垓王牙大戦

　ガイオウガの尾の『殲滅』側のガイオウガの意志に従うイフリート達は、灼滅者達の攻撃を受けてその戦力を大幅に減じていた。
　攻めたてられていた『協調』側イフリートの方にも、一応の猶予は生まれている。

「この調子ならば、じき尾を切り落とせるようになるだろうが、それで構わないのかね？」
『シカタナイ。イフリートハ破壊ヲ好ムモノ。意志ノ大勢は『殲滅』デ固マッタ。コノママデハオレタチノ意志ガ消エルノモ時間ノ問題』
　ワルゼー・マシュヴァンテ（松芝悪子は夢を見ている・d11167）の確認に、『協調』側のイフリートであるヒイロカミがそう告げる。
　ガイオウガが完全に実体として現れている現在、このまま『協調』の意志を持つ側が垓王牙にくっついたままでいれば、完全消滅させられるまで時間がかからないだろうというのは、『協調』側も認識している。
　垓王牙焔炉が健在の状態で本体と切り離されて、意志と力を長く維持できるかは試したことがないので分からないとのことだが……。
　いずれにせよ、『協調』側の協力の元、尾を切り落とせるようになるのは間もなくであろうと思われた。

　もっとも、灼滅者達の側にも時間的余裕はあまり残されていない。
　百竜包囲陣の本陣戦力はいまだ健在。
　加えて、その後ろには、本陣を上回る戦力を維持した垓王牙焔炉が存在している。
　殲術再生弾の効果時間終了は、刻一刻と近づいていた。

・特殊ルールにより、（2）～（11）のうち制圧されていない戦場の戦力が600に戻りました！ ・(2）～（11）を制圧した際、援軍を絶たれた戦場は、戦力が発動時の『７０％』に減少します（同時に２つ以上発動した場合、重複して減少します）