優子だったわ。でも、その名前は捨てたの。冴えない眼鏡と地味なおさげが特徴で、真面目そうだからと委員長を押し付けられるような、そんな娘は、この世界にもういないんだから!」
そういうと「カルマクィーン見習い」佐藤・優子が、見様見真似のダンスでもって、和也の攻撃をかわそうと試みる。
だがしかし、そううまくいくものでは無い。
そして、彼女は、
「とにかく倒す」
という、和也の影喰らいにより、死の宿命を付与されたのだった。
「くっ悔しい! でも、私は生まれ変わったの。だから、絶対に生き延びて……」
そう言って逃げ去っていく優子。だが、死の宿命を受けた彼女が生き残る術は、もう、この戦場を守りきるしか無いのであった。
●怨霊回廊
杉並区役所と隣接した、南阿佐ケ谷駅。
その地下ホームから、灼滅者達は線路の奥へと進んで行った。
9I薔薇が事前に用意した照明器具が、地下を往く灼滅者達の道行きを照らす灯りとして使われている。
やがて線路の先に見えてくるのは、煌めく蒼い水晶だ。
地上にも、姿を見せている水晶の城。
『蒼の王コルベイン』の居城たる『水晶城』へと、能力者達は足を踏み入れる。
生ある者の存在を知った怨霊たちは、その瞬間から灼滅者達の命を啜らんと大挙して押し寄せて来ていた。
「ここまで来た以上撤退は無い! 行くぞ!!」
水晶回廊にひしめく怨霊たちへと、灼滅者達は真っ向から切り込んで行く。
(9) 悪霊回廊 Battle:3
アンデッド達の中でも一際目を引くのは、巨体を持つ死霊の武者達だった。
その巨体を前面に押し出して灼滅者達を切り崩そうとする
『我コソハ二郎三郎丸! 兄弟三人合力シ、こるべいん様ヲ害セントスルモノヲ退ケン!!』
無骨な刃が振り下ろされ、水晶城の回廊を駆け抜ける。
灼滅者達の防具が次々と切り裂かれた。
勢い余って反対側の壁に刀が激突するが、それでも破片一つとして散ることは無い。
「頑丈な城だな!」
「コノ水晶城、貴様ラゴトキニ落トセルモノデハナイ!!」
大刀の一振りが、強引に灼滅者達を斬り伏せようとする。
切り裂かれた空気の悲鳴を伴って振り下ろされる刃。
だが、その一刀の下を、ライドキャリバー 「赤兎」は受け止めた。一心同体を体現するかのような自然さで、赤兎に乗った天城・兎(二兎・d09120)敢然と敵の巨体をにらみ付ける。
『ナント!?』
感嘆するような声でアンデッドが刀を構え直し、しかし再び振り下ろされるよりも速く、赤兎はその名に相応しい速度で回廊を駆け抜ける。
「やってくれるね。それじゃ、今度はこっちの番だ!」
敵の弱点はその巨体そのものだ。
その巨大な刃でこちらを刺し貫こうとすれば、他の屍鬼侍の巨体が邪魔となる。
陰陽師姿のアンデッドや怨霊たちを跳ね飛ばしながら、兎は敵陣へと斬り込んだ。
「こいつでっ!!」
右手で赤兎のハンドルを握ったまま、兎はすれ違いざまにアンデッド達の足を目掛けて閃光百裂拳を繰り出していく。
片足だけを破壊されたアンデッドが転倒し、他の灼滅者達によって灼滅されていく。
『ヤッテクレル……!!』
二郎三郎丸が反応、すかさず刃を振り下ろすも、その瞬間に兎は赤兎を蹴って跳躍した。
咄嗟に翻された刃をギターケースの表面で受け止めると、その重さを利用して跳躍、ぶつけるようにして敵へとっ込んでいく。
落下しながらの拳撃で体の中央一直線に、拳が叩き込まれ、地面に落ちる寸前、赤兎がその体をかっさらった。
「いよいよ大詰め、ってところだねぇ」
兎はそううそぶくと、回廊の先を見つめるのだった。
(9) 悪霊回廊 Battle:16
回廊を満たす怨霊たちは、旧い時代のものが多いようであった。
ノーライフキングが眷属としたアンデッド。
特に古くから活動を続けて来た蒼の王コルベインの配下ともなれば、古い時代の存在が多いのだろう。
サイキックアブソーバーが稼働するより前の時代こそが、ダークネス達が最も活動的に動いていた時期なのだ。
強力な眷属は、強力なダークネスと同様に活動できないはずなのだが……。
「まあ、とにかく突破しないことにはね。チョコッと協力してもらうよっ!!」
そう告げる八木・猪子(チョコレットボア・d10999)は、護符揃えから導眠符を引っ張り出した。次々と投げ付けられる導眠符が、怨霊たちを催眠状態へと陥れ、同士討ちを誘っていく。
「この調子なら……っとなんか大きいのがいるなぁ」
通常よりも大きな体躯を持つその存在は、『慟哭のお登勢』の名を持つ怨霊だった。
『わらわの子はどこじゃ? わらわの子はどこじゃ……?』
数百年の時を嘆き続けて来た怨霊の涙声は、どうしようもない飢餓感と、子供を失った悲しみに満ちていた。その声は、灼滅者達の心すらも惑わせる。
「飢饉か何かで子供を失った……って感じなのかな? チョコッと気の毒だけど、そろそろ泣くのを止めてあげないとねっ」
猪子は猛然と、その大怨霊に向けて駆け出した。響く怨念の声を、彼女の体を覆ったバトルオーラが退ける。
「痛いけど我慢してよ!!」
猪子のオーラで包まれた拳を、さらに炎が覆った。
炎の尾を引きながらのビンタが、怨霊の頬を打ち据える。
水晶回廊の先は、二手に分かれている。
片方はノーライフキングひしめく春の宮。
もう片方は精鋭アンデッド達の待ち受ける控えの間。
いずれを攻め落とすべきか、灼滅者達は考えるのであった。
→有力敵一覧
→(6)都立杉並高等学校(12勝0敗/戦力1785→1185)
→(9)悪霊回廊(81勝0敗/戦力3500→0/制圧完了!)
→重傷復活者一覧
→死亡者一覧
■有力敵一覧
戦功点の★は、「死の宿命」が付与されていることを表します。