■第1ターン結果
迷宮化現象の進む札幌市。
その渦中にあって、灼滅者達は多方面での攻撃を開始する。
地下鉄から変化した迷宮を通じて市内各地に現れた敵は、勢力もバラバラで、連携が取れているとは言い難い。
その点は、灼滅者達にとって確実に付け入る隙となっていた。
●囁く叡智の蜘蛛
シャワシャワシャワシャワ。
八本の脚が蠢き、巨大な蜘蛛が戦場を歩いている。
その黒き蜘蛛は、戦場を巣に見立て、灼滅者達を絡めとろうと陣形を組み迎え撃とうと待ち受けていた。
その戦力は充実し、灼滅者の一部隊など簡単に跳ね除ける事ができるはずだった。
だが、戦場に現れた灼滅者は、叡智を持つ蜘蛛である彼の想定を大幅に上回る大軍であったのだ。
「初戦は大事に……と思ったが、過大戦力だったかな?」
白鳥・悠月(月夜に咲く華・d17246)は、数を減らすべく、妖の槍を振るう。
灼滅者の攻撃により、菊水駅の戦場のダークネスは次々と打ち減らされていった。
「またしても、コルネリウスの邪魔立てか? 我らシャドウが現実世界に戻る事ができる、この札幌迷宮の重要性がわからぬのか」
劣勢に立たされた蜘蛛が囁き声で呟くのは、同じシャドウでありながら、ことごとく自分たちの邪魔をして来た、慈愛のコルネリウスへの恨み事である。
サイキックアブソーバーの影響により、実体を失いソウルボードに逃げ込んだシャドウにとり、現実世界への帰還を果たす事ができる、ラグナロク計画による札幌の迷宮化は、是が非でも実現したい作戦である。
ダイヤのスートを持つシャドウたる、この蜘蛛もまた、現実世界への帰還のために主たるデスギガスの元を離れ、この地を訪れていた。
「それは、違うな」
だが、戦場で、囁く叡智の蜘蛛の言葉を漏れ聞いた悠月は、その言葉を否定した。
「コルネリウスの邪魔立て? そんな話は聞いたこともない。もしそんな話があったとしても、私達に従う義理などないだろう」
それを聞いた囁く叡智の蜘蛛は、体の前で触肢を擦り合わせると、思慮深そうに囁きを零した。
「コルネリウスは関係ないとな。それは良い事を聞いた。灼滅者とコルネリウスの絆が切れたのならば、いくらでもやりようはあるからのぅ」
「どのようなやりようがあるかは判らないが、あなたにはここで死んでもらう……。四大シャドウの確執などしったことではないからな」
悠月は、蜘蛛の眉間を狙うように銀翼弓を構える。
「敵の数を減らすだけのつもりだったが、ボスを討ち取っても構わないのだろう?」
「ほざくわ。たかが灼滅者が四大シャドウを眼中にしないなどと。その傲慢は、許されぬぞ」
悠月の挑発に、蜘蛛は囁きをかえし、前肢をもたげて攻撃の態勢に移ろうとする。
が、それよりも早く理力を蓄えし悠月の銀翼弓が蜘蛛の眉間を貫いていた。
菊水駅の戦場を制圧した灼滅者達。
この戦場の先にいるのは……。
「闇堕ちした仲間を救う為、あなた邪魔だった……それだけだ」
そう言い残すと、灼滅者達は、駆け足で戦場を後にしたのだった。
→有力敵一覧
→(2)中島公園駅(3勝4敗/戦力900→750)
→(5)学園前駅(6勝2敗/戦力1100→800)
→(8)西18丁目駅(7勝2敗/戦力1800→1450)
→(11)菊水駅(31勝10敗/戦力1300→0/制圧完了!)
→(16)北18条駅(21勝0敗/戦力1200→150)
→(19)東区役所前駅(5勝2敗/戦力1100→850)
→重傷復活者一覧
→死亡者一覧
■有力敵一覧
戦功点の★は、「死の宿命」が付与されていることを表します。