サイレーン灼滅戦

    ■第5ターン結果

    ●アンドレアルフスリーダー

    「おや、またいらっしゃったのですか。武蔵坂の灼滅者の皆様。海上都市ニライカナイ、かなり、お気に召したようですね」
     分割存在であるソロモンの悪魔、アンドレアルフスの群れを統率していると思われる、アンドレアルフスの一体、アンドレアルフスリーダーが、灼滅者達に親しげに声をかける。
     そのアンドレアルフスリーダーの両隣には、ほぼ全裸な姿の2体の淫魔がしどけなくしな垂れかかっており、その淫魔達を翼で覆い隠すようにして豊かな双球をもみしだくアンドレアルフスリーダーは、とても満足気だ。
    「恥ずかしながら、私もニライカナイが大変気に入りました! このような気持ちの良い接待を受けられるのは、他には無いでしょう。皆様も、是非、一緒に楽しもうでは無いでしょうか」
     戦いなど忘れて、さぁ、楽しみましょう、そう手を伸ばすアンドレアルフスリーダーは、かなりの割合で、淫魔達に篭絡されてしまっているのだろう。
     分割存在だからなのか、あるいは大淫魔サイレーンと協力する為には、このくらい篭絡される手駒がちょうど良いという事かもしれない。

    「分割存在の癖に、両手に花とは笑わせてくれるぜ」
     ライドキャリバー『ガゼル』を駆り、アンドレアルフスリーダーの前に駆けつけた柳瀬・高明(スパロウホーク・d04232)は、侮蔑の声を上げる。
     だが、アンドレアルフスリーダーは余裕の笑みで答えた。
    「両手? いえいえ、両手に両足にとにかくたくさんですよ。こういう時、分割存在というのも、悪くありません。多対一でも一対多でも、お望みのままですから」
     その言葉の通り、戦場の端のほうでは、アンドレアルフス達と淫魔達が未だにくんずほぐれつ貪りあっているようだ。
     その姿は、まるで、歪んだ欲望が絡み合った肉団子のように見える。

    「悪魔と淫魔か、くそったれだな」
     高明は、その背徳的な体位に生理的な嫌悪感を感じ、怒気を発して、アンドレアルフスリーダーに叩きつける。
     その高明の怒気を受け、ガゼルもまた激しく唸りをあげた……。
     高明とガゼルの怒気を叩きつけられたアンドレアルフスリーダーは、名残惜しそうに淫魔の胸から手を離すと、高明達に向き直った。
    「それでは、時間を稼がせていただきますよ。あなた達を追い払う事に成功したならば、私は、ニライカナイ担当として末永くこの都市で暮らす事ができるでしょう。全ては、私の薔薇色の生活の為に!」
     アンドレアルフスリーダーが緑色の翼をはためかせ高明に突撃しようとする。
     その攻撃には精力が漲っており、このニライカナイで過ごした彼の充実ぶりが想像できた。だが、
    「色欲に溺れたソロモンの悪魔など、俺達の敵では無いんだ!」
     高明は、祭壇武器たるhand for allを真っ直ぐにアンドレアルフスリーダーへと向け、その砲身を支えるように、影業とバトルオーラとがからみつかせる。
     そして充分に引き付けた後、hand for allに奉納された御霊がオーラの砲撃として撃ち放たれたのだ。
     その暴虐とも言える特大の砲撃の前に、アンドレアルフスの防具は完全に破壊され、生まれたままの姿で、その身を地に落とすこととなったのだった。
    「あぁ、私の桃源郷がぁぁ」
     アンドレアルフスリーダーは、その死の最後まで桃色の夢を追いもとめたが……。
     高明のオーラキャノンに続く、ガゼルの機銃掃射の音にかき消されて、その言葉ははかなく消えていった。
    「ある意味、お前さんも淫魔の被害者なのかもしれないな」
     その哀れな死を前に、高明はそう呟やいたのだった。

    ●海将ルナ・リード

     執着灯台コミッサスを守る、海将ルナ・リードである。
     名古屋のハンドレッド・コルドロンの戦場から脱出した、ソロモンの大悪魔、海将ルナ・リードが、沖縄近海の海上都市ニライカナイに現れたのは、意外とはいえ、不思議では無かったのかも知れない。
     いや、海将の名を持つ、ソロモンの大悪魔が、海中から浮上するニライカナイの動きを感知できたのは当然の事かもしれない。

    「海で起きていることに、この海将に知らないことは無いと知れ」
     ルナ・リードは、コミッサスへとやってきた灼滅者に無表情に言い放っていた。
     その様子からは、迷いなどは全く感じられない。
     おそらく、ハンドレッド・コルドロンの儀式で蘇ったのは、ダークネスとしてのルナ・リードであり、灼滅者としての彼女は蘇っていないということだろう。
    「再び死を与えようというのですね。このわたくしに……ならば抗うまで!」
     海将の攻撃の内に、暗い復讐の念が滲む。
     出来る限りルナ先輩の説得をと考え、戦闘中も言葉を投げかけ続けていた、ライラ・ドットハック(蒼き天狼・d04068)達だったが、その祈りはどうやら通じなさそうだと悟らざるを得なかった。
    「ハンドレッド・コルドロンのような外道の儀式で、灼滅者であるルナ先輩の魂が蘇る筈もない、か。……あなたは、ここで滅ぼすべきダークネスでしかない」
     ライラは覚悟を決めると、妖の槍S-Rifle【ゲイ・ジャルグ】の銃口を海将ルナ・リードに向ける。
     それに対し、海将ルナ・リードもまた、海将の象徴とも言える槍を向けてきた。
     ルナ・リードの押し寄せる波のような槍撃がライラを襲う。
     それを、捌き、流し、そして打ち返すライラ。
     だが、海の波が尽きぬように、ルナ・リードの槍撃も尽きる事無く繰り出され続ける。
    「さすが、ソロモンの大悪魔の力ね。でも……、あなたは、ダークネスの力だけを再生された不完全な存在に過ぎないわ。その証拠に、私さえ未だに倒せていないっ!」
     そのライラの声に不快な表情を浮かべたルナ・リード。
     そこに、月詠・千尋のトラウナックルが襲い掛かった。
     死角からの一撃。しかし、その攻撃をルナ・リードはわずかな体の動きだけで回避してみせた。
    「それで、攻撃をかわしたつもりかな? でも、ボクは当てる気は無かったんだよ。何故なら……。ライラ! 後はキミの役目だ!」
     千尋の声が響いたときには、既に、ライラのS-Rifle【ゲイ・ジャルグ】は、海将ルナ・リードの急所に突きつけられていた。
    「……逃がさない」
     その言葉の通り、ライラの一撃は海将ルナ・リードを撃ちぬいたのだ。
    「またしても。この海将の槍が、灼滅者などに敗れ去るなど……」
     驚愕の表情を作り灼滅されるルナ・リードに、ライラは惜別の意と共に最後の言葉をかけた。
    「救って上げられなくてごめん。そして、何度も辛い思いをさせてごめん。でも、これで本当にさようならよ」
     灼滅された海将ルナ・リードは、ライラの予測が正しかったのか、何の人間味も残す事無く人形が崩れるように塵と化し、海風に消えていくのだった。

    ●根源白濁獣ゲラニドス

     無限なる白濁陣を巡る戦いは、その決着へと突き進んでいた。
     守りを固める淫魔達を打ち破った灼滅者達は、一気に巨大魔法陣上へと攻め入った。
    「根源白濁獣、か。なんとも正気を失いそうな姿だな」
     セレス・ホークウィンド(白楽天・d25000)達へと、無数の触手の集合体かの如き、異形の肉塊が灼滅者達へとその触手を向ける。
     触手の先端から滴り落ちる白濁液は、魔法陣と結びつくと、重力を無視するかのようにサイレーンの褥の方角へと向かっていく。
     間近で見れば、この異形の淫魔が魔法陣の中核であることは明白だった。
    「まあ、迷惑だから魔力で抑え込んでいたのか……」
     セレスは、そんな風に推測した。
     だが、巨大な存在という意味であれば、灼滅者達は既に幾度となく戦いを繰り広げて来ていた。
     セレス・ホークウィンド(白楽天・d25000)は鳥の翼と化した腕を一打ちし、魔法陣ごと穢すかのような勢いで放出される汚らわしい液体を避ける。
     魔法陣自体、この存在が核となっているからというのもあるのだろうが、周囲が破損してもお構いなしといった様子だ。
    「全く、笛でも吹いてどうにかなる相手なら良いのだがな!」
     振り下ろされた太い触手へと、手にした妖槍ツグルンデを突き入れる。
     切り開くようにして穂先を振るえば、おぞましい白色をした内の肉が覗いた。
    「攻撃は通じる! 叩き潰すぞ!!」
     セレスの声にこたえ、灼滅者達は怪物じみた異形の淫魔の解体にかかる。

    『GRNYYYYYYY!!』

     小さき者共を蹂躙するべく突撃して来る巨体を抑え込むと、触手を次々と切り裂いていく。海を渡って来る潮風を上回る悪臭が、灼滅者達の周囲を包み込んだ。
     それを意に介せぬとばかり、再生を繰り返す触手の塊。
     だが、その再生にも限界は見えた。
     やがて切り開かれた触手の森の最奥に見えて来るのは、半ば以上を獣と化した、一体の淫魔の姿だ。
    (「女か」)
     胸のふくらみに、淫魔の性別をセレスはそう判断。
     だが、頭部や首からも生える触手は彼女の顔を見せない。
    「仲間の欲望のために、その身を捧げたか……」
     セレスは解体ナイフ『エアリアル』を握り直す。
    「獣と化した姿、その最果てか。あまり魅力的な姿とは見えんがな」
     振り下ろされた触手を足場に飛んだセレスは、逆落としに淫魔の胸へとナイフを突き入れられる。白濁ならぬ血がしぶきをあげたかと思うと、見る間に巨大な触手の塊は消滅していく。
     魔法陣から流れ出していた白濁液も止まり、それまで漂っていた悪臭が嘘のように掻き消えた。
    「これで、サイレーンの褥の戦力回復は止まったか。後は……」
     もう一つの魔法陣を止めるか、今すぐに攻め込むか。
     殲術再生弾の残り時間が迫る中、灼滅者達は判断を迫られていた。

    →有力敵一覧

    →(6)密通街道 ダルテリウム(1勝1敗/戦力750→700)

    →(7)色情海岸 レシピスコン(1勝0敗/戦力800→750)

    →(8)獣欲鉄橋 クレアチュア(1勝0敗/戦力850→800)

    →(10)誘惑華園 アペラティオン(0勝1敗/戦力1500→1500)

    →(11)邪淫隧道 キケロニア(1勝0敗/戦力850→800)

    →(12)嬌声劇場 ヴィソピドゥム(0勝1敗/戦力900→900)

    →(16)執着灯台 コミッサス(16勝2敗/戦力700→0/制圧完了!)

    →(21)無限なる白濁陣(20勝4敗/戦力900→0/制圧完了!)

    →(23)サイレーンの褥 マーレバビロン(0勝1敗/戦力1800→1800)

    →重傷復活者一覧

    →死亡者一覧

    ■有力敵一覧

    有力敵 戦功点 現状

    アンドレアルフスリーダー
    240
    (16)執着灯台 コミッサス:Battle3にて、柳瀬・高明(スパロウホーク・d04232)に倒される。

    海将ルナ・リード
    1425
    (16)執着灯台 コミッサス:Battle4にて、ライラ・ドットハック(蒼き天狼・d04068)に倒される。

    根源白濁獣ゲラニドス
    1350
    (21)無限なる白濁陣:Battle1にて、セレス・ホークウィンド(白楽天・d25000)に倒される。

    戦功点の★は、「死の宿命」が付与されていることを表します。

    戦闘結果を取得しています。しばらくお待ちください。

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